SRI(怪奇大作戦)

登録日:2018/02/09 (金) 21:13:24
更新日:2024/06/28 Fri 19:16:58
所要時間:約 7 分で読めます





SRIとは、科学捜査研究所の略称である

SRIの使命は、いかに複雑で怪奇に満ちた犯罪であろうとも
その優れた科学力と鋭い推理を駆使して謎を解き、
犯人を暴き出す事にある


【概要】

特撮ドラマ「怪奇大作戦」に登場する組織。

元警視庁鑑識課長・的矢忠が日本における科学捜査の必要性を痛感し、私財をうって造り上げた民間組織。
「SRI」とは、「SCIENCE RESEARCH INSTITUTE」 の略称で、科学捜査研究所*1を意味する。
メンバーの信頼厚い的矢所長の元、優れた科学知識を持つ牧史郎と、運動神経抜群の行動派・三沢京助を中心に人知を越えた怪事件に立ち向かう。

捜査は、主に的矢所長の警視庁時代の同僚である町田警部からの依頼で行われる。
主な活動地域は東京都周辺であるが、地方から依頼を受けて出張する事もある。
SRIはあくまで民間組織のため、警察のような権限などは持ち合わせていない。
当然、拳銃の携帯も許されていないが、独自に開発した様々な特殊装備を所持している。

本部は京浜高速道路脇にある3階立てのビルで、事件解決のための研究施設が備わっている。

科学で謎を解明することが信条のためか、「吸血地獄」のニーナのような科学の枠をはみ出した存在には対応が後手に回ってしまったり、「果てしなき暴走」のように完全に捜査が行き詰まってしまうこともある。

なお、作中には登場しないが牧達以外の一般職員も存在している。


【メンバー】

的矢忠
演:原保美
SRI所長。年齢は48歳。
元警視庁鑑識課長で、かつてはFBIに学び、後に「こうもり男」となって現れる犯罪者、岩井勝一郎の企てた完全犯罪を暴いて科学捜査の名を上げた人物。
現場に出る事は多くはないが、時には囮作戦などの大胆な指示や的確な判断を行う。
家族は妻の敏子と息子の浩一の三人家族だが、日頃は忙しくあまり息子にかまっていられていないもよう。
町田警部とは警視庁時代の同僚で、お互いに「町やん」「的やん」と呼び会う仲。
大学時代は柔道部で、神谷商事に勤める伊藤大助という旧友がおり、彼からは「チュウ」と呼ばれている。

リメイク版『怪奇大作戦セカンドファイル』では岸部一徳が演じ、もう一つのリメイク『怪奇大作戦ミステリー・ファイル』では彼の代わりに、なんと女体化とも言えるキャラ「的矢千景」(演:原田美枝子)となった。

三沢京助
演:勝呂誉
九州出身の24歳。通称「すけさん」。ビール党。
熱血漢の行動派だが、科学知識にも長け、水棲人間の存在の立証や、かまいたち式真空発生装置の完成といった様々な実験を成功させている。
かつては防衛大学に在籍し、ラグビー選手として活躍していたが、対抗試合中にフライングタックルで相手を半身不随にさせたことから大学を中退したという過去を持つ。
好きで、スポーツカーを無理して買ったり、テストドライバーやレーサーの友人がいる。

『怪奇大作戦セカンドファイル』が田中直樹、『怪奇大作戦ミステリー・ファイル』がザ・セ…じゃない原田泰造となぜか俳優系芸人が演じ、ある番組では互いに「そういえば同じ役やってたな」とトークしていた。

牧史郎
演:岸田森
東京都世田谷区在住の28歳。
生年月日は1941年12月8日で、大学では応用科学を専攻していた。
SRIの頭脳というべき存在で、第1話の「スペクトル破壊器」に始まり、数々の発明で怪事件の謎を解く。
現場に居合わせた男のわずかな表情から犯人をマークするなど、鋭い洞察力を備えている。
父親は科学工場を運営していたが、同時に正義の人でもあり何らかの事件に巻き込まれて工場を爆破され、殺害されている。
この事件を鑑識として担当した的矢所長の誘いでSRIに参加した。
当初は、トリックを暴くために半ば拷問のような方法を取ることもあったが、燐光人間や冷凍人間のような、不幸な事情を持つ者には同情したり、同じ科学者の吉野には説得を試みるなど、決して非情な人間ではない。
家族はほかに4歳上の姉がいたが、第二次世界大戦中の機銃掃射で亡くなっている。

演者は様々な特撮作品に出演し、最終的に太陽戦隊の司令官を演じた後この世を去った。

『怪奇大作戦セカンドファイル』では西島秀俊、『怪奇大作戦ミステリー・ファイル』では上川隆也が演じた。

野村洋
演:松山省二
SRIの若手メンバーである21歳。
通称「ノム」。さおりからは「ノンちゃん」と呼ばれる。
その身軽なフットワークで牧や三沢をサポートする。
牧と三沢を心から尊敬しており、職務にも情熱を持って取り組んでいるが残念ながらキャリア不足は否めず、牧の指示を守らずに勝手に犯人のマークを外した結果、犠牲者を出しかけるという失態を犯したこともある。
さおりが殺されたと思った時には思わず犯人に殴りかかるなど仲間思いで、理論派の牧、行動派の三沢両方に話を合わせられる協調性の高い性格をしている。

