メトロイドシリーズ

登録日:2021/09/02 Thu 03:16:29
更新日:2025/06/04 Wed 09:27:18
所要時間:約 18 分で読めます






メトロイド オモロイド



メトロイドシリーズとは、任天堂より1986年発売のアクションゲーム『メトロイド』から始まる関連作品の総称。
ゲームジャンルのひとつ「メトロイドヴァニア」の語源および始祖となった作品群でもある。


概要

パワードスーツに身を包んだフリーの賞金稼ぎ(バウンティーハンター)サムス・アラン」を操作し、巨大迷宮(ダンジョン)を探索しつつ凶暴な浮遊生命体「メトロイド」およびそれを悪用する犯罪組織「スペースパイレーツ」を撃退する、という内容の探索型SFアクションゲーム。

基本的にファミリー向けを謳い明るくコメディタッチな作品を多く手掛ける任天堂には珍しく、描写からBGMに至るまで徹底して殺伐とした雰囲気を貫く異色のシリーズ。
ストーリーはそれとなく示唆されるものの、解説自体は(一部例外を除き)どの作品でも冒頭とエンディングを除けばまったく行われない、チュートリアルが終わると唐突に迷宮に放り出される、味方NPCは一切登場しない、攻略ルートの説明もない*1、というような、ある種突き放すようなゲームスタイルが特徴。
そのため、プレイヤーは己の洞察力と集めた武装のみを頼りに道を切り開いていく事になる。

難易度も相応に高いが、迷宮内にはしっかりとヒントが散りばめられている上、ダンジョン各所に隠されたパワーアップアイテムを発見・獲得することでサムスの武装が強化されていく*2ため、後述するミサイルタンク・エネルギータンクをしっかり集めていればそこまで苦もなくエンディングに到達できる仕様になっている。新しい装備を手に入れた時に「ん?この装備使えばあのシャッターを開けられるんじゃ…?」的に、ルート上の行き詰まり箇所を思い出せるかが攻略のカギ。
そんなアイテムを集めて強化していく性質上、装備に乏しい序盤よりも装備が充実した後半の方がゲーム難易度が低くなりがちである。

任天堂のタイトルの中でもゼルダの伝説シリーズに次いでパズル要素が強めで、アクションゲームと謎解き双方のゲーム性を併せ持つ。
第一作発売当時は「横スクロールのゼルダ」とも言われた。
攻略に不可欠なルートのギミックはゆるく設定されている一方、クリアに必須でない隠しエネルギータンク等はマップ上に表示されない隠し部屋に巧妙に隠してあったり*3、高等テク*4を使わなければたどり着けないような場所に置いてあったりする。
シリーズに慣れた熟練のメトロイダーともなれば、初挑戦の作品であっても地形を見るだけでアイテムが隠されている場所を見抜けるようになる。
そうした観察眼を養うのも、メトロイドシリーズをやり込む醍醐味のひとつだろう。
実際にYoutubeでは、メトロイダーである実況者*5が地形から隠しアイテムの存在を看破する様子が収められたプレイ動画も存在する。

ゼルダとの大きな違いはNPCの数とテキスト説明の割合。
ワイワイガヤガヤ冒険が進みサイドストーリーの主張も激しいゼルダに対し、メトロイドシリーズはそういったものを極力廃しているため、純粋に迷宮探検と世界観に没入しやすくなっている。
ストーリーも、説明のためにNPCに喋らせる傾向の強いゼルダとは逆にメトロイドシリーズでは言語をほぼ使わず、背景や敵キャラ、地形の変化などで非言語的に示すスタイルのため、「そこで何が起こったのか?」を注意深く観察するほど楽しめる。

3作目である『スーパーメトロイド』で一度シリーズ完結となっていたのだが、大乱闘スマッシュブラザーズにサムスが参戦したことがきっかけで知名度と人気が高まりシリーズ再始動。
基本的に任天堂ハードで1〜2本はシリーズ作品が発売している。(Nintendo64とゲームボーイカラーでは発売されていなかったが、そもそも初代スマブラの発売が1999年、次世代機のゲームキューブとゲームボーイアドバイスの発売が2001年という時期的な問題)

