カロリーヌ(ゲゲゲの鬼太郎 激突!!異次元妖怪の大反乱)

登録日:2018/05/21 Mon 06:45:29
更新日:2025/02/08 Sat 07:10:44
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ねずみ男ちゃん♪



ゲゲゲの鬼太郎第3期の劇場版「激突!!異次元妖怪の大反乱」に登場するゲストキャラクター。
同作のベースとなった原作「朧車」や墓場鬼太郎にも同名のキャラクターが登場するが、
設定等が異なる上に単なる脇役であるため、本項目では余談で触れる程度にとどめるものとする。

声優は監督である芝田浩樹の「本当の子供を」という意向により、当時11歳だった藤枝成子が担当した。

名前通り、外見は西洋人。
長い金髪を後ろで一本の三つ編みにしており、背は鬼太郎よりも低い少女。
特徴的な模様のロケット(?)を首からぶら下げている。



以下、ネタバレだらけなので注意。














妖怪の妖怪による妖怪のための帝国を作るために、日本の東京に現れた妖怪皇帝とその配下たち。
その襲撃により大混乱に陥る東京の地下鉄で、一人、妖怪土ぐもから逃げ遅れて泣いていた少女がカロリーヌであった。
親からはぐれたのだろうと鬼太郎たちに保護され、その後、彼らとともに水木夫妻の家に匿われることになる。

この時、ねずみ男と交流を深め、お互いに「カロリーヌちゃん」「ねずみ男ちゃん」と呼び会う程に親しくなる。
ねずみ男の変顔を見て無邪気に大爆笑する姿は微笑ましいの一言。
…その直後に猫娘とユメコに「静かにして!」と怒鳴り付けられて泣き出してしまうが。
(フォローを入れておくと、丁度妖怪皇帝がテレビ中継で演説中であり、カロリーヌの笑い声はシリアスムードに水をさす形になっていた)

その後、妖怪皇帝配下の妖怪が水木邸を襲撃。カロリーヌは白うねりによって連れさらわれてしまう。
すぐに鬼太郎が一反木綿にまたがって追いかけたが、白うねりがねずみ男よりも強烈(一反木綿談)な口臭を放ったため逃げられてしまった。

すると今度は皇帝の側近であり妖怪総理大臣のぐわごぜがテレビ中継で鬼太郎に「カロリーヌを返してほしければ一人で国会議事堂まで来い」と告げる。


テレビ画面にはぐわごぜと一緒に、一人横たわり眠るカロリーヌの姿が映っていた。

ところかわって、国会議事堂のとある一室。
朧車が出す怪気象に包まれ妖怪たちに占拠された危険地帯であるにもかかわらず、人質のはずのカロリーヌは安らかに眠っていた。
すぐそばには、それを穏やかに見つめるぐわごぜの姿が…。


後に、妖怪皇帝は語る。
「国のためとは言え自分の娘を利用するとは、おまえも悪よのう」と。


実はカロリーヌは、ぐわごぜの娘。最初から鬼太郎を誘き寄せる目的で東京に送り込まれていた。
ただし、彼女自身はぐわごぜから「鬼太郎さんたちと遊んできなさい」と言われただけであり、完全に父親に利用された形である。
そのためぐわごぜが自分を助けるためにやってきた鬼太郎(と、ぬりかべ)を朧車の力で石にした光景を目の当たりにした時は「あの優しいパパが…!」と強いショックを受け泣き出してしまった。

その後、下水道トイレの排水口を経由して国会議事堂にたどり着いたねずみ男と再会し、彼に鬼太郎を元に戻すためには朧車の涙が必要であること、自分の父がぐわごぜであることを話す。
ねずみ男はすべてを悟り衝撃を受けたが、カロリーヌと一緒に朧車がいる地下へと向かった。
そしてなんとか朧車の涙を入手することに成功するが、一足逃げ遅れたカロリーヌが朧車の体当たりをくらって撥ね飛ばされ、岩壁に体を叩きつけられてしまう。
カロリーヌを抱えて急いで安全地帯まで避難したねずみ男だったが、小さな命の灯火は既に消えかけていた…。

