河童

登録日:2021/07/08 Thu 08:11:23
更新日:2025/03/20 Thu 17:19:13
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河童(かっぱ)とは、日本に伝わる川や沼といった水場に住む妖怪、言わば水妖の総称である。



概要

きゅうりが大好物でハゲた頭頂部に皿があり、嘴のような口と水かきのある手足、甲羅を持った姿と独特の姿を持ち、
天狗化け狐・化け狸と並んで日本妖怪の一柱を担うメジャー中のメジャーなキング・オブ・妖怪である。

きゅうりが好物な理由に関しては、古い時代において水神に供えられるものがきゅうりであったためとされる。
元々は地域レベルで信仰されていた水神であったが時代が進むにつれて信仰が廃れ、零落したのが河童と言われており、
前身は水神であったことを示唆しているのだ。
相撲が好きな妖怪としても有名で、これも水神に捧げる神事に相撲があったことに由来しているとされている。
小柄な河童でも大人より強い力を持っており、
それでも勝つと褒美をくれる…のだが、負けてしまうと尻子玉を抜かれるという伝承が各地に存在する。
これも水神に捧げる神事に相撲があったことに由来しているとされている。
弱点頭の皿。乾いたり水が抜けると力が抜けてしまったり、酷いと死に至ってしまうと言われることから、
河童との相撲で負けぬようにあの手この手で水を抜かせるように仕向け、弱体化したところを無事に勝利する…という伝承もある。
他にも仏壇に捧げた仏飯を食べると負けないともされていて河童を弱体化させずに勝った話も存在する。
零落した水神という立場がわかりやすい例として長崎県水神社や福岡県水天宮や香春町の水神祭では神主が食事に招き、河童達には竹を出し、自分達はタケノコを食べて、河童がタケノコを知らないことを利用して 人間は竹をかみ砕く と誤解させて悪戯を抑制していたという伝承もある。
島根県隠岐郡の川子祭りでは、竹を輪切りにして川に流し、竹の子を煮て食べるという形で似たことをしている。

河童には片方の腕を引っ張るともう片方の腕が引っ込むという奇妙な生態を備えているとも言われるが、
これはある大工が作った人形が川に捨てられた際に妖怪に転じた付喪神的な存在であるとされ、
彼らがその成れの果てであるという上記とは異なる伝承が存在するから。

しかし上記のよく見られるオーソドックスなタイプの河童はあくまで関東地方に伝わるタイプに過ぎず、
日本各地に視野を広げると姿や性格、つまり形質差や個体差が激しいことでも知られている。

例えば、関西を中心とした西日本に伝わる河童はカワウソのような姿をしていて河太郎(ガータロ)と呼ばれており*1
子供と相撲をとっては負けた子供の尻子玉を奪っていたという伝承がある。
中国・四国地方には猿猴という亀というよりも猿に似た姿をした河童がいて
泳いでいる人間の胆を抜いたり、血を吸って溺死させるため恐れられていた。
九州にはひょうすべという河童がおり、後述する水虎同様に
中国をルーツとし、河太郎と同じく全身を毛に覆われた姿だが、に危害を加え、茄子を好んでいる等、よく知られた河童とは大きく異なっている。
ひょうすべと同じく中国にルーツを持つ水虎は河童の一種にして最上位の種とされ、
人間を襲っては食い殺すなど、非常に獰猛な性格をしていたという。

このように人を襲ってに至らしめる恐ろしい妖怪というイメージのある河童だが、一方で
獲れた魚を欲しがったので分けてあげたところお礼としてさらに大量の魚万病に効く薬をくれたり、
相手が負けても尻子玉を奪うようなことをせず、単に子供と相撲をとって遊ぶだけだったりと皆が皆悪い存在というわけではなく、
悪事と言ってもイタズラ程度で直接殺傷するようなことはしないという伝承も存在し、
化け狐や化け狸の様に民間伝承にもよく登場する親しみやすい妖怪なのだ。


正体

亀のようなタイプの河童の正体は「スッポン」だとされている。
甲羅を持ちスベスべした肌を持つなど、スッポンとも共通する特徴があることからもうかがえる。
対して毛の生えたタイプは人を化かすという伝承も多い「カワウソ」が元という説もあり、
他には「川に捨てられた赤子」説も存在する。
河「童」という名前の通り、時に子供のような小さな体格で伝わる事があるところも関係していると思われる。
また、マイナーだが天狗や鬼と同様に「日本に渡来、或いは漂着した外国人」ではないかとも言われているようだ。

