ENDER LILIES:Quietus of the Knights

登録日:2022/01/23 Sun 14:19:20
更新日:2022/05/18 Wed 18:17:20
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呪いであるかのように、止まない雨。
滅び果てた世界の、ある教会の奥深くで
少女「リリィ」は目覚める。


ENDER LILIES:Quietus of the Knights(エンダーリリーズ:クワイタス オブ ザ ナイツ)とは2021年6月21日にリリースされたメトロイドヴァニア系探索アクションゲーム。
SteamNintendo SwitchPlayStation4、Xbox Oneなどで配信されている。
開発はBinary Haze Interactive。本作がデビューとなる会社であるが、ルーンファクトリーシリーズなどを手がけたネバーランドカンパニーの系譜である。見た目は洋ゲーっぽいが、国産ゲーム。

概要

「死の雨」によって亡んだ王国で目覚めた少女「リリィ」が「黒騎士」と共にアンデッドたちがさまよう王国から脱出するメトロイドヴァニア系のダークファンタジー。
主人公のリリィはこの手のアクションゲームに似つかわしくない、非常にか弱く儚げな存在で戦闘能力は無い。
そのかわりアンデッド=本作用語での「穢者」を浄化する力を持ち、亡霊となった彼らの力をスタンドのように借り受け、戦闘を行い先へ進んでいく。

一面の廃墟と成り果てた王国の造り込まれた背景、アニメ版ゴブリンスレイヤーの音楽を担当したMiliの切ないBGMが、物悲しくも美しい世界観を作り上げている。
ストーリーは必要最低限のテキストで語られ、各所にアイテムとして落ちているTipsを拾い集め断片的な情報から王国に何が起こり滅んだのかを探っていくことになる。
ステージボスを倒すことで彼らの生前の記憶がムービーとして流れ、また彼らの力を借りた新規アクションを獲得することで今まで行けなかった場所に侵入することが可能となり、探索範囲が広がる。*1

Hollow Knightの影響が強く、見た目の雰囲気やシステム面などは共通するところが多い。
一方で難易度に関してはメトロイドヴァニア系の中でもかなり抑え目であり、死にゲーではあるが即死トラップなどは無く、セーブポイントがそのままファストトラベルの中継点となっており、さらには死亡してもセーブポイントに戻されるだけでロス要素は一切ない親切設計となっている。*2
ボス戦は覚えゲーの要素が強く、全ての敵は攻撃前に目が光るという前兆もあるため予備動作を見てから回避していけばクリアできるようになっている。


ゲームシステム

ごく普通の2D横スクロールアクションゲーム。ジャンプしたりヘッドスライディングによる緊急回避が初期から行える。
ステージボスを撃破することで新規アクションが増えるほか、ゲームを進めると手に入るレリック(後述)を装備するとパリィも可能になる。

三つの攻撃ボタンに、一つずつスキル(浄化した霊)をセットすることで彼らに攻撃させることができる。
スキルはメインサブの二種類があり、メインは基本的に攻撃回数無制限*3で使うとリリィが攻撃モーションで一瞬硬直する、サブは回数制限があるかわりに呼び出してもリリィのモーションに影響が無く他のスキルと同時に攻撃を畳み込んだり、回避や移動のついでにサブスキルを置いていく感覚で使える。
セットはボタン切り替えでもう一種類用意することができ、最大で合計六つの攻撃手段を確保できる。
スキルセットの入れ替えはセーブポイントで行うことが可能。
新しいスキルは各地の中ボス、ステージボスを倒し浄化することで獲得できる。
メインスキルは「猛る穢れの残滓」サブスキルは「淀んだ穢れの残滓」を消費してレベルを上げることもできる。
黒衣の騎士のみ「古き魂の残滓」で強化する。

敵には体力の他に体勢ゲージがあり、削りきるとダウンして隙ができる。
空中でダウンさせる高さに応じた落下ダメージ*4が発生するほか、水に落ちると多くの雑魚は即死する。
またすべての敵に基本的に接触ダメージがあり、しかも結構痛いため間合いには常に注意が必要。