後の『怪奇大作戦セカンドファイル』では青山草太、『怪奇大作戦ミステリー・ファイル』で村井良大とヒーロー系のキャスティングがされている。

小川さおり
演:小橋玲子
SRIの紅一点の19歳。秘書兼連絡係のほか、各事務業務も担当する。
基本的には本部詰めであるが、時には女性ならではの視点で犯人を追跡したり、囮役を務めることもある。
設定年齢は19歳だが、さおり役の小橋玲子氏は実はこの時15歳である。
ちなみに本作の半年前には、ある映画で『セカンドファイル』版的矢の演者が率いるバンドの追っかけ役を演じ、バンドで一番好きなボーカルの生歌を間近で見て失神していた。

『怪奇大作戦セカンドファイル』では美波、『怪奇大作戦ミステリー・ファイル』では高橋真唯(現:岩井堂聖子)が演じた。

【関係者】

町田大蔵
演:小林昭二
警視庁捜査一課課長の48歳。
勤続27年のベテラン刑事で、警視庁警察官を拝命したのは、1941年12月8日。
的矢所長とは警察時代の同僚で、その縁でSRIに怪事件の捜査を依頼する。
SRIの科学捜査には強い信頼を持っており、この手の話にありがちな「昔ながらの捜査を重んじ、科学的な捜査を信用しない」というタイプではない。
現場の指揮や格闘術に長け、ヘリコプターの操縦までこなすなど決して無能な人物ではないのだが、相手が常識を越えた怪事件となるとさすがにお手上げになったり、進言を聞き入れず間違った捜査をしてしまうこともある。
町田警部の設定年齢は48歳だが、演ずる小林昭二氏は10歳も若い38歳であった。
的矢所長役の原保美氏は53歳で、これだけ年齢に幅がありながら違和感のない演技はさすがというほかはない。

『怪奇大作戦セカンドファイル』ではかつて本作をモチーフにした短編ドラマでSRIを率いていた寺田農が演じていたが、『怪奇大作戦ミステリー・ファイル』では別キャラに差し替えられたため未登場。

次郎
演:中島洋
初期に活躍していた少年隊員。レギュラーとして登場するのは1話〜3話までで、11話ではサブレギュラーとして登場した後、姿を消す。


【装備/発明品】

SRIジャケット
牧、三沢、野村が使用する特殊繊維製の防護服。開発者は牧。
防毒・耐熱・耐寒・防刃・対衝撃などの効果を持つ。
普段はベルトの携行ケースに収納されている。

ペンライト
さおり以外のSRIメンバーが持つ、携帯用の照明器具。
外見は市販品と変りないが、アサルトライフルなどに使用されるタクティカルライトを参考に開発されており、相手の目を眩ませるほどの明るさがある。

スペクトル破壊器
第1話で牧が開発した特殊光線発射装置。
怪盗キングアラジンこと、一鉄斉春光の壁抜けトリックに使用していた特殊繊維を破壊した。

サンビーム500
第13話で使用された高出力のレーザーガン。
トータス号に直接備え付けなければ使用できないほどの大型で、拳銃すら通用しない冷凍人間を一瞬で消滅させた。

パーフェクトライト
第17話で牧が開発した。
密輸団が使用していた映像トリックの根元を破壊した。

【使用車両】

トータス号
全長:3,2m
全幅:1,4m
全高:1,02m
最高速度:時速180km(推定)
ベース車両:スバル・サンバー

SRIが製作した特殊車両。
小型ながら、時速180kmのスピードで移動や追跡に効果を発揮する。
ボディは特殊合金製の耐圧構造で、フロントガラスは強化防弾ガラスになっている。
そのほかにも、500m先を照らすことのできるヘッドライト、パンク防止加工の施されたスーパー・タイヤ、煙幕を噴射するフォグマシンなどを備えたスーパー・マシンである。
第22話ではフーテン風の若者に盗まれて暴走し、死亡事故を起こしてしまった。

三沢役の勝呂誉氏によると、デザインを気に入った出演者達がお金を出し合って円谷プロから買い取ろうと話を持ちかけた所、想定以上の金額を提示されたために断念したという。

SRI専用車
全長:4,7m
全幅:1,7m
全高:1,4m
ベース車両:3代目トヨペット・クラウン4ドアセダン

トータス号と同じく、SRIが使用する専用車両。
無線装置や追跡装置を備えてはいるが、外見を含め性能はSRIのエンブレムがついている以外は一般車両と変りない。
遠方へ出張する時はSRI専用車が使用され、三沢が出勤に使用したこともあった。



追記・修正お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2024年06月28日 19:16

*1 警察に同名組織(科捜研)があるため、リメイク版では「特殊科学捜査研究所」と意味が変更された。