登録日:2021/04/20 Tue 01:12:58
更新日:2025/03/25 Tue 16:08:11
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『グリッドマン・ドグマ』は『
SSSS.GRIDMAN』の
スピンオフ漫画。
著者は『
SSSS.GRIDMAN』にも携わり『
SSSS.DYNAZENON』にも、ちせのボディペイントデザインで参加したTRIGGERの元制作進行の佐塚弾純。
2021年04月13日、『SSSS.DYNAZENON』の放送から少し遅れて、WEBサイト「くらげバンチ」にて連載開始。
コミックスは全3巻。
全3巻完結予定だが、売り上げが響いたのか2巻・3巻は電子書籍媒体での配信のみ。
■概要
様々に展開を拡げていく『GRIDMAN UNIVERSE』、そのいずれの世界でも
グリッドマンと仲間達は絆を結び最大の武器として脅威に立ち向かっている。
しかし、本作のグリッドマンは
絆を生易しい繋がりと否定する。
本作のグリッドマンと協力者の活動の動機は「自己愛」。自分より可哀想な奴を助け優越感に浸るために彼らは戦っている。
第一話冒頭と最終話最後の1ページに、
この物語は『SSSS.GRIDMAN』を原作とした「IF」の世界です。
作品世界の登場人物・団体等は原作の公式設定と同一ではありませんと注釈が入っているが、
これはハイパーエージェントなど原作ではぼかされているが本作では深く踏み込んでいる設定を、本作独自設定で原作にリターンされることのないと注意している
だけではなく、ある重大な意味を持っていた。
……のだが、
ユニバースから逃れることは出来なかった。
■あらすじ
グリッドマンと共に一つの世界を救った新世紀中学生。彼らには知られざるもう一人の仲間がいた。
別の世界の危機や不測の事態に備え待機要員として荻窪に待機していたヴァイスは新世紀中学生の帰還をニュースで知る。
活躍の場を得られず無力感と焦燥感に包まれた彼は、グリッドマンを名乗る少女と出会い可哀想な奴を見つけるための旅に出る。
■登場人物
グリッドマンとハイパーエージェント
本作の主人公。
バイク型のアシストウェポン「ヴァイス・トーチャー」に変身できる人間。
一切活躍することなく世界が救われてしまったことを知り、
絶望と行き場のない焦燥感に包まれ、役目も希望も見出だせない最低な一日を過ごした後クロエと出会い、全てを捨てて可哀想な奴を探す旅に同行することを決めた。
その承認欲求は凄まじく、助けられた被災者も怯えるようなおぞましい笑顔を浮かべ、重傷者を搬送しようとする救急隊員にも詰め寄り自身が助けたとアピールして活動を妨害するほど。
ヴァイスの前に現れたグリッドマンを名乗る、褐色肌の山羊のような角を持つ少女。
角は自由に動かせる様だが、普段は巻き貝のような形状に巻いている。
可哀想な奴を見て優越感に浸り優しくしてやる趣味を持つ。
ループする荻窪を護っていた鳥型のアシストウェポン「マリシャス・ウィング」に変身できるハイパーエージェント。
ループにより活躍も失敗もリセットされる状況と猫田の面倒見の良さに堕落しヒモとなっていた。怪獣の出現には対処するが二次被害への躊躇も無くなり容赦なく周囲の建物を巻き込んでいた。
崩壊した荻窪を護っていた狼型のアシストウェポン「バスタード・ベイン」に変身できるハイパーエージェント。
封じられたステルシアンが不定期に差し向けるドローンに対処するため荻窪に滞在し続けている。
ドレッドに依存気味だが彼から顧みられたことが無く自己評価が低い。
住人に嫌われている理由は、チヤホヤされたいがためSNSで活動を周知し「命と引き換えに世界を救う」と宣言した上で被害を拡大させ逃げ延びたため。
地元にも周知していたため帰るに帰れず、表面上は頑張った風に見せながら死に場所を探していた。……が、いざ殺されそうになると抵抗し生き延びるタイプ。
故人。剣型のアシストウェポン「ドレッド・スラッシュ」に変身できるハイパーエージェント。ステルシアンの封印の礎となり死亡している。
実際はベインを信頼しており、自分を振るうなら彼しかいないと考えていた模様。
