エージェント・アブレラ

登録日:2021/09/20 Mon 07:55:35
更新日:2025/04/03 Thu 00:11:02
所要時間:約 7 分で読めます






現実を見ろクルーガー!!

宇宙には「正義」などという見えない物より、ズッシリ重い札束が大好きという奴らが、まだ掃いて捨てるほどいる…


画像出典:特捜戦隊デカレンジャー Episode.49「デビルズ・デカベース」より(2005年1月30日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG


エージェント・アブレラは「特捜戦隊デカレンジャー」に登場する敵キャラクター。


身長:240cm
体重:130kg
出身地:レイン星
罪状:銀河消滅及び惑星間戦争における大量殺人
ジャッジメント:✕(デリート許可)
登場エピソード:Episode.2「ロボ・インパクト」~Episode.50「フォーエバー・デカレンジャー」(Episode.37は除く)

【概要】

が好きなレイン星出身のアリエナイザー
全宇宙の犯罪マーケットを仕切り、宇宙を股に掛けて裏社会で暗躍する死の商人であり、陰で他のアリエナイザー達に怪重機ドロイドなどといった非合法製品を売りさばいていた。

黒いマントに覆われた体は紅く、両手には長い爪を生やし、頭は長い耳をピンと立てた三つ目のコウモリのような風貌をしており、
頭部は脳髄を守るために特殊な培養保護液で満たされたカプセルに覆われている。
腕とマントを同化させる形で翼に変化させて空を飛ぶ事もできる。

地球署が設立される以前から宇宙の武器商人として金を荒稼ぎし、多くのアリエナイザーに武器やドロイド、怪重機を提供する形で間接的に数多の銀河や星を滅ぼしてきた。
武器商人以外にも宇宙の裏社会における仲介人・フィクサーとしての顔も持ち、殺し屋の斡旋や傷害巨大化保険のサービスをしている手厚い面もある。因みに使用通貨単位は「ボーン」
劇中ではまだ宇宙警察の装備が整っていなかった頃の辺境の惑星・地球に目を付けて当面のマーケットにしようと企んでいた。

「デカレンジャー」本編におけるラスボスらしく、トンデモないスケールの極悪犯罪者の宝庫だったアリエナイザー達の中でも彼が犯した罪は「7つの銀河にまたがる惑星間戦争を陰で引き起こし、第12銀河を消滅に至らしめた」という最大のスケールを伴った悪事である。


【人物】

宇宙で最も優れた頭脳を持つレイン星人の中でもとりわけ秀でた頭脳を持つが、生まれながらにして悪の心と金銭欲に秀でるほどの冷酷さをも併せ持つ危険人物。
生粋の拝金主義者で金の為なら多数の犠牲を出す事も厭わない、正真正銘の極悪人である。

だがその一方で、Episode.18にて京都弁を使いだしたり、Episode.32のEDのミニコーナーを乗っ取って深夜に放送されるテレビショッピングのように戦闘強化服・マッスルギアを宣伝したり、とぼけた奴らが多いというトリノイドの特徴を知って愕然としたりと妙に人間臭い一面も持つ。

顧客のアリエナイザー達は都合の良い金づるか怪重機をPRする広告塔程度にしか思っておらず、その関係は非常にドライ。
顧客が求める商品を迅速かつ的確に売り捌きこそするが自分から彼らの犯罪に直接干渉する事はなく、自身の計画のためなら捨て駒として扱う事も辞さない。
その一方で、金持ちなら何でも良い訳ではないらしく、サウザン星人 ギネーカの事は表向きは「お坊ちゃま」と呼んで媚びへつらいつつも、内心では「バカ息子が…」と唾棄していた*1
加えて、自分の感情が時にビジネスへの意欲を上回った時には、金儲けすら疎かにする気まぐれな部分もあり、スケコ星人 マシューからサイコマッシュの再調達を要求された際には、すでに宇宙警察への報復の段取りに夢中だった為表面上あしらうだけでろくに取り合わなかった。

自分の商売を幾度となく妨害する宇宙警察を逆恨み心底憎んでおり、宇宙警察なんか怖くないキャンペーンなるネガキャン企画を立ち上げた事もある。
しかし商売の上手く行かない地球にさっさと見切りを付けず、逆にデカレンジャーへの復讐に固執した事が彼の命取りとなる。

