シティーハンタースペシャル ザ・シークレット・サービス

登録日:2018/05/05 Sat 10:24:41
更新日:2024/05/09 Thu 00:22:15
所要時間:約 14 分で読めます





都会の優しさに心震える時、俺はいつでも戻ってくる。


『シティーハンタースペシャル ザ・シークレット・サービス』とは、1996年1月5日に金曜ロードショーにて放送された、『シティーハンター』テレビスペシャル第1弾のタイトルである。
テレビアニメシリーズ初の2時間スペシャルであり、時系列的には『’91』のその後に当たる。


総監督:こだま兼嗣
脚本:遠藤明範
OP主題歌:KONTA「otherwise」
ED主題歌:アン・ルイス「WOMAN」


あらすじ
ガイナム共和国の大統領候補・ジェームズ・マクガイアが視察のために来日してくる。
マクガイアの娘・新庄安奈は日本でシークレット・サービスを務めているが、マクガイアは来日して早々何者かから安奈の命を狙うとの脅迫電話を受ける。
マクガイアは秘書のローザ・マルチネスを通じてリョウに安奈のガードを依頼。依頼を受けたリョウは表向きはマクガイアの護衛としてシークレットサービスに同行するが、リョウは事の重大さを知ってか知らずか安奈にセクハラ行為を繰り返し周囲を呆れさせていた。

依頼を受けた翌日、マクガイアは行政システムの視察のために東京都庁を訪れるが、そこでスナイパー・ダンケルクによる狙撃事件が発生。
リョウの活躍で安奈は守られるが、これにより安奈にマクガイアが実の父親である事がばれ、母の瑠璃子の死をめぐってマクガイアと安奈の間に確執がある事が発覚する。
ダンケルクの雇い主は、麻薬組織のボスでマクガイアのかつての同志でもある男・ゴンザレスであり、ゴンザレスは犯罪組織・竜神会ととある取引をするために来日していた。

狙撃事件の翌日、マクガイアは急遽予定を変更して病院と福祉施設の視察に向かう。
だが病院を視察していた時に、安奈が男達に誘拐されかける事件が発生。リョウと香は安奈を攫った犯人を追跡し、激しい銃撃戦の末に無事彼女を救出した。
リョウの活躍によってことごとく計画を邪魔されたゴンザレスは遂に業を煮やし、最終手段としてローザを拉致し、マクガイアにアジトに来るよう脅迫をする。
マクガイアは約束どおり1人でアジトに向かおうとしたが、それに気づいた安奈が後を追ってきてしまい、不意を突かれた安奈はダンケルクの手刀で気絶し拉致されてしまう。

リョウは海坊主と共に、捕らわれの身となった安奈達を救うべく、東京港に停泊しているゴンザレスの船へと向かう。
果たしてマクガイアと安奈を狙うゴンザレスの目的とは一体……?


【レギュラーキャラクター】

CV:神谷明
ご存知シティーハンター。
ローザがとても美人だったので、彼女が依頼主だと知るとホイホイ着いていくが、本当の依頼人がマクガイアだと分かると「男の依頼は受けない主義」と言って断わろうとする。
しかし依頼内容が安奈の護衛である事を知り、彼女がマクガイアの娘である事を察すると、冴子に利用されてると分かっていながらも渋々依頼を引き受けた。
相変わらず安奈やローザに手を出そうとするが、その度に彼女達の体術を食らい痛い目に遭っていた。
それでも安奈の身に危険が迫ると途端にスナイパーの顔となり、彼女が攫われそうになった時には脅威のドライブテクを駆使して犯人を追跡し彼女を救い出している。
安奈とマクガイアの確執を知ると、このままでは何も解決しないと思い、ゴンザレスの元へ向かうマクガイアをあえて止めずにそのまま見送った。

CV:伊倉一恵
ご存知リョウのパートナー。
最近碌な依頼がなくお金もなかったので、冴子の依頼を断わりきれずに引き受ける事となる。
リョウが安奈やローザに手を出そうとする度にハンマーや丸太でお仕置きしていたが、リョウが安奈と1日過ごした際には誤解をしてリョウを外に宙吊りにしていた。
安奈がマクガイアの事を恨んでいる事を知ると、自分の生い立ちを安奈に打ち明けた後で「もう一度話し合ったほうがいい」と説得。彼女の芯の強さが安奈の心を動かす事となる。

