目玉おやじ

登録日:2018/12/11 Tue 23:39:30
更新日:2020/03/17 Tue 20:32:05
所要時間:約 15 分で読めます





「わしゃあ鬼太郎の父親じゃ!」


目玉おやじとは、水木しげる氏の漫画作品「ゲゲゲの鬼太郎」に登場するキャラクターである。「目玉のおやじ」と呼ばれることもあるが、公式の呼び方は「目玉おやじ」。
その設定とインパクト溢れる見た目から、鬼太郎ねずみ男に並ぶ、水木しげる氏を代表するキャラクターとして幅広い層から親しまれているキャラクターでもある。


【プロフィール】

身長9.9cm
体重33.25g

声:田の中勇(1~5期)→野沢雅子(6期)、大竹宏(2期4話代役)、熊倉一雄(「ゲゲゲの鬼太郎〜異聞妖怪奇譚〜」などのゲーム)、青野武(NHK『鬼太郎 幸せ探しの旅~100年後の遠野物語~』)、島田敏(体験型イベント「ゲゲゲの鬼太郎 妖怪の森」、テレビドラマ『水木しげるのゲゲゲの怪談』、アニメ映画『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』、テレビCM『宝くじ ビンゴ5』)

【誕生の経緯】


かつて地上を支配していた幽霊族。
人間の台頭によって歴史の表舞台から姿を消したその一族の唯一の生き残りである1組の夫婦は、
世界をめぐって旅をしていたが、子供を身籠った直後に夫は体が溶ける病に侵されてしまう。
紆余曲折を得て「水木」という青年と知り合った後、夫婦は2人して事切れてしまった。

しかし、母親の死骸から息子が生まれたとき、思いもよらない奇跡が起きた。

なんと父親の死骸から溶け落ちた目玉がオタマジャクシのように動き出したかと思うと、手足を生やして動き出したのである。

「わたしは、せがれのことを思うと、安らかに死んではおれないのだ。」

こうして、鬼太郎の父親は目玉の姿となって、鬼太郎のために再びこの世に生を受けたのである。


【概要】


ご存知鬼太郎の父親にして世界一小さいお父さん。
普段は鬼太郎の潰れた左目に収まっている。
目玉に手足が生えた化け物という奇抜すぎる見た目で、初めて見た人間には(特に鬼太郎の眼窩から這い出して来るところを見られた場合)ドン引きされるか「よく出来たおもちゃだ」と笑われるのがお約束。

かつて世界中を旅していたこともあって国内外問わず妖怪等の怪異に関する知識が非常に豊富で、鬼太郎たちの助けになることが非常に多い。
目玉おやじが知らないことがあると驚かれることがあるほど。
さらにその経緯と幽霊族の正当な王位継承者という肩書のおかげか、ありとあらゆるところに顔が効いており、あの閻魔大王とも知り合いである。
(ただし目玉おやじの側が一方的に敬語を使う関係)

誕生の経緯からも分かるが、幽霊族の最後の生き残りでもある息子の鬼太郎に関しては親バカと言っていいほど過保護。
鬼太郎も唯一の肉親である目玉おやじのことは非常に尊敬しており、固い絆で結ばれている。
一方で鬼太郎が幽霊族としての自覚が足りない時や敵の策略に嵌ってボケたときは「一族の恥」と嘆き悲しみながら叱るなど、しつけの甘い父親ではない模様。

ねずみ男に対しては非常に辛らつだが、「鬼太郎にもねずみ男のような狡さがあれば」とぼやくことがあるように、
彼の世渡りの上手さ、口の上手さには1目置いているようである。


ちなみに、寝るときは瞳を閉じて寝る
鬼太郎ファンにとっては周知の事実ではあるが、あまり詳しくない方が見ると高確率で驚かれること間違いなし。
『瞳を閉じて』や『瞳をとじて』を聞いて「閉じることができるのは瞳じゃなくてまぶたでは?」と思っていた方は目玉おやじを思い出して納得しよう。
瞳を自在に変形させることも可能で、意外と感情表現は豊かでもある。

