ニコル・アスカルト

登録日:2021/08/05 Thu 16:29:27
更新日:2021/08/28 Sat 15:26:47
所要時間:約 10 分で読めます







……カタリナ、

たとえあなたが誰か別の人のものになったとしても俺はきっと……。




概要

『ニコル・アスカルト』とは『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』とその派生作品に登場する人物。
及び作中ゲーム『FORTUNE・LOVER』『FORTUNE・LOVER II 魔法省での恋』におけるヒーロー。


CV:松岡禎丞/M・A・O(幼少時代)


『FORTUNE・LOVER』の舞台となるソルシエ王国で、宰相に就任しているダン・アスカルト伯爵(CV:矢野正明)の長男。
攻略対象の一人で、彼のルートでライバルキャラとなるソフィアの兄でもある。遠縁の親戚に、幼馴染のシリウス・ディークがいる。
妹であるソフィアのことを溺愛していて、周りとは異なる容姿から奇異な目で見られる彼女を可能な限り守ろうとしている。

幼い頃から父親と一緒に王城へ赴いた関係で王子とも交流があり、特に一つ年下のジオルドアランとは親しく彼らも幼馴染の間柄になっている。
王子が主催したお茶会にも参加していて、ゲームと途中までの展開が同じでは当時10歳だったカタリナと顔を合わせている*1
魔法学園の入学時にシリウスと5年振りの再会を果たし、学問の成績が良く剣術の腕も立つニコルは彼とともに生徒会へ任命されて、進級後は副会長に収まっている。

容姿は美男美女だった両親譲りの中性的*2な美形で、父親からは美しい黒髪と吸い込まれるような黒い瞳を受け継いでいる。
老若男女を虜にする魔性の魅力の持ち主で、魅了された者は足腰が覚束無くなる程である。滅多に見せない微笑みで、骨抜きにされる者も多い。
ソフィアは自身が愛好するラブ・ロマンス小説『魔性の伯爵』シリーズで主人公として登場する青年に似ていると評していて、カタリナもまた同意している。
性格は母親のラディア(CV:沙倉のり子)に似た真面目な常識人でしっかりしているが、本編のニコルは結構抜けていて、天然っぽい感じもあるという。
普段の彼は口下手ゆえに寡黙で、自分の意志で表情筋を動かせないせいもあって無表情であることが多く、近寄り難い一面もある。
しかしながら人形のように整った綺麗な顔立ちと独特な雰囲気が禍して、周囲から熱い視線を集めてしまい、目を遣って顔を逸らされる度に気分を悪くしていた。
日常的に付け回されたり浚われそうになる幼少期を経ていて、魔法学園の在学中は彼を巡って生徒会が修羅場と化したり、卒業後も被害に遭う事態が生じている。
魔性のオーラとも称される色気は成長とともに増していき、反応の鈍かったカタリナでさえ見惚れてしまい、時には思考回路をショートさせる威力に達している。


ゲームのニコル

カタリナの前世(野猿)がニコルのルートをプレイする前に亡くなったため、詳細は判明していない。
野猿自身が把握していた内容は、『FORTUNE・LOVER』の攻略対象では一番の常識人で、鉄面皮で寡黙な上級生といった説明書の記載情報に留まっている。
親友であるあっちゃんのネタバレ情報によれば、ライバルキャラは妹のソフィアで、シスコンである彼を落とすには、彼女を先に攻略する必要があるとのこと。
隠し攻略対象のルートでは、バッドエンドへ進むと他の生徒会メンバーとともに殺害される憂き目に遭う。

TVA版第1期Blu-ray vol.4の特典ディスク『FORTUNE LOVER 体験版~ニコル篇~』では、
最初は素っ気無い態度で応じていた妹にめげることなく親身なアプローチで心を開かせたマリアに対して興味を抱き、
見た目と肩書だけで判断して媚びたり擦り寄らず兄妹の中身を見てくれる彼女にやがて心を許し、卒業パーティーで永遠の愛を誓う展開となっている。
『TVアニメ「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」プレリュードブック』のインタビューにおいて、
原作者が「物語の中では描かれていないアランやニコルの攻略についてなどの詳細を確認され、それを伝えました」と回答しているので、
その詳細がシナリオの原案にされたと思われるが、別のキャラクター篇では野猿が記憶していたゲームのイベント内容と異なる箇所も見られたため、
オリジナルミニPCゲーム用にストーリーを改変したパラレル展開の可能性も高く、どこまで鵜呑みにしてよいのか疑問が残る。

