結物語

登録日:2017/12/23 Sat 22:27:13
更新日:2024/08/07 Wed 20:47:33
所要時間:約 3 分で読めます






“私は何も知りませんよ。あなたが知っているんです―――阿良々木警部補”


永遠に、この恋心はほどけない(・・・・・)





概要

『結物語(ムスビモノガタリ)』は講談社BOXより刊行されている、100%趣味で書いた将来を描いた小説。
西尾維新による物語シリーズの通算22冊目にあたる。
挿絵はVOFAN。

番外編であるオフシーズンの最終作にあたり、本作はこれまでの時系列から大きく離れ、『花物語』の4年後、、阿良々木暦が23歳の社会人になった様子が描かれる。
無論、他の物語シリーズヒロインズの成長した姿も一部ではあるものの描かれており、それぞれ成長したり相変わらずだったりする部分を微笑ましく、あるいは残酷に描写されている。

普通の小説シリーズならば本作がエピローグとして位置づけられるが、巻末にて暦の大学生活の事件を描いた『モンスターシーズン』の刊行が決定。
まだまだ物語シリーズは終わらない。




登場人物

直江津署風説課の面々

臥煙伊豆湖の裏工作で設立された、直江津市で広まっている「風説」を取り締まり、怪異による事件を未然に防ぐための警察部署。
一応外部には「事件を発生前に未然に防ぐための部署」として認識されている。
所属メンバーのほとんど(甲賀課長のみ純人間)が怪異由来で、捜査や事件解決に能力を発揮することが多い。

ご存じむっつり主人公。23歳。
大学を卒業後、両親の後を追う形で国家試験をパスし、新米警部補として直江津署風説課で研修することとなる。
元最強の吸血鬼を影に入れている半人前の吸血鬼という経歴を買われ(伊豆湖の口添えもあった)、4カ月の研修期間に怪異探しの戦力として働く。
高校三年以降数々の事件に巻き込まれ世間の荒波に揉まれるもそれほど成長した自覚もなく、久しぶりに故郷へと帰った。
そこで彼を待ち受けていたのは、4年の月日を経て変わった同級生、後輩、怪異たち。一方で自分の「変化」、「不変化」を見つめなおすこととなる。

  • 周防全歌(すおう ぜんか)
先輩婦警の一人。26歳。
高校生の頃トラックに轢かれ、落ちた先の用水路で人魚と出会い、その人魚の肉を食べて不死の力を得て、水が体に浸かると人魚(半魚人)になってしまう体質を得た。
というのも、ジュース程度の水でも被ると魚化し、鰓呼吸により地上で活動できなくなるほど深刻な体質となっている。
どの魚に変身するかは、水の種類や周囲の環境によるらしい。
面倒見のよく人当りもいい大人の女性で、暦をお姉さん感覚で可愛がっている。

  • 兆間臨(きざしま のぞみ)
先輩婦警の一人。29歳。
小学生時代に一度死亡したが、祖父母が製作した泥人形に魂を入れられ、ゴーレム人間として第二の人生を歩み始める。
見た目は小学生の頃のままなので見た目ロリのアラサーであり、この外見を駆使して子供とのコミュニケーションに長けている。
泥でできた体のため水は必需品であり、必要とあらば全身に水をかけて形象崩壊させ、地面に染み込ませることも可能。

  • 再埼みとめ(さいさき みとめ)
先輩婦警の一人。
人狼一族の末裔に生まれ、狼に変身する能力を持っているが、能力自体は完全にコントロールしている。
男勝りの屈強な肉体で数々の特殊部隊に所属し、難事件を解決し、組織への忠誠心も高い「犬のおまわりさん」。
押しの強い性格で、暦に対しても何かと詮索するような態度を取る。

  • 甲賀葛(こうが つづら)
風説課の課長。
風説課の中で唯一怪異に関する経歴を持たず、怪異を見ることも出来ない純粋な人間。
ゆえに、風説を取り締まる課としてふさわしいとして伊豆湖の太鼓判を得て課長に就任した。
暦の能力を認めてはいるが、最終的に彼に自身の進む道を尊重させている。


お馴染みのメンバーたち

ご存じ暦の彼女。
大学時代に2回喧嘩した後に2回別れ、現在遠距離恋愛中。
父の背中を追う形で父のライバル企業に就職し、金融トレーダーとして海外でバリバリ働いている。
暦の研修期間が終わる頃、正式に海外勤務になるか否かの選択でまた彼と喧嘩して別れてしまうが…?

ご存じ元完璧な委員長。
海外に出て活動家として活躍していたが、あれよあれよという間に戦争調停者として活躍、さらに国境を消すことを目標とした革命家となり、世界中で危険視される人物となってしまった。
そして直江津市に、自身の痕跡を抹消するために帰国し大騒動となるが、何故か阿良々木家に遊びに訪れ、暦に衝撃の告白を…?

ご存じメンヘラ幼馴染。
大学で暦と再会し、ひたぎと共に良き友人となったかに思えたが、一度彼女が仲を取り持ったひたぎと暦の喧嘩で完全にブチ切れ絶交を言い渡し疎遠となっていた。
しかし、市役所で働いている現場で暦と再会、再び憎まれ口を叩き合う仲に戻ることとなる。

ご存じ変態バスケ部員。
沼地蝋花との件からスポーツドクターを志し、体育大学の医学部に進学。現在はバイトとして直江津市の病院でナースのお手伝いをしている。
大学生活を経てひたぎや暦の他にも色々な人間と交流し、バスケの道にも挫折しかけ、視野の狭さを実感した模様。

ご存じ大きい妹。
暦同様、持ち前の正義感から警察官となり、直江津署の生活安全課の巡査として働いている。
両親が遠くへ赴任し、月火が海外へ行ったため現在は阿良々木邸に一人暮らししており、料理の腕が上がった。

ご存じ小さい妹。
国内の大学に進学したが、1か月後あっさり辞めて海外の大学に再入学した。しかしまたしても中退し、翼の帰国と同時期に帰国。今度はダンススクールに入学することとなる。
相変わらずの気まぐれっぷりで完全に暦の頭を悩ませている。

ご存じ迷子少女。
現在も北白蛇神社の神として祀られているが、気恥ずかしい暦はなかなか会いに行けず、やっと参拝した頃は留守だった。

ご存じ元蛇神娘。今作では直接は登場せず。
現在は離れた町で暮らしており、売れてはないもののコアなファンに人気な漫画家「千石撫子(なでしこ)」として活躍中。
さらに怪異退治の活動も行っているようだ。

ご存じ吸血鬼幼女。
今もなお暦の影の中に潜んでおり、怪異を呼び寄せる体質ゆえに怪異のご意見番として暦の重宝の理由となっている。
しかし、よほど機嫌がいい場合しか助けに応じてくれない。
周囲の変化と自分の変化に戸惑う暦を吸血鬼として誘惑するが…。

  • 忍野扇
ご存じ暦に付き纏う怪異。
現在は駿河から学校そのものに憑いた怪異として直江津高校に住み着いており、迷える生徒に良からぬことを吹き込んでさらに迷わせている。
逆に言えば、最早暦には執着心がなくなったと言えるのだが。

今回直接には登場せず。
撫子と組んで怪異退治に乗り出している。

風説課の設立者。
怪異への対策を社会まで広げることを目論み、そのテストケースとして暦の住んでいた直江津署に設立した。









追記・修正は影武者に告白させてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2024年08月07日 20:47