イジらないで、長瀞さん

登録日:2020/09/11 Fri 22:07:11
更新日:2024/04/15 Mon 22:29:22
所要時間:約 3 分で読めます




これからよろしくね、センパイ


概要


『イジらないで、長瀞(ながとろ)さん』は、マガジンポケットにて連載されている漫画作品。

作者は昔はおっぱいの丸焼きなど検索してはいけないようなグロ絵を描いていたはずのナナシ。

マガジンポケットでの連載は2017年からだが、キャラ自体は作者のpixivにてそれ以前に生み出されていた。

2021年にはアニメ化が決定された。放送後しばらくした後に2期制作が決定しており、2023年の1月に放送が決定された。

主な構成として、
監督は、「花井宏和」。
シリーズ構成・脚本は、「岸本卓」。キャラクターデザインは、「鈴木美咲」。美術監督は、「市倉敬」。色彩設計は、「橋本賢」。撮影監督は、「井上洋志」。編集は、「笠原義宏」。音楽は「吟(BUSTED ROSE)」。
音楽制作は、「キングレコード」。
アニメーション制作は、「テレコム・アニメーションフィルム」


あらすじ


ある日、美術部員である「先輩」は、自作の漫画原稿を女子に見られてしまう。
それだけに止まらず、次々と辛辣な指摘を受ける。
元々女子と関わりを持つことのなかった「先輩」は、次第に涙目になってしまう。

「あれ?センパイ、泣いてます?」

これが「先輩」と「長瀞さん」の出会いにして、物語の始まりであった。


主な登場人物

  • 八王子先輩(CV:山下大輝)
この物語の主人公。
長身ではあるが眼鏡にモジャモジャヘアー、人と目を合わすとすぐ逸らす等、典型的なオタクキャラ。
美術部に在籍しており、漫画も描いたりしている。

最初期は「長瀞さんにイジられるためだけにいる」と言わんばかりのヘタレなキャラ造形だったが、話が進むうちにかなり成長し、今では長瀞さんとはかなり対等な関係に。
この手の1対1ラブコメの主人公にありがちな「ヒロインへの好意をはっきり自覚してないが故の天然カウンターでヒロインをドギマギさせる」といった頻度はあまり多くなく、
長瀞さんと接していくうちに抱いた彼女への好意はかなり素直に自覚しており、割とストレートなアプローチも多い。要するに決めるべきところでばっちり決められるタイプ。
話が進むにつれて「女装がアリと思われる程度には中性的で整った顔つき」「新作ゲームにハマってしまいあまり勉強できてない!…と言いつつ平均80点」
文化祭で個展を開けば見知らぬ生徒にも称えられるほどの腕前」「長瀞さん絡みなら怖くてもチャラ男にだって喧嘩を売る」などなどの面が明らかになり、
運動が得意でない、他人(特に女子)と接することに慣れていないこと以外は割とハイスペック。

本人は「あまり友人はいない」と言っているが、文化祭で展示するための人物画のモデルを引き受けていたクラスメイトがいたので、全く友人付き合いができない、というわけではないらしい。
長瀞さん及び長瀞フレンズと親しくなって以降はよく行動を共にするようになり、傍から見たら「女友達四人といつも過ごしてる優男」なので、本人が友達いないだけと思っているのが現状である。要するにリア充
スキー合宿編以降、長瀞さんとは関係ない所でも同じクラスの男子生徒の二人の友人とよくつるんでいることが明らかになっている。

特にクリスマス回ではガモちゃんに「恋人出来てない奴ら同士集まって憂さ晴らししようぜ」と長瀞さんと一緒に女子会まがいなカラオケにただ一人男子で誘われておきながら、長瀞さんと二人で過ごすために断っている。もはやぼっちでもなんでもない。

3年生が引退していることもあって事実上一人の美術部員だったが、2年目からは須ノ宮後輩が入部しなんとか美術部を継続している。
長瀞さんが柔道部に入部したことで以前に比べて触れ合う時間が減ることを寂しく思うが「お互い別の場所で頑張る。それだけの話だから」と受け止めている。

