小此木(ひぐらしのなく頃に)

登録日:2020/11/04 (水曜日) 01:08:11
更新日:2024/04/11 Thu 20:41:39
所要時間:約 8 分で読めます




ひぐらしのなく頃にの登場人物。

声:小杉十郎太(ドラマCD・アニメ・ひぐらしの哭く頃に雀)
  成田剣(CS版・ひぐらしデイブレイクポータブルME)

フルネームは「小此木 鉄郎」、雛見沢近隣の興宮で「小此木造園」の社長を務める中年の男。
癖の強い雛見沢訛りを話し、しばしば語尾に「ですんね」と付ける。
尖った耳に鷲鼻というゴブリンの様な容姿だが意外に気さくで仕事の腕は確かなもの。雛見沢分校にも仕事で訪れることがあり、村内でも彼の会社の車をしばしば見かける。
住所などの確認がとれず実在しているか疑わしいが(アニメ版では聞いたことが無いと一蹴された)「小此木電気設備工事」なる社名も名乗っている。

チャームポイントはおさげとキュートなウインク。











俺が山狗の小此木だぁ!!


その正体は入江機関に配属された秘密結社「東京」の諜報・工作部隊「山狗」のリーダー。コードネームは鳳1。所属は陸上自衛隊で階級は二尉。
「東京」重鎮の小泉の後押しを受け入江機関が設立された際に入江富竹と共に招聘された人材で、鷹野の部下として症候群研究のために様々な暗躍を行う。
小此木造園は山狗が雛見沢近辺で活動しやすくするためのカモフラージュ組織であり、彼の雛見沢訛りもその為に身に付けたものである。

本人はバリバリの戦闘職の人間だが「慎重かつ大胆?な一面」が評価された結果、諜報や工作を主とする山狗のリーダーに抜擢された。
山狗としての業務もそれなりに楽しんではいるが、実戦の機会が少ない事と鷹野の粗い人使いも相まって梨花から見ても「自分のことをお姫様のお守りと愚痴る投遣りな男」との印象を抱かれていた。
しかし業務の障害になる者には一切の容赦がなく、殺人すら厭わない。
1年目の綿流しでは錯乱する現場作業員の男を確保しただけだったが、3年目の綿流しでは梨花の母親に頭を悩ませる鷹野に彼女の排除を打診。ある意味では鷹野が一線を踏み越える原因を作った人物とも言える。

軍隊格闘の十分な経験を積んでおり一般的な武術の対処法も熟知、相手の技を見ただけで流派まで当てる程の知識も備えている。
悪タレと呼ばれる程鍛えている大石を真っ向からあっさり締め落とすなど素手での格闘能力は恐らく山狗トップで作中でも最上位クラス…なのだが、それを発揮するのが百年にも勝る後悔の末に約束を果たしに来た男だったり敗軍の将として望んだ禊の一騎打ちだったりするので今ひとつパッとしない。
どちらかというと諜報部隊の隊長らしく立ち回りの上手さや抜け目のなさが印象に残る。

5年目の綿流しの時点では山狗ごと既に鷹野に10億円で買収されており、彼女の手駒として滅菌作戦を実行するためのあらゆる工作を行う。
しかし実際は「東京」の野村に再買収されており、鷹野を「雛」、鷹野を利用していた野村を「郭公*1」と呼んでいた。
それでも山狗の隊長という新鮮な経験をさせてくれたきっかけとして鷹野に一定の恩義は抱いており、本来は殺すべき所を敢えて逃したり、業務の範疇を超えて無茶に付き合ったりしている。

【山狗】

秘密結社「東京」が擁する工作のためのあらゆるスペシャリストが集められた技術部隊。
電話施設への工作、盗聴監視、情報収集、情報操作、各種公的機関への潜入など様々な分野に特化した隊員が集められている。
母体は一応自衛隊だがそれぞれの出向元は消防や警察、民間などバラバラ。
構成員の性質からもわかるように、直接戦闘に陥る事態を避ける各種工作こそ彼らの本領であり、要人監視や拉致誘拐、毒殺、自殺の偽装工作、犯人のでっち上げといった各種工作で雛見沢症候群の研究をサポートしてきた。
そのため一部の戦闘職以外の戦闘訓練は最低限で、小此木曰く「腕立て伏せの百も出来ぬ程度の隊員が大多数を占める部隊」。

