クイン(黒白のアヴェスター)

登録日:2020/01/25 Sat 21:55:18
更新日:2020/02/02 Sun 00:01:11
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私は……クイン

ある、哀れな母親の名を貰いました。
私は彼女じゃありませんが、その遺志を継いであげたいと思ったのです。
私は彼女の同胞だから。

聞こえますか、私の同胞。何処にいますか、希望の子たち……
あなた方の想いに触れたい。光が見たい。

私はクイン。あなたの奇跡と共に在る者……
どうかよろしくお願いします。



黒白のアヴェスター』の登場人物。
正ヒロインであり実質的な主人公。


プロフィール

種族:自動人形
性別:女性
身長:162cm
体重:50kg
CV:種崎敦美


戒律:輝ける従順(アクワルタ・スラオシャ)



概要

悪なる不義者(ドルグワント)に抗する善なる義者(アシャワン)戦士(ヤザタ)の一人。

外見はややウェーブのかかった肩をくすぐる程度の金髪に、赤い瞳を持つ十代後半から二十代前半程度の容姿の少女。

しかし、その実態は不義者の頂点に君臨する七大魔王の一角、『破滅工房』クワルナフによって創造された自動人形。
人間と全く同じ外見と内部構造を持ち、思考回路や感情も人間と同じものを持つ存在ではあるが生物ではなく、宇宙空間の無酸素・超極低温・放射線の三重苦にも問題なく活動できる頑強さを持つ。


この宇宙において不義者の両親から義者が生まれる、あるいはその逆は普通に起こり得る現象ではあるが、クインは意図的に義者として生み出された。

クインが生まれる少し前、クワルナフは生きる伝説とさえ言われた英雄ワルフラーンを討ち、戦士の殿堂『聖王領(ワフマン・ヤシュト)』を壊滅に追い込んだ。

しかし、その時に第一位魔王は「いつか祈りが集まり奇跡となって魔王を討つ」という義者たちの怨嗟にも似た主張に疑問を覚えた。
彼らが言う『祈り』とはなんなのか。理解できないが放置していては成長もできない。

そこで魔王は奇跡を蒐集するため、他者の感情に同調し観測するための機能を有する『娘』を創造した。
義者である娘は当然、不義者である父を滅ぼすため、その指示(オーダー)を快諾した。


はい、承りました。
必ずや、あなたを討ち滅ぼしてみせましょう。


その後、宇宙空間に放り出され知的生命体のいる星に辿り着くまで七年、同胞である戦士の一人ズルワーンに遭遇するまで九年、そこからさらに一年振り回された結果、生まれてから都合十七年かけて正式に聖王領の戦士に任命された。

前述の通り、親子の属性というのは往々にして違うこともあり、また基本的に真我(アヴェスター)によって善悪は判別できるため、魔王の娘という出自も問題視はされていない。


他者との同調という機能のためか、性格はやや天然なところもあるが義理堅く、常に敬語で話す落ち着いた常識人。
後述の戒律のため一歩引いたところはあるが、内心では意外とボロクソに罵倒していたりと『普通』の感性の持ち主。
味覚はないが宴や団欒の雰囲気は好きで、食べなくても支障はないが提供された料理は遠慮なく頂く、結構な健啖家。

真人間(?)であるため聖王領きっての問題児マグサリオンやズルワーン、お調子者のサムルークやロクサーヌなどに振り回される苦労人気質。
星霊加護の刻印が左太腿の股間に近い内側にあるため「羽根を見せろ」という指示でスカートをたくし上げてパンツごと見せたり、ズルワーンが清い身体であることを証言しろと命令された際には、



だから――!

この人は勃たないんです! そっちの方面が不能なんです!
まぐわい、性交、イチャラブ、子作り、全部できません!
永遠の童貞です!