宇宙一頭の良いレイン星人はその頭脳を駆使して画期的な技術を次々と開発し星を発展させ、同時にドーピング(決して悪い物ばかりではない)などで肉体の強化も行ってきた。
その様にして長い歴史の中で超進化を繰り返していく中、レイン星人は皆違った見た目になり、皆違った理由で星を離れるようになってしまった。
そのため、レイン星人以上に統一性の無い宇宙人はアリエナイ。
といってもアブレラ以外のレイン星人がシリーズ未登場なので、どれくらい統一性が無いのかは定かでないが。

最序盤からアリエナイザー達の犯罪に手を貸していたが、長い間自身の正体を完璧に隠し通してきた事もあって、宇宙警察の本部ですらアブレラが行ってきた数々の犯罪を知ることはなく完全なノーマーク状態だった。
地球署がその存在を把握したのはEpisode.30で、先述のレイン星人の特徴もあって宇宙警察がアブレラの素性や犯罪行為を解明したのは最終話手前のEpisode.49とかなり遅かった。
仮にアブレラが損失を取り戻そうと地球に固執していなかった場合、宇宙警察すら彼の悪の所業を知る事はなかっただろう。


【戦闘能力】

手から電撃や火球などを放って攻撃する他、マントから衝撃波を発生させて身を守る。
いざとなれば無数のコウモリに変化して姿をくらます事もできる。
TV本編におけるラスボス…なのだが、アブレラ本人は思いの外さほど強くない*2
一応脳髄以外の肉体全てを強化改造している為、デカレンジャー6人と同時に渡り合えるくらいの戦闘力はあるのだが、それでも一部の武闘派アリエナイザーには及ばない。
実際、ヘルズ三兄弟の来襲時は地球での商売を断念しようとした他、ギンジフ星人 カザックの凄んだ態度にはタジタジになっていた。

そのため、騒動を起こす場合は基本的にアリエナイザーに犯罪を依頼したり、アリエナイザーを高額の報酬などで雇って兵力として扱う。


【最強最悪の傭兵軍団(アブレラ傭兵軍団)】


罪状:様々な特殊犯罪によって特殊刑務所へ収監
ジャッジメント:✕(デリート許可)
登場エピソード:Episode.49~50*3

かつてドギー・クルーガーに逮捕され、警備厳重な特殊刑務所に収監されていた4体のアリエナイザー。
4人全員にデリート許可の判決が下されているが、なぜデリートされなかったのかは不明。

アブレラがデカベース制圧作戦の為に特殊刑務所から脱獄させ、全員に各々の特性を更に高める強化改造が為された専用のハイパーマッスルギアを与えた。
任務でデカレンジャー達が出払っている隙にアブレラと共にデカベースへ奇襲を仕掛け、ドギーも卑劣な戦法で撃退しまんまとデカベースの制圧に成功した。

  • ゲド星人 ウニーガ
衰えちゃいねえなぁ…それでこそ倒し甲斐があるぜ!!

声:中井和哉
ウニのような棘だらけの顔をしたアリエナイザー。
「イーガソード」と呼ばれる剣を振るう剣豪であり、最上級のドロイドであるイーガロイドは彼のデータを元に造られた物。
イーガロイドも度々用いていた技「クロスバースト」の他、あまりの威力の高さにデータが取れずイーガロイドにも実装できなかった必殺技「ウニーガダイナミック」を自在に操る傭兵軍団最強の男。
剣術特性のハイパーマッスルギアが与えられている。
トゲトゲしい性格の住人が多いゲド星人は身を守る為に体中に固い棘を持ち、身に危険が迫ると防衛本能で新たに生えて数が増える。この棘が多ければ多い程数々の修羅場を潜り抜けた証として尊敬される為、自身の身体のトゲの本数にこだわらない者はアリエナイ。


  • ドラグ星人 ガニメデ
おっとぉ!フフッ、俺が相手だ!ヘヘヘッ、正義のジャッジメントはミーがするアルヨぉ~!

声:岸祐二
カニのような顔をしたアリエナイザー。
胡散臭いエセ中国人みたいな喋り方が特徴の粗暴な男。
左右で大きさの異なる両腕の鋏を武器とし、甲羅のような固い体を更に強化する防御特性のハイパーマッスルギアが与えられている。
じゃんけんに弱いとされるドラグ星人の鋏は左右で大きさが違い、巧みに使い分けて器用に解体作業などを行う事ができ、この鋏に切れない物はアリエナイ。


  • ジャーゴ星人 スキーラ
今度こそ、2人仲良く天国に送ってあげるわ…

声:篠原恵美
シャコに似た顔をしたアリエナイザーで、軍団の紅一点。
銃の名手でライフルを武器とする狙撃手。銃の命中精度を上げる為にスピード特性のハイパーマッスルギアが与えられている。
ブランド好きなジャーゴ星人は動体視力がとても発達しており、どんなに素早い動きでも確実に捉える事ができる上、素早い身のこなしが得意らしく俊敏な彼らにはのんびり屋はアリエナイ。


  • ギモ星人 アンゴール
はいは~い!今度こ~そ~、やっつけちゃうもんねぇ!

