北川史郎(鉄人タイガーセブン)

登録日:2019/12/11 (水) 18:59:58
更新日:2025/03/17 Mon 14:18:32
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本当です先生!俺は見てしまったんです!


北川史郎とは、特撮番組「鉄人タイガーセブン」の登場人物。演じたのは達純一。


人物


ムー一族を追う高井戸グループの一人で、高井戸博士の助手。最終回での高井戸博士の「明日からはみんなそれぞれ大学の研究室に戻ってくれたまえ」という発言から、元は大学生だった様子。一人称は「俺」だが、16話のみ「僕」を使う場面もあった。
伊豆半島出身であり、妹の美穂と漁師をしている父の源吉がいるが、父は後述の理由で死別してしまう。

非常に厳格な性格で、物事をストレートかつ直情的に考える事が多く、自分勝手な人間が大嫌い。
その為、ムー原人を信じない人々に食って掛かることも多い*1
しかし、自分自身もまた自分勝手であることはやや自覚しており、それで苦悩したこともあった。

仲間の三平のことは弟分として接しているが、その一方で滝川博士の信奉者であったが故に、彼に反発していた息子のに対してはいい印象を持っておらず、(主に後半から)理不尽レベルで辛く当たることが多く、酷い時には掴みかかったり*2鉄拳を浴びせたり*3することも。

言うなれば「敵よりも厄介な味方」といったところであるが、普段は剛を気遣い仲間として接する一面があったり、妹思いであったりと、根は悪い奴ではない。

スズキ・ハスラーTS 250cc・4型(ライダーマンバイク「ライダーマンマシン」と同じ車種)に搭乗する。

主な行動


《第1話》
他の面々と共にムー原人の一人・マグマ原人カエンジンの襲撃を受けるも、タイガーセブン(剛)によって窮地を救われ、滝川博士ら調査隊が全滅した旨を告げられる。

《第2話》
剛と初めて対面するも、「父(滝川博士)がムー一族の墓を探すなんて、バカげたことだと考えていた」と語る剛に激怒し、更に「調査隊を見殺しにして自分だけ逃げてきた」と思い込んでいきなり殴りかかった。高井戸博士や三平、ジュンのおかげでこの場は一応収まったのだが。
しかし、剛がミイラ原人を倒したと聞いて見直したのか、その後しばらくは剛に辛く当たるようなことはほとんどなく、比較的気さくに接していた。

《第4話》
オイル原人によってコンビナートが大被害を受けた際、自責の念に駆られる剛を「お前の責任じゃないよ、(悪いのは)世間の無理解さ」と慰める。

《第5話》
工事現場にあったムー一族の前線基地の目撃者2人をへび原人の変身した大蛇に殺されて落ち込む剛を励ます。

《第6話》
電気殺人の罪をエレキ原人に着せられて警察に捕まるも高井戸博士に引き取られた剛を慰める。

《第13話》
学校をズル休みして父・青木博士の墓参りに行った次郎がガマ原人ガマツブラに襲われ、雪が降る中倒れていたことで熱を出して寝込んでしまう。次郎は「ガマ原人に襲われても剛が助けてくれず、代わりに父が助けてくれる」という夢を見たことで学校をズル休みしていたのだ。
研究所にて、次郎が欠席していることを学校からの電話で聞いたジュンは、剛にそのことを伝えてもまともに取り合ってくれず、まさかと思って自宅に戻ったところ、次郎が家にも帰っていなかったことを知り、電話で剛に相談しても事件の調査による多忙でロクに話を聞いてくれなかった。その結果、夢とほぼ同じ事態になってしまったのだ。
ジュンにその事を糾弾されたのちに一人外へ出ていった剛に「お前次郎がいなくなったの知ってたのか?」と聞いたところ、剛は黙って頷いたため、胸ぐらをつかんで「お前には隊員の資格なんて無い!」と責め立てた。止めに入った三平に「剛さんにも言い分が…」と窘められても「そんな事は俺が許さん!」と一蹴した。高井戸博士のおかげでその場は収まったのだが。
…そしてこの辺りから剛に辛く当たる場面が多くなっていく。