敵を倒して得られる経験値が一定量溜まるとLvアップするが、レベルに依存して上がるのは攻撃力だけ。
体力の最大値は各所に落ちているお守りの欠片などを拾い集めることで伸ばすことができる。
敵の攻撃を受けて減った体力ゲージは「祈り」を行うことで一定値まで回復可能。「祈り」は発動中は完全に無防備なので余裕のある時に行うのが理想である。
祈りの回復量は「白巫女の願い」というアイテムを入手することで増やせる。
原則三回まで「祈り」は行うことができ、セーブポイントに座ることで体力ゲージやスキル回数とともに完全補充されるほか、白い花を刈り取ることでも回復する。
+ 体力ゲージのフレーバー的設定
このゲームの体力ゲージは少女リリィの体力そのものではなく、お守りが張っている結界強度ゲージである。
リリィが本来受けるはずのダメージは全て結界が肩替わりしてくれているため、ハンマーや斧や剣や槍などで攻撃されてもピンピンしているというわけなのだ。
「祈り」は損傷した結界を修復する行為。
ゲームオーバー時に何かがパリィンと割れるSEが鳴り響くが、これは結界が割れてしまったという演出である。

「レリック」という装備アイテムを拾うことがあり、これはスロット数が許す限りリリィに装備させることで各種能力を強化することができる。
これもまたセーブポイントでのみ付け外しができる。
スロット数自体も魔導の鎖というアイテムを拾うことで拡充可能。

MAPはフロア内の地形などは示してくれないが、フロア同士の繋がりや出入り口の大雑把な情報はフロアに入った時点でわかるようになっている。
また、該当フロアに未拾得アイテムがある場合はMAPで表示されるフロアの色が水色となり、完全にアイテムを拾いきったフロアはオレンジ色に染まる。
このため未拾得アイテムを探してうろつき回るストレスが少なくなるよう設計されている。


登場人物


リリィ

主人公の女の子。巫女の末裔。十歳前後ほどと思しき幼くか弱い美白少女。かわいい。
ゲーム開始地点では名前がわからず、シーグリッド戦の後で名前が判明する。
長い間眠りに着いていたらしく、記憶が無く言葉も喋れない模様。
そのため、身振り手振りで黒騎士とコミュニケーションする。狂おしいほどかわいい。
穢れを受けて不死者と成り果てた穢者を唯一浄化できる能力を持つ。

モーションがいちいち可愛らしく、攻撃ボタンを押すと亡霊が颯爽と攻撃するが、彼女自身は腕で顔を庇う動作を行うなど非力な少女であることをグラフィックのみで表現している。
椅子に座ると足をぱたぱたさせたり、椅子から降りる時には両腕で上半身を少し持ち上げてからぴょこんと降りる、懸命な飛びこみなどその愛らしさを語ると紙幅が足りなくなる。
一方、完全無敵のスライディング回避ができたり、手さえ届けば崖につかまり片腕でよじ登ったりと運動能力は意外に高い。
+ ネタバレ
浄化とは他者の穢れを引き受けること。即ち単なる穢れの移行に過ぎないため、浄化を行い続けることでリリィの身体に穢れが蓄積されていく。
それは最初の時点では髪が少し黒くなる程度だったが、徐々に足に斑紋が浮き衣服は汚れ終いには触手が生えるなど、人間の形状から少しずつではあるがおぞましい形に歪んでいく。

シーグリッドの回想でリリィと呼ばれていたことから黒騎士がそう呼ぶようになったが、ゲーム後半でその回想で見えた白巫女と主人公の少女は別人であったことが判明する。
つまり彼女には名前は無く、また記憶は失っていたわけでもなく元から何も無く黒騎士の呼びかけで目覚めた時が、人として生まれた瞬間であったと言える。
その事実を知ったうえで黒騎士は「生者は死者の思いを引き継ぎ、生きていくことができる」としてリリィの名前をそのまま名乗り続けてもよいだろうとした。

