大石蔵人

登録日:2009/06/06(土) 01:34:48
更新日:2024/03/02 Sat 09:36:10
所要時間:約 4 分で読めます




大石蔵人(おおいしくらうど)とは、ゲーム・アニメ『ひぐらしのなく頃に』の登場人物。

CV:茶風林

通称:クラウド、蔵ちゃん
必殺技:粘着
得物:警察官制式拳銃



興宮署刑事課のベテラン警察官。階級は明言されていないが恐らく警部補。
名前の元ネタは某FF主人公かと思われる。「くろうど」ではないので注意。

煙に巻くような胡散臭い話し方と「んっふっふっふ~」という意味ありげな含み笑い、粘着質のしつこさが特徴。
でっぷりとしたメタボリックな体型だが、若い頃は悪タレと呼ばれるほど喧嘩慣れしており、柔道や剣道をたしなんでいることもあり腕っ節は強い。
退職後も顧問として招かれている事から、結構な実力と見ていいだろう。
鹿骨界隈では彼を知らない者は居ない程で、チンピラすら彼を避けて通ると言われている。
実際、普段はあまり見せない強硬的な姿勢になった時の雰囲気や物言いはかなり凄みがある。

しかし体型については気にしてるようで、リンゴダイエットをはじめているらしい。

雛見沢で起きる連続殺人事件の真相を追っている。最初の事件の被害者であるダム建設現場監督が「おやっさん」と呼ぶ程に古くからの親友であったことも、捜査に執着する要因となっている。
しかし昭和58年度に定年を迎え、退職後は母親の強い要望で北海道に引っ越す事になっている為、定年前に真相を突き止めんと焦りを感じている(尚、父親は名古屋の空襲で亡くしている)。
そのため本人も自覚しているが手がかりになる情報は真偽を問わずすぐ飛びつく癖があり、罪滅し編では鷹野の妄想ノートとレナの妄言などに踊らされて暴対(暴力団対策本部)まで巻き込み事態をかき乱した上、主に園崎本家との対談で焦りに焦って短絡的な言動をとって自分の面子を完全に失ってしまった。
しかし、事実を知った時には逆に比較的すぐ味方になってくれる。ただローンの返済や定年後の人生設計を退職金に頼っており、退職金がパアになりかねないと峻巡することも。
逆に自分の捜査を妨害する・完全に謂れのない敵意を見せる者には容赦は無く、自分に啖呵を切った圭一の肩を掴んで威圧に満ちた摂関をしたり、雨の中無理やり穴掘りを続行させたりした。

捜査ではストーカーまがいの粘着や脅迫、時には暴力などアウトローな手段に訴えることもあり、警察上層部と雛見沢村住人からは疎まれている。
2年目の怪死事件で沙都子に嫌疑を抱いており、正式に事故扱いで解決になったにもかかわらず依然付きまとっており 彼女とある深い関わりがある入江からは蛇蝎の如く忌み嫌われている。
村人から忌み嫌われているのはそれだけではなく、今迄の怪死事件は全て何らかの形で解決しているのに、大石はそれを否定し異様なまでの執念を向けて真犯人の存在を捜し続けている事に対してでもある。彼の背景を知る者からすれば当然ではあるが知らない人からすれば兎に角異常としか言えない為、それを不気味がられているのも一因。

そんなこんなで彼が雛見沢に近づくとオヤシロ様の祟りが起きることが多いため、蔑称を込めて「オヤシロ様の使い」と住民から影で呼ばれている。
曰く、「彼がその年の祟りの犠牲者を決めている」との事だが、実際は綿流し祭の前後に彼の執拗な追求を受けた者が行方を晦ましたり、彼のしつこい捜査やもったいぶった話し方や園崎陰謀説、挙句圭一やレナなどの後ろめたい過去を調べて勝手に他人に提供するなどによって、仲間への疑心暗鬼やストレスを増大させ雛見沢症候群を発症させて惨劇に導いてしまうためであり、
ある意味その呼び名は正しい。

一方で寄り合いに参加するなど自ら出向いて住民と交流もしており、綿流し祭の警備顧問として携わってもいる。このように、常に頭ごなしで接してくる執拗で強硬なだけの男ではない。そういう狡猾さの意味でも圭一たちに「嫌な人」とよく言われている。
署内は勿論、県警や情報屋界隈とのコネも広く、村人ならではの情報はもちろん園崎本家で秘密裏に行われた行事などもある程度とはいえ把握しているなど幅広い情報網を持ち、新たに引っ越してきた村人の経歴なども把握している。
一連の事件の裏に園崎家がいると見ており、園崎家とは常に対立関係にある。何度か園崎家の若い衆に襲撃され肩を斬られており、一時期は雛見沢に訪れるだけでも防刃ベストを身に着けていた。