とある一件をきっかけに「先輩」をイジるようになった女子。
小柄だが運動神経抜群で、水泳部の応援や柔道でメダルを獲得した事もある。
当初は「先輩」に対して辛辣とまで言えるほどのドSっぷりで接していたが、徐々にその態度は軟化し、デレを見せる事や、行きすぎて失敗してしまう事も増えている。
ちなみに、コミックスでは挿絵で度々「やりすぎた!」と反省する長瀞さんの姿が描かれている。

明るい性格で男女問わず人気があり、女子との交友関係も幅広い。
その反面浮ついた男子には一切興味がない様子で、「先輩」以外の男子をイジったりはせず、対応も冷めた感じに。

「先輩」には早い段階から好意を抱いていたと思われ、真剣に絵描きに取り組む彼の姿を見て微笑んだり、
自身の友達が自分と同じようなイジりを「先輩」にやろうとした際には自分もやってたことを棚に上げて真顔で制止したり、「先輩」のストレートなアプローチに照れたりしている。

ロングの黒髪をクリップで留めた褐色女子
ただ、彼女の場合はスクール水着でできた日焼け跡であり、腹部や首回りなどは白い素肌となっている。
貧乳スレンダー、水の抵抗を受けにくそうな体型。

ちなみに、「先輩」の内向的な性格の改善が進み、関係も進展していくにつれて、無理のあるイジりにツッコまれるなどのカウンターをもらうようになり、
後述の長瀞フレンズにも「先輩」との関係について日常的にイジられ始め、ついには「先輩」との関係を知らない同級生にも恋バナでイジられるように。
さらに、姉瀞初登場回にて家では姉に割といいように扱われているっぽいことがわかったりと、
話が進むにつれて本来イジられ役だった「先輩」を差し置いて作中で一番イジられるキャラクターになってしまった
そのせいで読者にも「実はこの漫画のタイトルは『イジらないで by長瀞さん』だったんだ」などとイジられることもある。


なお、揃いも揃って本名が明かされないキャラ揃いの本作で数少ない、下の名前が明かされたキャラクター。
ただし実際に明かされたのは62話とかなり遅く、61話の最後で初めて先輩に名前を聞かれるのだが、明かされるくだりはいじらしくてニヤニヤさせられるので、読んで直接確認するのも一興だろう。
一応忙しい人向けに。フルネームは長瀞 早瀬(ながとろ はやせ)。「瀞」は『川の流れが遅い所』の意味を、「早瀬」は『川の流れが早い所』の意味を持ち、なんともアベコベではあるが、言動やイジりイジられがコロコロ変わりやすい、長瀞さんらしい名前とも言える。

2年目からはかつて一度は諦めた柔道を再開し、かつての自分の心を折ったライバルに勝利して先輩からご褒美のキスを貰うために柔道部に所属する。

長瀞さんとよく一緒にいる、「先輩」がいうところの「長瀞フレンズ」の一人。
苗字は蒲生。
背も高く一見怖いが、姉御肌でリーダーシップのある性格。
初期は八王子先輩のことを長瀞さんイジりのための叩き台のように扱っていたが、八王子先輩の長瀞さんに対する真摯な想いを目の当たりにしてからは、出しゃばりすぎない程度に二人の仲を応援するようになった。
サブキャラの中では最も出番が多く、程よい背中の一押しで長瀞さんと八王子先輩の関係を進める粋なお姐様。
実家は総合格闘技のジムを経営していて、彼女自身もそこで看板娘を務めている。
2年目以降は長瀞さんが柔道を再開したのに付き合う形で柔道部に入部する。やはり面倒見がいい。


  • ヨッシー(CV:鈴木愛奈)
「長瀞フレンズ」の一人。
テンション高めないじり方をしてくるガモちゃんの相方。
初期はギャルキャラとして軽いノリでしゃべっていおり、合コンを開催したり、イジり目的で長瀞さんの目の前で八王子先輩に冗談まがいのアプローチをしていたのだが「長瀞さんがキレる→狼狽えてキョロキョロする」を繰り返している間に、いつの間にか長瀞さんやガモちゃんが発言した後に単語のみを喋る独特の喋り方をすることが多くなった。
知性を吸い取られた、洗脳されたとよくネタにされる。
常に姉御肌なガモちゃんと行動をとっているためわかりづらいが、実は「人付き合いが苦手で友達は多くない」と称する八王子先輩以上にコミュ力に欠けるところがあり、
一人だと日頃から交友がある八王子先輩との会話もままならず、チャラ男にナンパされた際には完全に硬直してしまっていた。