黒衣の騎士

フードと骸骨を思わせる仮面を被った騎士。通称黒騎士。教会の奥深くで眠っていたリリィを目覚めさせた。
既に身体は失われた霊魂のみの不死の騎士で、白巫女の血筋と契約を結んでいるらしく他の穢者と違って穢れに汚染されておらず、意識をはっきりと保っている。
このゲームで貴重なまともに喋ることができる人物。喋らないリリィのかわりに、リリィへの呼びかけとしてプレイヤーにアドバイスしたりちょっとした解説なんかもやってくれる。
真面目だが人間味のある人物で、穢者にも情深い弔いの言葉を送ることが多い。
+ スキルについて
剣で近接攻撃をする初期装備スキルで、振りが速く攻撃力と範囲のバランスが良い近接攻撃のエキスパート。ザコでもボスでも主力として使っていける。
クセが無く便利であるが、成長アイテムが特殊で他のスキルと違い汎用成長アイテムではLvアップできない。
そのため、隠された専用成長アイテムを見つけて入手できないと攻撃力が他のスキルに置いてけぼりにされてしまう。
+ ネタバレ
他の穢者となった霊魂たちとそもそも出自がまったく違い、果ての国が侵略する前に舞台となる地で栄えていた古の民の最後の一人。
古の民は穢れを制御する術を持ち、騎士の魂と巫女の血筋を契約で結び、巫女の血筋が途絶えるまで騎士が死にも滅びもしない不死の戦士を作り出すことができた。
彼と契約した巫女の血筋は、白巫女の血筋として残っていたため黒騎士は滅ぶことが無かったが、彼の霊魂は魔術的な方法で封印され白巫女の血筋を守ることができなかった。
そうして何もかも終わってしまった後、それでも滅びぬ魂から黒騎士は白巫女の末裔が生き残っていることを把握し、果ての国を長い間さまよい探し回っていたようである。

本名はおそらくフェリン。契約していた巫女エルドレッドとは恋仲であったことが示唆されている。

シーグリッド

白巫女の守り人であるシスター。シックなシスター服に不似合いな、無骨で物騒な鎖付き鉄球を武器としている。
生前はリリィの守り人であったらしく、押し寄せる穢者の群れと戦い続けてやがて狂気に呑まれ、彼女自身穢者と成り果てた。
カタコンベのボス「シルヴァ」とは姉妹でこちらは妹。
元々は仲の良い姉妹だったようだが、当代の巫女の守り人の座は姉が得たことから劣等感に苛まれていた。
+ スキル、アクションについて
最初に戦うボスで獲得するスキルとなるキャラクター。
本来サブスキル獲得の敵は中ボスなのだが、彼女だけ例外的にステージボスであり追加アクションも獲得できる。
性能もサブスキルとしては稀なことに空中版と地上版で性能が違い、使い分けることができる。
どちらも鉄球を振り回す連続攻撃で敵の体勢を崩す力が強く、使いやすい。
追加アクションは空中ジャンプを行えるようになる「守り人の跳躍」。

ゲルロッド

崖の村外れで、王城方面から押し寄せてくる穢者と戦っていたと思しき巨躯の老戦士。
元々は英雄とも呼ばれたほどの騎士で、二代目巫女の時代に穢土からやってきた穢者の群れと戦った。
三代目巫女の時代には双子城砦防衛戦に参戦。不死の霊薬を服用し不死騎士となるが、それは意識を保った穢者となることとなんら変わりのないものだった。
戦後はあえて浄化を受けず、村外れの小屋で次代の子らを守るために意識を保つことに専念していた模様。
+ スキル、アクションについて
スキル性能は動作も威力も重い槌による広い攻撃範囲の一撃を放つ。
とにかく威力が凄まじく、敵の体勢ゲージをごっそりと奪いザコ敵なら一撃で吹き飛ばすことも多い。
ザコ散らし性能が高く、とりあえず探索時に迷ったらゲル爺をセットすると良い。
追加アクションは空中から急降下攻撃を行う「巨人の鉄槌」。
道を塞いでいる肉腫のうち、地面にあるものを破壊することができる。

イレイェン

魔術協会の深奥で穢者となっていた若き天才魔女。
生前は三代目白巫女フリーティアの親友で、彼女の負担を理解し軽減するために研究を行い続けていた。
だが空しくも力及ばず、死の雨によって魔術協会が沈んでいくのをただ見届けることしかできなくなってしまう。
彼女が最後に起動させた魔術は恐らく水流を操作する魔術だと思われ、彼女が死んだ今も魔術協会に降り注ぐ雨水を逆流させて排水させ続けている。
+ スキル、アクションについて
スキル性能は若干の誘導性能がついた魔法弾の射出。
使いやすい飛び道具で、弾数も多いのでガンガン撃っていける。威力もそこそこ。
ただ連射性能や硬直時間に難があり、中距離で使うと敵の反撃を受けやすく危険。
追加アクションは水中に潜れるようになる「魔女の泡沫」。
潜水時間などの制限はないが、水中・水上では一部のスキルが使用できなくなる。