オカルト好きの間では「宇宙人」や「恐竜」から進化したレプティリアンなんて説もあったりする。

有名な河童

都道府県別に伝承が存在し、地域ではさらに
細かいバリエーションが存在するため著名な種類を紹介する。

  • 猿猴
中国地方や四国地方に伝わる河童。
名前の通り猿に似た毛むくじゃらの姿をしているが、頭の皿が存在せず、肌はヌルヌルとしており、
水辺に近づいたり泳いでいる人間を襲っては肛門から内臓を抜き取ったり、血を吸ったりして死に至らしめていたという。
元々は中国から伝わったテナガザルの姿が元になっているとも言われる。
なお、「猿」はもちろん「猴」も漢字としての意味は「サル」である。

  • ひょうすべ
九州地方に伝わる河童。
上記の猿猴同様に皿がなく、ハゲかかった頭部に全身を毛で覆われた亜人や哺乳類的な姿をしており、特に馬に害を与える妖怪であるという。
河童としては珍しく、きゅうりではなく茄子を好むと言われるが
これは九州地方で信仰されていた水神に捧げる野菜が茄子だったためである。
後述する水虎同様に起源は中国ともされており、その名前は兵主神(ひょうずのかみ)が訛ったものとも言われる。

  • 水虎
日本各地に伝わる河童。
元々は中国に起源があり、矢や刃物を弾き返すほどの固い鱗に全身を覆われているが、
頭には多くの河童が備えているような皿が存在せず、顔も虎に似ている。
川で泳ぐ人間を進んで食い殺したり、血を吸ったりと河童に分類される妖怪の中でも特に獰猛な性格をしているとされている。
恐ろしい妖怪だが倒し方も伝わっており、それによれば犠牲になった者の死体を板に乗せて即席の小屋に安置して腐らせるとどういうわけか水虎の体も腐っていき、やがて死に至るという。
河童の中でも強大かつ凶悪な性格で河童の総大将と伝わることもあるが、
天狗における大天狗のようによく知られる妖怪でありながら、日本に伝わった歴史は意外と浅く、江戸時代前後とも言われている。


河童と諺

鬼や天狗と同じく諺にも使われている。
例えば、余裕でできる物事のことを『河童の屁(「屁の河童」の方がメジャーか)』とも言うし、
その道のプロでも時には失敗することもあるという意味で『河童の川流れ』と言うなど、
河童がどれだけなじみ深い存在となっているかがわかる。


創作における河童

和風ファンタジー含め妖怪が出てくる作品では必ずと言っていいほど登場する。
爬虫類や両生類的な特徴を備えているものの、人型に近いことから実際に亜人枠で出たり、
頭の皿及びその皿に溜まっている水という弱点をギャグ的な描写で描かれることが多い。
また、亜種である水虎は河童の上位種として登場し、伝承通り獰猛な性格だが、
時に河童のかの字もない文字通り水棲動物の要素を持った虎のような姿のモンスターとして出ることも。
変わったところでセブルス・スネイプ先生は作中で河童はむしろ蒙古によく見られる」と妙なことを発言している。
尚、裏設定では関連書籍『幻の動物とその生息地』でスネイプの方が誤っていること(ついでにハーマイオニーにはそれがバレていること)が設定されている。*2


エロ要員としての河童

鬼や天狗、果ては化け狐や化け狸といったメジャーな妖怪がエロ要員になる今日において河童も例外ではない。
肛門から尻子玉を抜くという伝承をエロいことに置き換えて肛門であーんなことやこーんなことをすることが多いか。
かの水木しげるは、その名もズバリ『エロ河童』という短編漫画を発表している。しかも2001年まで単行本未収録だったという曰く付きの作品である。
他にも、爬虫類系の妖怪であるからか卵生と解釈され、稀に産卵プレイ担当になることも…



河童が登場する作品

ここからはよく知られた河童及び河童の亜種である水虎等も含め、
個体名がある場合はその名前も紹介する。

河童

漫画原作

  • かん平(河童の三平)
ゲゲゲの鬼太郎の原作者の故・水木しげる氏の漫画作品である河童の三平に登場する河童。
主人公の三平とひょんなことから仲良くなり、冒険を繰り広げる言わばもう一人の主人公ポジション。