《第14話》
次郎がろくろ原人のろくろヴィールス*4に感染するという緊急事態の中、剛がいなくなった*5事に「こんな大事な時に、剛の奴!」と怒り、2日目には「剛の馬鹿野郎!」とその場にいない剛に罵声を浴びせていた。
しかし、3日目に剛が命の花を手に帰ってきた際には特に責めることはなく、疲労困憊の彼を気遣っていた。

《第15、16話》
地熱発電所の建設現場がガス原人に襲われるのを防ぐべく三平と共に設計事務所へ見張りに行くも、責任者の太田から相手にされず追い払われる*6。さらにガス原人との戦闘で三平共々負傷。
不幸中の幸いか、三平と共に気を失っていたおかげでガス原人のガスを吸わずに済んだが、これによって戦いそのものに嫌気がさし、高井戸博士に対し「先生!俺達はいつもどうしてこんなに痛い目に遭わなければならないんです!?」「ムー原人からは付け狙われ、一般の人達からキチガイ扱いだ!世間や警察も信じない事に、どうして俺達だけが命を掛けなければならないんです!?」とごねる。さらには「今さらそんなこと言ったって…」と宥めようとした剛にも「お前はムー原人と戦うのは当然だ!親父を殺されたんだからな!いわばお前にとっては親の仇だ。だが俺や三平には何の関わりもない!」と八つ当たりする。ならどうしてムー原人の研究に関わろうと思ったのか。
しかし続く16話では、「ムー帝国の存在を証明するためには、ムー原人や戦闘員を捕まえてそれを証拠にする以外に手はない」という高井戸博士の言葉で考えを改めたのか、「何も知らない人たちに、一刻も早くムー帝国の存在を知らせる……我々の仕事がいかに大きな意味を持っているか、それが分かった」という理由から、危険を承知で高井戸博士たちとクモ原人の洞窟に向かった。

《第17、18話》
父の源吉が海底地震の事故で行方不明になったニュース*7を聞いて激しく動揺し、伊豆半島へ急いで向かう。
後を追ってきた剛の「ムー原人の仕業」という主張も「俺は調査や警戒のためにここへ来たんじゃない」「ここは俺の故郷なんだ!」と聞き入れず、それでも「(ここが北川の故郷であることは)知ってる、だからこそムー原人の手からこの町を守ろう」と呼びかける剛に激怒して掴みかかった。妹の美穂に制止されてその場は収まったが。
そして剛が去った後、美穂と共に港で父の帰りを待ち続けた。
だが海底地震は地震原人の仕業であり、父は死体として発見されてしまう。その際は、怒りの余り海坊主原人を素手で倒してしまった*8
だが当の本人は完全に無我夢中でやっており、何故あんなことをしたのか自分でもよくわからなかった。そして高井戸博士らに介抱されていた際に「自分は原人と心中するつもりだったのかもしれない」「自分みたいな男には隊員の資格なんてない」「ニュースを聞いた時から親父のことだけが心配だった」「『他の事は何も考えたくない』『親父が無事でいさえすればそれでいい』そればかり考えていた」「自分はそういう自分勝手な奴だ」と自嘲し、同時に「自分にとって親父ってのはものすごくデカい存在だった」「それに気が付いたときにはもう親父は…」と悔やんでいた。
その後、美穂にここに残るよう引き留められるも、「今行かないと一生後悔することになる」と言い、その手を振り払った。