声:園部啓一
チョウチンアンコウに似た顔をしたアリエナイザー。
エセ外国人みたいな奇妙なイントネーションの喋り方と、「ガブガブ~」が口癖。
額の触覚から放つ電撃が武器で、自慢の怪力を更に強化するパワー特性のハイパーマッスルギアが与えられている。
寒さに強いとされるギモ星人は頭部の提灯と顎髭のような部分からの光により、鳥目になることはアリエナイ。


怪重機 アブトレックス


チェ~ンジ、アブトレーラー!
完成!アブトレックス!!

全長:50.2m(アブトレックス時)/99.5m(アブトレーラー時、全高:23.5m)
全幅:32m(アブトレックス時)/34.3m(アブトレーラー時)
重量:5200t(アブトレックス時)/5000t(アブトレーラー時)
操縦者:ギモ星人 アンゴール

アブレラが地球署を制圧すべく、採算度外視でアブレラが建造した最強の怪重機。
蝙蝠を模したデザインに派手なカラーリングのマッシブなボディが目立つ。
  • 両腕に備わった巨大クロー「アブネイル」
  • 胸部から放つ高威力のビーム砲「アブトレックスビーム」
が武器。アブネイルはデカレンジャーロボのジャッジメントソードを簡単にへし折る硬度と切れ味があり、アブトレックスビームに至ってはデカレンジャーロボを完全に粉砕してしまう程の威力を誇る。
さらに大型ドリルタンク形態「アブトレーラー」に変形する機能を持ち、アブトレーラーに備わった大型のドリルはデカベースの強固な外壁すら貫く。
その見た目に違わぬ圧倒的なパワー、圧倒的な機体性能を持つが、その反面マッスルギアの補正も加えた怪力のアリエナイザーでないと操縦桿が動かせない程に操作性は悪化している。

魔法戦隊マジレンジャーVSデカレンジャー」には、ほぼ色違いの後継機「アボトレックス」が登場している。

北米版「パワーレンジャー・S.P.D.」では、S.P.D.を裏切った精鋭部隊A-スクワッドのメガゾードという扱いで登場している。


【終盤の動向】

「大きな商売」に利用する予定だったブラウゴールを倒されたのを機にデカレンジャー達を本格的に敵視するようになり、Episode.48で累計損失額が100億ボーンを超えた事でついに報復を決行する。

デカレンジャー達がクラーン星人 ジェリフィスと戦っている間に、ディアマンテ星人 ドン・モヤイダなど数名のアリエナイザー達から得た情報*4を元に怪重機アブトレックスでデカベースを急襲し侵入。
立ちはだかったドギー・クルーガーをアブレラ傭兵軍団と共に卑劣な戦法で撃退し、デカベースを完全に乗っ取る。
さらに、デカベースロボで街を破壊するばかりか*5、デカレンジャーの変身システムをも無効化し、自身をデリートしに向かった宇宙警察の主力部隊を衛星軌道上に仕掛けた大規模な罠で一掃せんと目論んだ。

主力部隊さえいなくなれば、宇宙警察はすぐにでも滅ぼせる。そうなれば、私の理想の世界が訪れるのだ…!

邪魔な宇宙警察のいない、金だけが全ての素晴らしい犯罪の世界がな!!

しかし、変身能力は失っても燃えるハートは残っていたデカレンジャーの奮闘により、デカベースのコントロールを奪還される。
デカレンジャーの変身が可能になっただけでなく、バンの通信で主力部隊の一掃も失敗し、傭兵軍団もデリートされてしまう。
そして、アブレラ自身も必死の抵抗空しくとうとうデリート許可が下された。



うぉっ…!

デリート!

えぇい、私を倒して終わりと思うなぁ!?
この宇宙に人類がある限り、絶対に犯罪はなくならない!!誰の中にも、私と同じ欲望があるのだぁ…!!

それでも俺達は信じてる!
宇宙に生きてるみんなの中に…正義の心だって永遠に燃え続けてるってな!

それがある限り、悪の栄える未来はないんだ!!

なおも往生際悪く捨て台詞を残すアブレラだったが、その言葉すらもバンに堂々と反論され、最期はディーバズーカでデリートされた。

ぉ…おぉぉのぉぉれぇぇ…う゛わぁぁぁぁぁ……!!