CV:麻上洋子
ご存知特捜部の美人刑事。
マクガイアにリョウを紹介したのは彼女であり、紹介料としてモッコリ10発を勝手にチャラにし無理やりリョウに仕事を引き受けさせた。
シークレットサービスは特捜部付きなので安奈は彼女の部下に当たるが、安奈が狙われていると知っていながら彼女をシークレットサービスから外そうとはしなかった。
その理由は、安奈の姿が若い頃の自分によく似ているかららしい。

CV:玄田哲章
ご存知リョウのライバルにして悪友。
傭兵時代にダンケルクの仕業で何人もの仲間が命を落としているので、彼の事を今でも憎んでいる。
街中でダンケルクの声を聞いた途端顔が強張り、彼の目的がリョウを倒して裏社会ナンバー1の座を得ようとしている事だと知ると、自分を無視してリョウを狙っているダンケルクの態度に激怒し、リョウと一緒にゴンザレスの船に乗り込もうとする。

ちなみに目のリハビリの一環として車を運転しているが、彼の目が見えない事に気づいたリョウは慌てて彼の運転を止めようとしていた。
リ「ちょっと待てい!なんでお前が運転してんだ!?目ェ見えねぇはずだろ!?
香「…あ、そうだった!
海「リハビリの一環だ、俺の勘を信用しろ
リ「出来るかッ!俺が替わる、ハンドルを渡せ!
海「うるせェ!俺のリハビリの邪魔をするなッ!!!

CV:小山茉美
ご存知海坊主のパートナー。
海坊主と一緒に新宿で買い物をしていた。
エピローグにも少しだけ登場。

CV:有本欽隆
冴子の父親。
安奈がマクガイアの娘だと知ると、すぐに彼女を今回の任務から下ろそうとする。
それを冴子に反対されると、安奈に何かあった場合はお見合いをするよう迫り冴子を呆れさせた。

  • 源さん
CV:田口昴
レンタルビデオ屋「GEN」の店長で裏の世界の情報屋。
今回の事件の黒幕がゴンザレスである事や、ダンケルクが彼に雇われているという情報を掴み、それをリョウに教える。
ゴンザレスの情報が詰まったビデオテープを渡した後でリョウにいいモッコリビデオがないかを聞かれ、思わず盛大にズッコケる場面も。


【ゲストキャラクター】

  • 新庄安奈
CV:天野由梨
警視庁の女刑事で新設されたばかりのシークレットサービス*1に所属。
実力で要人警護の職に抜擢されたので、誇りを持って自分の職務に当たっている。そのため当初は部外者のリョウがマクガイアの側にいる事に納得できず何度も冷静さを欠いていた。
マクガイアの娘であるが、今回の件で彼と対面するまでその事を知らなかった。
普段は胸にサラシを巻いているため目立たないが、実は巨乳であり、それを知った香は「負けた…」と思わず肩を落としていた。
休日はフィットネスクラブでトレーニングとヨガ、美術館で美術品の鑑賞、図書館で読書などをして過ごしている。

幼い頃に、銃を持っているマクガイアと側で死亡している瑠璃子を目撃した事で、マクガイアを瑠璃子を殺害した男と誤解し今でも憎んでいる。
最初は度々セクハラをしてくるリョウの事を邪魔者扱いしていたが、彼と休日を過ごすうちに段々と心を開くようになり、つい彼にマクガイアの面影を感じていた。


  • ジェームス・マクガイア
CV:大塚明夫
ガイナム共和国の大統領候補。
元反政府グループの活動家だったが、政府軍に捕まった後で16年間獄中で過ごし、2年前に釈放される。
その後は民主化運動のリーダーとなり、半年前に大統領に立候補して軍隊出身の大統領候補と対立するようになる。
今回の来日の目的は日本の行政等の視察をするためであり、大統領となった暁には今回の視察を生かしガイナムをよりよい国にしようと考えている。
安奈が日本で警察官になった事は知っていたが、彼女がシークレットサービスとして自分の警護に当たっている事を知った時は驚きを隠せないでいた。
だが来日して早々に安奈の命を狙うとの脅迫電話がかかってきたので、安奈を守るためにリョウに警護の依頼をした。
ちなみにリョウに安奈の警護を依頼した理由は、彼に自分と同じ匂いを感じたからのようだが……

かつて同志であるピートとゴンザレスと活動方針の違いで対立し、争ううちに彼らに撃たれそうになるが、そこに飛び出してきた瑠璃子が替わりに撃たれる事になる。
その後は銃で応戦しピート達を退けるが、瑠璃子に駆け寄ったところを安奈に見られてしまい、安奈に瑠璃子を殺した犯人だと誤解されてしまった。
瑠璃子の死後は安奈を日本へ送り返すが、安奈からは今でも瑠璃子を殺した男として恨まれている。