本人のスタンスは不動の一言だが、主に圭一の立ち位置が編ごとにコロコロ変わるため敵にも味方にもなる男。
協力体制を謳っておきながら実際は圭一を泳がせ体よく利用しているだけだったり(大体はこのパターン)圭一に反発されたとはいえ徹頭徹尾横暴にあたって殺意まで抱かれたり
上述のようにレナ達の妄想を真に受けて場をかき回した(実はある程度は正解だったが)挙句に今度は盛大に自爆したものの、それ故にレナの危険な精神状態を理解し最後は圭一をサポートしたり機動隊に適切な指示をして事件解決へと導いたり
プライベートで意気投合し、「同じ牌を持った友」と称して様々な忠告や助言を与えささやかながら融通を利かせて後押ししたりある時は接点自体が殆ど無かったり…
その有様を指して、某サイトでミスターひぐらしなんて言われたりした。

ここだけ見るとかなりアレな人物に映りがちだが、内面は熱い信念を持っており、一般市民を守るためなら体を張る気概を持っている。
また、知らず知らず関わった住民に雛見沢症候群を発症・重症化させてしまうことはあるものの、
焦りと疑心暗鬼が強いにも拘らず彼自身が発狂する場面は見受けられない辺りも、本質は落ち着いている証左と言えるだろう。
数十年来の叩き上げゆえ勘も鋭く、少しでも不審なそぶりを見せた相手や異変は決して見逃さない。
園崎姉妹の根本からの入れ替わりの可能性を読んだり、僅かな手がかりから焼死体で発見された鷹野の死体は実は偽物という事を見抜いたり、高い推理能力も見せている。いつも民間の高校生探偵に任せる形になってしまう同じ声の警部にもこのあたりは見習ってほしいところである。
富竹の怪死についても、彼に喉を掻かせた薬が検出されなかった報告を受けてもなお富竹を死に誘導した薬の存在を信じ、刑事が頭から決め付ける事はあってはならない&他県の県警の隠蔽体質を強く咎めて鷹野生存および黒幕説を推し続けた。

一方オフの時はこれらの胡散臭さは鳴りを潜め、ドスケベながら子供たちの頼みに応じてツバメ返しを披露するなどかなり気さくな一面を見せる。
梨花の独白からオンオフの切り替えが極端な程ハッキリしているタイプと思われ、怪死事件を追う「刑事」として圭一の前に訪れた際は基本的に彼を利用する事しか考えておらず周囲の反感を買うが、オフの時に圭一と知り合う皆殺し編では彼の元気さと礼儀正しさに好感を抱きつつ彼にツバメ返しの手ほどきをして意気投合し、「刑事」として現れた時も言動こそ胡散臭いが児童相談所の動向を調べて彼に助言を与えたり、彼を邪魔する立場になっても表面上はそれを貫きつつその裏で彼を間接的に支援していたり、義理人情を重んじる好漢である事が分かる。退職後に至っては家庭菜園や社交ダンスにハマりダンディな老後を目指すなど、本質的には寧ろかなり快活ないい人である。
仕事人としての彼しか知らない雛見沢の住民などが彼を煙たがる一方、オフの時の彼も知っている部下や知り合いからは尊敬されているあたり、良くも悪くもオンオフの切り替えが両極端な気質である。
ただし同じ署内の同僚が「根に持ったらなかなか忘れないタイプ」と評していたり、祟殺し編で二言三言挑発的な返事をしてきた(大石も言っているがどれも第三者目線では正論)*1圭一に悪辣な態度を一貫していたり、そういう一面も少なからずある模様。

警察の上層部の意向や事実上の謹慎命令さえ無視した強硬な作戦をとる事もあり、その際は行きつけの雀荘を貸し切りにして部下を集め秘密裏に計画を練る。
その際 「退職金が惜しい方は私が10数える間に退室してください」 と号令をかけて部下の覚悟を問う「覚悟の10カウント」が恒例行事。
なお全員大石を信頼している為、誰1人として退室する事はない。

別れ際に季節問わず「では、よいお年を」と挨拶をしていく事が多い。

趣味は飲酒、麻雀、風俗などの夜遊び。花びら大回転のお店をハシゴしまくっているそうな。ローンの返済も趣味に呆けたいあまり退職金での一括返済にしてしまっている。
麻雀は長年の経験から部下に指南し、実戦向きではないもののパフォーマンスとしてつばめ返しもできる腕前。しかし赤坂には完敗してしまう。まぁあっちはマジモンの雀士だし。
これらもおやっさん仕込みである。