とはいえ部隊の性質上、一部の活動に制限が設けられている場合もあるが実戦経験も相応の装備も持たない梨花たちが真正面から戦って勝てる戦力ではない。
それ故「東京」も手放しで彼等を任用している訳がなく、万一彼等が組織単位で造反した場合に備えてそれを武力的に鎮圧出来る戦闘部隊「番犬」が控えており、監視役として番犬派遣の権限を持つ富竹が定期的に訪れている。

幾つかの班に分かれており、それぞれが班名と数字を組み合わせたコールサインを割り当てられている。所属している班は鳳、鶯、雲雀、白鷺、鴉。


【本編での活躍】

立ち絵や名前こそ出ないが犬飼寿樹誘拐事件の犯人の1人として登場。
ダム工事を中止させるための工作として山狗が犬飼建設大臣の孫を誘拐、園崎本家の意向に合わせるような形で振る舞う事で鬼ヶ淵死守同盟の仕業であるかのようにカモフラージュしていた。捜査のために雛見沢を訪れた赤坂・大石と対峙する。
大石を圧倒し昏倒させ赤坂の肩を撃ち抜く痛手を負わせるが、園崎本家の意向により極力殺人を犯さないよう加減しており、既に大臣と話がついていたためシナリオ通り人質を二人に渡して逃亡した(表向きは復活した大石の不意打ちで形勢逆転されてやむなく撤退した形)。
一方、アニメ版では何故か別のモブキャラに変更されており、後の祭囃し編の展開に影響を及ぼしている(後述)。

名前が初登場、山狗のリーダーとして梨花の身辺警護を行う。
そして綿流しの夜には富竹を拘束、以降は鷹野の手駒として部活チームの排除、梨花の殺害、滅菌作戦の実施を担当する。
なおこれ以前に登場した小此木造園の人間(山狗)の一部も彼だと解釈されている場合がある*2
アニメ版では診療所内で入江に茶を淹れ、彼の無念の言葉を淡々と聞き入れた後意味深な振る舞いを見せる場面が追加されており、入江の服毒自殺の伏線になっている(アニメ版の皆殺し編では服毒自殺について触れられないが)。

カケラ紡ぎでは彼を始めとする山狗の暗躍が描かれ、原作でははじめて立ち絵も実装された。
祭囃し本編では梨花たちの偽装死体作戦に先手を取られるものの冷静に対処し富竹の確保、及び入江の追跡を行う。
綿流し祭開催を知らせる花火に紛れて扉を爆破する奇策で地下祭具殿に侵入、梨花を確保したところで山狗に紛れ機をうかがっていた赤坂と相対する。
5年ぶりに再会した赤坂の成長を喜ぶと共に戦闘職の人間でなければ相手にならないと直感、インカムも取り外し久々の実戦に臨むことになる。
因縁から堂々とケリをつけたかったとはいえ、素手で。
当初は暇潰し編のそれと違い本気で殺しにかかり、どんなに熟達していても型通りの動きしかできないスポーツ空手家と侮っていたが百年の後悔の果てに空手の精神を会得した赤坂にはロクに通用せず、

俺が山狗の小此木だぁ!!

と乾坤一擲の打撃を放つが

そりゃ良かったな。給料いくらだ

の一言で切り捨てられ、徹甲弾の如きパンチでワゴンを破壊され戦意喪失、その場は一次退却する。

アニメ版では暇潰し編が上記のように改変された為赤坂とは初対面になっており、これらのやりとりの殆どがカットされ他の隊員と共に赤坂に挑むも無言で返り討ちにされるという流れに変わっている。

その後は部隊の大多数を投入した山狩りの陣頭指揮を執るが、無数に張り巡らされたトラップと巧妙な作戦指揮に苦戦。
診療所から富竹奪還の知らせを聞いた時点で敗北を認め、山頂で敵指揮官である魅音との一騎打ちを申し出る*3
小競り合いを経て最後は空気投げで投げ飛ばされ、彼が望んだ通りの決定的な敗北を叩きつけられた*4
アニメ版では戦闘にならず、鷹野に命令されて仕方なく魅音たちに拳銃を向けるも、番犬部隊がやってきたために撤退するという流れになっている。