シルヴァ

カタコンベで己の無力に嘆き果て穢者となっていた守り人のシスター。シーグリッドの姉で、こちらは無骨なウォーハンマーを武器にしている。
本作最重要人物である泉の巫女「フリーティア」の守り人であったことからTipsの記述も多く、彼女視点で語られる物語の断片は数多い。
守り人としての責務を果たせなかったことを悔いており、事態の推移を見守ることしかできなかった人物と言える。

だが彼女を特徴づける要素は重度のシスコンであることが大部分を占めている。
とにかくTipsで毎回のように妹のシーグリッドのことに触れ、彼女の安全を祈りつつ依存する心理を書き連ねている。
始終シリアス全開な本作のテキストをしてレリックの解説に「溺愛する妹」とまで書かれた公式公認のシスコンお姉ちゃん。
+ スキル、アクションについて
スキル性能は体勢ゲージへのダメージが大きいハンマーによる攻撃。
ハンマーは振りの速度が少し遅いものの攻撃範囲、威力が大きめで汎用性に優れている。
チャージすることで多段ヒットする性能に変わり、攻撃範囲も伸びるので地形貫通性能も高い。
極めつけ、空中チャージは攻撃後にリリィが少しだけ後退しつつ上昇するので空中小ジャンプとしても使うことができ、シーケンスブレイクの要となる。
攻撃能力だけでなく機動力の補助も可能な極めて優秀なメインスキルであると言える。

追加アクション「守り人の翼」を得るとスライディングが一定距離の無敵移動に強化され、空中も水平移動できるようになる。
空中ダッシュはものすごく便利で高性能なのだが、懸命な飛びこみを拝めなくなることから一部のプレイヤーからは「お姉ちゃん余計なことしないで」と無体な一言を言われたりも。
加えて奥義が解禁され、ゲージが最大まで溜まっているときにメインスキルを使うと強力な必殺技を使用できるようになる。

ウルヴ

双子城砦で花畑を守っている不死騎士。騎士とはいうものの、武器は篭手に取り付けた爪でジャマダハルに近い形状をしており、素早い動きで戦う。
狂い騎士の二つ名にふさわしい、恐ろしげな兜と獣のような戦闘スタイルの持ち主。生前から口数が少なく、戦場で死ぬことだけを考えて生きてきたという生粋の狂戦士である。
だがそれでいて、死してなお思い出の花畑を守り続けていた不器用で一途な人間性の持ち主。
同僚の騎士たちからすら恐れられていたが、双子城砦防衛戦で霊薬を飲み不死騎士となって後は一転して大人しくなり雪の花を育てていた。
+ スキル、アクションについて
スキル性能は爪による素早くリーチの短い攻撃。隙は少ないがリーチが短すぎるのと威力が低めであることから危険なことに変わりはない。
方向キー入力で連打性能が上がる。下入力でもOKなので上手く使いこなしたい。
攻撃ボタンホールドでチャージすることができ、チャージ中も連続ヒットし続け、最後に威力が高く横判定の強い一撃を繰り出す。
このチャージは空中でも出せ、キャンセルすることも可能で使いこなすと強力。
追加アクションは壁に張りつけるようになる「狂い騎士の血爪」。
壁張りつきからのジャンプもできるため、高い壁を越えて進むことができるようになる。

ヘニール

表立って行えない汚い仕事を引き受ける国家機関「暗部」の長である男。
その仕事柄、果ての国の現状をかなり正確に把握していたらしい人物であり未来を憂いていた。
役職と正反対に内心では情熱的な一面もあり、泉の白巫女への恩義を強く感じ、本来意識から切り捨てなければいけない肉親への情を捨てきれずにいた人物。
後述する騎士長ユリウスの叔父でもある。
ちなみにゲーム中で一切触れられることはないが、彼の右腕の手首から先は無い。生前からおそらく失っていたと思われ、ムービー中でも右腕だけは映らない。
+ スキル、アクションについて
スキル性能は連射性能が極めて優れた投げナイフによる中距離への投擲攻撃。
威力は低く、弾数制限はあるものの隙が少なくわずかな一瞬を縫うように攻撃できる。
奥義ゲージの充填性能に優れており、ヘニールのナイフでゲージを溜めて奥義をぶっ放すというサポートに特化した性能である。
追加アクション「縄の暗器」はいわゆるフックアクション。
特定ポイントに引っかけて高所へ移動できる。

