ネザーキョウ

登録日:2025/06/23 Mon 01:38:30
更新日:2025/06/23 Mon 01:38:31NEW!
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「ネザーキョウ」とは『ニンジャスレイヤー』第4部シーズン3における敵組織。漢字表記は「ネザー京」。nether(低地の・地獄の)・京都を指す。
古代リアルニンジャ「アケチ・ニンジャ」が旧カナダを支配し、故郷であるキョートに寄せて作り替えた国家。

◆概要◆

現代に蘇ったアケチ・ニンジャ、またの名をタイクーンが旧カナダに打ち立てた国家。
旧カナダ全域を支配しているわけではなく、ブリティッシュコロンビア州からマニトバ州までにかけてのカナダの半分程度が支配域となる。*1
故郷を懐かしんだタイクーンによって文化や生態系が彼にとっての理想に作り変えられているのが最大の特徴であり、黒漆瓦屋根の家々や複数の五重塔が並び、血の川が流れる歪な地と化している。

また、大地自体が地獄に近い精神世界ネザーオヒガンと接続しているのも大きな特徴。これによりカナダの大地そのものが歪められた結果として、黒帯を締めて狂暴化したカラテビーストが徘徊する魔境と化している。
この接続はネザーキョウの首都「ホンノウジ」のポータルにより行われており、ホンノウジにおいてはネザー由来の怪物「オニ」や「ヘグイ」なども漏れ出てしまっている。


◆沿革◆

第三部における月破砕の余波に伴いネザーから帰還したアケチ・ニンジャが、広大なカナダの大地を支配して成立した国家。
成立から10年を経て世界征服に乗り出したことで、ネオサイタマに帰還しようとするニンジャスレイヤーとたびたび衝突することとなる。

特徴としては、カラテ至上主義を掲げ、タイクーンが惰弱と見做した文化……具体的にはインターネットなどの文明の利器が強く根絶されていることが挙げられる。

ネザーキョウの真の目的はネザーオヒガンを現世に呼び戻し、以て世界を征服する「天下布武(ネザーフォーミング)」にある。
領内でインターネットが禁止された真の理由は、既存のネットワーク帯域を首脳部で独占し、電子戦争時代の豊富なネットワーク帯域を魔術的に利用して世界の大半をジゴクに落とす準備であった。

◆構成員◆

第六天魔王大君

  • アケチ・ニンジャ/タイクーン
かつて私兵集団「アケチ・ウォリアー」を率いて各地を荒らし回ったというリアルニンジャ。ニンジャスレイヤー世界における明智光秀その人。
平安時代に主君オダ・ニンジャを葬り去り、ホンノウジの炎とともにネザーオヒガンの果てに失踪した。
江戸時代に復活するも柳生ウォンジの手によりネザーオヒガンに再度封印されていたが、第三部における月破砕の余波を受けて2度目の復活を果たした。

オダ・ニンジャより奪った2本の腕を合わせて4本の腕を持つニンジャであり、4本腕のカラテは戦闘上で非常に有利。
オダの魔剣ヘシキリブレードと赤漆塗りのヤリ・オブ・ウォーロードを帯剣しており、これらの神器を同時に振るってなお両手がフリーであるという利点も持つ。
乗騎である邪龍オオカゲによる飛行能力も含め、
さらにニンジャスレイヤーを圧倒するほどのカラテを持ちながらも、これはネザーを放浪するにあたり後天的に身に着けたものに過ぎず、本来はその強大かつ多彩なジツを主軸としたニンジャである。
五芒星*2を刻んだ相手にカラテを付与、あるいは剝奪するユニーク・ジツ、「キキョウ・ジツ」を持つ。
これにより
  • 非ニンジャのモータルに「コクダカ*3」として刻み付けることで強制ニンジャ化。ニンジャとしては本当に最底辺のカラテしかない「ゲニントルーパー」としてだが、ニンジャ戦力を大量に生産可能。
  • 同様にニンジャにコクダカを付与することで、半ば強制的に従わせることが可能。これはアケチ以上の格を持つ古代リアルニンジャにさえ有効。
  • 相手の身体に打撃と同時に桔梗紋を刻み付けることでカラテを簒奪、あるいは金縛り状態にする
  • 現世とネザーをつなぎ合わせ、ネザー由来の怪物を召喚使役する
  • 当たればニンジャでも即死は免れないネザーヤリの生成と流星群のような乱射
  • 惑星上の四ヶ所に超自然の破魔矢を撃ち、ホンノウジと合わせて五点で五芒星を形成、世界規模でネザー由来の怪物を暴走させる「天下布武(ネザーフォーミング)」
等が可能。