制作スピードが遅めなこともあって日本ではなんか昔からスマブラにいるやつみたいなややマイナー気味……だが、重厚で不気味なSFの世界観、味わい深いゲーム性、そして硬派ながらも自由度の高いアクション&迷路から、海外では凄まじい支持を集めている。*6
あまりに新作が出ないことに業を煮やした海外の有志達が、10年かけて本家GBA版と変わらないクオリティの『メトロイドII』のPC向けリメイクを勝手に制作・公開したことがあるといえばその愛されようが伝わるだろう。
なお、著作権的にはしっかりアウトだったため、『サムスリターンズ』発売直前に任天堂の申し立てにより当ゲーム「AM2R」は現在は公開停止されている。制作していた有志はその後「Hollow Knight」の制作に携わったとかなんとか。


メトロイドプライムシリーズ

メトロイドシリーズに連なる作品は大きく分けて2種類あり、
サイドビューアクションの「メトロイドシリーズ」だけでなく、FPSと同じく一人称視点アクション*7=サムス自身の視点になりきって遊ぶ「メトロイドプライムシリーズ」が存在する。
操作感はGC版とWii版それぞれでもだいぶ異なるが、ダークな雰囲気や謎解き要素はどちらも共通。ただし、Wii版からはGC版よりも難易度が落とされた低難易度モードが追加されている。(Wii版では「ノーマル」「ベテラン」、Switch版では「カジュアル」「ノーマル」)
Wii版はターゲッティングをWiiリモコン、Switch版ではJoy-Conを傾けて行うので視点のみならず動きまでサムスと一体となったかのような臨場感が楽しめる。

プライムシリーズでは、シナリオやキャラ造形が「メトロイドシリーズ」に比べてリアル寄りになっており、敵キャラがマスコットに見えなくもなかった2D作品に比べてもより直接的に大人向けの面は否めない。
その代わり「スキャンバイザー」の導入により、フィールドに点在する遺跡やオブジェクトの情報、さらにはスペースパイレーツ研究員の日報などを「スキャン」することで「飼育係の日誌」的に読むことができるようになり、メトロイド世界へより没頭できる。

こちらでは海外のスタジオだけでなく、任天堂からは主にゼルダに関わっていた部門も参加しているためシーケンスブレイクが基本バグ頼りなどゲームの構造が少々違うが、
メトロイド特有の物語の流れを明示的にはあまり語らないスタイルは健在なので、断片的な情報から想像を膨らませる、という楽しみ方も可能である。
なお、プライムシリーズではこの「スキャン」もやり込み要素に含めている節があるのか、エンディング演出の条件は「アイテム取得率」だけで時間を気にする必要がなくなっている。
また、Wii版のプライムシリーズではフィールドに転がる情報オブジェクトや敵キャラを「スキャン」してデータベースを埋めていく・各ボスを倒す・その他特殊な条件などで、おまけ特典と交換できるメダルトークンがもらえるシステムが存在した。


ゲームシステム

「メトロイドシリーズ」も「メトロイドプライムシリーズ」も両方とも雰囲気・システムは同じ。
基本は「撃つ」と「よける」、そして「探す」である。
基本的にサムスは上下左右どこからでも「敵に触れると即多少のダメージ」であり、敵キャラは持ち前の飛び道具を使って遠距離から排除、
あるいはスキを見つけてとっておきの一発を撃ち込むヒット・アンド・アウェイ戦法を仕掛けるのがセオリー。
『リターンズ』、『ドレッド』においては敵の攻撃に合わせてタイミングよくメレーカウンターを決めるのも重要である。
雑魚敵相手でもエネルギーやミサイルといった補給が増加し、ボス戦であれば暫く一方的に攻撃できるグラブシークエンスに移行できる。

