ガンダムゼルトザーム

登録日:2020/08/06 (木曜日) 10:57:48
更新日:2020/12/31 Thu 14:48:28
所要時間:約 8 分で読めます





クア…ドルン…


お前の…翼…罪なき人々…


頼む!俺を…



GUNDAM SELTSAM



「ガンダムゼルトザーム」とは、アニメ『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』に登場するガンプラである。





【機体設定】

型式番号:MSF-007SS
高さ:19.5m
重量:55.6t
ダイバー:シド(シドー・マサキ)


【概要】

隠しミッションに挑むヒロト達ビルドダイバーズの前に突然現れた謎の仮面の男・シドが操る機体。
ベースはガンダムMk-Ⅲのようだが、頭部には折れ曲がった左アンテナに仮面状のパーツ、そして5つものカメラアイが備わり原形を留めないレベルの改造が施されている。
更に背面にマウントされた巨大なランス、そしてボディ部分とは明らかに異質な巨大な右腕と、一般的なガンプラとは一線を画すシルエットを有する。
装甲もボディは暗い紫色、異形の腕は明るいオレンジ色とアンバランスな色彩で、その異様さを際立たせる。

「ゼルトザーム」とはドイツ語で「奇妙・不思議」という意味で、上記の禍々しい見た目をイメージしたものだと思われる。


凄まじいパワーを活かした格闘戦、桁違いな威力のビーム砲による砲撃戦、更にそれらを織り交ぜた戦闘スタイルを実現する地上・宇宙を問わない機動力を誇る。
そしてパイロットのシドも通常のヒトツメとは段違いの高い技量を兼ね備えており、隙がほとんどない。
その上他のヒトツメとは異なる動きをしているため神出鬼没で、かなり対策が難しい。


行動目的もよく分からないが、どうやらヒトツメの一派ではあるらしく、ビルドダイバーズの戦闘に度々介入しその戦闘能力を見せつけていく。



その正体はヒロト達より半年前に隠しミッションの舞台…ではなく別の惑星エルドラに転送されたSランクダイバー「シドー・マサキ」の愛機「ガンダムテルティウム」が改造された姿。
マサキは聖獣クアドルンによりこの地に呼ばれ、レジスタンスなどと協力して各地のヒトツメと呼ばれる敵と戦っていた。
しかしヒトツメとの戦いが激化していく中、マサキとテルティウムはこの星の元防衛システムであるコンピューター「アルス」に囚われてしまう。
そしてマサキを自身の戦力として利用することを思いついたアルスは、テルティウムにマサキを手駒として洗脳すると同時に彼の精神をエルドラに縛り付けるための装置を組み込んだ(クアドルンの見立てではこれらは改造された角と右腕に仕込まれている)。

こうして完成したゼルトザームは山の民を脅かす存在としてエルドラで活動をはじめ、ビルドダイバーズとも交戦することとなるのだった。



【装備】

  • ゼルトザームアルム
右腕の異形化したアームユニット。
通常でも左腕の1.5倍ほどの長さだが、折り畳まれている肘関節部分を伸ばすことで更に長くなりガンダムヴァサーゴの如く伸縮自在に動かせる。
掌も巨大で、形状も親指と小指が同形状な左右対称になっている。
全体的に他のボディ部分とは明らかに異質な構造・造形になっており、アルスによる改造機という面が端的に顕れてる部分といえる。

その大きさに違わず単に腕を振り回しただけでも凄まじい衝撃波を出すことができるなど、その出力は桁外れ。
後述のランスも軽々と振り回すうえ、マーズフォーガンダムのハードヒートレヴソードを正面から受け止め握り砕く握力まで備える。
ガンプラなどを皆まとめて吹き飛ばす規格外のパワーを発揮しているため、通常のガンプラの力押しでは本機にほぼ敵わない大きな要因になっている。
暴走状態時はボディ同様各部から噴き出した触手を纏わせ更に異形化。触手の中にガードアイが出現した他、触手をドリルのようにして攻撃している。


  • ハイパーデストランス
バックパック上部に横向き状態で背負っている大型ランス。
ジャスティスナイトのライテイ ショットランサーなどと比較するとやや穂先が太い。
グリップを穂先に収納できる変形機構を備えており、グリップの太さを変えることでどちらの腕でも保持できるようになっている。
中ほど部分にはビームバルカンを備え、牽制などに使える。。


  • フォールディングデストランチャー
バックパックに左に接続されているシールドバインダーに内蔵されている折り畳み式ビームランチャー。
使用時には接続アームで左腕の辺りまで移動し、備え付けグリップをマニピュレーターで掴む。
その長い砲身から発射される極太のビームがのたうち回る蛇のような不規則な軌跡を描きながら進んでいくのが特徴。
威力も尋常じゃないほど高く、ビルドダイバーズの一斉攻撃を飲み込み、メイのウォドムポッドを一撃で全壊させるほど。
また、回転しながら撃つことで複数の敵を一掃することもできる。
なお、折り畳まれている砲身部分が無くても発射は可能。ただし威力は落ちる。
暴走時は機体から伸びた触手が破損した砲身部分の代用となり極太ビームを使用可能にしている。


