登録日:2017/09/30 Sat 09:31:46
更新日:2025/03/31 Mon 21:34:12
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都営地下鉄浅草線とは、東京都大田区の西馬込駅から墨田区の押上駅までを結ぶ東京都交通局の地下鉄路線。
鉄道要覧には1号線浅草線と記載されており、開業当初は都営地下鉄線、1968年から1978年までは「1号線」の案内が使用されていた。
ラインカラーはローズで、路線記号は「A」。
概要
都営地下鉄最初の路線で、東京の地下鉄では初めて架空電車線方式を採用した。
押上駅で京成電鉄(北総鉄道・芝山鉄道線)、泉岳寺駅で
京浜急行に接続し、京成の
成田空港から京急の三崎口まで結ぶ広大なネットワークを形成しており、寝過ごすと大変なことになる。
全線が地下に存在するが、西馬込駅近くにある車両基地は地上にあり、そこへつながる引込線は高架線になっている。
1964年の東京オリンピックに間に合わせるべく工事が進められていたが、結局間に合わずオリンピック期間中は工事を中断していた。
西馬込駅が最寄りの馬込車両検修場1箇所を自路線の車両基地として持つ。この基地には自局車両のほかにや乗入れてくる各社の車両も入庫する。
検修場内にある工場では浅草線の検査・修繕だけでなく、
大江戸線車両の検査も担当している。
ただし、大江戸線車両はリニアモーターで動く関係上、リアクションプレートが線路内に設置されていないと動けないため浅草線内は電気機関車に牽引されての回送となる。
全通前の計画では大門駅地下に車両基地を建設する予定だったが、用地面積の問題などから結局中止されている。
運行形態
北行/南行共通でエアポート快特・特急・普通、北行にアクセス特急・快速特急・通勤特急・快速、南行に快特・急行が運行されている。
種別は多彩だが、線内は原則各駅停車で、通過運転を行うのはエアポート快特のみ。
どの列車にどの会社の車両が使われるかは列車番号末尾のアルファベットで識別できる。
- T: 都営地下鉄
- N: 北総鉄道・千葉ニュータウン鉄道
- K: 京成電鉄
- H: 京浜急行
列車番号は市販の時刻表のうち交通新聞社が発行する「MY LINE東京時刻表」や「京成時刻表」でも確認出来る。
また、駅に貼られている業務用時刻表にも記載がある。
車両
開業当初は2両編成で運用されていたが、次第に増結され2014年11月からは全列車8両での運行となった。
4つの会社が乗り入れているため、車種については非常に多彩で、2022年現在は14形式が乗り入れる。
過去も含めるとその数はあまりに多いため、本稿では乗り入れ車両については簡単な説明に留める(
こちらも参照)。
現行車両
自局
5300形置き換え用として2018年6月から運行開始。歌舞伎座の最寄り駅を通り、外国人観光客を意識してか隈取りをモチーフとしたデザインが特徴。
最高速度は120km/hとなっており、2022年からスカイアクセス線直通運用にも使用されるようになった。
浅草線の自局車両で、ラインカラーのローズが配された車両は実はこの形式が最初。
大江戸線12-000形、12-600形を馬込車両検修場まで回送する時に使用する電気機関車。
日本の地下鉄事業者が保有する唯一の電気機関車である。
乗り入れ各社
京浜急行
京急の主力車両。アルミ・ステンレス車ともに乗り入れる。
次車ごとに大きく違いがある。
オールクロスシートで登場した優等用車両。現在は車端部と運転席後方を除きロングシートに改造されている。
角ばった車体が印象的な車両。京急初のVVVF車。
京成電鉄
京成の主力通勤車両。現在乗り入れるのは8両だけ。
2019年に登場した通勤車両。在籍するのはスカイアクセス線直通用の50番台のみ。
京成通勤車で初めてVVVF制御を採用した車両。8両編成が乗り入れる。
北総鉄道
京成3700形の北総鉄道バージョン。なお、7800形は京成からのリースである。
老朽化したゲンコツ電車7000形の置き換え用に登場した車両。京成3000形の北総鉄道バージョン。
千葉ニュータウン鉄道が所有する電車。「C-Flyer」という愛称を持っている。
メカニズムは7300形と共通だが、車端部のクロスシートやライトを前面中央部に配置したデザインなど意欲的な設計となっている。
京成3000形の千葉ニュータウン鉄道バージョン。