また、何かがありそうなところを歩き回ったり適当にボムで撃つか「スキャン」して、仕掛けや隠しアイテムのヒントを探し出すのが迷路攻略の最大の鍵である。


特に初代・『ゼロミッション』は説明ほとんどなしにダンジョンに放り出されてスタートするわけだが、初期状態では割とすぐに通れそうにない場所に突き当たる。
そのため、「障害物を突破するパワーアップアイテムを別の道から探せ」という無言のメッセージを受け取ることになる。ここから、
  1. 探索する
  2. 行き止まりに当たる
  3. 別の方向に進み、さっきの行き止まりを通れるようにしてくれるものを探す
  4. アイテムを見つける or 持っているボスを倒して獲得する
  5. 行き止まりの障害を乗り越え、新しい部屋へ
  6. 1にもどる
の繰り返しでゲームは進む。
この流れになるようマップ全体がデザインされているため、ゲームに不慣れでもそこまで手間取ることはない。
メインシナリオ上のルートであれば仕掛けも最低限のアイテムも比較的容易に見つけられるようになっており、悩んだらそこらじゅうを撃ってみたりボムをばら撒いてみたりすると自然に道が見つかる。プレイするにあたっては攻略サイト等はなるべく見ず、頭を悩ませながら頑張ってアイテムを探すのが楽しむコツ。



ちなみに、多くの作品で
  • 「ゲームをクリアした際、クリアタイム/アイテム収集率次第でエンディングのサムスがパワードスーツを脱いで正体を明かす
  • 「ゲーム内のどこかで、時間内での脱出(安全地帯への移動)を求められるシチュエーションがある」
という要素が採用されているのもシリーズの特徴。

またラストシーンの前後において
  • 「第三者による援護・救援が入り窮地を脱する」
  • 「ラストシーンでのみ活躍する新たな特殊能力を得る」
  • 「戦いの舞台となった惑星や施設が(結果的に)爆破され消滅する」
といった展開もお約束となりつつあるので、それを頭に入れておくとより楽しめるかもしれない。



シーケンスブレイク


「謎解きアクション」である本作、マップこそ迷路のようにはなっているものの、取得できるアイテムの関係から、ゲームの進行ルート(アイテムの取得順)は基本的に固定されている。
が、メトロイドをやりなれた上級者であれば、隠しテクニックや仕様の抜け穴、果てはバグの活用などで通常の攻略順とは異なる順番でアイテムを集めていくシーケンスブレイクを行えることがある。
ボス相手に通常なら持ち込めない武装で挑んだり、あるいはボスと戦わずに素通りしたり、演出をバグらせたり、任天堂が意図して仕込んだシーケンスブレイク的なおまけルートの演出*10が見られるなどの面白い体験味わいたさに挑戦するメトロイダーも存在する。
シーケンスブレイクは2D作品で行える反面「プライム」系列の作品では封じられていることが多い。が、研究に余念がない生粋のメトロイダーはそれを突破したバグ技でシーケンスブレイクを遂行してのける。


初めてプレイするなら?

難易度、入手性、シリーズでの立ち位置から、『Nintendo Switch Online+追加パック』のサブスクリプション配信に含まれている『メトロイド ゼロミッション』がおすすめ。

次点では、『Nintendo Switch Online』基本のサブスクリプションに含まれているため入手しやすい『スーパーメトロイド』と、丁寧な道案内がある『メトロイド フュージョン』もおすすめの対象に挙がることも増えてきている。

基本的に全編セリフ無しである作品がほとんどで、それぞれで物語は完結しているため、無理に順番にプレイしていく必要はない。
ただし、ムービー重視の『メトロイド Other M』とADV風味の『メトロイド フュージョン』は例外であり、会話や独白が多数挿入される。
この2作に限っては、あらかじめ『スーパーメトロイド』をプレイしてからの方が物語として楽しめるだろう。

サムスの活躍を順に追いたい、あるいはアクションゲームに慣れていない、謎解きが苦手、というシリーズ入門者・ゲーム初心者は『メトロイド ゼロミッション』からプレイするとよい。
サムスの人となりを知りたいなら『メトロイド Other M』、
3D視点のアクションに興味があるなら比較的難易度の低い『メトロイドプライム』から。