あと「口がないのにどうやって喋ってるの?」と突っ込まれることも多いが(近年の宝くじのCMでもネタにされた)、
実際は描写されていないだけで口はしっかりある。
好物はさくらんぼや朝露、夜露など。
体系からは想像できないほど凄まじい酒豪でもある。


そして目玉おやじを語る上で欠かせないのは茶碗風呂であろう。
目玉おやじの代表的な趣味であり、暇なときはよく鬼太郎に湯を沸かして入れてもらっている。
時が経つにつれてバリエーションはどんどん増えていき、コーヒー風呂や酒風呂、果てには炭酸水のプールなど多岐にわたる最後はもはや風呂じゃない
風呂に入る理由は「涙を隠すため」らしい。



現在の目玉だけの体はあくまで病気で死にながらも復活した結果であり、もともとはちゃんとした肉体があった
長年、病にかかり全身が腐敗した状態でしか描かれなかったが、それでも
二メートル以上の長身と幅広い肩、そして末期の病身でも暴れる成人男性を抱え上げるほどの筋力を持った、筋骨隆々たる大男だった。
とあるエピソードによれば、150年前にも目玉の姿になったことがあると思われる会話があるが詳細は不明。

確かに普段は、鬼太郎の空洞になっている眼窩に収まっているが、「鬼太郎の左目=目玉おやじ」ではない。
ちなみに肉体はもともと視神経なので、そこに収まっていると鬼太郎の目の役割も果たせる


ところでオバケも病気にはなるんですね……


【能力】


やはりその小さすぎる体故に、ねずみ男と並んで戦闘には役に立たない。
……と思われがちだが、そこはやはり幽霊族。
実際には鬼太郎に負けず劣らずの生命力、霊力を併せ持っており、劇中でもトップクラスの実力の持ち主である
あの鬼太郎を戦闘不能にしたバックベアード止めを刺したのを筆頭に、鬼太郎が不覚を取った相手に手痛い一撃を食らわせることも多い。
(さすがに、肉体はほとんど失っているため妖力や筋力そのものは小さい模様。妖力波はたいてい猫娘よりも小さく、まっすぐ飛ぶだけねずみ男よりはましな程度)


〇体内侵入
相手の脳に侵入して意のままに操ったり、心臓や胃に大ダメージを与えるという恐ろしい術。
ねずみ男は勿論のこと大悪魔ルキフェルといった強敵にも通用する目玉おやじの十八番とも呼べる技である。
この技の存在から、「目玉おやじを食べる」という行為は敵側にとって完全なる死亡フラグである

ちなみにカオス作品として知られる『続ゲゲゲの鬼太郎』では、女性の子宮に潜り込んだ例が何度か確認されている。

〇逆モチ殺し
妖怪火車の「モチ殺し」に対する反撃技として使用。
モチを大量の目玉に変形させて対象を包みこみ窒息させる技。
アニメ2期では1度使うごとに寿命が5年縮むらしい。そんくらい縮んでも問題ないくらい長生きしてると思うが
5期においては描写はされていないものの火車はこの技が相当トラウマになっているらしく、鬼太郎も青ざめながら「世にも恐ろしい技」と仲間に伝えている。


〇指鉄砲
6期で全盛期の力を一時的に取り戻した際に使用。
その威力と精度は鬼太郎のそれを遥かに上回る。
(中の人の影響かかめはめ波ファイナル・エリシオンに見えるとの声も)
原作や過去のアニメでは使用したことは無いが、5期においては鬼太郎にこの技を伝授するシーンが存在することから問題なく使用できたと考えられる。
後の話で、目玉おやじの姿のままでも使用できる事が判明し、やはり威力は絶大だった。


〇霊素
目目連によって石化された鬼太郎に吹き付けた、不思議な吐息。鬼太郎を幽霊の姿で復活させた。


〇生命力
目玉だけになっても生きていることからわかるように、幽霊族らしく異常な生命力の持ち主
ペちゃんこに潰されようが体に穴を開けられようが大やけどしようがしばらくすると何事もなかったかのように再生する。
一方で、逆モチ殺しやまぼろしの汽車のように霊力を多量に消費した場合はしばらく寝込んでしまうほど消耗するなど、決してその命は無尽蔵というわけではない。