一部例外*2を除き、雛見沢大災害当日に腹を壊して署のトイレにこもっているため生存している(警邏していた熊谷はほぼ毎回行方不明になっている)。
退職後に北海道へ転居した後、赤坂衛と協力し雛見沢大災害の真相を調べており、告発本「ひぐらしのなく頃に」を書いた。


ソウルブラザーであり、バニー好きでもある。入院中の圭一にクッキーのブリキ缶いっぱいのエロ本を差し入れたりもした。

原作ではひそかに優遇されており、フリー楽曲オンリーの無印でも彼専用に宛がわれたシックなBGMが用意され、「解」では彼をイメージしたと思われる「Big Bear」(朱月笛丸氏作曲)が提供されている。


ひぐらしのなく頃に業では...

祟騙し編ラストで前代未聞の雛見沢症候群を発症し、園崎魅音 ・園崎詩音・ 古手梨花やその他村人達を虐殺する凶行に至った。(どうしたのだクラウド...
6発しか撃てないリボルバーをリロードなしで連続killをする芸当を見せ、多くの視聴者は困惑した。
あれ、あんた確か銃口を向けた事すらなかったんじゃ…?


彼の関係者たち


  • 熊谷勝也
大石の後輩の若手刑事で、よく大石と組んで行動しており大石からは「熊ちゃん」と呼ばれている。
詳細な勤務歴は不明だが1年目の事件の時点から居る為最低でも5年以上勤続している事は確実。
彼と正反対に軽い体育会系なフットワークが特徴的で、また若いながら有能で大石が苦手とする交渉面などで彼を上手くフォローしている。
それゆえ大石からの信頼も厚く、彼不在の際の作戦指揮代理なども任されたり、祭囃し編では大石が『絶対に信用出来る人間』として太鼓判を押されている。
本編では顔見せ程度の出番に終わることが多いが、罪滅し編ではその冷静さで園崎本家との交渉を円滑に進める*3、圭一とのパイプになるなど状況の好転に貢献している。
とはいえまだまだ経験不足で目の付け所が甘かったり融通や機転などは利かず、大石の行動を咎めかけたり先の展開が予想出来ていない場面もある。暇潰し編での大石曰く『まだ現場経験不足でトラブル慣れしていない』とのこと。
祭囃し編では赤坂から麻雀の手ほどきを受け、彼の特殊な部署での武勇伝にすっかり影響されて秘密警察に憧れを抱いたり若気にもあふれている。
酒はどちらかといえば苦手な方で、最初は飲み会の乾杯すらウーロン茶だったらしい。
多くの世界では富竹の怪死の翌日、警邏中車両ごと行方不明になる。
アニメオリジナルエピソードである「厄醒し編」にて、電話設備で工作をしていた謎の集団(恐らく山狗)に職質しようと声をかけた瞬間問答無用で射殺され、車両ごと隠蔽された事を示唆する場面がある。
漫画版、アニメ版、CS版それぞれで外見が異なっており、漫画版はツンツンヘアーの若者、アニメ版は中年男性、CS版は上記二つを足して二で割ったような姿をしている。

  • 鑑識の爺様
鑑識課に勤めるベテランであり、大石の麻雀仲間の一人。本名不明。
豪快な性格ながらその腕や知識は確かで、大石も熊谷と共に強く信頼している。
出番は熊谷以上に少なく名前が出るだけなどの事もあるが、主にTipsであまり知られていない薬品や精神病と事件性の因果関係、罪滅し編でガソリンの真の危険性を説明したり*4、祭囃し編では自分の立場を危ぶむ事を承知で大石の作戦に参加し、署内の根回しや電話口での時間稼ぎを担った。
あまり表立って触れられていないが48時間作戦に於ける最重要人物だったりする(鑑識からの発表が無ければ成立しないため)。

  • 佐藤
本名不明。園崎家について調べる情報屋で、大石の麻雀仲間の一人でもある。通称サトさん。大石の事は旦那と呼ぶ。
園崎家のかなり深いところまで入り込んでいるらしく、親族会議や儀式などの情報を大石に提供している。
暇潰し編では大石の紹介で赤坂に園崎家の情報を提供した。
好きなタイプの店は「静かに(バニーさんと足かけクロス)できるお店」らしい。