『スーパーメトロイド』までの作品は手探りでの迷宮探索が要求されるため、時間的にも腰を据えて挑むことになる。

フュージョン』『メトロイドプライム3 コラプション』は直接次の目的地と作戦の指示があるため『ゼロミッション』に輪をかけて迷いにくいが、その分戦闘の難しさに多少の比重をおいている。
また『ゼロミッション』『スーパー』は必ずしも順路を守る必要がなく、シリーズの醍醐味であるシーケンスブレイクも存分に楽しめるが『フュージョン』『プライムシリーズ』はそういった自由度が乏しい、…と、作品によって大小特徴があるため、好みに合わせて選んでもよい。
ただし、フュージョンは強化パーツが多いのもあって特定のEDや縛りプレイを求めなければ中盤以降はグッと楽になる。最高難易度の隠しEDを狙うと地獄の如き死にゲーへと豹変するのだが。

最新作『メトロイド ドレッド』についてはフュージョンのような直接的な指示こそ少ないが、壊せる地形や特定の能力で通れる箇所などを上手く配置して巧妙に誘導することで、自然と迷いにくい作りになっている他、オープニングなどで世界観の説明もあるため、シリーズ初見の人はここから始めてもよいだろう。
ただ『サムスリターンズ』『ドレッド』は過去作と比べて群を抜いて戦闘の難度が高い(その分理不尽ではなく、コンティニューの巻き戻しもかなり少ないが、初心者救済作はその程度で「何度も死にながら戦い方を身体に覚えさせろ」というバランスの)ため、まずは他の過去作でシリーズの基礎に慣れておくのを推奨。
難易度的に2D作品を並べるなら『サムスリターンズ』>『ドレッド』>『Other M』>『フュージョン』>『スーパー』>『ゼロミッション』…あたりか。
『Other M』『サムスリターンズ』『ドレッド』はある程度の死にゲー耐性が要求される。


現在唯一生産中の任天堂ハードであるNintendo Switchで遊べるメトロイドは『ドレッド』と『プライム リマスター』、オンライン会員特典の『メトロイド(FC)』『スーパー』『Ⅱ RETURN OF SAMUS』、追加プレイ特典の『ゼロミッション』『フュージョン』である。
現状、『OtherM』、『リターンズ』の移植はなく、『プライム』も1作目しか移植されていないのが痛いところであるが、さしあたっては『スーパー』『フュージョン』『ゼロミッション』が揃うOnline+追加パックが最もお手頃と言えようか。


世界観

「コスモ歴」という暦が制定され、星間航行が現実のものとなった遠未来。
基本的に政府機関「銀河連邦」のもとで統治されており、サムスは主にこの銀河連邦からの依頼を受けてミッションに挑むことになる。

しかし連邦でもこの広い宇宙を完全には統治しきれていない。それを補う目的から、バウンティーハンター(賞金稼ぎ)の力も借りるようになっていった。
その中でも、銀河連邦の命運を左右するほどのハンターとしてサムスがミッションに挑むのが本シリーズ共通のあらすじ。


主要な登場キャラクター


シリーズ主人公。
昔はよく勘違いされたが、この人がゲームタイトルである「メトロイド」ではない。*11

メタリックなパワードスーツに身を包む、伝説的な賞金稼ぎ(バウンティ・ハンター)
『フェデレーションフォース』を除いた全シリーズを通してのプレイアブルキャラクターでもある。
職業は銀河連邦軍の兵士→フリーランスの賞金稼ぎ*12
その戦闘力は「宇宙最強の戦士」の肩書に偽りなし。
(ゲームのお約束と言えばそれまでだが)一人で敵陣に突っ込まされたり、毎度のように事故でパワーアップアイテムを失ってしまう苦労人だが、その状態から毎回敵組織を完膚なきまでに叩きのめし、施設やときには惑星を爆破して帰ってくる歩くチート。旧来の知り合いを除き、作中人物からもゴルゴ13のごとき扱いを受けている。

