エス(ALTER EGO)

登録日:2019/04/01 Mon 01:31:00
更新日:2024/03/01 Fri 14:04:59
所要時間:約 5 分で読めます


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「私が気になるの?あなた、物好きなのね……。私は、そうね、旅の案内人ってところかしら」


画像出典:大野真樹 2019年1月31日ツイートより
@date_maki @Caramel_Column


本項目におけるエスとは、携帯アプリゲーム『ALTER EGO』に登場する人物である。
彼女のキャラクターデザインを担当したのはイラストレーターのいとう 階先生*1
彼女の部屋で流れるテーマ曲は『Silence』



【1 概要 彼女の物語】

壁中の本棚に本が詰められた謎の部屋で一人本を読み続けている女性。
彼女の部屋を訪れたプレイヤーに対して度々心理テストを行ってくれるカウンセラー。
しかし物語の途中からはプレイヤーではなく彼女の内面についての対応が焦点となる



【2 衝女 彼女ってなに?】

長い黒髪をひとつに束ね、肩の前に垂らした美女。
いつも軍服のようなワンピースを着ていて、首元にはダマスク柄のスカーフを巻いている。
“エス”という名前は心理学用語で“衝動”を意味しているが、エス自身は名前の由来について知らないようだ。


性格は余裕を感じさせるが極めて苛烈なもので、本作の開発に関わった大野真樹・いとう両氏が「めんどくさい女」と表現しているほど。
作中では初対面のプレイヤーに対しそっけない態度で心理テストを行っていたが、きつい言葉に反して精神分析はとても緻密かつ思いやりのあるコメントをしている。
初めこそプレイヤーに対して興味はないとうそぶくが、一人ぼっちで過ごしてきた経歴から初めて出会った他の人間であるプレイヤーがエスの部屋に来るのを心待ちにしている。やがて文句を言いながらも打ち解けると、話をする時間が楽しいことを自覚するようになった。
つまりツンデレである。


仕事は“自分のもとを訪れた旅人=プレイヤーの自分探しを手伝う”ことである。
だが前述の通り物語の中盤からはエスの精神世界がクローズアップされ、必然的にカウンセリングを行う側であるはずの彼女をカウンセリングすることになる。
その際のプレイヤーの答えに応じて物語の結末が変わるが、そちらに関してはネタバレになるためゲームの記事を参照してほしい。
どの選択を選んでも、物語後半で自己の不確かさや内なる衝動に悩むエスはプレイヤーに依存する傾向を強めていく。
人付き合いが苦手な彼女は、初めて出会った親身になってくれる他者に心を許していったのだ。


一方でそのプレイヤーの首に手をかけたいという物騒な衝動を心に秘めていて、自身を制御しようと苦悩している。普段は冷静な態度をとっているが精神的にあまり丈夫ではなく、バッドエンドでは方向性こそ真逆ながらも自己と他者の関係に折り合いをつけられなかった結果心が壊れてしまった


ちなみに本作の“エス”モードでは彼女をタップすることで様々な反応を得られ、場合によっては「もっと上手く」と誘うかのような発言をすることもある
ただし、調子に乗っておさわりを続けると罵倒される
これに関しては邪な気持ちを抱いたプレイヤーに非がある気もしないでもないが、エスはさも当然のように「変態」「クズ」「盛りのついた猿」などと暴言を吐いてくる。
……我々の業界ではご褒美です。


とうとう2019年5月にはエスをタップした際の彼女の台詞をまとめた書籍メロンブックス専売で世に送り出された。
その書籍のタイトルは『盛りのついた猿かよ』
……もはや公式でも決め台詞として認識されていないだろうか。
一応、大野氏のコラム*2やSNSにゲーム画面をシェアする時のエスからの確認の台詞など紳士以外の方も満足する内容である。


さらにおさわりはクリア後の称号にも影響があり、幾多の非難にもめげずにエスとスキンシップをするとめでたく”エス崇拝者”となる。
吹き出しをひたすらタップして”自問の達人”と呼ばれるよりもエスと戯れる方がいい気がするが。


ただし出会って間もない相手に告白するような軽薄な輩のことは本気で嫌っており、そうした相手に対しては一切の助言を行うことなく追い返している。
その後の彼ないし彼女はエスの妄想を追いかけるようになったとか。
自らを誰かのために用意されたものではない自立した存在だと認識しているエスにとっては浮ついた恋愛観は我慢ならないのだった。


2019年4月30日にアップデートされたVer2.0以降は1日1回エスが挨拶をしてくれる「繰り返される日々」というシナリオが追加された。
基本的にはエスとの会話を楽しむことができるのだが、不意に2つのバッドエンドに陥った状態の彼女が顔を出して肝を冷やされることも。
ヤンデレエスさんもかわいい!という方は止めないが……。