立案する作戦も、失敗してもベインなら上手く解決してくれるという前提で組んでいた。
その他
ループする荻窪に住む男子学生。怪獣から助けられたことでマリの正体を知り生活能力のない彼女をサポートする。
その正体は荻窪(ループ)を支配する揺籠怪獣ステルマゼンタ。
マリをループ世界に閉じ込め、同じ時を延々と繰り返していた。
元となった人物は横島家に雇われていた「神田」と呼ばれるお手伝い。
かつてグリッドマンが訪れ、数多のCWで活動する拠点となった世界の荻窪で暮らす女性。
クロエに似た野絵という一人娘がいる。
旧姓は「横島」。クロエが探し求めていた少女で今は夫と娘の3人暮らし。
学校には行ったり行かなかったりとやや不登校気味で両親からは将来のためにとパソコンを買い与えられた。
未来の荻窪の設計をしていた両親に対しては構ってもらえない寂しさから、その荻窪を破壊するような「悪い怪獣」を描いていた。
大人になり、自分が生み出した怪獣たちとの日々を寂しさを紛らわせるための「空想遊び」と言い、生み出したことに目を背けた姿はヴァイスに「とある決断」を下させることになる。
ヴァイスへの
LINE及び電話の音声でのみ登場。姿は描かれていない。
電話をかけられた時、残党狩りか何かで忙しそうにしておりヴァイスの疎外感を強めることになった。
原作で「世界を救った中学生に肖ったグループ名のアシストウェポンに変身できる人間」以上の出自に関わる設定が存在しなかった彼らだが、
本作では、とあるCWの荻窪を拠点とし有事の際に出動するハイパーエージェントと掘り下げられている。
■登場ヒーロー
クロエの変身態。
メタリックな巻き角が特徴的。顔は黒一色で目とその下に伸びるラインだけが輝いている。
下半身と腕は装甲に覆われているが、上半身は顔以外は変身前と変化していない。
その正体はグリッドマンのふりをしている存在。
パッと見では変わったデザインのグリッドマンにも見えるが、変身に使用するためのアクセプターが無い。
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つまりはニセグリッドマンでしかなかったのだが… |
最終話にて、怪獣として生まれ持った使命を全うし消滅したクロエを地獄に引き摺り込む救い出すためにヴァイス達がアクセプターとジャンクを通して接触した結果グリッドマン・ドグマとして再定義された。
その際ジャンクに表示されたアクセスコードは「Something Something Something Something」。
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アシストウェポン「ヴァイス・トーチャー」と合体したグリッドマン。ヴァイス・トーチャーのタイヤが両腕に装備され打撃武器となっている。
可哀想な奴の匂いを追い、CWを守る壁を破壊するために変身した。
アシストウェポン「マリシャス・ウィング」と合体したグリッドマン。
アシストウェポン「バスタード・ベイン」と合体したグリッドマン。
頭と両腕に犬の頭部を模した装甲を纏い
ケルベロスのようなシルエットとなっている。
全アシストウェポンと合体したグリッドマン。
「ドレッド・スラッシュ」は鎌状に変化しさながら
悪魔のようなシルエットとなっている。
「ヴァイス・トーチャー」、「マリシャス・ウィング」、「バスタード・ベイン」が合体した形態。二足歩行の恐竜のような外見をしている。
■登場怪獣
様々な荻窪を侵略している怪獣達。多眼と乱雑に伸びた鋭い牙、体のどこかに書かれた「なえ」という文字が共通している。
山羊の骨のような頭部と矮小化した胴体と脚部、異様に伸びた両腕を持つ怪獣。
時間と空間をループさせ人間を閉じ込める能力を持つ。
両腕にはベビーベッドのモビールのように馬や星を模した飾りが大量にぶら下がり、本体は荻窪の上空のCW内に潜み飾りを操っていた。
倒されても蘇る不死身の怪獣。六眼の
一頭身の本体の口内から10本の恐竜の骨状の触腕が伸びる。
CWの設計データを侵食し怪獣に作り変える能力を持つ。ドレッドに封じられているが翼竜の骸骨型の小怪獣の群れを生み出しドローンとして操り街を襲っていた。不死身の体質もこの能力に由来し、CWに存在する限り蘇る。