大乱闘スマッシュブラザーズX』発売以降はもはや公然の秘密となったが、スーツの中身は金髪ポニテ&スタイル抜群の地球人女性。
スーツを着ない状態でも「お前のような地球人がいるか」と言いたくなるような身体能力を持っているが、これは地球人にとっては厳しい環境である惑星ゼーベスで生活するために後天的に鳥人族の遺伝子が組み込まれているのと、その鳥人族から徹底的な戦闘訓練を施されているため。
あまりに喋らないので無口キャラ扱いされていたが、ゲーム上の都合で単に描写されていなかっただけで、実は普通に喋るし結構熱い性格。それどころか、理不尽な命令を出した上司にキレて掴みかかったり猛抗議したりするシーンが度々描写されていることから、実際のところはかなりの激情家である。
また、「女子供(=弱者)扱いされるのが嫌」という理由で男勝りな口調を使うが、その口調によらずひそかに母性が強い。

ちなみに、サムスが女性と設定された切っ掛けは「ゲームクリアしてサムスが女性だと分かったら(そのギャップに)プレイヤーは驚くよね」という開発陣の意図。


本シリーズのタイトルにもなっている人工生命体。言わずもがな本シリーズほぼ全作品においてのキーキャラクターでもある。その名は後述する鳥人族の言葉で「最強の戦士」を意味し、その名前に恥じぬ脅威として描写される。
ゲーム中では終盤の特殊な雑魚敵として登場し、彼らを倒す事で先に進めるようになる等の仕掛けが設けられている。

クラゲに牙をつけたような奇妙な見た目に反して大変凶暴で、嚙みついた生物の生命エネルギー(血ではない)を吸いつくして殺してしまう恐ろしい生態を持つ*13
また、生命エネルギーに限らずあらゆるエネルギーを吸収してしまうためほとんど全ての攻撃が効かず、
唯一負のエネルギー(=冷気)でのみ一時的に無力化でき、凍らせてから強力な爆発を浴びせることでようやく撃破できる。*14
そのため、その出鱈目な強さに目をつけたスペースパイレーツからは兵器転用目的でたびたび狙われる立場にある。
このうちの一体、通称「ベビーメトロイド」はサムスが誕生に立ち会ったことで、彼女共々数奇な運命を辿ることになる。


サムスが幼少期を過ごした惑星ゼーベス等に住んでいた、カラス天狗のような姿をした種族。別名「チョウゾ」。
高度な文明と未来予知能力を持っており、かつてはその技術力で宇宙全体を牽引した存在だったらしい。
また、幼くして両親を殺されたサムスを引き取り育てたサムスの養親となった人々でもあり、サムスのパワードスーツやアイテムを開発した技術者たちでもある。
種族としては少子高齢化によって衰退し続けており、サムスを引き取った時点で絶滅の危機に瀕していた。その後、マザーブレインの反乱をキッカケに宇宙から完全に姿を消して以降、宇宙では絶滅したものとして扱われている。

上述の通りすでに絶滅した種族であり、ゲーム中には登場しない。
だが未来を見通す能力によって(未来の)サムスの動向を把握しており、彼女の行く先々にパワーアップアイテムを封じた遺跡や予言書を残しておく形でサポートしてくれる。
『ドレッド』には生き残りと思しき姿が見受けられるが…?

  • 鳥人像
上述の鳥人族が作った石像。メトロイドやリドリー同様、ほとんどの作品に登場しており、体育座りをしてアイテムを掲げるように持っている姿はある意味本シリーズのトレードマーク。
ステージの各地でパワーアップアイテムを保管しており、彼らを発見する=新しい装備の獲得、の合図。
またアイテムを守護する防衛システムの役割も兼ねており、こう見えて実は生きている。

ほとんどは単なる像でしかないが、サムスを侵入者と勘違いして襲いかかってくる故障品やモーフボール状態で乗っかることで起動し秘密の場所に連れて行ってくれる個体もいる。