  • ヒロ坊(河童レボリューション)
流暢な関西弁を話す主人公の片割れ。
「ヒロボガバヌーピ」という本名があるが、本人はフルネームで呼ばれるのは嫌う。そりゃそうだ。
自分勝手で外道ではあるが、妹思いでキレのあるツッコミをこなすコテコテの芸人的な性格。お湯を被ると体が4倍に大きくなる謎の体質持ち。
人間側の主人公の片割れである小学生のマサシが理科室で飼っていた金魚のお墓を作るために公園の地面を掘っていた際、
冬眠中のヒロ坊&妹のサユリの頭の皿にスコップを当ててしまった事で無理矢理目覚めさせられた。
不可抗力とは言え被害者には違いないので、脅迫に等しい物言いを押し通して冬の間のみという条件でマサシの家で匿われる事になる。
悪知恵を働かせてあれやこれやと画策するも、周りの人外キャラが軒並み規格外の強さを持つために相対的に常識人…常識河童ポジションとなっている。

荒川河川敷の橋の下村の村長。外見は何処から見ても河童であり本人も河童と標榜して譲らないが背中にはチャックらしきものがある。
詳細は該当項目参照。

比較的人間に近い現代風のデザインの河童。名前は考えたことがないため河童と名乗っている。
たまに人間に見つかってマスコミ査定を受けている。

東北には「沼河童」と呼ばれる爬虫類型の河童も生息している。

グルメ界エリア8(妖食界)妖食三獣士の一人で美食屋。陽気な性格。
頭の皿を代わりにすることができるが、反動で動けなくなってしまう。

ワノ国の侍にして赤鞘九人男の一人。
河童と呼ばれているが、実際は河童ではなくトラフグの魚人である。

  • はなかっぱ(はなかっぱ)
同名の作品に登場する河童。
ステレオタイプの河童をデフォルメしたかわいい?デザインのキャラクター。

  • かぁたん(カッパの飼い方)
河童がペットとして人間と共存している世界を舞台にした石川 優吾作のマンガ『カッパの飼い方』の主人公『私』が飼育している仔河童。
ペットショップで購入された養殖河童で、お値段は78,000円。
作中世界において河童は『大昔から人間と共存してきた生き物』として存在しているため、本編には他にも様々な河童が登場し、単行本には現実世界で起きた事件やブームに河童を絡めた世界観設定まで記載されている。

  • 川端くん(波打ち際のむろみさん)
ヒロインの人魚むろみさんの友人。
全身緑色で頭に皿があるのはステレオタイプの河童だが、体格が非常にマッシヴで人間の成人男性と同等かそれ以上の長身。
また、甲羅が着脱可能。九州の山奥で薬の調合や研究、環境保全などを行っている。
性格は寡黙で気難しく人嫌い。そのため主人公の拓郎に恐れられている(尻子玉を抜かれる様を想像した時には見開き2ページを使ってデカデカと描かれた)。
大阪府大阪市の瑞龍寺に奉納されている河童のミイラは兄にあたる。

  • 河太郎(水のともだちカッパーマン)
主人公であり、河童の父親・河ェ門と人間の母親・みゆきとの間に生まれた半妖怪。清彦という人間の異父弟がいる。
本編開始前に父・河ェ門が病気で亡くなり、彼の「人間として生きろ」という遺言に従い、人間として生きる決意をする。
訳あって別離した母・みゆきに一目会いたいと思い、上京した際、あるお寺の娘である金剛寺舞と出会ったことから物語が始まる。
『河童忍法』という水を使った先祖伝来の戦闘術を持っており、人に仇なす悪の妖怪を倒していくが、
妖力を使いすぎたせいで、中盤以降からは肌の色以外は完全に河童の姿になってしまう。(ただし、1週間程妖力を使わなければ元に戻れる。)
河童と人間のハーフだからか、甲羅を自由に外せる、水の中だと治癒能力が増すなどの生来の河童には無い特殊能力を持っている。

主人公の茂相ヒロト(モアイ)そっくりの骨格をした河童。電撃小学校プールを占拠していたが、モアイ達と和解し公園の池で暮らすことになった。その後はモアイ達と遊びに行く程の仲になるが、怪我を負っていても助けてもらえない等不遇な扱いを受けるようになる。