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※本作の重要なネタバレを含みます |
怪獣達の正体は、少女時代の奈絵のイラストに自我が宿った存在。
荻窪の開発計画に携わり多忙な両親に構われず過ごした彼女は、 ある少年が怪獣達と共に微笑むCGアート『我が良き友等』に太陽のように輝く救いを見出し、自身も誰かを救えるような怪獣を描きたいと願っていた。
折しも当時の世界は、グリッドマンの活躍がコンピューター通信で密かな噂となり遂にはニュースで報道されるという自体になっており、
ヒーローを求めた彼女は「 誰かの心を照らす」、それでいて「 両親の多忙の原因である荻窪の破壊を目的とし」「 ヒーローを奈絵の前に呼び寄せ倒されることが使命」という願いと設定を籠めて一人の怪獣を描き出した。
奈絵が自身をモチーフとしてデザインした 山羊の角の生えた少女姿の怪獣、及びその怪獣態。悪意はなく後に描かれた怪獣達と共に奈絵の良き友人として過ごしていた。
ある日、ゴミ捨て場で目覚めた彼女達は、何らかの事情に巻き込まれたであろう「奈絵と再会し使命を果たすために」数多のCWに散って行った。
ヴァイス達の前でグリッドマンのふりをしていた理由は、ヒーローであるハイパーエージェント達を奈絵の前まで連れ出し、正体を明かした自身を殺させるためだった。
しかし奈絵の世界は様変わりし、彼女も自分達を忘れ幸せになっており、彷徨い続けた30年もステルマゼンタとステルシアンの犠牲も無意味で、帰る場所などもうどこにも無い現実を突き付けられ何処かに去っていった。
になるはずだった描きかけの絵。眼球が無く基盤が剥き出しになった多眼や片腕が存在しないなど歪な姿をしている。
未完成だったこともあり、奈絵の迎えや不測の事態の備えとしてゴミ捨て場で待機していた。
密かに奈絵を見つけ出しており、クロエが去った後に自分達に与えた使命も忘れ幸せになった彼女の元を襲撃。野絵を捕らえ不完全な部分を描かせ完全な怪獣になろうとする。
割って入ったハイパーエージェントの戦いでは、ステルシアンとステルマゼンタの真意、彼らの応援要請をずっと待ち続けていたことを語り、手遅れと理解しながらもそれでも諦めきれない思いを叫ぶが終始圧倒され敗北。
奈絵に対し恨み言を語り消滅していくが、乱入したヴァイスに感情を乱され「完全な怪獣だったなら黒絵を迎えに行き優しく止められたかもしれない」という真意を溢し消滅……。
ステルイエローに自身を重ねたヴァイスは消滅寸前の彼と合体、アレクシス・ケリヴのように炎を揺らめかせ、グリッドマンのように助けを求めるクロエの元に駆け付けた。
- 怪獣承認怪獣 Weiß e Nacht
奈絵と怪獣達の関係から「誰かの笑顔が誰かの悲しみ 」という摂理に辿り着きヒーローへの憧れを失い、それでもクロエを承認したいと思い怪人化したヴァイスが、倒されたはずのステルシアンとステルマゼンタをもその身に宿し怪獣化した姿。外見は胴体部が巨大なヴァイスの顔となった異形の悪魔。怪獣達の元となった奈絵のアートがそのまま翼になっている。
時間を巻き戻し全てを白紙にする能力を持ち、「誰も悲しまないように誰も笑顔になれないようにする」ことを目的に全ての始まりである1993年までCWを巻き戻し始めた。
当のクロエからは拒絶されるが活動を辞めず、彼女がずっと探し続けたヒーローと共に自身を倒すように促す。
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■用語
ヴァイスや新世紀中学生が常駐しているCWに存在する町。
ハイパーエージェントや他のCWの存在が一般的に認識されており、『
電光超人グリッドマン』や『SSSS.GRIDMAN』の事変もニュースで報道されている。
また別のCWにも荻窪は存在し、そこにもハイパーエージェントが駐在している。
追記・修正は可哀想な奴を見つけてからお願いします。
- 作風がかなり露悪的なので人を選ぶ。人によっては公式二次創作くらいに思っといたほうがいいかも -- 名無しさん (2021-04-20 08:55:50)