  • ローザ・マルチネス
CV:戸田恵子
マクガイアの秘書。
反政府グループのメンバーでもあり、様々な戦場を走り回っていただけありあらゆる格闘術に精通している。
リョウが思わず見とれるナイスバディの持ち主。日本では手に入らないサイズのブラジャーを着用している。
最初はリョウを胡散臭く思っていたが、リョウの真面目な一面を見た後は少しだけ彼を信用するようになる。
かつて同志だったピートは恋人でもあったが、それでもピートの仇であるマクガイアの秘書となったのは、青春をかけた反政府運動の終わりを見届け、マクガイアが大統領に相応しいかどうか試したかったかららしい。
マクガイアと安奈が瑠璃子の墓参りをしていた際にゴンザレスの一味に拉致され、捕らわれの身となってしまう。


  • ゴンザレス
CV:麦人
ガイナム共和国にある麻薬組織のボス。
かつてはマクガイアの同志であったが、活動方針の違いで対立するようになり、マクガイアと銃撃戦をした後でピートと一緒に姿を消した。
その後は麻薬組織のボスに成り上がり、マクガイアの来日に会わせて自らも来日。竜神会と手を組んでマクガイアを脅迫し安奈の命を狙う。


  • 日影
CV:市川治
日本の犯罪組織・竜神会の一員。
ゴンザレスと手を組み、マクガイア脅迫の実行部隊として暗躍する。
コカインの密輸を企んでおり、ダイヤモンド鉱脈がゴンザレスのものとなった際には掘削機を提供し、彼と協力してダイヤモンドを掘り出そうとしていた。


  • ダンケルク
CV:中田和宏
ゴンザレスに雇われた殺し屋。ファマスを愛用。海坊主をファルコンと呼ぶ人物でもあったりする。
現在売り出し中の殺し屋で、手段や客は選ばず自分の名前を売る事だけに固執している。
今回の仕事でリョウを始末し、裏社会ナンバー1の地位を手に入れようと企む。
過去に海坊主の仲間を何人も殺した事があり、今でも海坊主はその事でダンケルクを恨んでいる。
新宿副都心で安奈を狙撃するが、リョウの邪魔が入った事で失敗。すぐに退散するものの、タクシーを呼び止めた声をたまたま海坊主に聞かれた事で、彼に日本にいることがばれてしまった。


  • 班長
CV:KONTA
シークレットサービスの班長で安奈の上司。
今回の任務で度々感情的になっていた安奈を厳しく注意する。
その後は安奈がマクガイアの娘だと知り、リョウを信じて彼女の護衛を頼んでいた。

  • 瑠璃子
マクガイアの妻で安奈の母親。元看護師。
25年前、国際医療ボランティアの一員としてガイナムを訪れ、そこでマクガイアと知り合い反政府運動に身を投じるようになる。
その後はマクガイアと結婚し、ほどなくして安奈を出産する。
それからしばらくは平穏な日々を過ごしていたが、後にピートとゴンザレスが意見の相違でマクガイアと対立するようになり、彼らが話し合いの席でマクガイアに銃を向けたので、彼を庇うために思わず飛び出していく。
その際に被弾してしまい、そのまま命を落とす事となった。

  • ピート
元反政府グループの一員。
マクガイアの同志として反政府活動を行ない、ローザとも恋愛関係になっていたが、活動方針を巡ってマクガイアと対立するようになり、話し合いの際にゴンザレスと一緒にマクガイアと銃撃戦を繰り広げた。
その際にマクガイアの弾が当たり、ゴンザレスに支えられながら退散するが、逃げる途中で命を落としてしまった。



【用語】

  • ガイナム共和国
長い間軍部が支配権を握っていた国家。
マクガイアが反政府グループのリーダーとなり民衆を引っ張っていった事で民主化の声が高まっていくが、マクガイアが政府軍に捕らわれた事で民主化の道は遠のいていた。
後にマクガイアが釈放され大統領選が迫ってくると、再び民主化の声が高まり、選挙は民主化を目指すマクガイアと軍事政権続投を狙う対立候補の一騎打ちとなる。
ちなみにこれといった産業はないため、財政がかなり厳しいようである。
名前の由来は南米に実在する「ガイアナ共和国」と「スリナム共和国」から。
隣接している国な上にどちらも軍政を経て民政に復帰している。




追記・修正はシークレットサービスの方にお願いします。

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最終更新:2024年05月09日 00:22

*1 現実の日本では「SP(セキュリティポリス)」と呼ばれている。