まことが鉄棒に挑戦している時、突如土中から現れ引きずり込もうとする妖怪。
しかしその真意は鉄棒の下に埋まっている不発弾の危険を知らせ、まこと達子供を助けようとする善良な妖怪だった。
形相こそ怖いものの、去り際に見せるなんとも言えぬ笑顔は案外愛嬌があるのかもしれない。
これだけなら普通のゲスト妖怪だが、このエピソードはなんと作品を打ち切りの危機から救った救世主でもある妖怪なのだ。
それまでは「九十九の蟲」「地蔵虐*3」といったマイナー妖怪ばかり出していた事で「学校の怪談」らしさが薄かったのが、
ネームバリューのある河童のおかげで「わかりやすい身近な怪談」という読者の需要を掴むきっかけとなった訳である。

他にも「巨乳妖怪」という直球すぎる肩書で美少女妖怪の「ねねこ河童」が登場している。

小説原作

タイトルもそのまま「河童」。
現代河童の名称である「河童(かっぱ)」が定着したのはこの作品の副題が「どうか Kappa と発音して下さい。」と言われている。それまでは地方ごとの呼び名でこの水妖怪は呼ばれていたらしい。
また、芥川龍之介の命日である7月24日を、この作品にちなみ「河童忌」という。

玄奘三蔵法師の弟子の妖怪。
中国出身の妖怪のため厳密に言うと「河童」というのは間違い(強いて言うなら大入道に近い外見)なのだが、「藍色の肌、振り乱した赤い髪、光る眼、鋭く尖った歯を持つ水怪」という特徴から日本では何時の間にか「悟浄=河童」という構図が出来上がった。

  • クゥ(河童大騒ぎ/河童びっくり旅)*4
化石から復活した河童。
河童が実在したことや、それが現代に蘇ったことを嗅ぎつけたマスコミにしつこく追い回されてしまう。

特撮原作

41話「水中からの挑戦」にて伝承における河童そのものの姿をした宇宙人のテペト星人と、カッパに似た単眼の怪獣・テペトが登場。
漫画版においてはテペト星人は侵略の意思を持たない穏やかな種族だが、
体内に人間を死に至らしめる未知の病原菌を持っており、これが原因で騒動になるという話になっている。

異次元人ヤプールが生み出した超獣で19話「河童屋敷の謎」に登場。
巨大な頭の皿がプールのようになっていて、泳ぎに来た子供のへそを奪ってヤプールに操られる河童人間へと変貌させてしまう。

56話「かっぱの里」に登場。
取川村の池に住んでおり、村人たちとは良好な関係を築いている。
村長に暴力をふるった人間を懲らしめようとして怪我をさせてしまった際、
その人間に自分の体液から作り出した薬を届けてやったりするなど優しい性格だが、
怒ると巨大化して暴れだしてしまう。これを止めようとしたコスモスと相撲で対決した。
相撲やキュウリが好き、薬を作れるなどウルトラシリーズに登場した中ではもっとも伝承の河童に近い。

  • デスカッパ(デスカッパ)
原口智生・監督の同名特撮映画に登場する怪獣化した河童。
尻小玉という村で『カッパ様』と呼ばれて崇められていた河童のミイラが、社ごとに落ちたショックで蘇り、核爆発の放射能を浴びて巨大化した姿。
巨大化したことで狂暴になり、熱線を吐けるようになった。

  • TEN(映画『河童』)
ミュージシャンの石井竜也(「米米CLUB」のカールスモーキー石井)が監督として制作した長編映画に登場。キャラクターデザインも石井が手掛けている。
厳密に言うと「河童を思わせる姿をした水に縁の深い宇宙人」で、宇宙船が墜落し家族と共に日本の山奥で長い時をひっそりと過ごしていた時、ある少年と心を通わせる。
ちなみに作中では少年の成長後の姿を、かつて映画『大巨獣ガッパ』に出演した藤竜也が演じていた。

スーパー戦隊シリーズ最初の河童モチーフ怪人。
河童の皿を人間に乗せることで人間を「カッパ人間」に変えてしまう能力を持つ。
一度は皿が割れて退却するも、大昔に人間に滅ぼされた「カッパ左ヱ門」の皿を移植し、カッパ左ヱ門の恨みの力でパワーアップを果たした。

「ブロンクスの妖怪」として現代アレンジされた結果ビジュアルがサッカー選手のアルシンド風にイメチェン。
頭の皿が貯水タンクになり水辺から離れて活動できるようになり、得意なスポーツが相撲からサッカーへと変化している。

河童の正体とされる幽魔獣
モチーフとしてダニの要素が追加され、身体中の至る所に大きなダニが存在する。
全身に付いたダニを人間に取り付かせて人間をダニの体内に吸い取り別の場所へ転送。更に河童のエネルギーを与えて人間を河童化させる変わった能力の持ち主。

