海苔巻き

登録日:2011/12/21 Wed 00:10:43
更新日:2023/12/04 Mon 17:08:16
所要時間:約 4 分で読めます





概要

海苔巻きとは、寿司飯を海苔で巻いた食べ物である。手巻き寿司については別項目があるのでこちらへ。
普通は海苔を外側に巻くが、裏巻きにして海苔の苦手な外国人に食べやすくした物もある。
寿司の一種で、巻き寿司とも呼ぶ。

その始まりは、江戸前寿司の発達と供に自然発生的に産まれたもののようで、寿司を描いた浮世絵の片隅に存在を確認出来る。

その食べやすさから、賭博場の食事としても食べられていたようで、
故に、マグロを巻いた巻物は、賭博場(鉄火場)にちなんで鉄火巻きと呼ばれるようになったとも言われており、同じく片手で食べられるサンドイッチ「サンドイッチ伯爵がトランプ好きが講じて食事の時間すら惜しむ程で片手で持って食べられる食事として考案した」という俗説とも似ている。
どちらも本当かどうかはさておき、「片手でも食べられる料理」という発想は後の「ファストフード」の発想にも繋がっていると言えるエピソードであろう。


主な種類

◆鉄火巻き
醤油タレに漬けたマグロの赤身を巻いたもの。
上記のように賭博場で好まれていたのは事実のようだが、焼いた鉄のように赤いからこの名がついたと言う説もある。

◆トロ鉄火
トロを巻いた鉄火巻き。トローリとこくのある脂が堪らない。
だが、トロが食べられるようになったのは明治以降の為、本式の江戸前寿司では邪道とされる。
「トロなんて巻くけえてやんでぇ!! 江戸っ子は赤身よ赤身!!」
まあ、現代の一般人は素直に両方楽しもう。

◆納豆巻き
酢飯と海苔、納豆の取り合わせは、普段は結びつきにくいが、最高である。
納豆巻きを食べて、口から糸を引いて、そこにすかさず赤ダシの味噌汁をズイッ……!!
……何か言う事はあるかい?

◆かんぴょう巻き
夕顔の実から作られるかんぴょうは普段は端役だが、巻物にすると一転、主演男優に。
甘辛~く煮込まれたかんぴょうの甘味と歯応えが……もう……。
海苔巻きは通常6つ切りだが、かんぴょう巻きだけは4つ切りするのが常法だったらしい。
単品で頼んだ事無い方、次回は是非。
なお、寿司屋のメニューで「のり巻き」とだけ書かれている場合は大抵これが出てくる。
関西ではあまり馴染みのないメニューで、置いていない場合も多い。

◆新香巻き
麹にたっぷり漬かった甘いタクワンは、歯応えも良く、絶品。

◆梅シソ巻き
すっぱ~い!! けど美味しい!!
美味し~い!! けどすっぱい!!

一番最初に食べると、食事が最後まで美味しく頂けます

◆かっぱ巻き
キュウリを巻いた、河童なら狂喜乱舞する一品。
箸休めに食べれば次のお寿司がより美味しく、〆に食べれば清々しく食事が締めくくれる。
太平洋戦争終戦後の食糧難時代に鮨種不足で悩んだ寿司店が苦肉の策として編み出した物が定着した意外と新しい存在である。

◆シーチキン巻き
舶来品のツナのオイル浸けを、マヨネーズで和えて酢飯と海苔で巻いちゃった☆
油と酢飯はよく合うのは道理だが、最初に考え付いた人はやはり偉大。

◆穴子
蒲焼きした穴子を、そのままでも、キュウリと一緒にアナキュウにしても……。
穴子のホクホク感と脂の旨味が酢飯と一体になり……。ああ……。

◆太巻き
助六で有名。
かんぴょうのしょっぱさ、玉子とピンクのでんぶの甘さ、きゅうりのさわやかさが一体となり、舌の上で踊る……!!
現在は安価なのも嬉しい。
バリエーションとして、カニカマ、玉子、きゅうり、ツナマヨを巻いたサラダ太巻き(サラダ巻き)というものもあり
これもまた人気がある。
関西の商家では節分の日に、切らずにそのままかぶりつく恵方巻という風習があり、デパートなどの陰謀で最近は全国に普及した。

◆大漁巻き(海鮮巻き)
魚の切り身を太巻きにしたぜいたくな一品。
タイにシャケにヒラメに……。たくさんの種類の刺身を一度に同時に味わうのは案外無かったはず……。
思いっきりわさびを効かせるのが通。

◆韓国風海苔巻き
韓国語ではキンパブ(海苔ご飯)。
あちらでは、日本のおにぎりの感覚で、お弁当の定番。
酢飯は使わず、ソーセージや玉子焼きなどを巻く。
濃い味の韓国海苔と相まって、美味。

わさび巻き
別名なみだ巻き。
イロモノのようだが食べたことが無い方は是非ともお試しを。具はわさびのみなのでその香り、甘味、辛味を堪能できる逸品。

ただ慣れないと…

他の海苔巻きに比べて味がわさびの質(無論、海苔や酢飯、職人の技術なども)に大きく左右されるのが欠点。逆に言えば、その店こだわりの食材をシンプルに堪能できる。

◆ヒモきゅう巻き
貝のヒモ(主に赤貝)ときゅうりを巻いたもの。
貝の旨味ときゅうりのみずみずしさが後を引く。

◆軍艦巻き
海苔巻きの中では異端で、歴史も浅く昭和生まれ。
握ったシャリを海苔で巻いてから、イクラやウニなどを載せる。
ウニの寿司を食いたいという客に対して、ウニが酢飯から落ちてしまうことが多いという問題を解決するために作られたもの。
熟練した職人でウニの条件がよいと、海苔なしでもウニを握ったりできるのだが。
酢飯に載せるのが難しくないため、変わり種のネタにも対応しやすい。
寿司種と海苔が直接触れてしまうため、すぐにふやけてしまうのが難点。

◆飾り巻き
金太郎飴のように、切った際に断面が何らかの絵柄になるように作る巻きずし。元々は千葉県で冠婚葬祭の料理として出されていたのが発祥とされるが、華やかな見た目から近年人気が上がっている。
キャラクターの絵柄を作る人も。


余談

家庭で海苔巻きを作ったら、是非とも端っ子の切れはしの方を食べてみよう。
ご飯に対して具が多くて美味。

節分になったら、恵方巻きなんてのも楽しみ。

サンドイッチと並び、ゲームの邪魔にならないので、トランプしながらでも食べられるのが嬉しい、食事フェイズに適した食べ物でもある。
もちろん、携帯電話をいじくりながらでも。



追記、修正は、鉄火巻き片手にお願いします

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最終更新:2023年12月04日 17:08