  • ビームサーベル
シンプルなビーム剣だが、刀身はヒトツメ機同様紫色になっている。
右腕やランスなどの攻撃手段があるため、使用頻度は低い。


  • ビームランチャー
脚部に装甲に搭載された小型ビーム砲。
使用時には脛部分の装甲が開いて砲門を正面に向けて発射が可能となる。
威力は特別高くないが、連射性能が高いため牽制や迎撃に適する。



【劇中の活躍】

序盤のレジスタンス護衛ミッションの際、一般のヒトツメたちを退けたビルドダイバーズの前に出現。
消耗していたこともあるがビルドダイバーズを攻撃を物ともせず一方的に攻撃し撤退に追い込んだ。
その後も軌道エレベーター前や衛星砲の攻防戦にも出現。
後者でヒロトのジュピターヴガンダムの相手をしながらメイのウォドムポッドの足止めなどを熟してみせたが、戦闘中にジュピターヴガンダムとビームサーベルで切り結んだ際頭部の角に僅かだがダメージを負わされる。


衛星砲発射後暫くは姿を見せていなかったが、再び地上に降りて山の民への攻撃に参加し始める。
しかし上記の戦闘で負ったダメージから洗脳の機能が不安定化し、マサキは半ば暴走しつつもエルドラの民を守ろうとしていた。

やがてこれを捨て置けなくなったアルスが差し向けたヒトツメの大群、マサキを救おうとするビルドダイバーズとクアドルン、それらと戦う三つ巴の混戦が勃発。
敵味方関係無く攻撃するゼルトザームは戦闘中に更なる暴走を起こし、全身から無数の触手が生えた異形の存在と成り果てる。
途中、マサキの自責の念を汲んだクアドルンによって撃破されそうになるが、これはビルドダイバーズにより制止される。

そして最後はサタニクスガンダムと激突し、メガニックドライバーで右腕を破壊・排除され、その余波で頭部を覆っていたマスクと角も破損。
これによりゼルトザームのボディは崩壊。
マサキを縛り付けていたアルスの洗脳も解除され、リアルで昏睡状態だった彼も無事に目覚めたのだった。



ガンダムテルティウム

マサキ本来の愛機で、ガンダムゼルトザームの元になった機体。ベースは勿論ガンダムMk-Ⅲ。
テルティウムはラテン語で「3」に意味で、ベース機に因んだ名前となっている。
ゼルトザームの特徴である右腕とアンテナはなく、左右対称でシンプルかつスマートなデザイン。
主な武装はビームサーベルや2種類のビームライフル
ゼルトザームと同様の大型ランスとビームランチャーも存在するが、名称はそれぞれ「ハイパーバーストランス」「フォールディングバーストランチャー」と微妙に異なる。
強弱の付いたバランスの良い武装構成になっており、ゼルトザームに比べると堅実な仕様となっている。

GBNでは乱戦や武器制限などを含む過酷なミッションの数々を制しており、エルドラでも無数のガードアイを退けていた。
クアドルンに騎乗して戦う様はまさに竜騎士と呼ぶにふさわしい。

マサキがアルスに囚われている間は、彼の病室の窓辺にバイクのプラモデルや写真と共に置かれていた。



ガンダムアドバンスドテルティウム

BUILD DiVERSに助けられたマサキが、再びエルドラでの戦いに臨むためテルティウムをカスタムビルドした機体。
ボディはそのままにランスとビームランチャーを外し、二機のヒュージブースターを装着し機動性を強化している。
武装はライフル二種とビームサーベルに加え、大型センサーをロングビームライフルを追加。
更にヒュージブースターにマウントされた小型シールドは二基を連結して一個の中型シールドとしても使用可能。
元のテルティウムのバランスの良さをそのままに基本性能が強化されている。

エルドラでの決戦ではクアドルンと共に宇宙へと上がり共にヒロトたちのために血路を開くために奮戦し無数のヒトツメを撃破。
アルスをGBNに誘導したあとはクアドルンと共に衛星砲のメインフレームを破壊した。



【ガンプラ】

1/144スケールがHGBD:Rとして発売。
アームの展開は可能であるが、マニピュレーター部分は肉抜きで非可動になっているので注意。
ランスの変形による両腕での保持やランチャーの展開等劇中同様のギミックが再現されている。

また、色違いの異形腕とランス、ランチャーがセットになった「ゼルトザームアームズ」も発売。
同シリーズのガンプラに装備させることができる。

その後、元となったテルティウムのガンプラも発売、前述のゼルトザームアームズで劇中のシーンが再現できる。
更にアドバンスドテルティウムの武装をまとめた「テルティウムアームズ」も発売。
これでマサキのガンプラは一般販売で劇中すべての再現が可能になった。



【余談】

ベースがガンダムMk-Ⅲ、異世界(的な場所へ)転移する、得物が大きな槍、
光と闇の姿が存在する、黒いドラゴンとかかわりがある、雷に打たれる、追加装備がGディフェンサー風、
などなど、知る人が見れば明らかに騎士ガンダムがモチーフだと分かる機体になっている。
また、ゼルトザームの配色は90年代に発売された「リアルタイプクロス 騎士ガンダム」の素体として付属するガンダムMk-Ⅲとほぼ同じ配色をしている。
そのベース機をもつテルティウムが異世界へと渡り、救済することになるのは必然だったともいえる。



追記、修正は自我を取り戻して熊について語りながらお願いします。

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最終更新:2020年12月31日 14:48