ユリウス

騎士長。双子城砦防衛戦で不死の霊薬を服用し、不死騎士となって国防を貫徹した男。
その血筋が難儀なもので、暗部の家系である母と現国王の父を持ってこの世に産まれてしまった。
ユリウスを産み落とした後に死んだ母親は彼が普通に生きることを望んでいたようなのだが、因果なことに不死騎士に成り果て、亡国の瞬間に立ち会うというとても普通とはいえない生涯を送ることになった。
自分を捨てた父親に目にものを見せるために生きてきた男の最後は、実際に彼と戦う場面でどのような結果に至ったかを物語っている。

ゲーム中で断片的に語られる情報に穴がいくつかあり、その心理や彼の周りに起こった騒動で解釈が複数ある人物。
+ スキル、アクションについて
スキル性能は槍による中距離への刺突。隙がやや大きく振りにくいが、威力と連射性能のバランスは良い。
入手可能な時期にはメインスキル、サブスキルともに充実しきっているのが難儀な点で、クセが強いこの攻撃を敬遠する人も多い。
奥義性能は優れており、非常に横射程が長いビームをぶっ放す。
追加アクションは「貫く魔槍」。
ステップ回避のあとにユリウスに乗ってダッシュできるようになり、その状態で攻撃すると前方に槍を突き出す。
壁に張りついた肉腫を破壊できる。

ファーデン

国家魔術師団の長。この魔術師団は穢れの研究を行う国営機関であり、穢者と化してしまった人々を救ったり巫女の負担を減らすことを目的として発足された。
その研究のため、禁域とされていた古の民の遺跡を主要地として地下深く研究を続けていた。
当初のファーデンは崇高な夢と理想に燃える男だったようだが、恋人にして助手であるミーリエルが穢れに汚染されてから豹変。
穢者化した恋人を救うために非道な人体実験を行い、言動も苛烈になるなどなりふり構わない狂気の異才と化していった。
その危険性から遂には異端認定されてしまったが、その頃には彼の言うようにもう何もかも遅かった。

名前が登場するのは後半からだが物語において超重要な人物。
イレイェンとは知人だったようで彼女からはある種の信頼をもって「ファーデンのクソ」と書かれていた。
狂気の異端者と周囲からは思われていたようで、実際そう取られても仕方ないほどのおぞましい実験を行ってきた人物だが当初の目的は決して忘れておらず、最後まで恋人と巫女を助けるために行動し続けていた。
ただしデザインセンスは壊滅的。それも最悪なことに本人は自分のセンスに無駄に自信を持っているのでタチが悪い。
+ スキル、アクションについて
スキル性能は出が遅い散弾をぶっ放すというもの。
密着して全弾ヒットさせると凄まじい威力になるうえ、ゲージ回収効率も高い。
だが撃つだけで隙が大きく、的が小さいとヒットしにくいこともありハイリスクハイリターンなメインスキル。奥義のダメージはもはや何かがおかしい。
もっとも困った点はこれを入手する頃には倒すべきボスがほとんど残っていないこと。連戦の記憶ではものすごく暴れ回る。
追加アクションは各地にある封印された扉を開けるようになる「封印解除」。
+ ネタバレ含む余談考察
ファーデンの遺体の背景には、巨大な女性体の穢者が描かれている。ファーデンの傍では確認しづらく、大量の穢れの残滓が入手できる上部部分まで登って画面を上スクロールさせるとわかりやすい。
シルヴァの空中チャージや禁域の戦士を使い、ウルヴで壁張り付きすると行ける。
この女性穢者、腹部が膨らんだ末に破裂したかのようになっており、その裂けた傷口と漏れる体液がファーデンの遺体の真後ろ部分にあたる。
……問題なのはこの穢者、頭部に巨大な蝶が密集しており(ここが穢れ残滓を入手できる部位)、ファーデンを浄化した際に見えるミーリエルと特徴が一致するのである。
ボスのミーリエルはおぞましい巨大芋虫のような穢者なので、ではこの背景に意味ありげに描かれている巨大な女性穢者はなんなのかということになってしまうのだが……腹部が割れていることから、ファンからは
背景の女性穢者からボスの芋虫ミーリエルが産まれてリリィの前に立ち塞がったのでは?
と考察されている。
ここから派生する諸々の考察はいくつかの見解に分かれるところなので仔細が気になる方は独自に調べるなり自分で考察してもらいたいが、上述の太字で書いた部分は状況証拠的にファンたちからの意見の相違は無い様子である。