封印の手裏剣と消火器が融合して生まれた妖怪。
絶対零度の吹雪を噴霧する以外は相撲を得意としていたりと割とオーソドックスな河童。
ただしビジュアルは消防士風で、頭の皿はヘルメットみたいに変化。消火器を模した赤い甲冑や甲羅を纏い肩からは消火器のノズルが見えている。

河童モチーフのネオショッカー怪人。

魔化魍の一種。

ムー一族の怪人。

ゲーム原作

  • カッパ(スターグラディエイター)
隠しキャラとして登場する、カッパ星出身のエリート軍人。
れっきとした宇宙人としての扱いであるが、見た目は一般的なイメージで通用する河童そのもの。フルネームは「Kappah Nosuke」。
「さすまた」を模した武器「KAPPADENT(カッパデント)」で武装し、背中の甲羅には「1P」「2P」とやたら主張した文字が印字されている。
カッパ星人は古くから地球との接触があり、その中でも好物の日本酒を入手するために人間の目に触れる事があり、それがカッパ伝説の元になったとの事。
作品の舞台は23世紀なので少なくとも400年前後は地球外生命体目線での日本との繋がりがある様だ。

ゲーム中全般でのボイスからひょうきんなギャグキャラとしてのイメージが強い。
しかし、基本動作の大半がデフォルトキャラのゲレルトのコンパチなので、フラメンコや闘牛士としての動きをそのまま使うスタイリッシュ宇宙河童としてやたらと異彩を放っている。
…まぁそれはそれでギャグにしか見えないのも確かだが。
キャラランクとしては中の中程度。有識者目線では劣化ゲレルトという評価が一般的。

続編の2にはリムガル共々出演出来なかったが、2のシークレットファイルのイラストでは「出したかったキャラ」として「メスカッパ」なる性別違いキャラ案が存在する。

「カッパ」がステータス異常として存在するという変わった作品。
「カッパソング」等の一部の特殊攻撃、または補助魔法「カッパー」によって、敵味方ともに発生する。

キャラクターがそのまま河童の姿になり*5、魔法は「カッパー」しか使えず、キャラクター固有技は使用不能になる。
さらに装備品がステータス増強効果を発揮しなくなり、全て攻撃力・防御力+1として計算されてしまう。
一応、逆にカッパ状態の時だけ強化される武器防具も存在するが、行動封印のデメリットがきつすぎてあまり意味はない。使わせるとしても物理系にやらせるべきだが、防御無視物理攻撃が充実する終盤では…。
ただし、水属性吸収や魔法防御はカッパでなくとも機能するため、敵も味方も魔法ばかりのダンジョンではそのまま使われたりする。
忘れがちだがカッパ化した敵は多くの特殊攻撃を使えなくなるため、死に際化に危険な行動を使う敵をカッパにすることで安全にトドメを刺すことが可能。

治療アイテムは「イエローチェリー」。河童のキャラクターで知られる酒造メーカーの「黄桜」からの連想である。
カッパになる魔法「カッパー」をもう一度掛けてやることでも元に戻る。

その他、作中しばしば行われるシステム説明の際にも登場し、解説キャラの役も担っている。

いつものFINAL FANTASYシリーズならこの効果はカエルになる「トード」のポジションであるが、今作で河童になるのは、和風のキャラが登場しているためだろうか。
「トード」と同時に登場するのは『FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼア』および『DISSIDIA FINAL FANTASY』を待つことになる。

妖怪の山に住むエンジニア。
見た目は人間の少女と大差ないが、種族はれっきとした河童。そしてエロ要員筆頭*6
ゲーム内での河童は高度な技術を持つ種族として描かれており、
彼女もその例に漏れず、現実離れしたモノを作れる程の技量の持ち主。
原作では敵キャラだが、黄昏フロンティア制作のゲームの一部では、プレイヤーキャラとして登場する。

ゲームの舞台、ヒノエ島に住む種族。
見た目は河童そのものだが、水の善性を司る
住処を荒らす鬼を退治したサクナヒメに恩を返す為に色々手伝ってくれるようになる。

村と島をつなぐ船の船頭。シリーズによってはタクシーバスを運転していることもあり、その場合は「うんてんしゅ」名義となる。
『とびだせ』では彼の家族も登場。

平たい頭が特徴的なプリチー族の妖怪であり、進化するとたびガッパになる。
亜種になみガッパや古典妖怪の河童、ロボニャンみたく改造されたロボガッパも存在。水虎もガシャ限妖怪として登場する。
『3』では河童に似たラッパーのカッパーも新登場。
更にノガッパ、河童、カッパーの3人で「水かき隊」という音楽ユニットが結成された。アニメではウィスパーも一緒に組んでいたが相変わらずメダルには映されなかった。

