ビリーザ星人 ヴィーノ

登録日:2021/05/12 Thu 20:00:07
更新日:2025/07/11 Fri 06:46:10
所要時間:約 7 分で読めます





こいつに誓って…宇宙が平和になるまで戦おうぜ、宝児!


ビリーザ星人 ヴィーノとは、『特捜戦隊デカレンジャー』Episode.11「プライド・スナイパー」に登場したキャラクターである。

演:郷本直也
身長:182cm
体重:66kg
出身地:ビリーザ星

概要

全ての住民がせっかちな性格だというビリーザ星出身のスペシャルポリス。
ホージーとはかつての警察学校の同期であり、様々な分野でトップを競い合ったライバル兼親友。
警察学校を卒業した時には右手首にお揃いのブレスレットを付けて誓いを立てた。
射撃の腕はホージーから「敵わなかった」と評されるほど高く*1、その射撃の腕前を買われビリーザ星の宇宙刑事として配属された。
その2年後、捜査中の事故で記憶を失い行方不明となっていたが、何とか記憶を取り戻して現場に復帰した。

凶悪犯とのチェイスの果てに相討ちとなり地球に不時着してしまうが、謎の巨大物体が地球に向かって落下中という一報を聞き駆け付けたホージーと再会。親友との再会に喜ぶ中、地球署のボスであるドギー・クルーガーへ挨拶するためにデカベースを訪れる。

デカベースではホージーと久し振りの射撃対決をして旧交を温めるが、その直後、急に胸を押さえて苦悶の表情を浮かべる。

大丈夫すか!?

触るなぁっ…!!

どうした…?

大丈夫だ……さすがに少し疲れたかな…

そうか…じゃあゲストフロアで休め。

あぁ。

そしてウメコに案内されゲストフロアに到着するヴィーノだったが、バスルームの機能を熱く語る彼女を「説明はいらない」と一蹴し、一人ゲストフロアに入室。
ホージーとウメコがデカルームに戻ると、そこでは残る3人が浮かない顔で何やら考え込んでいた。

どうした…?

あの人…ちゃんと調べた方がいいかも。

何だって…?

ホージーの親友なのに悪いけど…
冷たく研ぎ澄まされた野獣の気…それ以外感じられないの。…何かある。

ヴィーノについて対面当初から違和感を覚えていたジャスミン「普通じゃない事だけは確かよ」と疑いの目を向け、さらには先程ヴィーノの急な態度の変化を目の当たりにしていたバンとウメコも疑問の言葉を投げかけた。

そんなはずあるか…あいつは俺の…!
「親友だから」って事で…デカベースに入る時も、チェックしなかったけど…

疑惑を否定しようとするも、センちゃんからもそう指摘されて動揺の色を隠せなくなるホージー。
その時、デカルームに警報が鳴り響く。デカベースの第3動力室に謎の殺し屋・ギガンテスが侵入する緊急事態が発生したのだった。



関連人物

  • ホージー/デカブルー
ヴィーノの親友にして地球署のデカレンジャーのリーダー。
宇宙警察本部の対策会議に出席しているドギー・クルーガーの代わりにデカベースの責任者の代理を務める事となった。
今まで見せてきた堅物なイメージとは打って変わって、親友のヴィーノとの再会に喜ぶ姿を見せる。

  • ギガンテス
出身星や年齢などといった詳細が一体不明となっている殺し屋のアリエナイザー
いくつもの星で要人を暗殺してきた凶悪指名手配犯であり、今回もとある人物からドギー暗殺の依頼を受けてデカベースに侵入する。
ちなみに全身が紺色なのだが、デザイン画では上半身が赤色だった。















ここからは「プライド・スナイパー」のネタバレになります。




















ヴィーノ…お前…!なぜボスを!?

金さ。…金で雇われたからだ。

なぜだ!あれほど正義に燃えていたお前が…!!

お前は納得しているのか?デカの仕事に…


実はビリーザ星人 ヴィーノこそがギガンテスの正体だったのだ*2
ホージーと共に立てたかつての誓いはどこへやら、現在の彼は金のためならどんな人間も殺害するアリエナイザーに成り下がってしまっていた。

身長:245cm(巨大化時:42m)
体重:133kg(巨大化時:4375t)
罪状:複数の星における広域殺人
ジャッジメント:✕(デリート許可)



真の概要

ビリーザ星のスペシャルポリスに配属されるも、その仕事に割の合わなさを感じたこと、さらに金に目が眩み本編の2年前にスペシャルポリスを退職して殺し屋に転向。
ギガンテスとしての姿は肉体の強化改造で得た物であるが、その副作用として発作的に起こる殺人衝動が抑えられなくなる欠点を抱えてしまう。
ドギーに怨みを持ったとある人物の依頼をエージェント・アブレラ経由で請け負い、(元・)宇宙刑事でホージーの親友ということを利用してデカベースに侵入しドギーの命を狙う。


劇中の活躍

ドギーの暗殺の依頼を受けてかつてのスペシャルポリスとしての自分になりすまし、ホージーに逃走中の凶悪犯を追って地球にやってきたという作り話をでっちあげ、チェックもなしにデカベースへ侵入する事に成功。
惑星間通信を妨げて宇宙警察本部に報告するふりをしながら狙いのドギーと接触しようとするが、肝心のドギーは対策会議に出席中で現在宇宙警察本部にいる事を掴む。

その後はゲストフロアヘ入るも副作用の殺人衝動が発症してギガンテスの姿に変わり、第3動力室で暴れ出してしまう。
そこへ駆け付けたデカレンジャー達を相手に、肉体改造で得た怪力と獰猛さで返り討ちにして姿を消す。
正気を取り戻した後は地球署へ帰還したドギーを物陰から狙撃した。