アニメでは流石に不自然だったからか、初期のギャルキャラ時代の出番が桜に置き換わった。
スタッフのお気に入りだったのか、やや出番が増えており完全にマスコットポジションを担当していた。

「長瀞フレンズ」の一人。
緩いギャル風のかわいい見た目と人懐っこい立ち振る舞いの裏でよからぬことを考えている腹黒キャラ。
…なのだが、確かに雰囲気は腹黒っぽく描かれているものの、やっていることだけ見ると実はあんまり黒いことはやっていない。
溜まり場を占領された長瀞さん達によってサークラ目的でゲーム部に送り込まれたが「みんないい人たちだから」とそのまま仲良くやっていたり、
そのゲーム部の部員からストーカー被害にあった後も、仲直りして以降は普通に交友が続いている。ぶっちゃけ割といい子。
ただし自他ともに認めるビッチであり、しょっちゅう男をとっかえひっかえしている。酷いときには保健室でこっそり致していたりする問題児。


露出狂。もとい、先輩の所属する美術部の部長。長瀞さん以外概ね巨乳ぞろいの本作でも突き抜けたバストサイズを誇る傑物。
例によって本名は不明だが苗字は須ノ宮で従妹には「さな姉さん」と呼ばれている。
長瀞さんよりも八王子先輩と付き合いの長い数少ないキャラクターで、彼のことは美術部の後輩としてかなり期待していたのだが、彼が部室を長瀞さん達のたまり場にすることを許してしまっていたため*2活動実績がないなら残しておく価値もない、と廃部にしようと決断できる極端な性格。
長瀞さんのことを「猫耳女」と呼び、長瀞さんからは「ウサ耳女」と呼ばれる。

美術部員としての実績は確かで、彼女の手掛けた作品は、様々なコンクールに入選し、大学生を含めた展覧会でも上位に入賞している。
その一方、前述の通り何故か脱ぎ癖があり、美術部の作品として自身の裸婦画を出展するくらいは当然。
彼女と八王子先輩が所属している美術部は文化祭の人気ランキングでやけに上位に入っており、本人は「自分の芸術性は素人の学生にもきちんと伝わっている」と認識していたが実際のところは彼女が自分の裸婦画を展示した挙句、その画の隣で堂々と解説をしていたからであり、性欲みなぎる若き男子高校生達の莫大な支持を受けていたのが実情。
全裸で写生したり全裸で素振りをしたり、とにかく脱ぐ。
本人曰く「内なるリビドーがそうさせている」との事であり、別に性的興奮は得ていない…と思われる。
そんな絵が高校の文化祭の展示会で許されるのかと思いきや、展示会で高評価をもらった有名作品なので学校側もアートとしてギリギリ認めていた。

当初は八王子先輩が尊敬する女性として自分と違って滅茶苦茶おっぱいがデカイことも含めて長瀞さんが対抗意識をむき出しにしており、そのせいで先輩と喧嘩してしまったこともあったが、
八王子先輩がきちんと「部長ではなく長瀞の方がいい」と伝えたことと、何より部長の言動があまりにもイカれていたため、「恋のライバルとは言えない何か」という認識を受けたのか、仲良しとはいえないまでも落ち着いた関係になっている。

言動こそイカれているが八王子先輩の画力の向上は認めておりそれを「愛ゆえに上手くなれた」と評価して、長瀞さんとの仲を応援してはいる。だがその割には、八王子先輩に冗談とも本気とも取れないようなアプローチをして長瀞さんに怒られている。

二年目以降は高校を卒業し有名美大に入学しているが、従妹の須ノ宮後輩をバイクで送り迎えするために顔を出したりする。
峰不二子もドン引きしそうな胸元大解放のライダースーツ姿はセクシーを通り越してもはやギャグ。

