登録日:2021/10/20 Wed 01:13:09
更新日:2025/01/09 Thu 20:48:18
所要時間:約 6 分で読めますので
『ドクターX ~外科医・大門未知子~』とは
テレビ朝日のドラマシリーズである。
【概要】
米倉涼子演じる手術を絶対に失敗しない事を信条とする外科医・大門未知子が策謀渦巻く医局の意向をガン無視して患者を救う痛快医療ドラマ。
お約束のフォーマットが完成しているタイプなので、安定した内容から『
水戸黄門』や刑事ドラマ的な楽しみ方ができ、基本1話完結でどこからでも見やすいのが特徴。
患者の名前には話数と同じ数字が毎回入っているのも特徴(1話なら「一」、2話なら「二」など)。
また、シーズンのレギュラーの中に数字が入っている人物がいる場合はその人物が患者になる事もある。
テレビ朝日の連続ドラマでも長寿作品に入り、2024年の現行作品の中では『
科捜研の女』や『
相棒』に次ぐシーズン7まで制作され、非東映作品では『
家政夫のミタゾノ』と並び最多。
視聴率もシーズン2~シーズン5までほぼ20%越えを安定して記録し、電波を問わず再放送も多く実施されている。
2024年12月に公開される劇場版を以てシリーズ完結。
手術とお金が大好きだが患者の命を救う事に真摯な大門、請求書とメロンを同時に持っていくマネージャーの神原、サバサバしていて付き合いやすい相棒の城之内、ちょっと嫌味だがコミカルでいざという時に医者の魂を見せる外科医達など登場人物も個性豊かで、医療シーンのシリアスと登場人物による時事ネタも含めたコメディの両方を楽しめる作風であり、
中の人ネタが発生する事もある。
特に蛭間重勝役の西田敏行はアドリブをこれでもかと盛り込み、他の演者は乗っかったり捌いたり大変な思いをしながら一同でコメディシーンを盛り上げている。
なお、大門、神原、城之内の3人は毎シーズン登場しているが、加地や蛭間などはレギュラーで登場しないシーズンもあり、その場合はゲストで登場する事がある。
また、シーズンのレギュラーで出演していても主人公の大門以外は「どこか出かけている」などの理由から全く登場しない回もある。
スピンオフとして加地を主演に据えた
『ドクターY ~外科医・加地秀樹~』も不定期に制作・放送されている。
ちなみに、ドラマの放送枠である木曜21時はオスカープロモーション所属女優が主演を務める作品が多く放送されている。
また、米倉は本作以外にも同枠で大門の設定と職業をちょっと変えただけの主演を数多く担当している。
【あらすじ】
(ナレーション:田口トモロヲ)
これは一匹狼の女医の話である。
大学病院の医局は弱体化し、命のやり取りをする医療は遂に弱肉強食の時代に突入した。
その危機的な医療現場の穴埋めに現れたのはフリーランス…即ち一匹狼のドクターである。
例えばこの女。群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、
専門医のライセンスと叩き上げのスキルだけが彼女の武器だ。
外科医・大門未知子。またの名を“ドクターX”。
【登場人物】
演:
米倉涼子/八木莉可子(医学生時代)
神原名医紹介所から派遣されているフリーランス外科医。
医師免許が無くてもできる雑用はやりたがらず、口癖のように繰り返す
「いたしません」の一言で拒絶する。
彼女のいたしませんは契約内容にも含まれていて、毎シーズンの第1話で読み上げるのがお約束になっている。
そしてその度に、もう内容を暗記するほど聞かされている加地が呆れるのもお約束。
そのため教授陣には嫌われ、同僚の医者ともあまりコミュニケーションを取ろうとしないので煙たがられている。
ただし、外科手術の腕前では超一流で、
決め台詞は
「私、失敗しないので」。
手術後には患者の肩に手を置いて労うのがお約束。
タイトルの
Doctor-Xとは成功率や生存率の低い術式を高額報酬と引き換えに自分のスキルで実現してきたドクター達の総称。
彼女もその1人であり、神原と共に世界各地を回り腕を磨いてきた。ただしこの設定は時折思い出したかのように出てくる程度で、
言うほど彼女がDoctor-Xと呼ばれる機会は多くない。
広島県呉市出身。父親はお金や地位、名誉よりも命を救う事を重視する腕の立つ外科医だったが、毒島に協力しなかった事で診療所も潰され本人も既に亡くなっている。
人当たり自体は悪い方ではなく、口は悪いが病人には比較的親切で、偉そうにする医者以外にはフランク。
患者の命を救う事には真摯であり、病状を軽視する場合は最悪の結果を通告する事も辞さない。
