泉野明

登録日:2020/11/11(水) 00:32:58
更新日:2025/03/18 Tue 00:39:43
所要時間:約 5 分で読めます




アルフォンスは、いつだって最高だよ…




プロフィール

いずみ のあ
機動警察パトレイバーシリーズの主人公の一人。
CV:冨永みーな
実写版でのシルエットは岡田夏海
警視庁警備部特車二課第二小隊1号機フォワード。階級は巡査
北海道苫小牧市の出身で生年月日は1978年12月17日。実家は酒屋を経営。
高校卒業後、TV版では第三管区警察学校・漫画版では早稲田にある警視庁予備校から特機研修校を経て警視庁へ。
劇場版2作目では新設された装備開発課に異動し、テストパイロットとして篠原重工八王子工場に出向中。
実写版の時点では警察を退職後、そのまま専属のテストパイロットになったという。



人物


性格

少し単純だが正義感の強い明るく真っ直ぐとした性格で人当たりも良く、勤務態度も至って真面目である。

ただ真っ直ぐで真面目なせいか、漫画版では偶然出会った少年バドが「グリフォンのパイロットでかつ人身売買の犠牲者」というゲーム好きな顔から想像もつかない真実に驚きを隠せず、
しかも一度は自分達の方に逃げて来たはずなのに、結局特車2課に攻め入った内海達によってグリフォンに乗って遊び半分で勝負を仕掛けてくるというバドのアレさに失望。
さらに撃破後「あんたがいったいなにをやったのか…その目を開いて、よーっく見なさい!!」と説教するも、バドはそれでもゲームに勝った野明が喜ばず怒ったのが理解出来ないとしか思わなかったため、その直後のシャワー時呻くのであった…。

根っからのレイバー好きで警察学校での評価では操縦に特筆すべき適正があるとされ、特車二課へ配属させるにあたって大きな理由になったと考えられる。
乗機であるイングラム1号機には「アルフォンス」の名を与えて並々ならぬ愛情を注いでおり*1、非番の日にわざわざメンテナンスにやって来る等「ペットに接するが如く」の偏愛ぶりには同僚達もいささか辟易としているが、無論ただ好きというとだけでなく「機械との相性がいい」と言われるだけあって操縦の技量も相応に高く、敵勢力となるシャフトがデータを欲しがったり、レイバー部隊所属の自衛官から誘いが来たりとそのセンスはだれもが認めるところである。

走行中の1号機キャリアに走って飛び乗ったり、刃物を持った強盗を素手で取り押さえたりと生身の運動神経も高い。学生時代はバスケに打ち込んでいたが小柄な身長(155cm)故にこちらの道に進むことは諦めていたようだ。

実家が酒屋ということもあってかかなり酒に強く、他の隊員が前夜の深酒で二日酔いに苦しんでいる中「今日も元気に行ってみよう!」と一人だけはしゃいでいたり、慰安旅行に際しては一人だけ酔いつぶれることができず、寝ていた後藤隊長の部屋に押し掛けて泣きついていた。
どんなに飲もうとも決して酔いつぶれることはないが、一度悪酔いすると言動は女性らしからぬ品のないものになる。
ちなみに酒に強いこととの関連は不明だが漫画版では乗り物に強いことが描かれており、他の候補生や後藤隊長イングラムの挙動を再現したシミュレータで嘔吐したりする中、やはり一人だけケロッとしていた。

また結構な激情家でもあり、2号機のバカ程ではないにせよ感情的になって暴走することもしばしば。
特に酷いのが本人が虫歯を患った時で、痛みに苦しむあまり相手レイバーの四肢の関節を完全に粉砕してしまった。

レイバー乗りとして

イングラムが傷つくを厭う面から激しい大立回りを極力避け、小回りをきかせたテクニカルな格闘を仕掛ける傾向にある。また手先の操作も非常に巧みなもので、ロープであやとりをしたり人間が素手で扱うレバーやクランクを操作したりしている。
そういった野明の個性はアルフォンスのOSにも反映され、繊細で細やかな作業や小回りのきいた機動が得意となっている。が、その反面パワーを生かした大立回りや射撃、反応速度等は2号機に劣っている。

巧みな操縦を見せる一方で技術的な事柄、特にソフトウェアついては無知そのもので、劇場版一作目では流行りの新型オペレーティングシステム「HOS」の名前すら知らなかった。
この一面は漫画版でより顕著に描写されており、「寝てるんじゃなかろうな」と言われる程システムの初期設定に苦戦していた。
ただテレビ版では初期設定等は自分で難なくこなしており、他の作品と比べるとそこまで無知という訳ではなさそうである。