全銀河系の支配を企む宇宙規模の海賊。
特定の種族を指しているではなく、銀河連邦政府と反抗・対立している多種多様なエイリアンたちが種族の隔たりを超えて結成された組織であるため、容姿はシリーズごとに異なる。
基本的に雑魚敵として登場する厄介な奴ら……
のはずだったのだが、『プライム』シリーズではブラック労働環境に振り回される哀れな社畜としての扱いが定着してしまう。
サムスからは「指揮するボスがいなければ野生動物と変わりない連中(意訳)」とけちょんけちょんに貶されている。


反連邦機密武装犯罪組織「スペースパイレーツ」の最高司令官。
サムスの両親を死に追いやった親の仇であり、長年の宿敵。

物凄くやせ細ったドラゴン、あるいはガーゴイル像っぽい見た目をしているが、その怪獣めいた見かけに反して知能は高く、一部作品では喋ることもある。
もちろん戦闘力も相当に高く、ゲーム中ではたいていラスボスの前座として登場する*15
何度もサムスに殺されているが、そのたびにスペースパイレーツがバイオ技術だの何だのを駆使して再生させていることから相当優秀とされている模様。
知名度が非常に高く、ほぼすべてのシリーズに出演する。派生型も大量にいる。


  • 銀河連邦/銀河連邦軍
銀河を統治する政府組織とそれに属する軍隊。初代以前の時系列ではサムスもここに所属していた時期がある。
先述の通り基本的にサムスの味方サイドであり、時には武装やスターシップの提供などでサポートしてくれることもある。
『フェデレーションフォース』では連邦軍の特殊部隊が主人公デビューを果たした。
しかしながら、宇宙の秩序がサムスありきで守られている現状については苦々しく感じている様子。
ゆえに自前の私兵だったり軍事兵器だったりを獲得できそうなチャンスがあると飛びつく悪癖があり、こっそり危険生物を繁殖したら裏切られて大惨事を起こしたり、明らかに勝てない危険生物を捕まえに行こうとしたせいでサムスが大慌てで火消しに走らざるを得なくなったりといった形でサムスの足を引っ張ることもある。
内部事情は決して一枚岩では無いようだ。

またメトロイドプライム2を原作とした漫画『メトロイドプライム EPISODE OF AETHER』ではゲーム序盤で全滅したブラボー中隊の隊員の生き残りとなった5人がサムスの救援が間に合ったことで、彼らの視点を中心にサムスと共に惑星エーテルにおけるイングとの戦いを描く作品となっている。


  • エテコーン
惑星ゼーベスの原住生物で、2Dシリーズにたびたび登場するチョイ役。
初登場は「スーパー」。
青い猿のような見た目をした宇宙生物で、3匹トリオで登場する。
シリーズには珍しいいわゆる「お助けキャラ」であり、隠し能力である「キッククライム」を伝授してくれる。

  • ダチョラ
惑星ゼーベスの原住生物で、2Dシリーズにたびたび登場するチョイ役。
初登場は「スーパー」。
ダチョウのような見た目をしており、親子連れ。
こちらは隠し能力である「シャインスパーク」を伝授してくれる。

  • アダム・マルコビッチ
サムスが銀河連邦に所属していた頃の上官。
卓越した手腕を持つ名指揮官で、その能力は銀河連邦でも高く評価されていた。
人物像としては「寡黙でいつもしかめっ面のとっつきにくそうな人」といった感じの男だが、
サムスを加えたブリーフィングは必ず(レディー呼ばわりするとサムスが腹を立てるのを分かっていながら)「異論はないな、レディー?」で締めくくったり、通信越しに漏れてきた自分への悪口をそっくりそのまま名乗り返す等、ユーモアのセンスも持ち合わせる。
サムスの凄惨な半生を知る良き理解者でもあり、かつて直属の部下だった彼女からは父親のように慕われ、回想でも頻繁に登場するほど強い影響を与えた人物。
だが、ある事件を理由に一時袂を分かつことになり…

