名古屋市営地下鉄東山線

登録日:2009/09/27(日) 17:06:58
更新日:2024/12/04 Wed 12:37:30
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名古屋市営地下鉄東山線とは、名古屋市中川区の高畑から名東区の藤が丘までを結ぶ地下鉄路線である。
正式名称は『名古屋市高速度鉄道第1号線』
ラインカラーは黄色で、路線記号はH

概要

東京・大阪に次ぎ日本で3番目に開業した地下鉄で、1957年11月15日に名古屋~栄町(現:栄)間が開業し、1982年9月21日に全線が開業した。
建設費抑制のためトンネル断面の縮小や車両の小型化がなされている。

名古屋市営地下鉄の中では最も利用者数が多く、1日の輸送人数は54.7万人。
そのため黒字路線でもあり、黒字額は平成19年度で119億6000万円で日本2位。公営地下鉄の中では1位となる。

名古屋駅、ビジネス街である栄・伏見、繁華街の今池を結んでいる事と、車両が小さいのが相まって、車内は終日混雑する。
特に名古屋~栄間は非常に激しい混雑で、車両の増結または大型化が叫ばれるが駅の構造的にも建設費的にも実現はほぼ不可能。
そのため、名古屋駅ではホームを12両分に拡張し上下列車を南北にずらす形で発着させて混雑緩和を図っている。

早朝と夜間を除いて2~6分間隔でダイヤが組まれており、非常に便利。

一社~上社の途中から藤が丘までは地上区間になっており、この区間は晴天時の8:00~16:00にかけて車内灯を消灯する。
そのせいで、昼過ぎあたりには車内が薄暗い。

2002年からは女性専用車両を導入。
平日の始発~朝9時までと夕方17時~夜21時までとなっているが、都内じゃあるまいし始発とか車内にあんま人いないのに何故始発から?とか思ってしまう。
……とか言っていたら、2015年4月からは終日になってしまった。

当初は長久手方面への延伸計画もあったが、その計画は接続するリニモに引き継がれた。

車両

前述の通り、建設費抑制のためにトンネル断面が小さい上急カーブも多いため、全長15mの小型車が使用されている。
この規格は銀座線の車両よりも一回り小さい。
かつて使用されていた100形や300形などはウインザーイエロー一色に塗られた車体から「黄電」の愛称で親しまれていた。

現役の車両

  • 5050形
1992年デビュー。黄電の置き換えを目的に、5000形のマイナーチェンジ版として登場。車体や走行機器類は名城線の2000形をベースにしている。
2022年8月1日からは名古屋市交通局100周年を記念し、翌年1月までの期間限定で5177編成にラッピングを施した「黄電メモリアルトレイン」が運行された。

  • N1000形
2007年デビュー。老朽化した5000形の置き換えを目的に登場。
これまでの車両より角ばったデザインが特徴。
長らく東山線・名城線の車両で採用され続けてきた弾性車輪を唯一使用していないので音がうるさい
2012年以降の増備車はLCD表示器が採用されており、将来的には広告用の画面を増設する予定。

過去の車両

  • 100・500・200・600・700形
東山線開業時に投入された車両で、モノコック車体・床下機器をカバーで覆うボディマウント構造を採用。
500形は100形から運転台を取り除き、車庫内での短距離の移動等に用いる簡易運転台を取り付けたタイプ。
200・600形は100形の改良版で、ボディマウント構造を取りやめ、セミモノコック構造とした車両。
700形は100・200形の増結用車両で、運転台のない中間車であり、後に250形へ改造された車両も出た。
2次車の710号以降はラッシュ対策として両開き扉となっている。
なお、いずれの形式も片開き・両開き扉に関わらず混結して使用されていた。
片開き車には後年ラッシュ対策で戸袋窓が金属板で塞がれた車両も存在した。
現在は日進工場に併設された「レトロでんしゃ館」に100形2両が保存展示されている。

  • 250形
100・200形の置き換え時、比較的車齢の浅かった700形を活用する為、5000形に似たフロントマスクの運転台を取り付けた車両。
実は日本の地下鉄で唯一、中間車から改造されて誕生した先頭車である。

  • 300・800形
東山線の星ヶ丘延長開業に伴う運用数増加に対応する為に製造された。300形は先頭車、800形は中間車。
800形の見た目は700形の710号以降に似ているが、制御電圧の違いから連結して運行することは出来ない。
所謂黄電はこの車両まで。