  • 姉瀞
(CV:南條愛乃)
長瀞さんの姉。当然ではあるが本名ではなく「先輩」が内心で名付けたあだ名。
髪型は肩にかからない程度のショートヘア、日焼けもしておらず色白で、目にハイライトがなく長瀞さんと違って相応におっぱいもある等、美人ではあるものの容姿的にはあまり長瀞さんには似ていないが、先輩イジりを楽しんでいた節がある当たりやっぱり姉妹。
やや威圧感ある容姿と食えない言い回しからやや怖い印象を受けるが、長瀞さんが家で「とっても面白い先輩がいる」と語っていたおかげで先輩に対しては好印象を抱いている。
姉妹仲は良いらしく、トラブルでへそを曲げた長瀞さんの機嫌を割とあっさり直せるほど妹の扱いに慣れている。

  • 須ノ宮
(CV:鈴代紗弓)
2年目から新たに美術部に入部した後輩。美術部(元)部長の後輩。当然のごとく巨乳。
先輩とは中学時代同じ美術部に所属しており「八王子先輩には大変お世話になりました」と語る等、彼にはよく懐いている。やっぱり全然ぼっちじゃないなこの先輩
長瀞さんが水着姿になって先輩の絵のモデルになろうとしたバカップル風景場面を見て「私でしたらヌードモデルも辞さない構えです」と言いながらいきなり脱ぎ始めるという部長の血脈をひしひしと感じる期待の1年生。
尖りすぎて近寄りがたかった部長をマイルドにしたようなキャラ造形で、完全に恥の概念が死んでいた部長と違ってきちんと恥じらいを持っている他、天然且つ素直な性格でぶっちゃけ大変愛らしい。
ガモちゃんが「期待の大型新人」「大事なカレシがとられちゃう~~」と長瀞さんをイジり倒していたように、長瀞さんからは思い切り対抗意識を持たれたが、流石に部長との一件で先輩共々成長したおかげで何とかなっている。

先輩が1年通して描きまくった長瀞さんの絵、そして絵から伝わる画力の向上ぶりを見て「先輩は自分の世界を変えてくれる女神に出会えたのですね」と褒めたたえるが、当の先輩が「いやあいつは女神と言うより邪神……」と言ったせいで長瀞さんを「邪神」と呼ぶようになった。

  • 折原
(CV:前田佳織里)
笑顔が眩しい柔道女子。
かつては柔道のセンス一本で向かうこと敵なしだった長瀞さんを努力の末に追い越して、初の挫折を味わわせた張本人。
長瀞さんを追い越していこうメキメキと実力を伸ばしていき、現在ではオリンピック候補にまでなる程。
彼女に負けて以降、長瀞さんは柔道への熱意を失ってしまい、校内の体育の柔道大会で彼女と当たった際にも適当に手を抜いて負けようとしていた。
しかしながら、八王子先輩の尽力のおかげでやる気を取り戻した長瀞さんは再び彼女に勝つことを目標にして同じ柔道部員として活動を再開した。
性格は非常に明るく、長瀞さんのことはずっと良きライバル・良き友人として親しみを感じている。

  • シッキー
長瀞さんと同じ柔道部員。長瀞さんや折原よりも階級が上。
単純に体格がいいのもあるが、作中トップクラスの凶悪なスタイルであり、美術部部長に勝るとも劣らない巨大なおっぱいとお尻の持ち主。
初登場時は折原に負けてから出戻りしてきた長瀞さんのことが気に食わず、面と向かって冷たい態度を取ってしいたが、八王子先輩に一喝されてから反省し、すぐに謝罪。
人として非常に出来ており、長瀞さんのミスで間違って女子シャワールームに入ってしまった八王子先輩と出くわした際にも、
「わざと覗きにきたわけじゃないことはわかる」と理解を示し、声も上げず何事も起こらぬようフォローする程。
実は中学時代に、当時絶頂期だった長瀞さんとの団体戦での試合を通してその強さを思い知らされており、
当初の冷たい態度もそんな彼女が一度は柔道をやめてしまったことに対する複雑な思いから生じた物だった様子。
作者も気に入っているキャラクターなのか、本作においては珍しく長瀞さんと関係のないセクシーな一枚絵を単行本で描き下ろしている。


追記・修正は女子に泣くほどイジられてからお願いします。

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最終更新:2024年04月15日 22:29

*1 コミックスCM版

*2 八王子先輩自体が遊び惚けていたわけではなく、彼自身はきちんと絵の練習をしていたため、長瀞さんは「先輩は一人でも頑張っていたんだから何も知らずに勝手なことを言うな」と面と向かって怒っていた。