上にも書いたがアルフォンスと名付けた1号機への愛着は生半可なものではなく
  • フォワードと決定する前から「あたしの」と落書きで主張
  • ボディに「ALPHONSE」の名を記して同僚達をドン引きびっくりさせる。
  • 非番に出勤してボディを磨きあげる
  • 火薬を使った日は勿論入念に磨きあげる
  • 新型の登場で乗機がすげ変わると思い込み、コックピットに引きこもる
等々いささか度が過ぎる入れ込みようであるが、野明とアルフォンスが格上の相手だろうとタメを張って善戦出きるようになったのは本人の力量は元よりこうして愛情を持って接し続け、二人三脚で歩んできた結果の賜物であると言えよう。

二課を離れた後はアルフォンスへの愛着も在任中より薄くなっていったようで「いつまでもレイバーが好きなだけの女の子でいたくない」と語り、「ロボットフェチの少女」から一皮剥けて大人の階段を上っている。

交友関係

特車二課という職住一致を迫られる特異な職場にいるため交友範囲は狭い。というか、同じ第二小隊の人間にほぼ限られている。
最も近しい人物はバックアップ担当の篠原遊馬で、すぐに下の名前で呼び会う関係に。プライベートでも気軽にデートに誘い合う程に仲を深めており、周囲からも殆ど公認状態であったが二課在任中は「友達以上恋人未満」というもどかしい関係が続いていた。実写版でのシゲの言によると警察を退職後のふたりは「公私に渡るパートナー」となっているらしい。
香貫花や熊耳といったエリートタイプの女性にはやや気後れする傾向にあるが、苦楽を共にする中で徐々に打ち解けている。

容姿

茶色のクセッ毛にショートヘア、太い眉毛と全体的にボーイッシュな面持ちをてしている。
野明のデザインについて、ゆうきまさみは「眉毛は太くないと嫌」「眉毛の無い女はいないのと同じ」と指示していたらしい。
本人は自分のルックスについては何とも思ってないらしく、街でナンパされた後には「物好きもいるもんだね」と言ってしまう程である。
漫画版では「寝癖を直そうとしたら余計ひどくなった」と発言して「(身だしなみが苦手なのかな?)」と思われていたこともある。
それでも中々に可愛らしい顔立ちをしているため、明るい性格とあわせて整備班の中には密かなファンがいるらしく、劇場版1作目で遊馬が外に連れ出そうとした時にはブーイングが巻き起こっていた。
劇場版二作目ではピアスが目立つ大人びた印象の面持ちにされている。
体型は女性陣の中では小さい方なのか漫画版で「自分(の記憶力)に自信があるか」と聞かれて思わず香貫花と自分の胸を見比べる場面もある。

余談

  • 1号機に名付けた「アルフォンス」という呼び名であるが、実のところこれは野明が飼っていたペットに代々つけてきた名前である。1番最初にアルフォンスと名付けた愛犬とは幼少時に死に別れており、成人した後も夢に見たりと本人にとって非常に悲しい経験となったことが窺える。 雨の日に拾った子猫には二代目のアルフォンスとなった愛猫を重ねており、脚本の伊藤和典氏は「野明は動物と絡んだときが、輝くと思います」という旨を語っている。

  • ゆうきまさみ氏のギャグ漫画「究極超人あ~る」の登場人物大戸島さんごに似ていることを劇中でネタにされたこともある。ちなみに担当声優の冨永氏も別の役で同作に出演している。

  • 読みづらい名前であるため「泉野明(いずみのあきら)」と間違えて呼ばれてしまったことや、自らも偽名として使ったことがある。が、十数年後には本当に「泉野明(いずみのあきら)」という名前の女性が同じイングラムに乗り込んでいる。また、押井監督が書いた小説「番狂わせ 警視庁警備部特殊車輛二課」では「泉野 明」という男性が登場している。

  • 原作者たちが仲間内で「もしも実写化したらキャストは…」との話をしていた際に、デザイナーの田島照久が「(野明は)永井真理子が似ている」と発言し、ゆうき氏は野明のデザインをした時点では永井を知らなかったが、イメージに合うと合点がいってからは、イメージを寄せて描いていたという。後年、永井真理子がTwitterで『パトレイバー』について言及し、それに感激した ゆうきへの返事で、永井は「『パトレイバー』は私の大切な思い出です」とツイートしている。

  • スパロボでは愛機アルフォンスがパトランプでどんな相手でもやる気をなくさせワイヤーでどんな相手でも縛り上げて反撃キャンセルして問答無用でステータスを下げるという強烈な個性を持っている捕縛のプロ。戦艦どころかどこぞの星サイズのインベーダーすら縛り上げられる長さと強度を持つワイヤーを搭載したアルフォンスも大概だが、実際に縛り上げる野明の技術も大概である。


追記・修正 ターゲット・ロックオン!



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最終更新:2025年03月18日 00:39

*1 但し漫画版ではアルフォンスの名は登場せずそのままイングラムと呼ばれている