シャークネード5 ワールド・タイフーン

登録日:2021/05/18 Mon 21:19:00
更新日:2021/05/23 Sun 16:14:36
所要時間:約 11 分で読めます





「必要なものは」
「フィン・シェパードよ」


「……なんでいつもサメなんだ」


シャークネード5 ワールド・タイフーン(Sharknado 5: Global Swarming)』は2017年製作のテレビ映画。
前作でとうとうサメ映画なのかどうかもよく分からなくなってきたシリーズを、
さらにフェランテ監督とアサイラム社が弄り回してお送りするシャークネード・シリーズ第五作。

一応サメ映画の系譜にあるからなのかスピルバーグ作品を特に重点的に弄るパロディは開幕時点から大暴走。
元ネタのイメージ元まで同時に入れる引っ切り無しかつ節操のないぶっこみっぷりと、
新たなるシャークネードの性質から途中の人々の行動の背景まで殆ど全てに関して説明を放棄する収拾を付ける気すら見えない脚本、
さらになんだかんだ4作続けてきたシリーズの流れすら全力でぶち壊す展開が組み合わさった本作は、
シリーズファンも含めて誰の予想も理解も突き破る怪作へと仕上がっている。
このしっちゃかめっちゃかを本作で畳む気が欠片もないんで、単体で楽しめるかって言われると……その……

また、本シリーズをここまで活性化させる原動力となった日本の熱烈なB級(或いはサメ)映画ファン達へのご挨拶と言わんばかりに、
舞台がアメリカから飛び出した本作では遂に日本もシャークネード襲来の舞台となる。
よりにもよってそこ切り取るのかよなジャパン描写は一見の価値はある。
まぁ本作は上述の通りのノリなんで、素直にシャークネードが上陸すると思ったら大間違いなのだが。



■あらすじ


相次ぐシャークネード対策のためNATOの戦略会議に召集され、妻子と共に英国へ渡ったフィンは、
ノヴァが発見した古代人類がシャークネードに勝利した証、「デュークワカの石」をストーンヘンジから回収する。

しかしそれに呼応するごとく強大なシャークネードがロンドンに襲来し、ギルがその中へと攫われてしまう。
なんとかギル奪回を目指すフィン・エイプリル夫妻であったが、
サメへの対処を第一義とするノヴァとの間には埋めがたい隔たりが生まれてしまい……



■登場人物+α


シェパード家

前作で出すだけ出した反動か、今作は登場抑え目。
とうとうノヴァの口を借りて「ただの人間≠シェパード家」と公式に言われてしまったり。

  • フィン・シェパード(アイアン・ジーリング)
主人公にして、”最もサメを殺す戦士”。
シャークネードの渦の中に閉ざされたギルを救うべく何度も渦中へと飛び込み、
その度に嵐の異常性によって妻と共に世界中へと振り回されることになる。
今作では初期装備が色々あってムチのため、チェーンソーは控えめ。お約束も抜き。
家族のためならどんな無茶でもなんのその、な在り様は相変わらずであるが、
あくまでも動機が家族以外にない*1気質は「”シェパード家”のようにはやれない」ノヴァとの間に亀裂を生むことに。
「君はサメを殺したいだけだ、お祖父さんを殺したサメを……嵐はそのための障害物でしかないんだろう!」

  • エイプリル(タラ・リード)
作品が続くごとに哀しき対シャークネード兵器として仕上がっていくフィンの奥様。
ロンドンにて崩壊するビッグベンに対処している最中ギルが嵐に攫われてしまい、
ギルを守り切れなかったノヴァとの間に埋めがたい溝ができることに。
シドニー沖にてサメのホームたる水中戦では分が悪かったか半壊の憂き目にあい、
「シャークネード・シスターズ」による再改造を受ける。
一瞬エイプリルネードとでも評すべき必殺技が生まれかけたが、再改造時飛行能力を失ったため幻と消えた。
「終わりじゃない。私たち二人ならできるわ」

  • ギル(ビリー・バラット)
フィンの次男。しっかし登場するたび見違えるほど成長する一族である。
家族の誰よりもシェパード家の一員たることへの自負に満ちた少年。
胸には祖父から父を通じて託された翼が誇らしげにきらめいている。
ロンドンにて発生したシャークネードに攫われ、命こそMI6で受け取った最新鋭ヘルメットの力で取り留めるも、
その異常な渦の中に閉ざされてしまう。
「ロンドン橋が落ちちゃった」

  • ジェム(マシエラ・ルーシャ)
前作から連続登場のフィンの姪っ子。
本作にて、秘密結社「シャークネード・シスターズ」の一員であることが発覚した。
東シナ海にて米国には最早置いておけなくなった核廃棄物の輸送に携わるもシャークネードによる強奪を許し、
かつてのニュークリアネードを超える異常変異、そして世界の命運を目撃することに。
「すごく、綺麗」

  • マット(コディ・リンリー)
フィンの長男。前作にて吹き飛んだカンザスの農場を、隣人スティーブンと共に復興中。
妹クラウディアと祖父ギルバート大佐がヒューストンの基地に向かったことをフィンに電話で伝える。