その本質は、オダとの戦いに不本意なままに勝利してしまったがために、今度こそは真の強者と、心行くまでカラテがしたい、欠落を抱えたカラテ至上主義者である。

親王

  • アケチ・ジョウゴ
アケチ・ニンジャの子。元ネタは明智光秀の子明智光慶十五朗か。
通常ニンジャは子を為せないため、古代アケチ・ニンジャの子が存在すること自体に謎が残る。
+ その正体
その正体は、死亡したオダ・ニンジャの死骸とソウルの残滓に、アケチ・ニンジャのキキョウ・ジツ、そしてネザーの力が流れ込んで再誕した存在。
明智光秀と織田信長の間に生まれた子という正体はヘッズにアケチ・リアリティ・ショックを引き起こした。
ニンジャスレイヤー全体を見ても非常に謎めいた事象であり、さらに生み出したアケチ・ニンジャ自身も意図的に生み出したわけではない完全な奇跡の産物である。

ニンジャとしての特徴を持ち、ザ・ヴァーティゴ=サン曰く「リアルニンジャである」らしいが、それでもその出生の関係でニンジャソウルを持たず、さらにネザー、およびネザーの大気が流入するネザーキョウの外では活動できないという非常に不安定な存在である。
自身に欠落を抱えており、その欠落をナラク・ニンジャを取り込むことで解決できると考えている。
これによりニンジャスレイヤーと対立し、その力の源である「ギンカク」を経由しナラクの力の一部を手にするに至った。

かつてオダ・ニンジャが用いたとされる、とくに青銅像を自在に操る「カゲムシャ・ジツ」の使い手。
2体の青銅ロボ「コヒバリ」「テンマ」を操り戦う。

アケチ・シテンノ

アケチ・ニンジャ麾下の精鋭ニンジャ集団。アーチソウル憑依者どころか神話級リアルニンジャまで擁する。
ザイバツ・シテンノと異なり、四天王なのに四人ではない
これはタイクーンが「シテンノは4人でなければならない」という惰弱な言葉遊びを嫌うからだ。

  • インヴェイン
クロームのキツネ・メンポを装着した美形の剣士ニンジャ。
主君であるアケチ・ニンジャよりも旧い神話級リアルニンジャであるが、敗北し、コクダカにより縛り付けられている。
その正体は、かつてサツガイの力によるヒャッキ・ヤギョ(百鬼夜行)にて復活した「ヒャッポ・ニンジャ」
ニンジャスレイヤー世界において、弟ゴジュッポ・ニンジャとの戦いが「ゴジュッポ・ヒャッポ*4」の語源となったという古代ニンジャ。

美剣「オシマエ」による斬撃はもはや空間切断の域に達しており、地平線の果ての敵ニンジャを切断し、上空を飛行する戦闘機を切断する長射程を持つ戦術級の剣術を誇る。

  • クセツ
黒い包帯で全身を覆った謎めいたニンジャ。
元はネザーの出身であるようで、ネザーの炎で敵を焼き尽くすネザー・カトンの使い手。
+ その正体
その正体は、古代リアルニンジャランマル・ニンジャ。ニンジャスレイヤー世界での森蘭丸本人である。
オダ・ニンジャの配下であったが、アケチの謀反により主君を失ってしまう。
主君を探しネザーを放浪していたランマルであったが、ジョウゴ親王の正体と生まれた経緯を知ることで、主君の忘れ形見であるジョウゴ親王に尽くすため、逆賊であるアケチ・ニンジャの元に正体を隠し仕えることとなった。

