名古屋市営地下鉄桜通線

登録日:2021/08/03 Tue 07:14:21
更新日:2024/11/09 Sat 01:41:00
所要時間:約 5 分で読めます




名古屋市営地下鉄桜通線とは、名古屋市中村区の太閤通から緑区の徳重までを結ぶ地下鉄路線である。
正式名称は『名古屋市高速鉄道第6号線』。
ラインカラーは赤で、路線記号はS

概要

車両規格が小さく常時混雑率が高い東山線のバイパス路線として建設された。

開業は1989年9月10日と比較的新しい為、かなり深い所を走り、名古屋〜新瑞橋間では先に開業した地下鉄三路線と交差するが、それら全ての駅で桜通線が下を通る。

経営状態は残念ながら赤字ラインカラーとおそろいである。
ただし2019年度の乗車人員は20.5万人/日で、黒字路線の鶴舞線とほぼ同じであり、2011年に後述する野並〜徳重間の開業後は同区間の沿線(特に徳重駅近辺)が目覚ましい発展を遂げている事から見ても分かるように、大都市を走る地下鉄としての意義は十二分に果たせてはいる。
それにもかかわらず今なお赤字に低迷しているのは、
  • バブル期に建設された路線で、地下深くを走る為、建設コストが高騰し、減価償却がまだ済んでいない事
  • 地下深くを走る為、乗り換えが敬遠される事*1
が要因と言われている。

野並~徳重間は2011年に開通しており、名古屋市営地下鉄の路線の中では一番新しい。
この開業により、緑区にも地下鉄が通るようになった*2

ダイヤは平日は朝4分、昼7.5分、夜6分、休日は朝6~8分、昼以降は10分と鶴舞線と同様。
通し運転が基本だが、たまに「桜山行き」というトラップがあるので注意。

1990年代に西端の太閤通駅からは西(中村公園・稲葉地・七宝町方面)へ、東端の徳重駅からは東(豊明・刈谷ハイウェイオアシス・三河豊田方面)へ延伸される構想が浮上したが、名古屋市は今後地下鉄新規路線の建設を行わない事を明言しており、2021年時点でも進展は見られない。太閤通駅から東山線の中村公園駅までは一直線なんだからそこぐらいケチらなくても良かったのに…

車両

2形式ともワンマン運転対応の為、非常用貫通扉が向かって右側に配置されている。
丸の内駅付近には鶴舞線との連絡線路があり、車両検査のある時はそこを通って日進工場に向かう。
桜通線開業前には試験ついでに桜通線の車両が鶴舞線で営業運転を行っていた事もあり、逆にイベントの為に鶴舞線の車両が桜通線に入線した事もある。
その関係で鶴舞線と車両規格を合わせており、検査時には鶴舞線や地上区間(上小田井付近)を走行する光景を見る事ができる。

  • 6000形
開業当初から使用されている車両。
第1編成のみ車両番号のフォントが従来車と同じ旧式となっており、量産車からはゴシックへと変更された。
  • 6050形
徳重延伸用に2010年から登場した車両。
基本デザインは6000形に準じているが、よりシャープでスマートなものとなっている。
ドア上停車駅案内が設置されており、第一編成のみLED式、それ以外はLCD式。

駅一覧

全駅が島式ホームで、有効長は野並までは8両だが、鳴子北からは6両となっている。
また、野並までは壁画が設置されている(鳴子北からはケチったのか、壁画がない。)。

○S01 太閤通
旧駅名は「中村区役所」だったが、2023年1月4日に中村区役所が東山線の本陣付近に移転した為、改称された。

○S02 名古屋
東山線、JR東海道線中央線関西線名鉄名古屋本線(名鉄名古屋駅)、近鉄名古屋線(近鉄名古屋駅)、東海道新幹線あおなみ線乗り換え。
ご存知カオス駅。
独立項目があるので詳細はそちらへ。
実は他社線に乗り換えられる唯一の駅。

○S03 国際センター
名前の通り名古屋国際センターの最寄駅だが、お隣の名古屋駅と地下街で直結し合う為かあまり利用者は多くないらしい。
仮称では泥江(ひじえ)駅だった。読めない。