  • 5000形
黄電の置き換え用として1980年に登場。東山線では初めての冷房車かつ名古屋市営地下鉄で初めてのアルミ車で、先頭車にモーターが搭載されていない。
特徴的な前面形状は前述の250形や5050形・N1000形にも引き継がれた。
2015年の運用離脱後も1編成が藤が丘工場で保管されていたが、残念ながら既に解体され現存しない。

250・700形、300・800形、5000形は引退後、一部がアルゼンチンのブエノスアイレス地下鉄へと渡って活躍している他、250・700形、300形は高松琴平電気鉄道へも譲渡され活躍している。

駅一覧

  • H01 高畑
現在の起点駅で、中川区役所の最寄り駅。
駅の北東に高畑車庫がある。
  • H02 八田
JR関西線近鉄名古屋線(近鉄八田駅)乗り換え。
  • H03 岩塚
上りの最終電車の終着駅で、下りの一番電車の始発駅。
  • H04 中村公園
その名の通り中村公園の最寄り駅。
  • H05 中村日赤
中村日赤(名古屋第一赤十字病院)の最寄り駅。
  • H06 本陣
2023年1月4日に駅付近に移転した中村区役所の最寄り駅。
これに伴い、桜通線の同名駅は「太閤通」に改称された。
  • H07 亀島
ノリタケの森やイオンモールの最寄り駅であり、近年利用客が増加傾向にある。
桜通線・JR東海道線中央線・関西線・名鉄名古屋本線(名鉄名古屋駅)・近鉄名古屋線(近鉄名古屋駅)・東海道新幹線あおなみ線乗り換え。
ご存知名古屋の玄関口にして名駅エリアの中心地。
  • H09 伏見
鶴舞線乗り換え。
名古屋屈指の繁華街で、白川公園(名古屋市科学館、名古屋市美術館)と御園座の最寄駅。
  • H10 栄
名城線・名鉄瀬戸線(栄町駅)乗り換え。
中部地方最大の繁華街で、中区役所と久屋大通公園(テレビ塔)の最寄り駅であり、乗降数も名古屋駅に次ぐ。
駅自体も日本で五番目の大きさの地下街となっている。
  • H11 新栄町
マザックアートプラザや東海テレビ本社最寄り駅。
  • H12 千種
JR中央線乗り換え。
  • H13 今池
桜通線乗り換え。
  • H14 池下
上りの一番電車の始発駅*1
1960年の延伸開業から69年の藤が丘延伸開業まで駅の真上に池下車庫*2があった。
現在改築工事中の千種区役所の最寄り駅(2029年に開庁予定)*3
  • H15 覚王山
駅名の由来は北にある日泰寺。
池下~当駅間は日本の地下鉄では初めてシールド工法で建設された区間である
  • H16 本山
名城線乗り換え。
  • H17 東山公園
その名の通り、東山公園(東山動植物園)の最寄り駅であり、千種図書館と千種スポーツセンターの最寄り駅。
鳥取県の山陰本線にも同名の駅がある。
  • H18 星ヶ丘
下りの最終電車の終着駅。
学校が多く、名古屋では古くからの文教地区として知られる。
駅前の三越には全国で唯一となった三越映画劇場が併設されている。
次の一社には渡り線がない為、暴風警報発令時には当駅で折り返し運転を行う。
  • H19 一社
当駅~上社間で地上に出て藤が丘まで高架区間となるが、これは建設費が安かった為。
その代償で先述の通り、暴風警報発令時には星ヶ丘~藤が丘間が運休となっている
  • H20 上社
駅の場所について地元との調整に時間がかかり、藤が丘延伸開業から1年後の1970年12月に開業した。
  • H21 本郷
名東区役所の最寄り駅。
  • H22 藤が丘
愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)乗り換え。
現在の終着駅で、駅の東側に藤が丘工場がある。


余談

リニア中央新幹線の開業に合わせた名古屋駅周辺の再開発計画の一つとして、同線の名古屋〜伏見間に柳橋駅(仮称)を新設する計画がある。

どーでもいいが、アニヲタ的には名駅周辺のソフマップ・アニメイトメロンブックス・らしんばん等へ行く時に乗ったりする。


名電高等学校って、冥殿高等学校って聞こえるよね。
アニヲタの集いは平行世界では高校かもしれないね。


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最終更新:2024年12月04日 12:37

*1 一番電車に使用される電車は前日の夜に藤が丘から回送で送られ、当駅の留置線で一晩留置される。

*2 市電の車庫の用地と移転した淑徳高校の用地を利用して開設された。

*3 工事期間中は東山公園駅付近の仮設庁舎で区役所業務を行っている。