名古屋市営地下鉄名城線

登録日:2012/12/12(日) 12:12:12
更新日:2024/11/09 Sat 00:51:11
所要時間:約 4 分で読めます




名古屋市営地下鉄名城線とは、大曽根駅を起点として名古屋市内を大きく一周し大曽根駅に至るに地下鉄路線である。
正式名称は『名古屋市高速度鉄道第2号線・同第4号線』。
ラインカラーは紫(藤色)で、路線記号はM

かつて名城線を名乗っていた金山~名古屋港間については名古屋市営地下鉄名港線を参照。

概要

名古屋市営地下鉄では東山線に次ぐ路線で、1965年に開業。
当初は栄町(現:栄)〜市役所(現:名古屋城)間の1区間*1のみで、上下線それぞれでピストン輸送を行っていたという。
これは市役所駅周辺に官公庁が集中している事や、当時栄町に乗り入れていなかった名鉄瀬戸線からの乗り換えを考えての事だったようだ。
1971年に2号線区間の名古屋港〜大曽根間が開業。
4号線区間は1974年の新瑞橋〜金山間の開業後はしばらく動きはなかったが、2000年以降徐々に延伸が再開され、2004年に全線が開通。
環状区間を名城線、金山‐名古屋港間を名港線に改称した。

完全な環状運転を行う地下鉄としては日本初(都営地下鉄大江戸線はいわば『6の字線』)。
一周の所要時間は48分‐52分で、JR大阪環状線よりは長く、山手線より短い。
なお、他の環状路線のように「内回り」「外回り」とは呼ばず、「右回り(時計回り・clockwise)」「左回り(反時計回り・counterclockwise)」という呼び方をしている。
これは元々名古屋市営バスが循環系統でこの呼び方を採用しており、それに合わせたのが理由*2

路線の西側は繁華街をだいたい南北に結ぶ形に走っており、休日はもちろん平日でもそこそこ人が乗っている。
プロ野球開催日はナゴヤドームへの足としても利用され、試合前後の時間は通勤ラッシュ時の東山線にも劣らない程に混雑する。
一方、路線の東側は八事のあたりを通る為に勾配が多い区間となっており、さらに名古屋大学や南山大学等の学校も多い為、学生の利用者が多く、大学入試の際には身動きが取れなくなる程の混雑となる。

ダイヤは平日・休日ともに早朝や深夜を除いて10分間隔で、金山‐大曽根間は名港線直通の列車が乗り入れる為、5分間隔になる。

なお時々「ナゴヤドーム前矢田」行きの列車がやって来るが、経由駅に注意して乗らないと大回りを強いられる事があるので注意。

車両

  • 2000形
1989年に開催された世界デザイン博覧会に合わせ登場した名城線初の冷房車。
少し角度の付いた前面デザインが特徴的。
長期にわたって増備されたため内装や機器類に差異があり、藤色の帯も初期型は青みがかったもの、後期型は赤みがかったものとなっている。
こちらも東山線と同様、2022年8月から「黄電メモリアルトレイン」が登場し、翌2023年1月まで運用された。

  • 1000形
名城線開業から運用されていた車両。
増備時期及び機器類の有無によって先頭車は1000形と1100形、1200形、中間車は1500形と1600形、1700形、1800形、1900形に形式が分かれる。
車体は東山線の300形に準じているが、窓下に藤色の帯が入っている。
2000年までに全車が引退し、一部が高松琴平電気鉄道・福井鉄道・ブエノスアイレス地下鉄に譲渡された。

駅一覧

路線の起点は大曽根だが、駅ナンバリングは金山起点で付番されているためその順番で解説する。
○M01 金山
名港線(一部直通)、JR東海道線中央線名鉄名古屋本線乗り換え
1967〜71年まで終点だった駅で、開業時から運転区が設けられており、運転手の交代が行われている。

○M02 東別院
名古屋テレビと東別院(真宗大谷派名古屋別院)の最寄り駅。

○M03 上前津
鶴舞線乗り換え

○M04 矢場町
駅案内板に松坂屋前と書かれている通り、松坂屋名古屋店の最寄り駅。

○M05 栄
東山線、名鉄瀬戸線(栄町駅)乗り換え
中部地方最大の繫華街で、中区役所と久屋大通公園(テレビ塔)の最寄り駅であり、乗降数も名古屋駅に次ぐ。
駅自体も日本で五番目の大きさの地下街となっている。

