GUNDAM Mission to the Rise

登録日:2021/11/24 (水) 00:53:29
更新日:2025/02/15 Sat 08:49:46
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MISSION TO THE RISE




GUNDAM Mission to the Riseとは、ガンダムシリーズのアニメ作品。

【概要】

1998年に機動戦士ガンダム20周年記念イベント「ガンダムビッグバン宣言」にて、上映された短編CG映像アニメ。
このイベントでは1stの名シーンを3面マルチ映像で展開する『ジ・インプレッション・オブ・ファーストガンダム』が同時上映された。
後に『スチームボーイ』のDVD付きのローソン限定前売券に「幻の映像作品」と銘打たれて収録されている。

AKIRA』で知られる大友克洋が監督を担当し、ビルドアップ・エンターテイメントがCGを担当した。
時代設定は宇宙世紀としながらも世界観や機体などの設定は大きく異なっており、実質的には名前だけ同じな別物の世界となっている。
作品紹介でも「もう一つの宇宙世紀」という形でパラレルワールドの宇宙世紀と明言されており、映像化作品ではあるが正史の年表には考慮されていない。

「かつての作品へのオマージュであり、未来の一つの可能性を具現化した」というコンセプトで作られており、映像美を売りにしている。
映像作品としては宇宙船内でのガンダムとザクの戦闘が描かれるのみであり、具体的なストーリーは描かれない。
似たような短編映像作品である『リング・オブ・ガンダム』とは異なり、現在まで具体的な構想や設定なども判明していない。
本編に該当する構想もあったようだが、結局作られることはなかった。

展開されたメディアによる視聴機会の問題や作品が短編という都合もあり、シリーズファンの間でもかなり知名度は低い。
作品も2分42秒程度の映像であるために視聴しても批評もしづらく、正直理解が難しい難解な映像になっているという点も否定はできない。
シリーズの紹介で触れられる機会もほほ無く、同じく20周年記念の名目で展開された(ただし、時期は違う)宇宙世紀シリーズの映像作品『G-SAVIOUR』と同様にマイナー作品の立場に置かれている。
それでも1998年時点のCG作品としての映像表現や従来のシリーズとは大きく外れたパラレルワールドならではの宇宙世紀の世界観など、シリーズの歴史を振り返る上では興味深い点も少なくない。

【あらすじ】

西暦2045年。人類の総人口は90億を突破し、人類は宇宙移民を開始すると同時に西暦は宇宙世紀へと改められた。
そんな時代、新型兵器RX-78の登場によって宇宙での戦闘は新たなる局面を迎えた。
そして、光速領域を越える作戦「Mission to the Rise」が始まり、宇宙船ロートスは未知の領域へと向かうことになる。

【用語】

▽ロートス

恒星間航行に使うコロニーのような巨大宇宙船。
作中ではこの宇宙船を舞台にして地球連邦軍とジオン公国軍の激しい戦闘が行われた。

▽至高天

作中で一瞬だけ出てくる謎のワード。一説には外宇宙や別世界のことではないかという憶測もあるが、詳細不明。

ニュータイプ

作中で一瞬だけ「NEW TYPE」という表示が出たため、こちらの宇宙世紀にも存在すると見られる。

【登場機体】

◆新生ガンダム

「MISSION TO THE RISE」作戦の実現を目指して開発された恒星間航行用モビルスーツ。
首と肩が一体化した独特な蛇腹状のデザイン(「カブトガニ」と「サナギ」がイメージ元らしい)をしており、一般的なガンダムタイプの特徴の名残はツインアイくらいしかない。
涙滴型の飛行形態から人型への変形機構を所持しており、変形には推進器などの機体の一部を切り離す。
武装としては右腕にビームサーベルを備えていると思われる。

◆新生ザク

ジオン公国軍が開発した光速対応タイプのザク。新生ガンダムに対抗する機体。型番は「X-15」。
新生ガンダムと比べると従来のザク系のデザインを維持しているが、関節が蛇腹状になっているなどやはり全体的には別物な外観。
背面にブースターが設置されており、これによって光速領域へと加速を行う。

◆ガンダム

RX-78-2に近いデザインのガンダムタイプのモビルスーツ。新生ガンダムと比較すると馴染み深い王道さが目立つ。
作中ではあっけなく至近距離からマシンガンで撃破されているが、これは正史の宇宙世紀よりも装甲が弱い設定なのか、或いはザクマシンガンが強いのかは不明。
某クソゲーと同じ設定ではないはず。
どうやらこの宇宙世紀では量産機と思われる描写があるので、性能的にはそこまで高性能ではないのかもしれない。
ちなみに余談だが、ネット上でガンダム8号機だとする誤情報が出回ったことがある。

ザクⅡ

パラレルワールドの宇宙世紀のジオンでも量産機として運用されているらしく、機体外観に大きな変更点はない。
ザクマシンガンと思われる兵器を使っているが、正史シリーズとは異なるハンドガンのようなデザインになっている。
作中では指揮官機が至近距離からのマシンガンでガンダムを撃破しており、相討ちという結果でありながらもザクがガンダムを葬るという快挙を成し遂げた。

【余談】

  • スタッフとして参加した岡部淳也(当時は岡部淳也名義)は、後に自身のTwitterでこの作品について当初は「やったの忘れてた」と振り返っている。
    しかし、その後は定期的に本作の話題は出しており、CGのクオリティについてはよく出来ているとも述べている。




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最終更新:2025年02月15日 08:49