【アニメ】



原作との差異はほとんどなく、どのアニメでも息子思いの父親として描かれている。
鬼太郎やねずみ男、猫娘と異なり、キャラクター性も各シリーズでほとんど変わらない。
一期から五期+墓場まで、一貫して田の中勇氏が演じてきたためだろう。
尚、原作では普通の口調だが、アニメにおいて「~じゃ!」といった老人口調でしゃべることが多く、現在ではこちらの口調が一般的になっている。


1期2期


「お~鬼太郎も現代っ子だなぁ!プラモデルを貰ってあんなにはしゃぐとは!!」

「なあ鬼太郎。人が死ぬのは悲しいことじゃが、もし永遠に死なないことがあるとすれば、それはもっと悲しいことに違いない。わしはそう思うぞ」

ほぼほぼ原作通りだが、強敵に立ち向かおうとする鬼太郎を必死に引き留めたり、
かまぼこになった鬼太郎を救うべく借金までして買い戻そうとするなど後のシリーズと比べてもかなり過保護。
その一方で現代っ子気質の鬼太郎(1期)に悲喜こもごもの反応を見せたり、
自分のしたことが正しかったのか苦悩する鬼太郎に上記2つ目のセリフで慰めている等よき父親でもある。
ねずみ男に対しては歴代でもかなり辛く当たっており、酷い時には顔を見せただけで「帰れ!」と文句をぶちまけることもある

ちなみに、この頃は「瞳を閉じる」という描写は無く、寝ているときも瞳孔は開きっぱなしだった。
一期の頃には自分で解決策を思いついた鬼太郎に「何をするつもりかわからんが、やってみろ」とのたまうことも割と多い。

そしてエンディングクレジットで「父親」と表記されていたのは地味に有名。


3期


「人間は、鉄とコンクリの町の方が好きらしいのう」

今作では若干誕生の経緯が異なり、行方不明になった人間の妻「岩子」を探すために病で動かない体を捨て目玉の体になった。
そのため上記のセリフ通り若干辛らつな発言を向けることがあるものの人間に対してはかなり好意的であり、
ユメコとのデートに向かう鬼太郎を茶化すなど基本的に人間との恋を応援するスタンツを保っている*1
なお、今作では「目玉から光線」「幻術を見せる」といった原作にはない超能力を見せることも多かった。

ちなみにこちらのエンディングクレジットでは「目玉」表記である。


4期


「なァに、気にするな鬼太郎。ないと思えば何もない。あると思えばすべてある」
「わしらを知っている人がある限り、わしらはここにおるし、こうしてわしらがいる限り、これが現実じゃよ」

今作では親バカの面が強調されているが、鬼太郎自身も目玉おやじへの依存度が高い傾向にあり、歴代でも特に親子の絆を見せる場面が多い。
あと他人の家に来てお茶を出されたときはそのまま湯呑につかる。
物語の締めに事件の発端となった人間の業や環境の変化に苦言を呈すなど、人間に対しては少し厳しめな態度を示すことも。
一方で子を持つ父親らしく、マザコンをこじらせて狂った青年を叱咤激励する、猫娘から息子へのデートの誘いに物思いにふける、といった年長者の印象も強い。

ちなみに一刻堂により「本来の姿」に戻されたときは「目玉のオモチャ」になっていた。
まあ、いくら何でも腐り落ちたナマの目玉は放映不可能だったろう。


5期


「息子の命の危機に、恐れるものなど何もない!!」

今作においてマスコットとしてのキャラを確立。
人間世界の流行りに興味津々だったり、花火が苦手だったり、テレビドラマやゲームにドはまりしたりとあらゆる面で俗っぽい「親父」の面が垣間見えた。人間の女子高生からも「キモカワイイ」と好評だった
特にメイド喫茶で鬼太郎に扮してアテレコするシーンは、今までにない低めの声も相まって必見。