自分の手術が誰の手柄になろうと興味がなく、神原にはその在り方を賞賛されている。
その愚直なまでの精神は周囲の医者にも影響を与え、いがみ合っても最後には味方に付いてくれる事も多い。
命に関わるので手術の腕にはシビアで、面子を優先して患者を蔑ろにする医者を特に嫌う。
一方で、向上心や気概、心から患者と向き合おうとする者は自分と違うアプローチで患者と携わる存在として彼女なりに評価していて、激励やアドバイスを送っている。
手術、お金、クラブでのダンスが大好きで、神原達と麻雀をやっているがよく負けている。
外見が派手なので、
中の人ネタで黒革の手帖を持つ高級クラブのママ(演:釈由美子)から金を持ち逃げしたクラブのママに間違えられたこともある。
一方、金遣いの荒さとメロンおじさんの搾取の酷さによって度々金欠に陥っており、手術後の糖分補給のためにガムシロップをコップに入れて飲んだり、昼食が素うどんのみの日があったりと普段の生活ぶりは割と貧相である。
冒頭にも書いた「私、失敗しないので」はアイスクリーム屋さん柔道家・松本薫の発言がモデルになったもので、松本は第6シーズン製作発表会見のゲストで米倉と対面を果たしている。
演:岸部一徳
オネエ言葉で話す初老の男性。またの名を
メロンおじさん。
医者を派遣する神原名医紹介所の所長であり、大門や城之内のマネージャー。
物語の終わりに請求書と一緒に
メロンを持って行き、手柄を病院側に渡す代わりに超高額の報酬に大喜びして帰るのがお約束の流れ。
外科医としての大門の師匠にあたり、本人もかつては凄腕の医者・
ドクターXの1人。
その昔、親友とも言える相手に手酷く裏切られて医師免許を剥奪された過去がある。
現在もその知識は錆びついておらず、大門がピンチに陥った時はアドバイスを送り力を貸す事も。
師弟と雇い主であると同時にフランクな付き合いであり、「未知子」「晶さん」と呼び合い、年の差や性別を超えた親友や親子のようでもある。
音楽活動をやっていた疑惑があり、大門と城之内がベーシストの悪口を言っていた時は機嫌が悪かった(こちらも中の人ネタ。
名医紹介所で「ベンケーシー」という名の猫を飼っており、第7シリーズでは「ギャノン」という名の子供が生まれている(両方とも1960年代に放送されたアメリカの医療ドラマが名前の由来)。
昔警察庁に似たような顔の人が居たとか。
当初は、診療所を潰された未知子の父親が遺した借金を肩代わりしていたためであったが、シーズン3でその借金を完済してからも金を集め続けていた。
後にその最終目的が、大門が好きなだけ手術ができる環境を作るために「大門未知子病院」を建設するという途方も無い目的があったことが判明。
その計画は自身が肺がんで生死を彷徨ったことや、大門が貯めていたお金を宇宙旅行で盛大に浪費してしまったことによって一度は頓挫するも、第7シリーズでもまだ諦めていないらしい。
演:内田有紀
帝都医科大学附属病院→フリーランス麻酔科医
シングルマザーの麻酔科医。
元々は大学病院の勤務医だったが、大門に感化されて神原名医紹介所に移った。雇用形態は歩合制。
大門とは紹介所では麻雀や雑談相手、手術ではほぼタッグ採用され公私共に相棒ポジション。
数多くの手術で息の合ったサポートを行い、全体の流れをコントロールしている。
良くも悪くも正直なのでコミュニケーションが取りやすく、他の外科医にも信用されている。
旦那とは円満離婚だが別れ、憧れていた世界的に権威のある外科医は期待外れだったり男運があまりない。
一人娘の舞は
イギリスにバレエ留学中。
演:勝村政信
帝都医科大学附属病院/東帝大学病院に勤務する外科医。
腹腔鏡を使った手術では
腹腔鏡の魔術師という異名が付けられる腕前を持ち、大門もゴッドハンドと認めそのスキルを盗もうとする程だが、その一方で性格はナレーターから
「群れを好み、金を愛し、腹腔鏡のスキルと要領の良さだけが武器」と弄られるほど小市民的で、目先のカネに飛びつく考えの浅さと根底に残っている医者の魂でなかなか出世できずにいる。
大門を
「デーモン」とあだ名で呼びながらも信念や腕は認めていて、土壇場で手を貸してしまうので、とばっちりを受けて度々降格や左遷させられている。
スピンオフである『ドクターY ~外科医・加地秀樹~』では主人公を担当。
江戸時代にも似たような顔の医者がいる。
演:鈴木浩介
帝都医科大学附属病院/東帝大学病院に勤務する外科医。
小心者だが、患者に寄り添う医療を行う。
大門とは会っても顔と名前を忘れられ、途中から小学校の同級生であるケーキ屋のキンちゃんとして間違って記憶されている。