《第19話》
流星原人に挑んでいた際、剛がタイガーセブンに変身するために姿を消す様子を偶然にも目撃。
事情を知らない北川は、ホテル下田*9の一室で高井戸博士に項目冒頭のように告げ口し、剛を「ムー原人が恐ろしくなって逃げ出した卑怯者」「タイガーセブンが来てくれなければ自分たちは死んでいた、あいつは命が惜しくなった」と激しく非難。三平の「ひょっとして、剛さんがタイガーセブンってことは?」という疑問も「そんな事は有り得ない!」と一蹴し、「仲間としてこれだけは言いたい、平然と仲間を裏切るような男は、俺は絶対に許さない!」とさらに剛を非難した。部屋のドアの前でそれらを聞いていた剛は居たたまれずにその場を後にした。
しかしその後、剛と同じくドアの前でそれらを聞いていた次郎と言い争い、高井戸博士に注意されていたところ、ホテル内に潜んでいたムー帝国の戦闘員が出現。それを追って戦っていた際、ジュンから事情を聞いて駆け付けた剛が自分を助けようとして右腕を負傷。それを次郎に「北川さんのせいだ!北川さんが、剛兄ちゃんに弱虫って言ったからだ!どうしてあんなこと言ったんだよぉ!!」と激しく責め立てられたときには何も反論できずにその場を後にし、夜の下田の町を当てもなく彷徨っていた。
翌日、自分たちに怪我を押してまで同行しようとする剛を心配し、高井戸博士に止められて残ることになった剛に気を付けるよう言われ頷いた。

《第23話》
高井戸博士の指示と自分の制止を無視してまでコールタール原人に挑もうとするも、変身する際に乗っていたオートバイで子供を撥ねてしまった剛。
やがてコールタール原人の攻撃に倒れていた剛が目覚め、博士たちがどこに行ったか尋ねると、例の子供が入院している病院に向かったと答える三平に「三平、答える必要はない!こんな自分勝手な奴は相手にするな!」と釘を刺す。そして剛に対して「先生の指示を無視し、勝手な行動をする!お前が怪我をするのは構わんが、子供まで犠牲にしたんだぞ!出てけ剛!俺は滅茶苦茶殴ってやりたいのを我慢してるんだ!」と激しく非難。

《第24話》
ムー原人を追ってグランスパー長島温泉*10へ向かう。
しかし出発前、孤独に耐えられなくなった美穂が訪ねてくるも、ムー原人捜索のために東京を離れる為やんわりと追い返す。
だが後に美穂に「兄を返して」と頼まれた剛が高井戸博士に相談しているのを陰で聞いた上に、美穂が長島温泉まで追ってきたことで、剛の余計なお世話に「それはお前(剛)の心配することじゃない!」と激怒。「お前にはそこまで立ち入る権利があるのか?それともお前自身が臆病風に吹かれて、研究所を辞めたいのか?」と剛を詰り、さらには「やめて兄さん、あたしが滝川さんにお願いしたことなんだから」と静止しようとする美穂に、「違う!こいつ(剛)は自分がこれ以上ムー原人と戦うのが怖くなったんだ。だがな、自分が本当は逃げ出したいんだ!」と説いた。*11
そしてこの一件が、剛が戦いに対する疑念を抱くきっかけとなってしまった。
結局美穂は願いを叶えられぬまま伊豆半島へと帰ることになったが、別れ際にミカンを渡して妹を見送ってあげた。

《第25話》
朝のホテルナガシマにて、高井戸博士に「このままじっと奴らの出方を待っているつもりですか?」と問い、「闇雲に動けばここに泊まっている人たちに不安な思いをさせるだけだからその方がいい」と主張する剛に「闇雲じゃない、この長島温泉の近くに奴らの本拠地があると考えたから来たんだ。違うか剛?」と難色を示す。
その後、ホテルのカフェにてムー原人の本拠地について話し合っていたところ、「自分たちは一体何の為に戦うのか」と戦いに対する疑念を口にする剛に「今さらふざけたことを言うな!」と詰る。それを剛に「ふざけていません!」と反発されると、今度は「だったらそんな分かり切ったことを聞くな!」とさらに詰った。
やがて剛と入れ違いになったジュンにその事を話し、「何かあったのかしら?」と剛を心配する彼女に対して「今に始まったことじゃないんだ、あいつ(剛)ここの所ずっと変なんだ」と吐き捨てるように言い、問題は剛よりもムー原人だと、高井戸博士に指示を仰ぐが、これまでの一部始終を聞いていた高井戸博士は何故か何も答えなかった。