人間

だいぶシャークネードという現象が一般化してしまったためか、
あっちでもこっちでもエスカレート気味にシャークネードとのバトルが繰り広げられる。
世界を股にかける本作だが、人間側の使い捨てが激しいため殆どの登場人物は展開を跨いで登場しない。

  • ノヴァ(カサンドラ・スケルボ)
どういうわけか偶数作には碌に出番がない、憎悪に燃えるシャークスレイヤー。
秘密結社「シャークネード・シスターズ」を指揮し、シャークネード……それ以上にサメの撲滅を狙う。
ストーンヘンジ地下に安置されていたサメの神「デュークワカ」にまつわる秘宝からシャークネードへの勝利の鍵を探ろうとするも、
途中で嵐によるギルの拉致を許したこと、積極的にサメと嵐に絡む危険な組織にジェムを誘い込んだことなどからフィン・エイプリルとの関係が急速に悪化。
シャークネード根絶の大義を主張しフィンを「家族以外が二の次になる男」として非難したばかりに、
自らもまた大義など二の次の復讐鬼であることを指摘されてしまう。
加速度的に悪化する事態の中、日本にて異常状態の”シャークネード?”からギルを救うべく空挺に挑み……
「必死にやったわ、でも私はただの人間なのよ!」

  • レイヴンウッド首相(クリス・カッテン)
英国首相。フィン一行をMI6のもとへと案内する。
シャークネードに対処するべく重傷を負いながらも防衛システム「スカイフォール」を起動。
しかし「スカイフォール」……戦闘機能を持つロンドン・アイは奮闘空しく崩壊し、
街を蹂躙する観覧車を見てフィンとノヴァは「どこかで見た」とつぶやくことに。
そういえば観覧車先輩もオリジンはスピルバーグ作品でしたが……まさか最初からなのか
「こんな時になんだ!……いや……こんな時だからこそ、か」

  • ルウェリン(クレイ・エイケン)
MI6にて兵器開発に携わっている人物。
彼がギルにプレゼントした発信機付きの最新鋭ヘルメットにより、ギルは嵐による被害を免れ、
さらにフィン一行がその状態を確認できるように。
名前も技術力も完全にQ

  • オライオン(オリビア・ニュートン=ジョン)
  • エレクトラ(クロエ・ラッタンジー)
オーストラリアで活動する「シャークネード・シスターズ」の科学者親子。実は演者も親子。
半壊したエイプリルに新たなる肉体を授けた。
「何人もやってきたから心配するな」と語るあからさまなマッドサイエンティストだが、
オペラハウスが展開・分離して空中戦を挑むのは彼女たちのせいなのか、それとも組織がおかしいのか。

  • ベガ(ティファニー・ポラード)
ブラジルで活動する「シャークネード・シスターズ」の一員。
秘宝「デュークワカの石」の秘密と、ストーンヘンジと同じように秘宝に関わる場所「ピラミッド」の情報を提供する。
ミステリアスな助言者というキャラ付けだが、同じシーンに出てきて石を盗んでいった目的・正体が一切説明されないまま死んだ男の方が謎だったりする。

  • アル・ローカー
もはや登場作数がフィン・エイプリル夫妻に次ぐお天気キャスター。
終盤にアメリカの被害状況を報告するが、テキサスは崩壊し西海岸は全滅
NYは辛うじて持ちこたえるもカンザスに向けて複数の嵐が接近中とその状態は惨憺たる有様。


その他

  • サメ
本作は数に飽かせて襲い来る、という傾向が強く、
サメ映画の中でも本シリーズ特有の現象「サメの下敷き」の発生が激しい。
あとシリーズでは珍しいことに普通に海中でサメに襲われる。
とっておきの異常変異が存在するため、新種お目見えはなし。

秘宝をめぐる物語としての性格が強い本作では、作中を通じて出番が限界まで絞られている。
とはいえ、途中ローマ法王から手ずから託された漆黒のチェーンソーは最強装備としての風格十分。
と思ってたらチェーンソーである以上に神の威光(?)を拡散レーザーでぶっ放す兵器だったりと定番は執拗に外してくる。

  • デュークワカの石
本作にて判明したシャークネードと古代人類との戦いのカギを握っていたとされる秘宝。
ノヴァとフィンによってストーンヘンジを犠牲にしながら回収されるも、
以後石を付け狙うようにしてシャークネードが発生し続け、ギルが攫われる直接的原因となる。
ノヴァを信頼できなくなったエイプリルによって持ち出され、以後は夫妻が携帯するように。

  • シャークネード
本作では中心の渦に空間異常が存在しており、それを経由すると全く別の場所に放り出されてしまう。
これによってフィン一行は嵐に飛び込んでは世界中に放り出され、石に導かれるようにまた嵐が現れるという事態に陥ることとなる。

















「必要なものは」「追記・修正者よ」

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最終更新:2021年05月23日 16:14

*1 眼前の人を助けずにはいられない性質であるのは事実だが、彼が人助けする時は家族を助けに行く途中で困っているのを目撃したから、で一貫している。英雄フィンの動機はいつだって「家族をこの嵐から守らねば」なのである