ガワッパモンは河童に音楽プレーヤーとDJの意匠が組み合わされた成熟期のデジモン。
常に陽気で、アニメデジモンセイバーズでもカメモンから進化した途端陽気なノリになる。
シャジンモンとサゴモンはそれぞれ前述の沙悟浄をモチーフとしたデジモンだがそれぞれデザインや設定は異なる。

第3世代『ルビー・サファイア』から登場したみず/くさタイプののうてんきポケモン。ハスボー→ハスブレロ→ルンパッパと進化していく。
河童のイメージとしてはハスブレロが一番近く、ルンパッパともなるとメキシカンなダンサーっぽいデザインになっている。
頭が皿の代わりにハスの葉になっているが、ここに水を溜め込むことがあるという点は共通。
ルンパッパという名前も、黄桜のCMソングの1フレーズが元ネタと思われる。

MHRiseから登場したモンスター。別名「河童蛙」。
水生、皿、甲羅など多くの河童の要素が取り入れられたモンスターで、とくに相撲に重点をおいてる。
武器の名前は相撲の決まり手から取られ、縄張り争いでは相撲さながらの取組が見れる。

  • 沙羅(CRかっぱ伝説)
デフォルメされた可愛らしい河童が数多く登場するパチンコ……において、何故か全くデフォルメされず、巨乳ムチムチの美女として登場したヨーロッパ出身の河童。

和風の世界である神河次元で登場したカード。祭壇に大きな亀の甲羅が祀られており、神河では河童は既に絶滅してしまった…と長年考えられていた。
しかし、1200年後を舞台にした『神河:輝ける世界』までの間に河童が再発見され、カッパ忍者*7カッパバズーカがカード化されている。

星のカービィ3,64で登場したザコ敵。
頭の皿を飛ばして攻撃し、カッターをコピーすることができる。
漫画版ではデデデ大王影武者として登場したが、デデデから影武者を降ろされそうになると、頭のカッターでデデデの顔と自分の顔を切り、交換させた。

「ほの暗い沼の底から」に登場するキュウリを口に咥えている降臨ボスの一人。
初の烈波持ちのキャラであり、実装当時は烈波対策が行き届いてなかったのもあってかなりの強敵として知られていた。

後に「三途の沼のヌシ大降臨」にて川野かわわっぱというお父さんが新たに登場。
そちらは3連続攻撃全てに烈波を持つ上、烈波カウンターでこちらの烈波を反射してくる。
また当ステージの最後には息子のかわわっぱJr.も登場するので烈波無効のキャラがいないと勝利するのは困難である。

水虎

漫画原作

  • 水虎(ゲゲゲの鬼太郎)
人を襲っては体の水分を奪う恐ろしい妖怪。
アニメでは半透明の幽霊のような姿だったり、
水でできた虎のような姿の時もある等作品によって異なる。

特撮

水虎のルーツになったというアヤカシ。
うねる大波のような、岩場のトラのような外見を持つ。
甘言を得意とし、古来より緩やかな甘言で人間の迷いをあやし、獰猛な虚言で人間の純粋さを喰らってきた狡猾な卑劣漢。

ゲーム原作

"水虎"という異名を持っており、普段は美男子の姿だが、その本性は非常に醜く異名の通り恐ろしい虎に似た姿を持っている。
しかし醜いものを嫌うため、この姿になることを嫌っているという。
元々は「デジモンクロスウォーズ 悪のデスジェネラルと七つの王国」で登場したアニメオリジナルのデジモンだったが、後にゲームにも逆輸入されているためこちらに記載。

種族妖獣の悪魔として登場、細長い体格の河童の姿をしている。


ひょうすべ

漫画原作

  • ひょうすべ(ゲゲゲの鬼太郎)
原作・アニメ共にモブ妖怪として度々登場しており、
3期における幽霊列車の回では人間に泣かされるシーンがある。

水回りに出現し、病気をまき散らす妖怪として登場。
この回はトラウマエピソードとして名高いのだが
理由として姿や登場回自体が全体的におどろおどろしい為か。

星4/水属性/水族/攻1500/守 900
カッパの親分。攻撃力は意外と高い。守備力は低め。
最初期に登場したカードの一つ。
遊戯王には河童モチーフのモンスターはいくつかあるが、フレイバーテキストにもある通りそれらの中で最も攻撃力が高い。
なお、有名な妖怪の割に特定のカテゴリに所属する河童は2020年に至るまで登場した事は無かった。