老朽化した千葉ニュータウン鉄道9000形の代替として、京成3700形が千葉ニュータウン鉄道にリースされたもの。
過去の車両
開業と同時に導入された。
同時期に導入されていた
丸ノ内線の500形電車によく似た外観で、塗装は乗り入れ先の京成赤電に似たものとなっていた。
1981年から塗装変更が開始され、クリームに赤帯を巻いた軽快なものとなった。
冷房化改造は行われなかったため、1995年に全車引退。
1976年に6連2本が導入された。
名目上は5000形の6次車であるが、車体はステンレスで冷房準備工事を実施済みと三田線の6000形や新宿線の10-000形に近い見た目となっている。
1988年に冷房化が実施されており、浅草線の都営車では初となった。
1996年に8両編成化され1編成のみとなり、2006年に引退。
5000形の置き換え用として1991年に登場。別名白い悪魔。
18m級8両編成で、ミニスカートの初期型とロングスカートの後期型の車両がある。
最終編成である5327編成は120km/h運転ができる性能を持っていたが、その性能は生かされることなく廃車となってしまった。
5500形の導入に伴い、2023年で引退。
駅一覧
起点駅。都営地下鉄の駅・都内の地下鉄の駅で最も南側にある駅で、冒頭でも記述の通り車両基地所在駅。線路はホーム終端で行き止まりになっているわけではなく、そのまま引き上げ線へと延びている。
大田区立馬込図書館最寄り駅。
東急大井町線乗り換え。ただし駅の所在地は地下鉄は東中延二丁目、東急は中延四丁目になっている。
東急池上線(戸越銀座駅)乗り換えだが、両駅は少し離れている。かつて中延方に非常用の渡り線があった。
駅名は高輪地区の高台に位置することから。三田線日比谷~三田間開業前は都営地下鉄で最も深い場所にある駅だった。
京浜急行本線乗り換え。山手線・
京浜東北線高輪ゲートウェイ駅とも近接。
島式ホーム2面4線を持ち、押上方には泉岳寺止まりの列車が使用する引き上げ線が設置されている。
駅名は赤穂浪士の墓所として知られる萬松山泉岳寺というお寺に由来する。駅名についてお寺から裁判を起こされたことも(結果は最高裁まで争って原告敗訴)。
日比谷線乗り換え。
相対式ホーム2面2線を持つが、上下線の間に昭和通り三原橋交差点のアンダーパス・地下公共駐車場がある関係上、お互いのホームを見通すことは出来ない。
日比谷線と浅草線のホーム番号は通し番号になっている。
歌舞伎座の最寄駅。
連絡駅に指定されてはいないが、徒歩で京橋・八丁堀・
東京の各駅へ行くことも出来る。
銀座線・
東西線乗り換え。泉岳寺方面ホームと押上方面ホームを改札内で行き来することは出来ない。
泉岳寺方面ホームの改札口には
茅場町駅に出る通路がある。
開業当初は江戸橋駅と名乗っていた。
日比谷線乗り換え。開業当初は終着駅だったので日本橋側の現在の本線を引き上げ線として使用していた。
東銀座同様日比谷線と浅草線のホーム番号は通し番号になっているが、こちらは日比谷線が上で浅草線が下。
また、半蔵門線水天宮前駅とは5分程で乗り換え可能で、2018年3月17日より乗換駅となった。
都営新宿線(馬喰横山駅)、JR
総武快速線(馬喰町駅)乗り換え。
問屋街の副駅名がある。
新宿線とは改札外乗り換えとなっている。
JR
総武線各駅停車乗り換え。台東区の駅で最も南に位置する。
押上側に渡り線と引き上げ線1本を有しており、押上方面への始発・押上方面からの最終列車が使用している。
ここから押上側が最初に開業した区間となる。
都営大江戸線乗り換え。
ただし大門とは異なり、両路線の駅は地下で繋がっておらず、乗り継ぎ改札を通って一旦地上へ出ての乗り換えとなる。
駅名は本所と吾妻橋、2つの地名に由来する。
京成押上線との境界駅で、
半蔵門線、東武スカイツリーライン乗り換え。線路はそのまま京成線へつながっており、ほとんどの列車が京成へ直通する。
他社線と同様に「スカイツリー前」という副駅名がある。
京成電鉄の管轄のため、改札にはスカイツリーに見立てた
京成パンダのオブジェがあったが気が付くと撤去されていた。
追記・修正よろしくお願いします。
- 1つの路線に4つの会社、ある意味では実にトンデモな路線。けど、慣れるとこれはこれで結構使い勝手は良かったりする。 -- 名無しさん (2017-10-04 03:22:47)
最終更新:2025年03月31日 21:34