かくして、金の為だけに頭脳を悪用し数々の違法兵器を開発しては売り捌き、数知れない星々を滅ぼしてきた最凶最悪の武器商人は、地球署のデカレンジャーの正義の心の前についに引導を渡されたのであった。

しかし、アブレラの遺した言葉通り、その後も多くのアリエナイザーが現れている。
それ故に、宇宙警察もまた平和を守る為に戦い続けている。宇宙に犯罪がある限り、デカレンジャーの戦いが終わる事はないのだ。


【その後の活躍】

海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船

ロスダークにより怨念が呼び寄せられ復活。
イーガロイドらを引き連れてゴーカイジャーを襲撃し苦戦させたが、結局逃げられてしまい置き去りにされた。

Vシネマ「特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER」


恨み重なる地球署のデカ共…
このクローン アブレラが、踏みつぶしてやろう!!

生前にカイト・レイドリッヒと結託していたらしく、彼の手により生体兵器「クローン アブレラ」として復活。
巨大化してデカレンジャー達に襲いかかったが、テツが単身操縦するデカレンジャーロボによって呆気なくデリートされた。
なお、兵器という事で人権は適用されないのか、ジャッジメントは行われなかった。

おのれぇ!!この私を倒しても、この宇宙から犯罪はなくならない!!

懐かしい言葉ですが…それはもういいです!



【余談】

  • モチーフ
デザインモチーフはコウモリ
セールスマンのイメージからネクタイの意匠も取り入れられている。
名前の由来は言うまでもなく「こうもり傘」*6
また、頭部全体を覆う透明なカプセルも特徴的だが、その都合上カメラの映り込みや照明の加減といった撮影時の問題も頻発していた模様。

  • 担当声優
声を担当した中尾隆聖氏は、ばいきんまんフリーザといった役で有名*7
後に「手裏剣戦隊ニンニンジャー」では晦 正影の声を担当した他、「スイートプリキュア♪」では再びラスボスポジションを務めている。
「10 YEARS AFTER」では「ニンニンジャー」と収録時期が重なっていて大変だったらしい。

余談だが、氏は東京ドームシティのデカレンジャーショーでは、なぜかアブレラではなくデカグリーンの声を担当していた。
ちなみにアブレラはこれまたどういう訳か、別の人が声を当てていた。一体なぜ…?
流石に紛らわしいとクレームがついたのか、最後の方ではきちんとアブレラの声を担当するようになった。

  • 立ち位置
彼は「デカレンジャー」本編におけるラスボスではあるが、他戦隊のボスと異なり、何らかの組織を率いている訳ではなく、あくまで宇宙にいくらでも存在する一犯罪者にすぎない。
したがって、彼が倒されてもS.P.Dの戦いが終わることはないのである。
後に、Vシネマ「魔法戦隊マジレンジャーVSデカレンジャー」では、既に弟子を持っていた事が判明している。

メインライターの荒川氏は初期のインタビューにて「名前がエージェント(代理人)という事で、徐々に背後にいる組織の存在を出していく」とし、
デザインを手掛けた森木靖泰氏も上位の黒幕がいるものと想定していたが、最終的にはアブレラ自身が黒幕という形になった。
序盤にコミカルな印象が目立っていたのはその名残である。


追記も修正も、私の指先にかかっている…どうだ、面白い趣向だろう。

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  • 極悪人
  • 極悪非道
  • 凶悪犯罪者
最終更新:2025年04月03日 00:11
添付ファイル

*1 アブレラにも一応最低限のラインはあるのか、単に横柄な態度が癪に触ったのかは不明だが、いずれにせよ本来顧客の犯罪に一切干渉しない主義のアブレラが露骨に嫌悪感を露わにした相手はギネーカだけである。

*2 デカレンジャーと直接交戦した回数は、Episode.44と50のたった2回のみ。

*3 アンゴールはEpisode.49のみの登場。

*4 アブレラとの契約の一環として情報を提供していた。他の協力者については、ギガンテスことビリーザ星人ヴィーノ、ウージョン星人 ジンチェ、スピリト星人 ビョーイの名を挙げている。

*5 ジャスミンが警視庁に避難勧告を発令するよう呼びかけた事が幸いしたか、人的被害は出なかった模様。

*6 先述の使用通貨単位「ボーン」もこうもり傘の「骨」から取られている模様。

*7 スーパー戦隊シリーズには「電子戦隊デンジマン」にて顔出しゲスト出演したことがある。