?????「最初は希望を抱き、二回目は苦痛で、三回目は痛みを、四回目は不安になり、五回目は不信に……」
「まあ、確かにみんなそう言うわね。でも考えてみて?」
「例えば空を見て。枝が伸びていけばゆっくりだけど」
そう。全ての始まりは、『彼女』との語らいだった。
『彼女』は、あらゆる人に可能性を託したかった。どんな人だって、地面にしっかりと根を生やし、空に向かって枝を伸ばしていけるような、そんな可能性を誰にだって託したかったのだ。
それが一つの失敗から。
目を覆いたくなる惨劇を招くなんて。
誰が想像できただろうか。
?????「陽の光が差すたびに、恋しさに心が崩れ……」
「外の植物を見るたびに、言い知れぬ憎悪が理性を崩していくなら……」
「こんにちは、X。反応を見る限り、同期化は正常に終了したようですね。」
「どの瞬間にいたのかは、もう表情を見ただけで分かります。」
概要(真)
旧ロボトミー社を創立したA、
B、Cの三人組のうちの一人。類まれな程の才能に満ち溢れた人物であり、
ビナー曰く
「同類」。
三人の中では技術担当であったようで、Bは彼の弟子かつ助手。旧ロボトミーの段階では、AがトップではなくCがトップだった(と思われる)。
作中で垣間見える性格らしきものは、気難しく(
ガブリエル程ではないが)厳粛かつ真面目で、なにかを成し遂げようとする意志力に関しては中心人物であるCを超える程。
AはCの一番の理解者であり、またCもAの理解者であり続けた。
であるがゆえに、Cに「私がどんな状態になっても、貴方は私の理想を実現して」と後を託されたことにより、彼女の遺志を実現することに躍起になり始める。
「光の種」シナリオ
セフィラたち……
マルクトから
ホクマーの項目を見れば分かるように、Aは度重なる過ちを犯し、血濡れた道を辿ってきた。
そしてそれは、
他者を悼む心を一般人と同じように持ち合わせていたA自身の心をも抉った。
それでも、やめられなかった。
彼が道半ばにして悲願を放棄したら、『彼女』の悲願を成すべく集った同士達の犠牲や、嘆きを。虚無に還すというのか。
それだけはできない。絶対に。
そして……精神的に追い詰められた彼が編み出したのが、光の種シナリオ。
これは
ホクマー……B、ベンジャミンが猛反対した計画だった。
その内容は、T社の協力から得られた時間固定の技術を使用して、無限に等しい時間という名の地獄の中を何百何千何万回とループを繰り返し、自らがセフィラに仕込んだ「光の種」を回収し、そして最後の「光の種」を己の内から見出すこと。
それと同時に、管理業務で備蓄したエネルギーを使って、全ての人の心に可能性を……「光の種」を配る、光の木を作ることだった。
「光の種」が埋め込まれたセフィラは、A自らが破滅に追いやったといっても過言ではない。無論、AがAのまま彼らと向き合い、光の種を見出すことは叶わない。
だから、ループをするたびに記憶を消して、真っ白な自分にして再チャレンジするのだ。
自らが犯した罪悪と向き合い、セフィラたちと向き合い、そして光の種を見出すために。
言わば、管理人Xとは、光の種を見出し、自らの悪行を清算し、光の木になるための新たな名である。厳密には、Aとはまた違う存在であるとも言えるだろう。
最後の光の種
度重なるループの結果、先に進めなくなってしまった自分が現れた。罪のあまりの重さに耐えきれなくなった自分も現れた。狂気と妄想に満たされた自分も現れた。
それらを乗り越えることができたなら……最後の光の種を、Xの内から見出すことが叶うだろう。
最後の光の種の名前は、「考える自分」。
Xは、考えることをやめず、後悔に溺れず、狂気に浸ることなく、常に「考える自分」であることを貫くことができたのだ。
そしてそれが、叶ったならば……。
翼なんてなくても、空を行くことができることを。証明できるだろう。
彼自身から発する……光の木によって。
まるで塔のような木が大地から生え、その枝を伸ばすとその果実が降り注がれ始めた。
無限の可能性と過程を通して成長した木は、いかなるモノよりも天に近く強烈だ。
過去と未来、実体と幻想、精神と肉体、空間と時間の境が徐々に崩れていっている。
「私、自分が進まないといけない道が怖くなった時にするおまじないがあるの」
「あまり緊張しないで。ただ目を閉じるの。そう、それでいいわ。」
「できるだけ楽な姿勢にしててね。その方が心も安心するからね。」
アイン(Ain)とはセフィロトの樹において「無」を意味し、世界創造前の何もない状態を差す。
ここから最初のセフィラ、ケテルが生まれセフィロトの樹こと生命の樹を形作る種とも言える。
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余談 |
というか、その原因が……A本人は何を考えてたのか、「(アンジェラが)心を持つように設計された上、施設管理のために何百万年も地獄の中に取り残されてブチギレた結果」とのこと。
なにやってんだA。
更に更に、続編となる『 Library Of Ruina』での各司書とのストーリーを最大開放すると、アンジェラが何百万年もどんな目に遭わされていたのかが赤裸々と明らかになってしまい、 その結果底知れずAの株が下がりまくっているという事態に陥ってしまっている。
いやほんとなにやってんだA。
…と言ってもまあ、そもそも『Lobotomy』作中からして
「仲間に対する愛情・寛容さを表に出さず、数々の悲劇の一因となる」「かと思えば内心では非常に強い親愛の情を抱いており、仲間たちの死体を再利用した蘇生行為にまで走る」
「愛ゆえにCの肉体からアンジェラを生み出すが、一方でCへの愛ゆえにアンジェラの出来栄えに拒否感を示す」「そして他者の心のうちを見誤った結果悲劇を生む…という失敗をアンジェラでも繰り返す」
と、Aが
情が深いくせに他者を思いやるのが苦手な、とんでもなくめんどくさいコミュ障
である事は存分に描写されていたため、人格面での株価は元からこんなもんなのでは?という説もある。
もっとも、そのアンジェラは元セフィラ……司書たちとの交流で徐々に心を通わせていくようになってきており、Aの尽力が無駄にはならないのか、それとも無に帰してしまうのか、はたまた別の形で花開くのか…
…これからもアップデートされていくシナリオに目が離せない限りである。
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追記修正は、考える自分であり続ける人にお願いします。