「ラブラブ注入コーヒーくださぁい♪」
「キミのラブラブの入ったコーヒーの中でうっとりトロけたいです♪」

一方で、最初のセリフを放ちながら閻魔大王に鬼太郎を救うために地獄の炎を貸してくれるよう嘆願したり、
西洋妖怪との闘いではぬりかべを苦しめる蝙蝠たちを棒で追い払ったり鬼太郎がやられたと思った時は仇を取るために西洋妖怪相手に生身で立ち向かい無双したり、釜鳴りの回では下駄とちゃんちゃんこの力を借りてとは言えなんと釜鳴りをこらしめているなど戦闘面でも活躍しており、
さらに消防士のドラマにドはまりした時はレスキュー隊を結成するなどここぞというときに見せる胆力や実力は歴代でも随一。てか、もはや行動力の化身。
また井戸仙人とは喧嘩友達であり昔、悪い頃の火車をこらしめたという5期ならではの妖怪たちとの関係も見所。


墓場鬼太郎


「ただの子供は留守番だ!!」

貸本版を原作としているので、性格的な変更はあまりなく、口調もマンガとほぼ同じ。
人間に対して無礼な態度を取りがちな鬼太郎とは違い基本誰が相手でも丁寧に接し、
鬼太郎を救ってくれた人物に対しては恩返しを欠かさないなど非常によくできた人物(?)として描かれている。
原作との相違点は、幽霊族の証であるちゃんちゃんこを奪われるという大失態を犯した鬼太郎に対して目を血走らせながら上記のセリフを吐いて怒鳴る等、息子に対してやや厳しめの態度を取ることが多いことだろう。

あと掲載当時のセリフの中には現在では放送禁止用語が多かったせいか、セリフのところどころが変更されている。
たとえば、ねずみ男に対する「あいつは二回も脳膜炎をやってるんだ」とかが。一期では普通に放送されてたけど


6期


「鬼太郎、違う者同士が1つの世界で生きていくのに、1番必要なのは何か分かるか?」
「それは、お互い相手を尊重して、理解しようとすることじゃよ」

今作から鬼籍に入った田の中氏から、初代鬼太郎を演じた野沢雅子氏に声優が変更。
まさかの、それでもって願ってもないキャスティングに、ファンは驚きと喜びを露わにしたとか。

今作では妖怪の知識のみならず人間社会や文化についても博識であり、人間社会に疎すぎる鬼太郎をあらゆる面でサポートしている。
一方で1話の時点ではスマホを実際、見たことがなかったり、歴代と異なり西洋妖怪のことは「よく分からん」と言うなど、海外の妖怪に関しては知識の限界を見せており、知識面における偏りがある。

親としては、自分を助けてくれた犬山まなに素直にお礼を言えない鬼太郎に苦言を呈したり、
上記のセリフを言って鬼太郎の背中を後押しするなど、厳しくも優しく教え諭す「父親」の一面をよく覗かせている。
恋愛感情に疎い鬼太郎を思って、ゲームを通して恋愛の指導をしたこともある。

「夢はいつか覚めるからこそ尊いもの…。この夢、終わらせてもらうッ!!」

6期においてはじめて病気になる前の全盛期の姿が公開され、しかも砂かけ婆の言にたがわず凄まじくいい男だった
原作漫画における成長した鬼太郎、田中ゲタ吉の姿を思わせる銀髪長身に着流しが異常に似合う美壮年という姿は、
わずか数分間の登場にもかかわらず、多くの視聴者を虜にしてしまった。
野沢氏は今回目玉おやじを「鬼太郎が成長したイメージで演じた」と語っていたが、この話ではそれがまさに間接的に実現した形であるだろう*2

また上述したように第1作、第2作では「父親」表記であったため、
「子供を守るためなら何でもする、ただの父親だ」というセリフに感慨深いモノを感じていた視聴者も。


追記・修正は目玉だけになってからお願いします。


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