そして番犬から身を隠しつつ野村の計画通り鷹野に自決を促すが、おそらくは意図的に彼女を逃し結果として富竹が到着するまでの時間を稼いでいる。
全てが終わった後の報告書によれば、入江機関クーデター事件の副犯格と目されたが積極的に聴取に応じ事件解決に貢献したため司法取引に応じる予定であるとのこと。なんだかんだ上手く立ち回ったのだろう。


枝切りバサミ、ハンドガンを武器にして遂にプレイヤーキャラクターとして参戦。
マジックアイテムによりうっかり呼び出されてしまった幼少期の鷹野(田無美代子)とタッグを組み、彼女を家まで送り届けるために奮闘する。


【余談】

ひぐらしでは登場のタイミングも遅めでさほど重要なキャラでもない小此木だが、何故か他の竜騎士07関連作品での客演が異様に多い。いわゆるスターシステムだと思われるが、一部は同一人物とも思える設定付けがされている。

1998年の重要人物の1人、小此木鉄郎として登場。
六軒島事件の後に右代宮グループの重鎮として失意の絵羽を支えてきた人物。事件後の絵羽の悲嘆ぶりから彼女は犯人ではないとの推測を立て、絵羽を犯人と決めつける縁寿には「愛が無ければ真実は見えない」と説いた。
会長を継ぐつもりがなくグループ内紛を引き起こしかねない縁寿には頭を痛めており、彼女を逃がす一方でそれを追う須磨寺家とも通じるなど相変わらず抜け目なく立ち回っている。
彼が縁寿に説いた言葉は作品全体の重要なテーマであり、そしてその意味を知った縁寿が選んだ道は…。
竜騎士07曰く「いつの時代も、なかなか上司に恵まれない星の男」。

ガーディアンが擁するバイアーン帯剣緑地騎士団所属の超人、小此木伶人として登場。名前が違うタイプの小此木。
元政府雇われのエージェントという怪しげな設定で、CGで確認できる外見は明らかに小此木。
残念ながら竜騎士07執筆パートには登場しないので特に活躍はない。

  • ROSE GUNS DAYS
戦地帰りの元少佐、モーリス物部として登場。名字が違うタイプの小此木。
当初はケイレブの部下としてプリマヴェーラと敵対、戦地帰りの部下を引き連れレオと銃撃戦を演じるも敗北する。
その後はプリマヴェーラの戦闘頭集団バタリアンのリーダーとして活躍するが、プリマヴェーラ内部の勢力の動きに伴い彼の立ち位置も変化し…。
念願叶ってバリバリ戦闘職としての登場だが、その反動か歴代の小此木に比べると粗野で立ち回りに難が見られる。

  • キコニアのなく頃に
AOU統合軍本部、空挺機兵強化部所属の訓練教官、小此木鉄郎として登場。
筋肉主義で熱血漢、すぐに精神論や根性論を振りかざすいわゆる旧世代の人間で弛んだ訓練生にはすぐさまチョップをお見舞いする。
AOU所属のエースたちからはすぐ怒鳴る無能教官として煙たがられているが、実際には彼らをよく見ており適性やメンタルの傾向もよく把握している。
効率を重視する余り非人道的な領域に足を踏み入れたような研究やトレーニングにはあからさまな嫌悪感を示しており、なんだかんだ言ってまともな部類の大人かもしれない。
主人公たちの教官ということで出番もかなり多く、Phase1体験版公開時には彼(及び歴代の小此木たち)の透過素材がクソコラ用に配布されるという恐るべき事態となった。


「おめぇ、……追記、修正、…そして編集、…全て三拍子揃ってるぜ。 ……お前みたいなヤツが俺の役をやるべきなんだよ…。wiki籠りみてぇなクソどもの隊長をな…!」

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最終更新:2024年04月11日 20:41

*1 郭公は他所の巣に卵を産み付け、元々の雛を突き落として巣を乗っ取る。そして雛は山狗に食われてしまう。

*2 罪滅し編のアニメ・漫画版ではレナの周囲を嗅ぎ回る怪しい男が小此木の容姿で描かれた。ドラマCDでは小此木と同じCVである。

*3 この際の魅音とのやり取りは彼女の最大の見せ場のひとつなのだが色んな意味でネタにされやすい

*4 この時点で番犬の到着と計画の失敗は決定しており、敵の指揮官の顔を拝み敗軍の将としての禊を行うつもりでいた。その為武器も使わず1対1の決闘に臨み、更に完全に手を抜いたわけではないがある程度指導する形で戦った。