自分の死期を悟った彼女は、ねずみ男に「パパを許してあげて…。本当は優しいパパなの…。」「それから、鬼太郎さんにごめんなさいって…。」「もし、もう一度妖怪に生まれ変われたら、もう一度生まれ変われたら、私をお嫁さんにしてくれる…?」と願う。ねずみ男はこれを即座に承諾。
それを聞いて安心した彼女はねずみ男の腕の中で息絶え、遺体は泣きじゃくるねずみ男の「嫌だぁぁ!俺こんなの嫌だあああああ!」という悲痛な叫びもむなしく光となって天に消えていった。



【その後……】

「妖怪皇帝め、許さねえ!!」

カロリーヌの死によって怒りが頂点に達したねずみ男は、彼女の死を無駄にさせないために鬼太郎(と、ぬりかべ)を助けるべく、敵陣に真正面から殴り込みをしかける。

なんと自身の最大の武器である悪臭を一切使わず、素手で敵妖怪たちを圧倒。妖怪皇帝とぐわごぜの眼前まで迫った。
そしてぐわごぜにカロリーヌが朧車に殺されたこと、彼女が最期までぐわごぜの身を案じていたことを告げ、鬼太郎(と、ぬりかべ)を復活させることに成功した。

その後、ぐわごぜもカロリーヌの死と、妖怪皇帝に「国のためだ。娘の一人ぐらい我慢しろ」と告げられたことで妖怪皇帝を裏切り、彼に殺害される。
娘と同様に遺体は光となって消滅し、カロリーヌとお揃いのロケットだけが残された。
ねずみ男はこれをこっそり回収しており、事件解決後に親子の墓を建てて、2つのロケットとマタタビ餅を備えて墓前で手を合わせる。

「親子で、仲良く食べな」

そう言ったねずみ男は、穏やかな笑顔を浮かべていた。
彼は確かに、ぐわごぜを許したのである。




◆余談

本作のカロリーヌは第4期の小池小百合と並んでねずみ男の悲恋相手として有名であり、
「激突!!異次元妖怪の大反乱」はファンから「ねずみ男のための映画」と評されている。
ラスボスであるはずの妖怪皇帝や朧車との戦闘シーンがほんの数分かつあっさり終わっていると言えば、どれだけねずみ男とカロリーヌの交流に尺を割いて丁寧に描いているかがわかるだろう。

原典から容姿が激変したキャラクターとしても有名。完全に原型をとどめておらず、第5期や第6期での猫娘ですら比べ物にならない程の変貌を遂げている。

原典「朧車」のカロリーヌは「大卒の男としか結婚しない」と決めているが、「だらしない男が好き」という設定。
更にはねずみ男のみならず鬼太郎まで虜にしてしまっている。
作品によっては鬼太郎に対して比較的好意的だったり腹黒だったりで性格が安定しない。

上記の通りぐわごぜはカロリーヌを利用し、ねずみ男から「バカ親父」と罵倒されているのだが、
実の娘を利用したことに対する罪悪感はあったようで、劇中では鬼太郎や妖怪皇帝とのやり取りにその片鱗がうかがえる。


死に瀕してなお父を許してほしいと願った娘の優しさを知って涙を流し、
妖怪皇帝を裏切った際の台詞は「娘を……娘を返してくれ……!」であるなど、カロリーヌへの愛情は確かにあった。
本当はカロリーヌの言うように「優しいパパ」だったのだろう。妖怪皇帝ではなく先に鬼太郎たちと出会えていれば、また違った道もあったかもしれない。

外見上は全然似てない親子だが、これは原典である「朧車」でも同様なので突っ込んではいけない。

というか、そもそも最初期の掲載分ではぐわごぜは「ガモツ博士」という名前のフランス人科学者、
つまり人間であり、その娘カロリーヌもまた人間であった。(目玉おやじから吸血鬼ではないかと疑われてしまったが)
他に色々変更点があるので気になる人はチェックしてみよう。

上記の通りカロリーヌの遺体は光となって天に消えていったのだが、ぐわごぜの遺体は光にこそなったもののその場で消滅している。
この描写の違いから「ぐわごぜはカロリーヌと同じ場所に逝けなかったのではないか」と考察されることがある。
確かにゲゲゲの鬼太郎における閻魔大王の性格を考えると、ぐわごぜだけ地獄逝きにされる光景しか想像できないが……。

ちなみに映画の特報での映像ではタレ目の原作に近い姿のカロリーヌらしき少女がでている。
当然、映画本編には登場していない。


追記・修正はぐわごぜ親子の墓前で手を合わせてからお願いします。

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最終更新:2025年02月08日 07:10