○M06 久屋大通
桜通線乗り換え
桜通線の開業に合わせて新設された。
こちらも久屋大通公園(テレビ塔)の最寄り駅であり、市営交通資料センターの最寄り駅である。

○M07 名古屋城
名古屋城と名古屋市役所、愛知県庁、国立病院機構名古屋医療センターの最寄り駅。
2023年1月3日までは「市役所」という駅名だったが翌日から改称。
これで日本唯一の市役所駅が遂に消滅……かと思いきや、何と同日に長崎県の長崎電気軌道の市民会館停留場が市役所停留場に改称する事が決定。
場所は違えど日本唯一の市役所駅が存続する事に。
2004年まで駅の北側に名城車庫と工場があった。

○M08 名城公園
名城公園と名古屋市下水道科学館、愛知学院大学名城公園キャンパスの最寄り駅。
2025年夏に愛知国際アリーナ(名古屋城内にある愛知県体育館の代替施設)が名城公園北園内に完成予定。

○M09 黒川
北区役所の最寄り駅。

○M10 志賀本通

○M11 平安通
上飯田線乗り換え
2000年9月11日の東海豪雨で駅構内が浸水被害を受けている。

○M12 大曽根
JR中央線、名鉄瀬戸線、ゆとりーとライン乗り換え
1971〜2000年まで起点だった駅で、市電時代から交通の要衝である。

○M13 ナゴヤドーム前矢田
そのものずばりナゴヤドームの最寄り駅であり、1番出口への通路は中日ドラゴンズの選手紹介や優勝の軌跡を展示した「ドラゴンズロード」が設置されている。
駅の南側の地下に大幸車庫が設けられている。

○M14 砂田橋
2000〜03年まで起点だった駅で、名古屋大学大幸キャンパス(名古屋大学医学部附属病院大幸医療センター)と名古屋晴明神社の最寄り駅。
当初は名古屋大学まで延伸する予定だったが、工事期間中の騒音問題等を懸念する本山駅付近の沿線住民からの工事差し止め訴訟が発生した為、当駅まで先行開業させる事になった。

○M15 茶屋ヶ坂
茶屋ヶ坂公園(茶屋ヶ坂池)と上野天満宮、KKR東海病院の最寄り駅。

○M16 自由ヶ丘
平和公園と愛知県がんセンター、愛知県精神医療センターの最寄り駅。
東急電鉄の駅と紛らわしいが、あちらは自由が丘である。

○M17 本山
東山線乗り換え

○M18 名古屋大学
2003~04年まで起点だった駅。
駅名の通り名古屋大学の最寄り駅で、駅舎は大学構内にある

○M19 八事日赤
八事日赤(名古屋第二赤十字病院)の最寄り駅。
と同時にあの『喫茶マウンテンの最寄り駅(徒歩8分)でもある。

○M20 八事
鶴舞線乗り換え

○M21 総合リハビリセンター
名古屋市総合リハビリテーションセンターの最寄り駅。
2004年の全線開通時には当駅で発車式が行われた(発車したのは右回り電車だった)。

○M22 瑞穂運動場東
瑞穂運動場の最寄り駅。

○M23 新瑞橋
桜通線乗り換え

○M24 妙音通
山崎川を挟んだ南側に名鉄名古屋本線の呼続駅がある。

○M25 堀田
名鉄名古屋本線の同名駅とは300mほど離れている。
東山動植物園のオフィシャル広報パートナーであるブラザー工業*3の本社の最寄り駅。


○M26 熱田神宮伝馬町
地元の要望で、2023年1月に「伝馬町」から改称。

○M27 熱田神宮西
旧称は「神宮西」だったが、地元の要望(ry
しかし2駅連続で熱田神宮ってかえってわかりにくくありませんかね・・・

○M28 西高蔵
新堀川を挟んだ西側にある名港線の日比野と同じく、名古屋国際会議場の最寄り駅である。

○M01 金山


余談

路線は名古屋有数の繁華街・栄を通っていくわけだが、アニヲタ的には上前津駅で降りて大須で買い物だろう。
茶屋ヶ坂駅まで行って近くのサバゲーショップに歩いていく人もいるかもしれない。
路線東側の車内で学生達の制服姿を眺める人もいる……かもしれないが、盗撮は犯罪ですので紳士の皆様はご留意を。



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最終更新:2024年11月09日 00:51

*1 久屋大通駅は当時未開業。

*2 内回り・外回りで方向が判別出来るのは日本の鉄道が左側通行という暗黙の前提がある為。

*3 1984年のコアラの来園以来、コアラ舎の建設費用を寄付する等、様々な支援を行っている。