番外編(現実世界における河童)

  • 清水崑
「かっぱもの」で有名な漫画家。1949年に火野葦平『河童』の装丁を手掛けて以降、河童の漫画を数々手掛ける。清水のかっぱは旧来の怖い妖怪としての河童ではなく、かわいらしい河童へとイメージを覆したとされる。
黄桜の河童のイメージキャラクターを描いた他、カルビーのかっぱえびせんも最初は彼の文字と絵が使われていた*8

  • カッパヘビ
南米に生息している水生のヘビ。
名前の通りカッパのような頭部を持っており、エビや魚などを食べると言われているが、詳しい生態は謎に包まれている。

  • 田人(タジン)
森田一義アワー 笑っていいとも!番組内で語られた謎の妖怪。
概要すると「タジンとは何か?」というクイズに対し、タジン鍋を知らなかったタモリが想像と出任せで生み出した空想上の存在である。
しかし、フリップボードに描かれた図解や解説文のクオリティの高さから正解扱いされ、公共電波に乗って全国に認知されることになった。
最初のタモリの説明では地底人と説明されていたが、後に番組内の調査で河童であると結論付けられている。

その実態を調査すべく福島県田人町に調査団が派遣されたりするなど、数日に渡り話題が引っ張られた。
しかし、福島県田人町は「たじん」ではなく「たびと」なので何も関係なかった。

林家木久扇師匠は桂歌丸師匠が司会だった頃の大喜利でしょっちゅう河童の物真似を披露し、座布団を没収されていた。
また、座布団10枚の賞品として、河童にちなみトルコ・カッパドギアの旅を獲得し、カッパドギアの親善大使に任命された。
なお、木久扇は先述の漫画家・清水崑の元弟子であり、清水が木久扇(当時は豊田少年)に落語家として才能があると見抜いたのが木久扇の落語家キャリアの始まり。
新型コロナの感染対策でリモート大喜利を行っている際も、壁に清水崑の河童の絵が掛けられていた*9

三遊亭好楽師匠はプールをテーマにした問題で自身を河童と言われた男と呼んでいる。そして、三遊亭小遊三師匠はかっぱらいと言われた男と呼ばれた。

余談だが、ある年の芥川龍之介の命日には、司会者・回答者全員で河童になる問題が登場している。

  • カッパのバッジ
かつて東京都が毎年販売していた。
購入した年の10月1日(都民の日)に限り、身に着けていると都営施設の一部を無料で利用できた。
こちら葛飾区亀有公園前派出所に取り上げられたことで昔を懐かしんだ人や初めて知った人も多いのではないだろうか。

  • カッパ家族
大手酒造会社・黄桜のキャラクター。祖父、夫妻、姉弟から成る。
これだけならごく普通の企業公式キャラクターだが、「妻」と「姉」の描かれ方が際どい。
特にこの「姉」、児童ポルノに関する規制が厳しくなったらどうするつもりだろう。

余談

都道府県で見た目だけでなく呼び名にもバリエーションがある河童だが、都道府県に加えて地域レベルまで含めた場合、一説には100種類を軽く超えるとも言われているとのこと。
このことから妖怪でありながら人間の生活とは切っても切り離せない存在であったことがうかがえる。

河童は尻子玉を抜いて人を殺すと言われるが、これは水死体の肛門がぽっかりと開いていることがあったから。
それが尻子玉を抜くという伝承の元になっているのではないかとも言われる。

日本においてはドラマの影響で河童として描かれがちな西遊記の沙悟浄だが、原点においてはワニやイルカのような姿をした水妖であるとされている。
これは西遊記が日本に伝わった際、孫悟空が猿の姿、猪八戒が豚の姿と明確に書かれていたのに対し、
沙悟浄は単に水妖と曖昧にしか書かれていなかったので、日本で最も身近な妖怪である河童に置き換えられるようになったという事情がある。
それもあってかLoVの沙悟浄(美少女)は「河童」と呼ばれることを嫌うが、LoV4で敵として現れた時は河童名義だったりする。
また、最遊記シリーズの沙悟浄(ロングヘアのイケメン)も女性好きの好色家であることから悟空から「エロガッパ」と呼ばれている。