フリーの外科医だった時期もあるが、大門や城之内と比べて金額はかなり安い。
なお、加地からは原ノボルと言われた事がある。
演:西田敏行
帝都医科大学附属病院/東帝大学病院の重鎮。
初登場はシーズン2から。
表向きの口調こそ温厚だが自分の敵には一切の容赦が無く、意向にそぐわない者は出世頭でも即分院に飛ばす。
しかし本人も欲の塊なので脇が甘く、度々逮捕されたり解雇されたり自業自得という憂き目に遭っている。
若い頃はともかく年老いた現在は手術の腕が程々に落ちてしまい、ハマちゃんとスーさんなのに糸を結ぶのは苦手。
自分の権力を誇示できる大名行列こと院長回診が大好きで、廃止されそうになる度必死に抵抗している。
悪の権化であると同時に本作のコメディリリーフであり、演じる西田敏行のアドリブを含めて非常に愉快なキャラになっていて、他の役者陣は台本に無い無茶振りをどう捌くか戦々恐々しているという。
秘書がいるが、蛭間の秘書はシーズンごとに変更されている。この作品では秘書役でレギュラー出演した人物の多くは、米倉のバーターである事がほとんどである。
西田は劇場版の完成披露会見にも出演したが、その一週間後に虚血性心疾患により急逝。
結果として本シリーズは西田の遺作となった。
西田は会見内で「演じる愉しさを存分に味わえ、キャリアの中でもベスト5に入る幸せな時間だった」と蛭間役への思い入れを語っていた。
演:遠藤憲一
蛭間院長の忠臣。顔怖いよー。
蛭間と同じく、初登場はシーズン2から。
上層部への胡麻擂りと典型的なサラリーマン根性で出世してきた外科医。
その場の流れで大門の手術の功績を自分が執刀した事になって更に上に行くという運を持っている。
登場初期は下に厳しく上には媚びる忠誠心の塊だったが、徐々に陽気で愛嬌のある三枚目に変化していった。
加地と同じくここぞという時に正義感を発揮してしまうので、出世したり降格したりを繰り返している。
手術の手腕を褒められる事は少ないが、大門に名指しで助手に呼ばれる技量は身に付けている。
蛭間とのやり取り(アドリブ)から生まれた『御意』と『チェンジ&チャレンジ』が口癖で、氏のトレードマークとなっている。
とある病院の放射線科に似たような顔の人が居るらしい。
家族には同じく医学部を目指す娘の彩(演:富田望生)がおり、「ドクターY」に研修医役で登場を果たした。
どーも この度はうちの追記と修正を使って頂きありがとうございます。
メロンです。
請求書です。
- 猫のベンケーシー アメリカの医療ドラマのタイトル -- 名無しさん (2021-10-20 15:56:45)
- ドクターKと何か関係がある可能性が微レ存? -- 名無しさん (2021-10-20 19:41:02)
- 大門に似たキャラに船越英一郎演じる鳩村周五郎ってのがいるね 主人公の性格も作風もドクターXに似てるけどこっちは医療ドラマと刑事ドラマを足した感じ -- 名無しさん (2021-10-21 02:20:56)
- 現代医療ドラマの水戸黄門 -- 名無しさん (2021-10-21 19:17:02)
- かつて某国の国旗を食事ナプキンに使ってしまい、当該国大使館から叱られたという黒歴史。スタッフ気付かんかったんかい! -- 名無しさん (2021-10-22 11:06:36)
- 手術後にガムシロップはリアルでもいたみたい -- 名無しさん (2021-10-22 16:33:03)
- 米倉はやら無い言いながらいつまでやるの? -- 名無しさん (2021-10-22 21:06:44)
- 報告にあった荒らしコメントを削除。 -- 名無しさん (2021-10-23 20:25:12)
- ↑3海外の外科医がやっている時いてそれを取り入れたが無論米倉涼子は飲む演技で実際は飲んでいない -- 名無しさん (2021-11-27 00:48:06)
- 毎度毎度オシャレな服着ている大門 -- 名無しさん (2022-01-07 20:14:25)
- 映画が西田さんの遺作になるのかなぁ… -- 名無しさん (2024-10-17 14:11:27)
- 西田敏行氏の死去により、シリーズ打ち切りかもしれない…。 -- 名無しさん (2024-10-23 19:09:30)
- ↑公式に映画は完結編として作られていたし、そういう意味ではしっかり遺作を締められてよかったのかもね。 -- 名無しさん (2025-01-09 20:48:18)
最終更新:2025年01月09日 20:48