登場作品は「メトロイド(マガジンZKC)」「メトロイド Other M」。「メトロイド フュージョン」「メトロイドドレッド」にも名前だけ登場している。


  • マザーブレイン
「メトロイド/ゼロミッション」と「スーパーメトロイド」の黒幕。
むき出しの脳みそに直接目玉をつけたような凄い見た目をした人工知能。「マザー」という名の通り女性的な人格を持ち、漫画版での一人称は「私」。
元々は鳥人族が自分達の文明の管理目的で作った有機コンピューターであり、サムスとは同郷に当たる。性能がスーパーすぎて感情を獲得、しかもその感情をサムスへの嫉妬に向けてしまった結果、パイレーツに寝返る。
その見た目に違わず本来マザー当人に戦闘力はなく、その場から動けないため、ダンジョン最奥部で取り巻きに自身を守らせている。
マザー自身は「スーパー」で完全撃破されたのだが、それ以外の作品にも類似した構造の人工知能*16が登場している。


パワードスーツを着たサムスそっくりな見た目をした謎の生命体。見た目のみならず武装もサムスと同等の機能・威力を持つ。
その正体は『メトロイドプライム』初代から登場していた、プライムシリーズ通しての黒幕。
全身が危険な放射性物質「フェイゾン」で構成されており、全宇宙をフェイゾンまみれにせんと暗躍する。
制御不能な怪生物が敵役となりやすい本シリーズでは比較的希少な「明確な悪意に基づいて策を張り巡らせる悪役」でもある。


惑星SR388原産の寄生生物。
見た目は浮遊するアメーバとでも言うべきもので一見危険そうには見えないが、その実態はあらゆる生物に寄生し、その能力や知識を吸収し尽くして殺害、殺した後はその生物になりすますというシリーズ随一の凶悪な存在。
このXの危険性をいち早く認識した鳥人族によって生み出されたX根絶兵器がメトロイドなのだが、その事情を知らないサムス(&銀河連邦)がメトロイドを狩り尽くしてしまったことが、「フュージョン」以降の事件に繋がってしまう……。

  • サイラックス
隠密行動・追跡術のエキスパートで射撃の名手とされるバウンティーハンターで、「デラノ7」というスターシップを所有している。
銀河連邦とそれを助けるサムスを激しく憎んでいるとされている。
「メトロイドプライム ハンターズ」で初登場し、サムスと戦っている。
「メトロイドプライム3 コラプション」では事件解決後にサムスを尾行する姿が映し出され、「メトロイドプライム フェデレーションフォース」でもメトロイドを強制的に孵化させていたところが映し出されていた。
そして、「メトロイドプライム4」にてサムスの新たな敵として立ちはだかるのであった。


シリーズ一覧


メトロイドシリーズ


メトロイドプライムシリーズ


メディアミックス

  • メトロイド サムス&ジョイ (全3巻 | コミックボンボン連載 2002年 - 2004年)
    • メトロイド EX サムス&ジョイ (全13話 | コミックボンボン連載 2004年 - 2005年) ※単行本未発売
  • メトロイド(マガジンZKC) (全2巻 | マガジンZ連載 2003年 - 2004年)
  • メトロイドプライム EPISODE OF AETHER (全7話 | コミックボンボン連載 2005年 - 2006年) ※単行本未発売


時系列順

  1. メトロイド(マガジンZKC)
  2. メトロイド / メトロイド ゼロミッション (コスモ歴20X5年)
  3. メトロイドプライム/メトロイドプライム ピンボール*17
  4. メトロイドプライム ハンターズ
  5. メトロイドプライム2 ダークエコーズ / メトロイドプライム EPISODE OF AETHER
  6. メトロイドプライム3 コラプション
  7. メトロイドプライム フェデレーションフォース (コスモ歴20X6年)
  8. メトロイドⅡ RETURN OF SAMUS / メトロイド サムスリターンズ
  9. スーパーメトロイド
  10. メトロイド Other M
  11. メトロイド フュージョン
  12. メトロイド ドレッド