  • 「おやっさん」
本名(ry
連続怪死事件1年目の犠牲者である工事現場監督。赤坂から粗暴な印象を抱かれる程にガラが悪い。
容姿は大石の亡き父と瓜二つらしく、彼の父に代わって酒の飲み方や麻雀の打ち方、男としての器量など数え切れない程に伝授し、彼が間違いを犯したときは容赦なくゲンコツで制裁した古き昭和のよき漢。
戦後闇米の取締りで主婦を追いかけていた大石を止めた事をきっかけに数十年来の付き合いであり、彼にとっては親友であり、父親でもあった。
しかし昭和54年の綿流し祭の日に部下の作業員とのトラブルの末殺害され手足などをバラバラにされ、今でも右腕と真犯人の行方が分かっていない。
その真犯人(とそれを煽動したと睨む園崎お魎)を逮捕し右腕を取り戻し、彼の墓前で謝罪させる事が大石の本編での行動原理である。
直接の出番は暇潰し編のみ。赤坂から飲み代をたかるべく麻雀を打ったが返り討ちにされた。しかし赤坂の事は気に入った様子。
一方で現場作業員や工事を妨害する雛見沢村民にはかなり高圧的に接していたらしく、詩音達も大石に対するものとは比べものにならない程嫌っている態度を見せている。

  • 大高
県警本部の警部で、大石とは旧知の間柄。
自分の立場などを鼻にかける典型的なエリートで、大石に「くん」付けで呼ばれる事を嫌うが華麗にスルーされている。
過去に麻雀が弱いくせに粋がって大石に返り討ちにされたり、剣道大会で面を食らって失神させられたりいろいろ散々な目に遭っており、彼を嫌っている。
一方の大石も恩を仇で返されたりなどの傍若無人な態度などを嫌ってはいるが、そのうだつの上がらない様子からかフォローになっていないフォローをしている場面もあったりする。
自分よりキャリアの低いたたき上げに過ぎない大石が自分より人望を集めている事に対してコンプレックスを抱いてもいる。
しかし、剣道の師範だったり府警の機動隊を率いてきたりと、なんだかんだで地位や実力は確からしい。
本人は自覚自体薄いが、一応「東京」の協力員の1人。あちらからしたらほんの小間使い程度だが…。

  • 小宮山隆輔
署内でもかなりの敏腕刑事で、大石からは「小宮山くん」と呼ばれて頼られている。小ざっぱりとしたフランクな物腰がクール。
綿流し編では焼死した鷹野の身元捜索に奔走し非公式の園崎家突入作戦の班の指示係を担い、祟殺し編では冒頭からある人物の死体の現場検証で登場、後半でも各捜査に東西奔走している。
皆殺し編では梨花の家の警護にあたったが、突入してきた山狗に銃を抜く間もなく相方の刑事共々テーサー銃で殺害されてしまう。*5

  • 南井巴
こんなキャラ居たっけ?と思われるかもしれないが原作ではなくCS版のオリジナルキャラクターである。
警察庁の女性刑事で、現在は愛知県警垣内署に出向中。
大石は彼女の父親である亡き南井刑事と旧知の仲で、父と同じく無茶ばかりする彼女を常に気に掛けている。
外伝である染伝し編からの登場人物*6ではあるが、その性格や行動力からキャラクター人気は比較的高い。
普段は大石にからかわれたり彼のスケベぶりに辟易しているものの、染伝し編で雛見沢大災害が起きた際は直前に失踪した大石の手掛かりを見つけようとしていたり*7、逆に影紡し編で彼女が殉職した時に大石が冷静さを失って取り乱す*8等、お互いの信頼関係は強い。









大石「DO YOU KNOW 追記・修正?」

K1「YES HINAMIZAWA!!」

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最終更新:2024年03月02日 09:36

*1 アニメ版に至っては(描写がカットされまくってるのももあるが)単に睨み返されただけ。

*2 「祟殺し編」「皆殺し編」。前者では行方不明、後者は射殺され死体も隠蔽されている。原作のTipsの内容からおそらく前者も同じ末路を辿ったと思われる。

*3 一方の大石は焦りもあってか魅音達を恫喝するばかりで彼女らの心象を損ね、話の腰を折ってばかりであった。

*4 ただし原作やドラマCDのみ。アニメや漫画版では彼の出番がカットされる・もしくは大石が役目を担う形になっている

*5 本来テーサー銃は対象を電流で無力化するスタンガンのようなものだが、山狗のそれは致死レベルの電流が流れるよう改造されていた。アニメ版ではモブの警官に差し替えられている為、生存。

*6 より正確に言うとCS初移植となる『祭』のTIPSが初出となるが、この頃はちょい役であり立ち絵は実装されていなかった。後の移植である『粋』『奉』にて同TIPSが再録された際は立ち絵が追加されている。

*7 最終的に大石の行方や事件の真相は不明のまま、巴自身も平成元年に銃撃戦で命を落とす。

*8 赤坂衛が止めに入るまで、吠え猛りながら壁を殴りつけて拳を血で濡らしていた程。