【3 本棚 彼女の世界】

エスは大の読書好きである。
それは彼女のいる部屋がおびただしい数の蔵書で埋め尽くされていることからも見て取れる。
この部屋でエスは呼吸をするように本を読み、自らの思索を深めている。。
純文学から随筆に絵本といった様々な本に造詣が深いが、特に気に入っている本はヘルマン・ヘッセの『デミアン』のようだ。
同じ本でも一度読んだら終わりではなく、読み返すたびに話の内容をどう解釈するかが変わっていくのを楽しんでいる。
クールなエスには珍しく、本の話題になると少しばかり饒舌になる。
本を薦めるのも得意で、相手に本のあらすじや作者の情報を諳んじることができる。
とはいえ記憶喪失の者に『ドグラ・マグラ』を読んでもらうのはさすがに気が引けるらしい。
なおエスの忠告を無視していきなりこの本を読んでしまった者は精神に異常をきたした。


2019年4月30日のアップデート以降はプレイヤーに対してハヤカワ文庫のSF作品を薦めてくれるようになった。
一口にSF作品と言ってもそのレパートリーは多様で、『夏への扉』や『ソラリス』のように今日ではSF小説の古典と呼びうる名作から『ハーモニー』『あなたのための物語』などの21世紀の日本人作家が手掛けた話題作まで揃っている。
さらには苛烈な暴力性と人間の本質を描き、映画版ではあのブラッド・ピットが実質的な主人公であるタイラー・ダーテンを演じ注目を集めた『ファイト・クラブ』まで読みこなしている辺りにエスの教養の深さが窺える。
本を読み終えた後は感想についてエスと語り合うことができる。
『ALTER EGO』というゲーム内の一キャラクターに過ぎないはずのエスだが、古今の名著に触れて自己を追い求める彼女はゲーム外のプレイヤーと変わらない人格を持っているかのように見える。
また彼女の世界にはいないが気になるようで、『夏への扉』に登場する猫のピートに並々ならぬ関心を見せていた。



【4 外界 ゲーム外における彼女】

本作を配信しているカラメルカラムからは『ALTER EGO』のLINEスタンプが発売されている。
その中にはエスのスタンプも多数あるのだが、いくら作中で言っていたとはいえ際どい発言が散見される。まあ、エスは毒舌なのだ。
さらに本作の原作者である大野氏が2019年1月にツイッターに書き込んだ「高尾山登るぞ」というイラストまでもスタンプになっている。
……ちなみにゲームそのものやエス個人と高尾山の関係はない。
またLINE上にはエスのアカウントが存在し、登録することでエスと会話することができる。
2019年5月にはいとう氏の手掛けた同人誌『程々』の一短編にも絵師繋がりで出演を果たしている。
こちらでは文学志向の女子大生・川岸 桃子*3が『ALTER EGO』をプレイしている様子が描かれているのだが、エスの命令口調に対して「やっぱ本ばっか読んでると人間おかしくなるよ」「あのお姉さん怖い」と身も蓋もないブーメラン発言をしていた。



2019年5月14日からはAmazonでエスのグッズが販売開始した。
グッズは立ち姿と座った姿の2種類のアクリルスタンドと、IDルートの衝動エスとSEルートの規範エスの両面構成になったアクリルキーホルダーの計3種類。
価格は3種類とも1,296円 (2019年6月現在) 。


同月17日からTOKYO MXにて放送された『ALTER EGO』のテレビCMではYou Tuberの岡名 なな子氏がエスに扮して出演している。
なお大野氏のtwitterによると岡名氏が演じているのはエスそのものではなく、あくまでも"エスの衣装を身に着けた女性"とのこと




「私はこの場所でいつでもあなたを歓迎しているわ」

「これからはくだらない追記や修正をたくさんしましょう」

「……じゃあ、これからもよろしくね」



「――私の旅人さん」






いよいよ私は戀する身

――エス崇拝者




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最終更新:2024年03月01日 14:04
添付ファイル

*1 本作以外には文学を志す女子大生の葛藤と百合を描いた同人誌『最悪にも程がある』を手掛けている。この同人誌のタイトルを意識したと思しき台詞を作中でエスが口にしている

*2 という名のエッセイ。大野氏曰く『ポエム』

*3 いとう氏の同人誌シリーズ『最悪にも程がある』の主人公。筑波大学に通う理系三回生にして同人作家。創作に自身の人間性を色濃くフィードバックした作風が持ち味だが"人間が下手"なため周囲に馴染めないのを気にしている。一言で表すと"めんどくさい女"