実は宇宙人ではないかとも言われ、実際にこの説を支持している学者もいる。
その説に則れば頭が大きめな外見はグレイタイプと呼ばれる宇宙人に似ている部分もあり、水辺を好むのは両生類だからとのこと。
今は亡きコミックボンボンでは「河童型宇宙人の王子が地球の一家庭に居候する」という作品がなぜか『温泉ガッパ ドンバ』『カッピー』と二作も連載された。
逆に、異星人目撃談と妖精目撃談は、同じ心理学的・脳科学的メカニズムに由来するのかも知れない。


2002年河童騒動

上述されている通り河童は都道府県別に伝承が存在し、地域毎に細かいバリエーションが存在している。
特に河童が大陸から渡来した地とされる九州は河童のバリエーションが非常に豊富で、
単眼を持った小柄な姿の「セコ」、異常に長い手足を持つ「ガラッパ」、空を飛ぶ「ヒョウズンボ」といった多種多様な河童の伝承が残っている。
これらは全てその地域の風習・習俗や実際に土地で起きた事件などが反映された結果であり、
それ故に河童は民俗学や郷土史の題材として扱われる機会が多い。
ところが近年の町おこしで河童が用いられる際は、これらの特徴を排したステレオタイプの河童のイラストが用いられることが多く、その点に苦言を呈す研究者も見受けられる。

そんな中、2002年に『遠野物語』で有名な岩手県遠野地方のカッパ淵にて河童が目撃されたとの一報が写真付きで東スポに掲載された。
映像も撮影されており、それは地元のローカル番組に取り上げられている。
結論から言うと、これは当時放送されていた『電波少年』というバラエティ番組によるヤラセであり当然ながら今で言う炎上となったわけだが、
この一件に本気で怒りを露わにした人物がいる。妖怪をテーマにした作品を数多く手掛けている小説家の京極夏彦だ。

まず遠野の河童について簡単に説明すると、遠野の河童は赤い体色であると伝承されている。
飢饉の際に口減らしとして赤子を生きたまま川に捨てていたという遠野地方の負の歴史が、
そのまま記録することに抵抗感を示す人々への配慮として河童の昔話という体で記録に残されたというのが研究者の見解である。
そのため遠野の河童の体色は赤く設定されている――赤色でなければならなかったのだ。

ところが『電波少年』はそういった歴史的事情を一切無視して緑色の普通の河童を伝承の地に登場させている。
京極氏は自身のホームページにてこの騒動を取り上げ、上記の町おこしの件を引き合いに出したうえで
「創作作品ならまだしも、マスコミが地元の伝承を紋切り型の情報に上書きして全国区のメディアで流すのは文化の破壊行為である」と激しく糾弾している。
『電波少年』はこれ以外にも複数の炎上案件を抱えており、本騒動が決定打となって打ち切られたが、この件に関する直接的な謝罪はなかった。
京極氏はその後、『遠野物語』の現代語訳や同作を原作とした絵本を多数発表。
また遠野市でのイベントにも積極的に関わっているが、この時の騒動が根底にあるであろうことは想像に難くない。







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最終更新:2025年03月20日 17:19

*1 関東を中心とした東日本では同じ漢字表記でカワタロウと呼称する

*2 九千坊という河童の大将に率いられた九千の河童の集団は中近東のペルシャ方面からインドのヒマラヤを越え、タクラマカン砂漠を東へ移動、蒙古から中国を抜け、朝鮮から海を渡って5~6世紀に熊本県八代の徳の淵の津に上陸したとか、1191年或いは1194年に茶色のペルシャ河童が筑後川に攻め込んできたという西域の河童の話も無い事はない

*3 「三途の川の鬼」と言えばむしろ有名なのだが、名前までは知らない人の方が多いだろう

*4 アニメ映画「河童のクゥと夏休み」の原作となった児童文庫

*5 味方の場合はデフォルメされた感じの河童、敵の場合は割とリアルな河童になる

*6 尤も先述した通り見た目が人間なので、『河童として』のエロ要員というと疑問が残るところだが

*7 ネズミの忍者の先生もいる

*8 現在は「かっぱ」のネーミングだけが残っている

*9 この絵かどうか定かではないが、木久扇(当時は木久蔵)が真打に昇進した時に祝いとして河童の絵を描いて送っている。