続編である『FORTUNE・LOVER II 魔法省での恋』にも引き続いて攻略対象として登場する。
カタリナの夢に映るあっちゃんのプレイシーンで詳細な内容を知るのは困難で、ソフィアから借りた本に挟まれていた日本語の乙女ゲームメモでも
『前回からの攻略キャラにはそれぞれのライバルキャラ等が関わってきて、その子たちと上手く付き合ったり、認めてもらったりすることで恋が進展していく』
と書かれているだけなので、ニコルルートのシナリオや他のルートにおける彼の動向は判明していない。


本編のニコル

二王子の初主催で大規模となったお茶会に参加したが、ソフィアと逸れて探し回る羽目になってしまい、出席していたカタリナに挨拶する機会は無くなっている。
そのお茶会でカタリナと接点を持ったソフィアが招待されることになり、付き添いで一緒にクラエス邸へ赴いて顔を合わせた時が二人にとっての初対面となった。
なおソフィアは揶揄い蔑む目的で誘われた過去があり、心配になったニコルは婚約者であるジオルドに尋ねてカタリナと会わせても大丈夫か確認している。

カタリナと親交を結んだ影響で妹が以前のように籠らなくなると、誹謗中傷から彼女を守るべく圧力を掛けて完膚なきまでに黙らせていくが、
ソフィアのために必死に動く程、周りから妹の存在がアスカルト家の重荷であるかのように誤解されて、悪意の無い純粋な憐れみと同情に晒されるようになり、
不幸では無いと訴えても我慢していると思われて無理解に苦しめられた末に、自分の気持ちを受け入れて貰うことを諦めるに至っている。
シリウスによれば、当時のニコルはいつもどこか寂しそうな目をしていたという。

そうした状況で、ソフィアに招待されてアスカルト邸へ訪れたカタリナから、妹の前で浮かべていた時と同じ優しい笑みを向けられて、
自慢の家族に触れて幸せ者だと口にされたことで、自分の気持ちが初めて理解されたと感じ、ずっと胸にあった悔しさも薄らいでいくような思いをしている。
カタリナからすれば、ニコルとも親交を深めようと会話へ臨むにあたって、前世で隣に住んでいた話上手なおばちゃんを参考にして、
先に面会した両親や親友となったソフィアに対して抱いた印象を基にアレンジした台詞を述べたに過ぎないのだが、偶然にも殺し文句となってしまったのである。

以降は妹の付き添いとしてではなく、ニコルもカタリナと会うのを目当てにしてクラエス邸へ訪れている。
そして会えば会う程、カタリナの澄んだ瞳や無邪気な笑顔に惹かれていき、気が付けば虜になってしまっていたのである。
普段は無表情な彼も、カタリナと一緒にいる時や彼女の話題になった時だけは表情が豊かになっている。
楽しそうに語るカタリナの輝いた瞳を見たり、彼女から真っ直ぐ見つめられてその瞳に自分が映り込んだ時は、幸福も感じている。
恋愛に不慣れなカタリナが奥手振りを見せた時は、可愛らしいとも思っている。

15歳で成人した時に、父親から宰相の地位に昇りつめて略奪婚を叶えるまでの苦楽を共にした万年筆を譲り受けている*3
「これを使ってお前も地位と愛しい人を手に入れて見せろ」と言われたものの、真面目で硬い常識人の彼に幼馴染みが本気で愛した婚約者を奪える筈も無く、
妹から嗾けられても『ちゃんとした婚約者がいる相手にちょっかいをかけるなんていけないことだ』と言って窘めている。

本音では、カタリナが欲しくてたまらずジオルドから奪って自分のものにしてしまいと思っているが、自分の気持ちに蓋をして理性で何とか抑え込んでいる。
あまり距離を縮め過ぎれば、もっと欲しくなってしまうかもしれないとも考えており、IFストーリーの~波乱を呼ぶ海賊~では距離を置こうと試みている。
なおカタリナの方は彼の人柄に触れて、前世に戻ってもう一度『FORTUNE・LOVER』で遊ぶ機会があれば一番初めに攻略してみようと思う位に好印象を抱いていた。

魔法学園の卒業後は、伯爵家の後継者となるべく、父親の仕事を手伝っている。
妻を娶る必要性を感じて先走り、カタリナへの気持ちも整理しようとお見合いに臨んだが、彼の卒業後に生徒会入りしていた後輩から諭されて以降は中止している。
ちなみにお見合いの途中でキースが失踪する事態が発生しており、魔法省幹部のラーナ指揮下で捜索に同行していたカタリナとジオルドの仲が進展すれば、
自分の気持ちに区切りを付けられるかもしれないと思っていたが、感情面ではそれを拒んでいた。

カタリナが魔法省に就職した年には、彼も社会勉強のために同省で仕事に参加している。
同年に開催された近隣諸国会合にも出席し、会合期間中に起きた騒動では父親とともに事後処理を果たしている。
カタリナとの出会いから十年近く経っても片想いは続いていて、かつて永遠に諦めることができないだろうと考えたこともあるだけに未練を強く残しているが、
アランと同様の判断から思いを告げるつもりは無く、伯爵家のためにいつかはちゃんと婚姻を結ばなけれならないと責任を感じている。