  • クワドリガ
4頭立てのカラテビースト馬車に乗った武人ニンジャ。
北米でゲーテッドコミュニティから弾き出され野人化した〈消失者〉の出身。
鍛え上げられたカラテでさまざまな武装を扱う無双の戦士であるが、やや暑苦しい、というかニンジャスレイヤー世界でもなお異質なサムライめいた価値観を持っており、任務失敗時にはセプクも辞さない。

  • ザンマ・ニンジャ
狂えるニンジャ英雄。
主君であるアケチ・ニンジャよりも旧い神話級リアルニンジャその2。
かつてニンジャ大戦において父祖カツ・ワンソーの死体に二の太刀を浴びせようとネザーに突貫、ネザーで放浪しているところをタイクーンに発見され配下となった。

ジツどころかスリケンを投げることもない、純粋に身体能力だけが極まった狂戦士。
呪われし巨大両手剣ザンマブリンガーを振り回し、さらに投擲武器としてすら活用する。投げられた巨大剣はひとりでにザンマ・ニンジャの手元に戻る。
さらに剣術を含まぬ徒手のカラテにおいても神話級の猛者である。

  • ヘヴンリイ
ジャキ・ニンジャのソウル憑依者。シテンノの紅一点。
ヘヴンリイが宿すニンジャソウル、ジャキ・ニンジャは、アラシ・ニンジャの直弟子の一人として知られている。
これにより、打撃に雷電を纏った衝撃波が付随する「帯電ソニックカラテ」を可能とする。
過去のソニックカラテの使い手と比べてもソウルの格が高いためか、大気を蹴って飛行することさえ可能とする。

本名「ザラ・ユーファン・クヌマ」。カナダの避難キャンプの浮浪児であったがネザーに迷い込み、半鬼半人に変性した。
当時は蔑まれながらもそのカラテでオニの首領となっていたが、ニンジャソウル憑依に伴い断片的に記憶を取り戻したようだ。

  • リディーマー
元・アメリカ空軍大尉であったビッグニンジャ。かつての名をコールリッジ。
祖国の滅亡に際し文明社会や資本主義に絶望しネザーキョウに下った裏切者。
……であるにもかかわらず、ネザーキョウに下ってなおも武器の生産などのテクノロジーを抱えて悦に浸っており、エゴの一貫性がない俗物というほかない。
確かなカラテの力量を持ち、とくに膂力は十全なニンジャスレイヤーに正面の力押しで有利に立つほど。
持病により生命維持装置に繋がれているが、別に破壊されても数日は生きていられるらしく、まったく弱点として機能していない。


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最終更新:2025年06月23日 01:38

*1 それより北の亜北極圏はイタカ・ニンジャ/ガルガンチュア、またの名をウインドウォーカーの支配域であり、それ以外の地域はUCA(ユナイテッド・コープス・オブ・アメリカ)と呼ばれる暗黒メガコーポ連合体により旧アメリカ合衆国と合わせて統治されている。

*2 桔梗紋とも。明智光秀の家紋「桔梗紋」に由来すると思われる。桔梗紋を簡略化した図案として晴明桔梗というものがあり、これは五芒星と全く同じ図案である。

*3 石高。土地当たりのコメの収量を指す。江戸時代にはこれを与えることで(例えばN万石の大名の様に)地位を与えていたことに由来すると思われる。

*4 現実世界の「五十歩百歩」と大枠では同じ意味だが微妙にニュアンスが異なり、「実力伯仲」「(主に高いレベルで)拮抗している」を指す。