龍田直樹

登録日:2015/05/12(木) 15:22:11
更新日:2024/07/25 Thu 22:02:06
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龍田直樹(たつた なおき)は、日本声優・ナレーター。
1950年9月8日生まれ、和歌山県岩出市出身。血液型A型。本名および旧名は「竜田直樹」。
2022年9月現在の所属事務所は青ニプロダクション。

▽目次

【概要】

1970年代後半から40年以上に渡って活躍する声優界の大ベテランの1人。
アニメから特撮、様々なテレビ番組まで多くのキャラクターの声を担当している。
特徴的なダミ声や物知りそうなおじいさんの声を聞いた事が無い人は多分少ないだろう。
1つの作品で多数の役を一気にこなす事も多いバイプレーヤーでもある。
一方で『奇面組』の大間仁のようなダミ声ではないキャラをこなすこともあり、
このようなケースではクレジットを見るまで龍田直樹だと気付かない人も多い。

特徴の1つは、演じた「人外キャラ」の多さだろう。
事務所の公式ボイスメッセージで龍田本人が「いつの間にか人間以外の声の仕事ばかりになっていた」と語るほどで、その役柄も多種多様。
、おケラ、ナメクジカタツムリなどの動物は勿論、妖怪やロボットなど文字通り何でもありで、果てはラーマソフトを欲しがる食パン、機関車、ダーウィンの髭から生まれた何かなど生き物ですらない役も多い。
更に『ドラゴンボール』シリーズのバブルス、『となりのトトロ』のねこバスのように人間の言葉を発しない役までこなし、どれも視聴者に印象を与えるキャラクターとなっている。
特に『ドラゴンボール』シリーズのウーロン、『週刊こどもニュース』のスクープくんなどブタのような外見のキャラクターの声の印象が強い人もいるだろう。

また藤子不二雄原作アニメに登場する芋掘りロボットのゴンスケも代表的な持ち役で、大山版とわさドラ版双方の『ドラえもん』で同じ役をこなす数少ない声優となっている。

勿論人間キャラも多数担当されており、『オバケのQ太郎(シンエイ動画版)』『キテレツ大百科』ではレギュラーキャラを演じている他、『つるピカハゲ丸くん』や同じく『キテレツ大百科』や『アンジェラ・アナコンダ』ではなんと女性キャラも担当している。

もう1つの特徴は、そのアドリブの数々。
アフレコの際、映像の中にどこか声が足りない、と感じた時にすかさず様々な台詞を挿入しており、そのクオリティの高さには定評がある。アドリブが得意な他の声優と共演するとアドリブ合戦の様相を見せ、視聴者を笑いの渦に巻き込む。
キャッ党忍伝てやんでえ』で演じた幻ナリ斉や『星のカービィ』で演じたエスカルゴンのように、側近キャラになった時の冴えは定評がある。突然タメ口になったりするのも特徴。
『星のカービィ』に至っては「ええい、こうなりゃ得意のアドリブで誤魔化すでゲス!」と言う、龍田本人の気持ちなのかキャラクターのセリフなのかわからない台詞まで飛び出している。
なお前者の『てやんでえ』では上司の役を演じた沢木郁也は「龍田さんのアドリブは俺が台詞を台本通りに読んでも大丈夫な狡猾な内容だけど、俺がそのまま読むとすごくつまらなくなる、そういうことを仕掛けてくる人(要約)*1」と評価している。
また、エスカルゴンのアドリブについては、あまりにもデデデ大王が横暴すぎてついて行けないと感じ、そのエスカルゴンの心情とシンクロしたかのようなぼやきや愚痴を混ぜていくようになったという。
龍田直樹の愉快なセリフ回しを手っ取り早く堪能したい人には、長年にわたり毎週出演されているNHKの『ダーウィンが来た!』がオススメ。

全体的に三枚目のギャグキャラやどこか憎めない悪役をこなす事が多いが、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』シリーズなど美形キャラもしっかり演じている。
また、龍田が演じる悪役は、先の通り回が進むごとにどこか馴れ馴れしくなったり平気で上司にタメ口を叩くようになったりするキャラが多いが、『ウルトラ・スーパー・デラックスマン』での狂気に満ちた正義の味方の演技も凄まじい。

神谷明などからは(たっ)ちゃんと呼ばれている。
また、神谷曰く「心の大きい人」とのことで、ミスター味っ子のある回において、自身の体調不良で収録せず早退した際、
当時見学だけでデビューすらしていなかった高木渉が「(龍田さんのやる役の)ピンチヒッターをやらせて欲しい」と進言。
テストだけのつもりが本番までいってOKが出た際は、後日に「ギャラは俺に入ってくるんだろうな?」と冗談を向けていたとのこと。

同じくアドリブが得意な肝付兼太が喉の手術で一時休業した際、『ドラえもん』のスネ夫や『オバケのQ太郎』のキザ夫役を代役で務めたことがある。
それ以外にも肝付とは共演作が多く、スネ夫の弟であるスネツグの声も龍田が演じている。共演作が多い方には他にも緒方賢一がおり、こちらもアドリブの掛け合いが凄まじい事になっている。
八奈見乗児の休業・半引退状態になった際にも『ドラゴンボール超』(2015年)のナレーション役と北の界王役、『半妖の夜叉姫』(2020年)の刀々斎役の代役を務め、八奈見の死後は正式に引き継いでいる。

また、下記のように死去した声優から持ち役を引き継ぐことも多数。
梶哲也:『チキチキマシン猛レース3DO』(1994年)のコウモリボス役
富山敬:『新くまのプーさん』(1995年)のラビット役
田中和実:『ざわざわ森のがんこちゃん』(2011年)のワニのバンバン役とスコープ先生役
青野武:『英雄伝説 空の軌跡 THE ANIMATION』(2011年)のアルバート・ラッセル役
田の中勇:『ドラゴンボール改』(2015年)のビビディ役
水鳥鐵夫:『常盤薬品 眠眠打破VSキン肉マン 夢の超人タッグ篇』(2017年)の与作さん役
松尾銀三:『ウメ星デンカ&ドラえもん「パンパロパンのスッパッパ!」』(2017年)のゴンスケ役
内海賢二:『それいけ!アンパンマン』(2018年)のムシバキンマン

なお、妻の高木早苗も同じ事務所に所属する声優である。
2017年からはその妻やよく共演していて仲の良い島田敏塩屋浩三らとともに「龍のとなり」という活動を開始。
YouTubeにも動画を公開しているので興味ある人は是非一度目を通してみてはどうだろうか。


【主要担当キャラクター、ナレーション】

「※」がついているキャラクターやナレーションは、他の声優の方から引き継いだもの、もしくは代役。

◇藤子不二雄原作作品


◇鳥山明原作作品


◇その他テレビアニメ


◇劇場アニメ


◇OVA


◇吹き替えアニメ


◇ゲーム


◇人形劇など


◇特撮


◇CM、テレビ番組など

  • 食パン(ラーマソフトのCM)
  • ばい菌の子分(ドメストのCM)
  • スクープくん(週刊こどもニュース)
  • ヒゲじい(ダーウィンが来た!~生きもの新伝説~)
  • キャラクター全般(レッドブルのCM)




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最終更新:2024年07月25日 22:02

*1 つまりは自分のアドリブに対し、面白い返しを期待している部分があったようである。沢木演じるコーン守と龍田演じる幻ナリ斉の掛け合いは同番組の名物でもあった。

*2 2018年版。