ドギーの狙撃に成功したヴィーノはその場から逃走するが、ホージーに追いつかれついに彼の前でギガンテスから本当の姿へと戻って正体を表す。
そしてホージーに命懸けの任務をしても「警察官だから当然」という顔をされ、感謝されないどころか恐れられたり憎まれたりさえしてしまうデカの仕事を割に合わないと感じた事、ある日自分の中の悪魔が射撃の腕を自分の幸せのために使えとささやき、デカよりも「最高の金が儲けられる仕事」…すなわち殺し屋であるという結論にたどり着いた事、その過程で銀河一の殺し屋・ギガンテスとなったことを明かした。

ホージーは怒りに震えながらも「お前は間違ってる!!目を覚ませ!!」と説得しようとするが、ヴィーノはそんなホージーの叫びを一笑に付し、次の瞬間ホージーの右腕を誓いの証であるブレスレットごと撃ち抜く。
「お前は甘い…俺には絶対に勝てない…!」と吐き捨てヴィーノは去って行く。
早撃ちに競り負けたホージーは、犯罪者と化した親友の名をただ叫ぶことしかできなかった…

だが、ドギーはスワンが開発した新型の防弾チョッキのおかげで生き延びていた。
その後の捜査でゲストルームから妨害電波の発信装置が見つかった事、本部からの情報でヴィーノが2年前にビリーザ星のスペシャルポリスを退職していた事、第3動力室を襲ったのが肉体改造の副作用の殺人衝動による物という事が判明。
そして、ドギーの口からヴィーノはすでに宇宙最高裁判所の判決でデリートが確定しており、発見次第デリートする事が告げられた。

すると、アブレラからドギーの生存を聞いたヴィーノは女性を人質に取り、地球署に通信してドギーをおびき出そうとする。

しかしそこに現われたのはホージー。
ホージーは「俺を倒せば次はボスが来る」という約束をしてヴィーノに勝負を挑む。ヴィーノは人質を連れて姿を現す。

いいだろう…だがその腕で、この俺に勝てるか?

映写機の光を背にヴィーノはアリエナイザー・ギガンテスに、ホージーはスペシャルポリス・デカブルーへと変身。
緊迫した空気が流れ、映写機のフィルムが外れたのを合図にそれぞれの銃声が響き渡る。そして…

なぜだ…!その腕で…この俺に勝つなんて…!!

撃ち合いを制したのはホージーだった。敗れたギガンテスは倒れ込み、人質の女性もバン達によって救出される。

今のお前には分からないだろう………この腕を支えている物が、何なのか…

デカの…誇りだ。

ハ…ハ…ハハハ…笑わせるなぁ!!

誇りだけで生きていけるか…!金以外に、正義なんかないんだよぉぉぉ!!

ヴィーノは最後の手段としてアブレラから購入した生命力増大薬を大量に摂取して巨大化。それによってヴィーノが付けていたブレスレットは弾き飛んでしまう。

薬の影響か理性がなくなったような状態で暴れ出すが、出動したデカレンジャーロボによって叩きのめされる。そしてホージーは怪物に成り果てたかつての親友にシグナルキャノンの銃口を向けた。

Goodbye…Forever………and Ever…!!

ジャスティスフラッシャーを喰らったヴィーノはそのまま倒れ込み、ついに爆発四散した。

全てが終わった後、ホージーはかつての親友の形見でもあるブレスレットを拾い上げて右腕にはめ、街に昇る朝日を見つめるのであった…

スペシャルポリスの世界は、時として非情だ。
それが、犯罪に立ち向かうプロフェッショナルのライセンスなのである…


余談

  • ビリーザ星人は地球人とほぼ同じ姿や能力を持つが、西部劇さながらの環境で銃が一番発達しており、剣という武器を使う事はアリエナイらしい。そもそも星の歴史自体が(地球人から見れば)西部劇そのものだという。

  • 本編にて登場した刑事モノの王道ともいうべき宇宙警察の関係者である敵キャラ、いわゆる汚職警官は彼が初。
    その後はスワンに嫉妬してアリエナイザーと化したポッペン星人 ハイマルや、Vシネマ『特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER』では銀河系管区警察局局長でありながら宇宙マフィアと癒着し甘い汁を吸っていたカイト・レイドリッヒなどといったスペシャルポリス出身の犯罪者が出ており、これによって「宇宙警察も完璧な正義の組織ではない」という辛い現実が突きつけられている。
    また、デカレンジャーと深い繋がりがある宇宙刑事シリーズにはヴィーノと同じく刑事としての誇りを捨て悪となったセイギ/宇宙刑事エステバンがいる*3

  • 本エピソードでは今回のドギー暗殺の依頼人は不明であったが、次々回であるEpisode.13「ハイヌーン・ドッグファイト」にてその依頼人本人が業を煮やして自ら復讐を果たそうと動き出す。

誇りだけで生きていけるか…!追記・修正以外に、正義なんてないんだよぉぉぉ!!

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最終更新:2025年07月11日 06:46

*1 後述するデカベースでの射撃対決の際、ホージーが1発ずつ確実にボールを撃墜して「PERFECT」評価を出したのに対し、ヴィーノは宙返りしながら1発で全てのボールを撃ち抜き「EXCELENT」評価を叩きだしていた

*2 ギガンテスのCVも同じく郷本氏が担当。

*3 奇しくもこちらもかつての親友である二代目シャリバンこと日向快との対決が繰り広げられている。