と大勢の前で叫ぶ羽目になるなど、セクハラの被害に遭うことも多い。

一応は女性なので綺麗と言われれば素直に嬉しがる。恋愛経験はなく、構造は人間と同じだが生殖能力があるのかは不明。


戦闘面は自身を道具と定義しているため武器との相性は最悪で、基本的に徒手空拳で戦う。
自動人形だが自然治癒力は持っており、最高位の回復強化(ハオマ)の加護使いであるロクサーヌの治療と併せれば半身が吹き飛ぶほどの重傷からでも元通りに復元できる。


自我が芽生えるよりも早い生まれた直後に、不義者を妊娠した女性の意識と同調。
胎内の悪を駆逐するため自ら身投げし、しかしその行為が未だ生まれてすらいない胎児の思惑通りだったと絶望して死んでいったその女性の無念を、『クイン』という名前と共に受け継いだ。

そのため、後に成長し第四位魔王となった『殺人姫』フレデリカとは浅からぬ因縁があり、「この忌まわしい怪物を消し去ってくれ」というかつてのクインの遺言を今も大事に抱いている。


現在の聖王領において最高の武功と最大の規律違反を同時に抱える問題児ことマグサリオンのことは、その行きつく先が冥府魔道だとわかっていても、どうしても目が離せない存在として気にかけている。


意識の同調を応用することで、テレパシーのように心で会話をすることも可能。クインとの一対一だけでなく、集団での同調も可能。
ただし、気を抜くと普段は隠している内心の愚痴が駄々漏れになる。

距離に応じて感度や速度は減衰するが、クインは暇があれば宇宙中に自分たちの現状を語り伝え、いつか同胞となる戦士の勧誘を行っている。

『黒白のアヴェスター』は、クインが読者(義者)たちに語りかける物語である。



戒律:輝ける従順(アクワルタ・スラオシャ)

◎他者の指示や願いに従う形でしか行動できない。
→指示さえ受ければ応じた性能が跳ね上がる。

クインが持つ戒律。
自らを道具と定義することで自発的な行動に枷をかけるが、真我、魔王クワルナフ、聖王スィリオスという三者の強大な意志によって『奇跡を集め善悪闘争に死力を尽くせ』という大目的を与えられているため、それを遂行するためならばある程度の自由も許容範囲。

例として「ご飯作って」と命令すれば、初挑戦の料理でもプロの調理師顔負けの腕前で完成させるといった具合。
思考同調があるためわざわざ命令せずとも成立するが、口頭で直接命じた方が効果は高まる。


基本的にどんなに本人が嫌でも拒絶することはできないが、複数の願いが矛盾する場合などには願いの重さ、強弱により生じる優先順位によって拒絶が発生する。
例えば『善を裏切れ』という命令は最上位にある真我に背くため遂行できず、『ずっと自分たちを守ってほしい』という願いもクワルナフとスィリオスの『善悪闘争で“みんな”に使われ続けろ』という指令によって断らざるを得ない。

これを利用することでクイン本人の意志による行動も可能だが、より強い想念の補強がなければ不忠と看做され天罰が下る。
なお、相手に決定権を委ねる提案は自発的行動に含まれない。

複数人からのオーダーを重ねる事で、「卑怯とも言える域」の身体強化となり、疾風迅雷をそのままに体現して数秒で山すら崩す程の火力を発揮するなど、適切に使えばリターンも大きい。

また裏技的な使用法として、『活きのいい獲物であって欲しい』という敵対する魔将が戦闘に対して思う願いに対してもこの戒律は有効に作用する。
そのため「ならばその願いを叶えましょう」とクイン本人の限界を超えた出力を発揮できるようになる。
協力強制かな?

ただし魔将の側も『強い敵』こそ望んでも『殺される』ことは望んでいないため、これ単体では互角を演じることはできても勝利には至らない仕様になっている。
そのためクインはこの裏技を使用する際には他の願いによる補強を二重三重にかけることで、魔王相手でもやり合えるほどの性能を獲得する。



余談

波打つ金髪に真紅の瞳など、外見は父親であるクワルナフの魂体と共通点が多い。
ただしクワルナフ自身は自分に魂体があることを忘れてしまっているので、無意識によるものだと思われる。

戒律名の『スラオシャ』は古代ペルシャで信仰された神。
名前は『従順』を意味し、ゾロアスター教においては天界に至れるかを試す『審判の橋』を守護する神の一柱とされる。
『アクワルタ』は輝くという意味で、悪竜アジ・ダハーカは世界の支配者の象徴である『輝ける光輪(アクワルタ・クワルナフ)』を巡って火神アータルと争ったとされる。

正田卿曰く『クール系はわわタイプ』『無茶なお願いに戸惑い恥ずかしがりながらも渋々淡々と実行する女の子、最高』
いいぞもっとやれ。





行かないで、くださいね。追記・修正して帰るまでが、任務ですから……

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