【時系列不明】
  • メトロイドプライム4 ビヨンド*18
  • メトロイド サムス&ジョイ / メトロイド EX サムス&ジョイ - 『スーパー』と『フュージョン』の間を意識して描いたと作者は語っている。


余談


「メトロイドヴァニア」

本作は、「探索→新規装備を取得→探索範囲が広がる」というサイドスクロール探索アクションをゲームジャンルとして確立させたパイオニアである。
同時期に発売されたもう一つの名タイトル「悪魔城ドラキュラシリーズ」*19の一部派生作と合わせ、この手のスタイルを採るゲームはメトロイドヴァニアと呼ばれるようになった。

ただメトロイドという名前がモロに出てしまうためかPS陣営では使うことが出来ないらしく、
PS4版のBloodstained: Ritual of the Nightでは、過去に探索型キャッスルヴァニアを手掛け一躍有名になったプロデューサー・五十嵐孝司氏から取って「イガヴァニア」としている。
メトロイドにない経験値とかのRPG要素もりもりだしね!
キックスターター告知サイトやジャンル名に使われるなどしていたため五十嵐Pも認知はしているが、「流石に自分の名前が付くのは恥ずかしい」とコメントしている。
一方で任天堂陣営であるSwitch版では使用OKが出たらしく、パッケージにバッチリ「メトロイドヴァニア」の単語が載っている。
ゲームショップで見かけたら両方の裏面パッケージを比較してみよう。



サムス「アニヲタの巣くつであったこの項目はまた…
 私とツイキシュウセイが、出会った場所でもある。」

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最終更新:2025年06月04日 09:27

*1 近年の作品では長い間迷っていたりすると目標部屋が表示されたり、進行ルートに向けて何らかの形でヒントや誘導を散りばめるといった手法が取られている

*2 マリオのパワーアップキノコ等と違い、一度取ったら基本的にゲームエンドまでその状態が持続する

*3 隠し通路の裏に隠し通路など

*4 スピードブースターから派生する「シャインスパーク」が筆頭

*5 有名どころだと、にじさんじのVtuber「社築」など

*6 単純な売り上げ比で見ても、国外での売上高が国内の10倍以上ある

*7 公称はFirst Person Adventure

*8 基本的には100%目指して集めればいいが、作品によっては逆に可能な限り取ってはならない「1%クリア」「15%クリア」とかもあり、一番難しいのがこの最低%クリアとされる。

*9 『Other M』のハードモードは被ダメージ2倍程度ぐらいな他作品と仕様が大きく違い、「各タンクなし」「被ダメ1.4倍&食いしばりなし」「クリア特典なし」という狂気の沙汰。

*10 「フュージョン」のナイトメア戦後~帰還ルート、「ドレッド」でボム先行入手ルートを経由したクレイド戦など

*11 ・・・のだが、「フュージョン」を経て「ドレッド」で事情が変わりあながち間違いとも言えなくなってしまった。

*12 そのため、実はF-ZEROシリーズのキャプテン・ファルコンは同業者で、スターフォックスも似た立場。といっても両者とメトロイドシリーズが世界観を共有している訳ではないが。

*13 「プライム」では、メトロイドに殺された犠牲者の遺体から血も体液も一切減っていないのに生命エネルギーだけが失われていることを不思議がるレポートがある

*14 単純に寒さに無茶苦茶弱いらしく、実は地球上の雪国や冷凍庫のような、氷点下を下回る程度の環境に放置するだけで活動停止する

*15 装備が充実するほど難易度が低くなっていく傾向が強い本シリーズにおいて、リドリーはたいていその上でなお苦戦するストロングスタイルの難敵として調整されることがほとんど。

*16 「メトロイドフュージョン」のボクス、「メトロイド Other M」のMB、「メトロイドプライム3 コラプション」のオーロラユニット、「ドレッド」のセントラルユニットなど

*17 プライム1をモチーフとしたピンボールゲーム

*18 未発売につき時系列不明なため一時的にここに置く

*19 英語名がキャッスルヴァニアで、GBAの一部シリーズも英語版と合わせる形でこの名前になっていた。