魔法

魔力属性は妹と同じ『』。
魔力は五段階評価で4と、魔法学園在籍時代に同学年のトップだったラファエルに次ぐ魔力の高さと言える。
原作で披露する機会は恵まれてないが、TVA版では第1期の第7話『危険なダンジョンに入ってしまった…』でカタリナを捜索する際に使用し、
ソフィアと協力して音を拾い集めることで、罠に掛かって離れ離れとなっていた彼女の居場所を探り当てている。


スピンオフ作品()のニコル

第12章『ロマンス小説の君』・第18章『悪意』・第19章『皆の想い』で登場する。
第12章では、ソフィアから初めて出来た友人の話を聞いていたところで、カタリナ本人が現れて改めて挨拶している。
過去のお茶会以来に接点があった様子は無く、身を挺して妹を庇った経緯も聞かされていたのか、メアリやアランのように警戒する態度は見られない。
ソフィアが貸す予定だった魔性の伯爵シリーズを取りに行き、カタリナと二人きりになった時に家族の話に及び、幸せな様を認められたことで救われる思いをしている。
その遣り取りで、カタリナから拗れた義姉弟関係を明かされていつか家族だと思って貰えるようになりたいと吐露された際には、貴女ならきっと出来ると励ましている。
第18章と第19章では、他の生徒会メンバー及びシエナやゲランとともに魔法学園の一室へ集まっており、
フロレス家らの訴えに基づく身分剥奪と国外追放の処分を受け入れようとしたカタリナに対して皆と説得に当たっている。
訴えが退けられた後で開かれたジオルドの婚約者お披露目パーティーには、ソフィアとともに出席している。


余談

Twitterのアニメアカウントで誕生日が公表されていて、設定上は5月7日となっている。

実は朝に弱く、余り寝起きが良くない性質だという。
文庫版8巻のみならず、~波乱を呼ぶ海賊~でも寝惚けたシチュエーションが存在し、スチルにも採用された。

他人に教えられる程では無いものの料理が出来るようで、サイラスや友人達と孤児院へ赴く時には全員分のお弁当を用意している。
ソフィアによれば、彼にとって久方振りのお出掛けで浮かれていて、夜の内から準備をしていて殆ど一人で作っていたそうである。

ひだかなみ先生によれば、「美しさは男女を問わずキャラクターの中で一番」と念じながら美しく描けるよう心掛けているそうである。
また、非公式と断った上で『ゲームキャラとしてのビジュアルのイメージカラー』には柔らか緑を挙げている。

TVA版第1期の第6話では、ニコルの姿を借りた魔性の伯爵が脳内会議に出現し、真面目カタリナを撃沈させている。魔性の伯爵が喋る唯一の機会である。
ちなみに第1期の第8話や第2期の第2話でニコルが扮した黒仮面の騎士は、タキシード仮面を彷彿とさせるデザインとなっている。

ニコルを担当した松岡禎丞氏は乙女ゲームの出演タイトルも多く、攻略対象の演技には慣れている筈だが、
『TVアニメ「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」プレリュードブック』の攻略対象キャスト座談会で、
台詞の少ない寡黙なキャラクターかつ魔性の微笑みを表現しないといけないことから難儀した旨を語っている。

『乙女ゲームの破滅フラグしかないラジオパーソナリティーに転生してしまった…』第5回で、メアリ・ハント役の声優さんが推しキャラだったことを明かしている。
しかし文庫版3巻で新たに登場した攻略対象のソラ(ルーファス・ブロード)に推し変してしまったため、現在では元推しという位置づけである。
推し変の件は『月刊声優グランプリ2021年7月号』のインタビューでも触れている。

コミカライズ版第3巻・第4巻の『夢の中で皆の性別が逆転していた……』では、性転換したニコルちゃんのイメージ図が載せられている。
女性になっても魔性の色気は健在で、妖艶な美女姿を目の当たりにしたカタリナによれば、むしろ男性の時よりも更に色気を増している気がしたという。








追記・修正は魔性の魅力に耐えられた方のみお願いします。


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最終更新:2021年08月28日 15:26

*1 本編ではジオルドとアランによる共催だったが、幼少期の内に二人が和解した結果らしく、スピンオフ作品ではジオルドのみが主催者となっている。

*2 キャラクター原案のひだかなみ先生は『TVアニメ「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」プレリュードブック』で、「10年くらい経つと、もっと男性的な要素が増すのだろうなと勝手に想像しています」とコメントしている。

*3 ニコルが略奪婚の事実を知ったのは18歳の頃で、万年筆を手渡された当時は両親が結婚した経緯について把握していなかった。