フリーティア

泉の白巫女。果ての国が健在であった頃の当代の巫女。彼女で三代目。
本作のストーリーにおいてもっとも重要な人物であり、ほとんどのキャラクターと何かしら接点がある。
穢れを浄化する能力を持つ唯一の存在である巫女は、穢れに脅かされる日々を送る果ての国の人々にとって大きな心の支えだった。
彼女は人々に敬われ、休日には村の子供たちと仲良く遊び、騎士や魔術師、暗部の者からすら慕われるほどの人格者だった。

だが本人自身の内心は、14の誕生日に母親が失踪したことも起因して自信が薄く穢れに汚染される恐怖と痛みに耐える、ごく普通の女性。
14才で白巫女を継承してからは穢れに冒された人々を浄化する日々を送っていたのだが、双子城砦防衛戦をきっかけとして彼女と果ての国の運命は大きく動くことになる。

絵を描くことが趣味で、ゲーム中ところどころに彼女が描いたと思われる肖像画が背景に登場している。
彼女の身につけていた「フリーティアの指輪」はパリィが使用可能になるレリックとして入手できる。

用語・設定


穢れ

魂を汚染し変質させる性質を持つ何か。ゲーム上では赤黒い霧や血のようなものとして表現されている。
穢れは憎悪や凶暴性を増幅させる性質も持ち、これに汚染されるとそれらが生み出す狂気に肉体の操作権が奪われ意識が呑みこまれてしまう。
さらに肉体までも変化させ、肉腫と呼ばれるおぞましい器官が生え始め驚異的な再生能力を獲得し、汚染された生物を不死者へと変えてしまう。
このような人々に害なすアンデッドモンスターと化した存在は後述する「穢者(けもの)」と呼称される。

穢者

「けもの」と読む。穢れを受けて魂、心身全てが変質し凶暴性に呑まれてしまった存在。
ゲーム中で登場する敵はこの穢者であり、浄化しなければ倒してもまた復活するようだ。
基本的に穢れの内包する狂気で意識が消失するのだが、稀に意識だけが残ったまま、肉体の操作権は穢れに奪われ苦痛を感じ続ける状態に陥る者もいる。
稀にと書いたが、スキルとなる人々は黒騎士以外皆さんこのタイプ。*5

中には「意識は持つが肉体が動かない」タイプの人や「意識も肉体の操作権も持つ」タイプの人もたった一つのケース*6だが存在する。
浄化すると灰色に染まるが、これはゲーム的表現なのか石化でもしているのかは不明。

白巫女

穢れを浄化する能力を持つ女性。ゲーム中では広義と狭義で二種類の意味があるが、順番に説明する。

広義的には先述したように、浄化能力を持つ女性を指す。
果ての国建国後しばらくしてどこからともなく現れた金髪の女性が始まりで、そこから三代続いた。
「暁の巫女 ニンフェリア」→「風の巫女(個人名不明)」→「泉の巫女 フリーティア」。
穢れは伝染する性質を持ち、憎悪などによって増えることはあれど減ることはないため果ての国の人々を恐怖させていたがこの白巫女の存在によって人々は平和な暮らしを得ることができた。

狭義的には四代目となる幼い白巫女の娘のことを指す。
主人公のリリィがそうなのだが……。
+ ネタバレ
ゲームをある程度進めるとわかるのだが、リリィとそっくりの外観をした少女の遺体が果ての国のあちこちで見つかる。
どうやら彼女たち全員を白巫女と総称していた模様。一応個体名は存在していたらしい。

もちろん尋常な存在ではなく「赤子の肉体」に力の根源である「」を導くことで、その魂が持つ力を継承させることができる技術によって創られた存在。
早い話フリーティアのクローンである。肉体的には上述通り他人であるが、見た目がそっくりに育っていることもあって少なくとも魂がクローンと言えるだろう。

主人公のリリィを含めて九人製造されており、リリィ以外全滅している。

浄化

白巫女の持つ能力。穢れに冒された存在から穢れを引き受け、その対象を穢れの苦しみから救う。
白巫女は普通の人より穢れに対する耐性が強く、また白巫女が保有している穢れは外に漏れず伝染しない。
こういったことから浄化と呼ばれているが、あくまで行われているのは穢れの引渡しに過ぎず、白巫女であっても穢れが生み出す苦痛を背負うことになる。