- 絵がちょっと受け付けないな -- 名無しさん (2021-04-20 14:19:51)
- なんだかんだグリッドマンなので最終的には誰かが救われて欲しい -- 名無しさん (2021-04-20 16:00:40)
- > 電話をかけられた時、丁度祝勝パーティーを行っておりヴァイスの疎外感を強めることになった。 -- 名無しさん (2021-04-20 16:08:54)
- ↑ミス 祝勝パーティーって明言されてたっけ 片付けとしか言われてない気が -- 名無しさん (2021-04-20 16:11:34)
- 第1話見る感じだとパーティをやってるという描写・言動は一切されない。「まだ片づけは残ってる」とボラーが言ってる。この「片づけ」は事後処理的な可能性もあるのでパーティとは限らない。 -- 名無しさん (2021-04-20 19:54:44)
- 逃げ遅れた人々を助けたりしてたかもしれんしね。 -- 名無しさん (2021-04-20 21:25:11)
- 逆に今どきの絵で描かれたら魅力減だな。 -- 名無しさん (2021-04-21 12:56:44)
- 面白そうだけど画がなあ。日常パートはいいけどグリッドマンはもう少し描き込んで欲しい -- 名無しさん (2021-04-22 03:38:44)
- 露悪的っていうか、ルサンチマンこじらせてるだけに見えるのがちょっと…… -- 名無しさん (2021-04-22 16:35:12)
- 記事の正確さで言うとピク百のドグマの記事の方が良いかな。 -- 名無しさん (2021-04-22 19:41:07)
- あらすじだけ読むとただのヤバい人にしかみえないのだが、これ公式なの -- 名無しさん (2022-01-03 21:36:50)
- ↑一応公式だけど世界観に組みこまれてないIFストーリーみたいな感じ -- 名無しさん (2022-02-14 20:39:39)
- 武史に救われた少女が残した残滓か… -- 名無しさん (2022-03-09 09:12:40)
- SSSSとはIFでも間違いなく電光超人を源流とした一つの未来だし、捻くれて道を踏み外して絆を断ち切って仲間も捨ててヒーローであることさえも辞めてゲロに成り下がってもヴァイスはグリッドマンと同じ精神を宿した良い奴だ…… -- 名無しさん (2022-03-10 21:16:36)
- ダークアームド、ダムド………うっ頭が -- 名無しさん (2022-03-17 19:32:45)
- 最低(最高)の『電光超人グリッドマン』スピンオフだった。SSSS.DYNAZENONが第18話を元に世界を拡げたストーリーなら、これは第20話を拡げたストーリーだね -- 名無しさん (2022-04-26 17:50:34)
- 11話のLINE、吹き出しの位置的にヴァイスが一人で連投してるだけじゃないか? -- 名無しさん (2022-04-26 21:02:17)
- "この物語は『SSSS.GRIDMAN』を原作とした「IF」の世界です。 作品世界の登場人物・団体等は原作の公式設定と同一ではありません"って注釈、今見ると味わいがちょっと変わる -- 名無しさん (2023-03-31 15:33:05)
- IFです!同一世界ではありません!って再三書いた上に皆の記憶からも消したのにキラキラした本編勢にユニバースされたドグマ勢の顔が見てぇ -- 名無しさん (2023-04-03 10:38:29)
- ↑ユニバースの設定を考えると、グリッドマンにとっての怪獣観でもあるんだろうかこの作品。武史やアンチや二代目を見て、怪獣に救われる誰かも居るって発想から生まれたのだろうか -- 名無しさん (2023-04-04 00:57:58)
- ↑2 雨宮監督曰く「そんなの裕太が探し出すよ」とのこと -- 名無しさん (2023-05-08 20:21:49)
- ↑2 ある意味「SSSS.DYNAZENON」はそのアンサーだと思う。実際ちせは怪獣(ゴルドバーン)がいたおかげで救われてたし -- 名無しさん (2023-05-08 20:27:48)
最終更新:2025年03月25日 16:08