第26話(最終回)
第25話の後で戦いから逃げ、オートレーサーに戻ってしまった剛に対し「冗談じゃない!苦しいのは剛だけじゃない、俺達だってみんな苦しみながら今日までムー原人と戦ってきたんだ!それを苦しいからって自分一人だけ逃げ出すなんて勝手すぎる!そんな奴と一緒に戦うのはこっちで願い下げだ!」と激怒し、高井戸博士に自分達だけでも戦うよう進言するも、博士の判断で研究所は閉鎖になってしまう。
その結果、「剛のために、今までの俺たちの努力が無駄になったんだ!こんな腹の立つことがあるか!」と長島温泉のおでん屋でヤケ酒に走った。
そして高井戸博士が突然消えた旨をジュンに告げられ、大急ぎで港に行くと、そこには岸に打ち上げられた博士の亡骸があった。単身ギル大使に挑んで殺されたのだ。
しかもその手にはギル太子の毛髪がしっかりと握り締められており、「命がけでムー原人の存在を世に示した」と推測。
やがて悲しみに暮れていた際、そこへ今さら戻ってきた剛を「先生はな、お前が殺したも同じなんだ!」「お前だけが苦しいんじゃないんだ!」「何が『耐えられない』だ!」と、これまでの鬱憤を全て晴らすかのようにフルボッコにし、最後に剛がやらないなら自分と三平だけでも戦うと言い、「卑怯者は何処へでも行ってしまえ!」と剛を突き飛ばすと、そのまま走り去っていった。
その後は三平と共に博士の仇を討つべく、ムー一族に最後の戦いを挑むも歯が立たず、再起した剛が変身したタイガーセブンに窮地を救われる。
最終的にタイガーセブンの正体が剛であることを知りつつも、「どうして俺達にまで隠してたんだ?」と問い、最後まで本当の意味で剛と和解することはなかった。


余談


  • 演じた達氏は『サンダーマスク』の大魔王べムキングのスーツアクターをやっていた他、『仮面ライダーV3』でクサリガマテントウの人間態を演じ、前番組の『風雲ライオン丸』でも脇役で出演していた。また、映画『アサンテ サーナ/わが愛しのタンザニア』にて主演も務めており、こちらでは北川とは正反対な温厚かつ真面目な人物を演じている。

  • 剛とはあまり仲良くなかった北川であるが、演じた達氏は剛役の南城竜也氏とは「南城さん」「達ちゃん」と呼び合うほど仲が良かったらしい。



剛のために、今までの俺たちの追記修正が無駄になったんだ!
こんな腹の立つことがあるか!

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  • 助手
  • 根はいい奴
  • ※土曜夜19時です。
  • 大学生
  • 短気
  • 高際和雄の本気
  • ※主人公の仲間です
  • ギスギスシーン製造機
  • 後輩との不和
最終更新:2025年03月17日 14:18

*1 3話ではハンターたち、4話では刑事、15話では発電所建設現場の責任者・太田に食って掛かっている

*2 13,17話

*3 2,26話

*4 感染すれば10日以内に体が冷たくなって死ぬ恐ろしいヴィールス

*5 この時剛は、ろくろヴィールス感染者を治療できる命の花を探しに砂漠に向かっていた。

*6 その後太田は、ガス原人のガスによって他の作業員共々殺害されてしまう。

*7 ちなみにこの時のTVアナウンサーを演じられていたのは、故・岸野一彦氏である

*8 建物の屋上から諸共に落下して転落死させて自分はプールに落ちるという、ほぼ相打ち同然だったが

*9 この回のロケ地。

*10 本編終盤(24~26話)のロケ地。同社作「スペクトルマン」をはじめ数多くの特撮でお馴染みのリゾート地でもある。

*11 その結果博士に叩かれてしまい、博士が三平と共に四日市コンビナートに向かった後、一人温泉に浸かって苦悩していた。