キャンサー/パイシーズ(新機動戦記ガンダムW)

登録日:2018/01/30 (火) 21:18:23
更新日:2023/09/18 Mon 07:54:27
所要時間:約 6 分で読めます





新機動戦記ガンダムW』に登場するモビルスーツ(MS)。
デザインはカトキハジメ



■目次




◆キャンサー



そう、これは粛清なのだ

■機体データ

型式番号:OZ-08MMS
所属:地球圏統一連合、OZ
全高:16.9t
重量:8.2t
装甲材質:チタニュウム合金
武装:魚雷×4
搭乗者:アレックス、ヒイロ・ユイ

  • アビリティレベル
ファイティングアビリティ:レベル90
ウエポンズアビリティ:レベル100
スピードアビリティ:レベル110
パワーアビリティ:レベル110
アーマードアビリティ:レベル110


■機体解説

アフターコロニー(AC)暦195年における地球圏統一連合並びにOZの量産型MS。
名前の由来は黄道十二星座の一つ、蟹座(Cancer)。


OZによって開発された最新鋭機であり、水中、水上での運用を前提に脚部を完全に排除するという大胆な設計を採用。
同時に腕部はスクリュータイプの推進機関と格闘用の大型クロー、魚雷発射管を内蔵しておりかなり巨大な物となった。
結果、胴体にある四角いセンサーカメラに辛うじてリーオーなどの面影はあるものの、箱型のボディに巨大な筒型の腕が生えただけ、というMSと呼んでいいのかどうかも怪しい極めて特異な構造・外観を持つに至った。
このため分類上は一応MSとされていながら、場合によっては簡易MS扱いになることもある。

待機時や巡航時には胴体を水平にして両腕を前方に向けた巡航形態に、水中水上作業・戦闘時には胴体を起こし両腕を突きだした戦闘形態にそれぞれ形態変化し対応。
海上戦闘・航行から深海・海底での活動を可能としている。

水中・水上戦では接近戦…特にクローを用いた格闘戦を得意とする。
構造上肘関節が無いため少々可動に難があるものの、水中での能力には目を見張るものがある。


……ここまで書くとなんとなく想像出来ると思うが、「四角い胴体」「巨大なハサミ(クロー)」と、その外見はまんま蟹
極め付けに装甲も茹で上がった甲羅の如く真っ赤に塗られている。
OZ系のMSは十二星座に肖った名称を付けることが通例となっているが、その中でも珍しい名称に準じた外観を持つ機体である。

ちなみに、物語開始時点ではエアリーズなどと同じく最新鋭機であるこの機体もOZが独占運用している状態であり、連合はキャンサーの原型ともいえる旧型の水中用MS(キャンサーに似ているが装甲は水色でアームも小さい)を使用していた。

『1/60 ウイングガンダムゼロ』の説明書によると、パイシーズ共々トールギスを経ないコロニー建設作業用MS直系であり、
作業用MSのシルエットを色濃く残しているパイシーズからさらに簡略化した機体であるとされる。


■武装

  • 魚雷
クロー部分に内蔵。
水中で高い破壊力を発揮することは勿論、水中若しくは海上から上空に向けて放つとそのままミサイルとしても機能し海上艦や陸上施設への攻撃手段としても使用できる。

  • クロー
両腕の先端部を開閉させる大型の格闘用クロー。
閉じたまま鈍器の要領で使ったり、挟んだ相手を潰したりする。
また、クローで挟み捕えた敵に対して魚雷を直に打ち込むといった荒っぽい使用法もあるが、クローの間で魚雷が起爆する形になるため数発も撃てばクロー自体が破損してしまう。

このほか、海中に没した輸送機の表面を切り裂く際クローから短いビームサーベルのようなものを出しているシーンもある。



■劇中の活躍

□TV版

第二話にから登場。
リーオーと共に海中に没したウイングガンダムを回収すべく最新の潜水空母と共にゼクスの部隊に回され、彼の部下が搭乗。
見事ウイングを発見するが、直後海上の艦隊を壊滅させたデュオデスサイズが介入。
僚機のパイシーズがやられていく中、果敢にもクローで捕えたデスサイズの頭部に魚雷を撃ちこみ昏倒させるが、一瞬の油断を突かれバスターシールドの直撃を受け爆散した。
やられ役となってしまったものの勝利したデュオも「流石はOZの新型、手強いぜ」と漏らしている(そもそも顔面に魚雷の直撃を数発受けといて特にダメージを受けてないデスサイズの防御力が異常なのである)。


その後第十三話でアレックスの乗機として登場。
コードネームは「レッド・キャンサー」。
アレックスの腕前もあり旧連合の港湾基地を自機とミュラーが乗るエアリーズのたった二機で攻略して見せている。
しかしモガディジオ要塞攻略の際、粛清と称して降伏した敵軍を虐殺する非道な行為に走るアレックスとミュラーに激怒したゼクスのトールギスに対し私情に走った攻撃を敢行。
水中戦に持ち込み圧倒したかに見えたが、ドーバーガンを囮にされトールギスの接近を許してしまう。
そしてそのまま背後からトールギスの両腕に捕えられ、ゼクスの

馬鹿どもがあああああああ!!!