○S04 丸の内
鶴舞線乗り換え。
オフィス街の駅であり、ホームは地上から約24mの深さにあるので名古屋市営地下鉄では最も深い駅らしい。
鶴舞線との乗り換えも遠くやや不便。

○S05 久屋大通
名城線乗り換え。
名前の通り久屋大通公園(テレビ塔)の最寄駅であり、市営交通資料センターの最寄り駅。
地下街で栄駅や名鉄栄町駅と繋がっている。
周りはビジネス街なので名古屋市営地下鉄全体でも利用者は多い方。

○S06 高岳
「たかおか」と読む。
上飯田線との乗換駅になる計画があった為、ホームがやたら広い。

○S07 車道
「くるまみち」と読む。
東海中高生のお膝元。

○S08 今池
東山線乗り換え。
ちょうど桜通線の境目になる駅であり、両方向からの最終電車の終着駅で、両方向への一番電車の始発駅。
開業当初の終着駅だった為、運転区が設けられており、上り電車は当駅で運転士の交代が行われている。

○S09 吹上
吹上ホールの最寄駅。

○S10 御器所
鶴舞線乗り換え。
「ごきそ」と読む。
駅案内板に昭和区役所と書かれるように昭和区役所の最寄駅。

○S11 桜山
駅案内板に市立大学病院と書かれるように同病院の最寄駅。
それ以外にも名古屋市博物館や名古屋市立大学が近くにある為、桜通線の独立駅の中では利用者トップだそうな。

○S12 瑞穂区役所
見ての通り瑞穂区役所の最寄駅。
ここから~桜山周辺は名古屋市内の文教地区になる。

○S13 瑞穂運動場西
名前通り瑞穂運動場へのアクセス駅の1つ(名城線の瑞穂運動場東駅の方が近い)。近くの山崎川は桜の名所として有名。
元々は瑞穂運動場駅だったが、瑞穂運動場東駅の開業に合わせて改称した。

○S14 新瑞橋
名城線乗り換え。
「あらたまばし」と読む。

○S15 桜本町
「桜町」であり、「桜町」ではない。
名鉄名古屋本線の桜駅が近いが、普通しか停まらない為、乗り換える人は少ない。
かつてはここから笠寺と名鉄常滑線の大江駅、名港線の名古屋港を経由し、あおなみ線の稲永駅を結ぶ南部線の建設計画*3があり、その為のスペースが確保されているらしい。

○S16 鶴里
桜通線の中で最も利用者の少ない駅で、名古屋市営地下鉄の全体でも下から3番目である。

○S17 野並
1994~2011年までの終着駅で、現在も吹上~当駅間の各駅に停車する下りの最終電車の終着駅であり、当駅~吹上間の各駅を最初に発車する上りの一番電車の始発駅となっている。
延長区間は終着駅時代は留置線として使用されていた。
2000年9月11日の東海豪雨で駅周辺だけでなく、駅構内も浸水被害を受けている。

○S18 鳴子北
住宅地しかない。
駅の真上(地上)に市バスの野並営業所がある為、営業所に併設する形でバスターミナルが設置されている。

○S19 相生山
前後の鳴子北と神沢と同様、開業時から駅管理を運送会社の日本通運に委託している。

○S20 神沢
上の鶴里についで利用者の少ない駅。

○S21 徳重
終着駅。
駅の真横(地下)に徳重車庫が設けられている。
なお名鉄犬山線に同名の駅があったが、同駅開業に際し「徳重・名古屋芸大」に改称している。



追記・修正は、路線の莫大な建設費を償却してからお願いします。

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最終更新:2024年11月09日 01:41

*1 特に東山線との並行区間は混むとはいえ、やはり東山線の方が桜通線より利便性が高い。

*2 これにより、名古屋市の中で地下鉄が通っていない区は守山区だけになった。

*3 新交通ゆりかもめ日暮里・舎人ライナーと同じ新交通システム(AGT)で建設する計画だった。