本作においては存在の重要性として魂>肉体という図式になっている。
穢れがまず汚染するのは魂であり、魂が穢れてしまうから肉体に変化が出るという順番らしい。

不死の霊薬

ファーデンが開発した、生きた人間を制御可能な穢者に変化させる薬。
服用することで、肉体の操作権利、理性、意識を保ったまま穢れの作用による肉体の驚異的な再生能力を獲得し、外部からの穢れの汚染を受けてもその影響を受けにくくできる。
あくまで受けにくくなるだけのようで、時間が経過したり薬との相性次第では意識は保っているものの肉体の操作権は穢れの凶暴性に奪われ、普通の穢者そのものと変わらない存在へと成り果てる。
どうやらファーデンが全て作ったわけではなく、他の魔術師が製造したものもあり中には他の生物の穢れを混ぜた霊薬も存在している。
そういった霊薬は上手く作用すると、翼を持つなど他生物の能力を獲得した兵を作り出すことができたようだが、純正品の原材料を考慮すると安全性に疑問が生じる。

お守り

リリィが首から提げているお守り。
結界を張ることで穢れの汚染から身を守ることができる。か弱い少女がアクションゲームの主人公をやれている理由の一つ。
魔術協会の皆さんが製造していたらしく、イレイェンがシーグリッド経由で白巫女のために送ったと記述されているTipsがある。
+ ネタバレ
これとは別に護りの宝具と呼ばれるお守りがある。おそらくのリリィの持つお守りのオリジナル。
護りの宝具は初代白巫女が所持していた、古の民の技術によって製造された品物。
浄化による苦痛を和らげる力を持ち、母から娘へと継承されてきたが、経年劣化と双子城砦防衛戦後にフリーティアが行った浄化の負担があまりにも大きく砕け散ってしまった。
その後フリーティアはイレイェンに修復を依頼し、最終的にファーデンが修復の準備を整えるところまでは行き着いていた。

果ての国

本作の舞台。Tipsの情報からすると、大陸の東端にあるようだ。
王国制で、大陸に来訪してきた民たちが建国した六つの国の一つ。
シンボルは蓮の花。劇中でも噴水の意匠や騎士たちの装備の紋章に取り入れられている。*7
ある日降り始めた死の雨によって完全に滅びる。他の国や世界がどうなったのかは不明。
白巫女が三代しか続かなかったことから、その歴史は百年にも満たなかったようである。

古の民

本作の舞台となる大陸の原住民族。
元々この大陸には穢れがあり、古の民はその穢れと共に生きて制御する術を持っていたらしい。
少数民族ながらこの技術によって栄え、レリックによっては世界を支配していたとすら書かれているが詳細は不明。
物語開始の何十年か前に別大陸から侵略してきた別民族によって滅ぼされる。
わずかな生き残りは大陸の東端へと逃げ延び、果ての国はそこを穢土と呼び禁域であり忌み地としていた。

ステージ

教会

ゲーム開始地点。チュートリアル的なステージで、ここで「敵の攻撃を回避」→「敵の隙をついて背後から攻撃」というこのゲームの基本攻撃スタイルを覚えたい。
リリィが目覚めた地下から地上へと出て、ステンドグラスが美しい聖堂へと到達するとボス「守り人 シーグリッド」が待ち受けている。

白の教区

教会から外に出ると、そこは生きとし生ける者を穢者へと変える「死の雨」が降り注ぐ素朴な村道だった。
まだまだチュートリアル地点。飛び道具を射ってくるアーチャーが出現するようになる。
崖の村から教会を繋ぐ道で、出現する敵の中には教会へと逃げ込もうとしたらしい村民の成れの果てが混ざっている。

崖の村

白の教区から上の方の分岐路を行くと村へと行き着く。
家の中を入ったり出たり、地形ギミックが本格的になる。空飛ぶザコなども出現するようになり、ゲームも本番開始といったところ。
市場通りだったと思しき場所は本作随一の容赦ないザコラッシュ地帯。
王城と村を結ぶ村外れにボス「老戦士 ゲルロッド」が佇んでいる。

魔術教会

白の教区から下の方の分岐路を行くと森を抜け、菌糸類が群生する魔術教会へと行き着く。
雨によって水没した箇所が多く、またいやらしい軌道の飛び道具で攻撃してくる魔術師ザコが多く配置されている。
このステージのボス「黒の魔女 イレイェン」を倒すことで潜水能力を獲得できるため、本格的な探索はボスを撃破してからになる。