という怒号と共にボディを左右に引き裂かれ爆散した。


その後はOZ地上部隊の戦力としてトールギス破壊作戦やウイングガンダムの回収作戦、サンクキングダム防衛戦などに登場しているが目立った活躍は無い。

前期オープニングの完成版にも僅かに登場しているので、気になる人はデスサイズのカットを確認してみよう。


敗者たちの栄光

TV版同様、序盤でデスサイズとの水中戦を行いバスターシールドで倒されるが、格闘を使わず攻撃は魚雷のみだった。
その後アレックスが搭乗している姿が描かれたがトールギス戦が省略されたため撃破されていない。
まぁアレックスは後々死ぬけどね!


フローズン・ティアドロップ

サンクキングダム占拠事件の際ヒイロが搭乗。
なんと鬼畜量産機と名高いビルゴ系のビルゴⅢを撃破というあまりにも凄まじい戦果を叩き出している。



◆パイシーズ



上がってくる…行くぞ!

■機体データ

型式番号:OZ-09MMS
所属:地球圏統一連合、OZ
全高:16.0m
重量:7.4t
装甲材質:チタニュウム合金
武装:魚雷×12
クローアーム×2
対潜水艦爆弾
搭乗者:サリィ・ポォ、ルクレツィア・ノイン

  • アビリティレベル
ファイティングアビリティ:レベル90
ウエポンズアビリティ:レベル110
スピードアビリティ:レベル100
パワーアビリティ:レベル100
アーマードアビリティ:レベル100


■機体解説

キャンサーと同時期にロールアウトした水中戦用MS。
名前の由来は黄道十二星座の一つ、魚座(Pisces )。


胴体一体型の頭部にある四角いセンサーカメラに長い両腕、水色の装甲が特徴。
水中での戦闘能力に主眼を置いたキャンサーと違い、汎用性を重視して開発された。
そのため水上~水中のみでしか活動出来なかったキャンサーと違い脚部を搭載。やや不格好な短足腕長ではあるものの人型に近いシルエットとなり、陸上での行動能力を得ている。
スクリュー型推進器として機能する長い筒型の腕部先端には作業用の小型マニュピレータが内蔵され、深海での作業能力に優れる。

水中巡航時には両腕を後方に伸ばし下半身を90°回転させることで三胴型潜水艇のような巡航形態をとる。

キャンサーに比べるとパワーや機動性など単純な攻撃性能面では劣るものの、運用の柔軟性といった面では勝っている。
なので実戦における戦力差も事前の作戦準備などをしておけば充分覆せる程度の差であり、作中でも奇襲などによってこちらが圧倒している描写が多い。



■武装

  • 魚雷
両肩上部に内蔵。MS形態・巡航形態双方で前方を向いている。

  • クローアーム
両腕先端のスクリュー部分を変形させたもの。
スクリューの羽根部分が爪のようになる。
ただし作中では腕の振りに合わせて鈍器のように使われている。

  • 対潜水艦爆弾
旧連合深海部隊機が使用。
円盤型の時限爆弾で敵艦の船体に直接貼り付け起爆させる。



■劇中の活躍

□TV版

第二話でキャンサーと共に登場。しかし上記の通りデスサイズによって一方的に撃破されてしまった。

その後もOZの戦力としてちょくちょく登場。
中盤には海底に置き去りにされていたウイングガンダムを回収するためサリィやノインが搭乗しOZのキャンサーやパイシーズを撃破し、ウイングをサンクキングダムへと持ち帰った。
……ついでにウイングにも魚雷を撃ちこみ海底送りにしているけど。


□敗者たちの栄光

TV版と特に変わらず。



■立体化


とにかくやられメカの側面が強く、今のところガンプラ化などもされていない。
…また蟹座と魚座か……。
とはいえまっっったく活躍がないかと言えばそうでもなく、ネームドが乗った場合はいぶし銀の活躍を見せてくれる。
前述の通り大金星も挙げており、「正式に採用された量産機」としての説得力は一応見せている。

モチーフとなった星座の常とも言えるべき不遇。彼らは名前が悪かった。


追記・修正はカニみそを味わってからお願いします。

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最終更新:2023年09月18日 07:54