カタコンベ

カタコンベとはイタリア語で地下墓所のこと。
ゲルロッドとイレイェンの能力二つを獲得することで行き着くことが可能となる地下遺跡。
古の民が支配していた時代の施設を再利用した場所であり、王国が健在の頃は白巫女や守り人が暮らし修行する施設として使われていた模様。
現実にあるカタコンベ同様、ものすごい数の人骨で埋もれた遺跡で縦に深い。
聖堂と思しき場所にはそれまでTipsで何度か登場していた人物「守り人 シルヴァ」がボスになっている。

双子城砦

王国の東端に建設された防衛城砦。東の穢土の地から来る穢者たちから国を守るために建てられた施設である。
しかし王国が死の雨によって滅んだ今は、この城砦自体に穢者と成り果てた不死騎士たちがさまよい歩いている。
砦というだけあって地形が入り組んでおり、空中機動が必要な場面が多い。入手したばかりのシルヴァが早速大活躍する。
砦の屋上にはボス「狂い騎士 ウルヴ」がその二つ名に反して、ただ静かに花畑の中で立ち尽くしている。

地下牢獄

王国の地下に隠された罪人の拷問や処刑などが行われていた呪われた場所。
国のために栄誉も親族も全てを捨てて汚れ仕事を行う「暗部」たちの仕事場である。
とにかくものすごく暗く、視界不明瞭な地点が多く事故が起きやすい。出現する敵も敵なだけに、もはやホラーゲーム。
だがTipsを読み解いていくことで、ここよりさらに深い場所で「暗部」たちですら間接的に関わらない何かが行われていたことがわかる。
地上へと出る直前の処刑場では「暗部」の長である「深淵の番人 ヘニール」が役目を終えたかのように座している。

果ての王城

位置関係は「崖の村→王城→双子城砦」だが、入手スキルの関係上攻略は地下牢獄か双子城砦クリア後になってから。
入り口は崖の村側と双子城砦側どちらでもアクセス可能。
終盤のステージだけあって、配置された敵が強く強制戦闘場面も多い。今まで入手してきた仲間たちを駆使して戦い抜こう。
玉座を目指すとそこには「騎士長 ユリウス」が……。

辺境

MAP東端の穢れきっていない泉。
双子城砦か、地下牢獄のどちらかからアクセス可能。
美しい睡蓮が咲き誇るが、その根は……。

+ 以下のステージはネタバレ要素が強いため折り畳み

禁じられた領域

魔術協会か、地下牢獄のどちらかからアクセス可能。魔術協会側ではシルヴァを入手した地点で到達可能になる。*8
しかし大気すら濃い穢れで汚染されており、ただその場にいるだけでダメージを負う場所が多い。
地下牢獄経由で入手できるガスマスク無しで攻略するのは困難を極める。
今までのステージとは比べものにならないレベルで穢れに汚染され尽くされており、菌糸類がはびこり有機物の残骸が蠢くSAN値がガリガリ減っていく場所。
ここで穢れの研究が国営で行われていたようなのだが……
もはや人の原型を全く残していない醜悪な怪物と成り果てた「ミーリエル」がボスとしてある人物を守ろうと立ちはだかる。

最深

蓮の根のような穢れの根が鬱蒼と生い茂る、ただただ赤く黒くグロテスク極まりない穢れの根元。
上部の禁じられた領域の時点でそうなのだが、ここも古の民の遺跡であり人工建造物が穢れに埋もれて見える。
ここまで辿り着いたのなら、もはやその深淵に誰が待っているかは言うまでもないだろう。


項目の追記・修正は穢れで触手が生えてきてからお願いします。


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最終更新:2022年05月18日 18:17

*1 二段ジャンプや空中ダッシュが可能になったり、潜水能力を獲得するなど。

*2 アイテムやスキルの拾得状況どころか、ドア開閉スイッチを押したなどのフラグすらもリセットされない。

*3 飛び道具系は弾数はあるがかなり多めになっている。

*4 敵の最大体力に応じた割合ダメージとなるため、低レベルで攻略する際は重要なテクニックとなる。

*5 国民全てが穢者と化してしまったので絶対数が圧倒的に多いのが原因だろう。

*6 城下の娘。彼女は外観こそ犬と同化してしまったが戦闘になっても攻撃はしてこず、リリィをはっきりと認識している。

*7 首なし騎士の盾やユリウスの甲冑などがわかりやすい。。

*8 実は硬直キャンセル類のテクニックを駆使すればイレイェンを入手した段階から行くことだけは可能。攻略に関してはお察しください。