登録日:2022/02/12 (土) 08:35:55
更新日:2025/04/05 Sat 13:47:44
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『
スターフォース』は1984年に稼働開始されたテーカン(後にテクモを経て
コーエーテクモゲームス)のアーケードゲーム。
ジャンルは縦スクロールシューティングゲーム。前年の『ゼビウス』のフォロアではありつつも更なる境地を開いた傑作である。
翌85年にはSG-1000・
ファミコン・
MSXへと移植され、その後も各種プラットフォームへ移植されている。
本項では(とりあえず)オリジナルであるアーケード版および、著名な移植版である
ファミコン版(
ハドソン)を中心に記述する。
以下、一緒くたに書いてはいるのだが、AC版とFC版はわりと別物であることだけは書き添えておく。
STAR FORCE
これは、ある戦士の物語。
この物語を完成させるのは君だ!
バーイ、ハドソン♪
暗黒の宇宙を、殺戮と略奪を繰り返しながら進む、浮遊大陸ゴーデス。
キミの使命は、"ファイナルスター"に乗り込み、ゴーデスを破壊することにある。
自機
1レバー+1ボタン、8方向移動と対地対空兼用のショットを有する『
ファイナルスター』が自機。
敵輸送機から『
パーサー』を解放し合体するとパワーアップ、軽快なBGMと共に縦移動と弾が加速しオート連射できるようになる。当たり判定と耐久力は不変。
いわゆる戻り復活で、撃墜されると多少戻ったところからの再スタートになる。
その場復活の代名詞『
沙羅曼蛇』(1986年)より前の時代なので、時代的には至極普通な仕様。
敵
ゼビウスとの最大の差異は『耐久値を持つ敵がいる』点。精密な狙い撃ちから、連射による破壊へとゲーム性が変化している。
エリア/エリアターゲット
本作でのステージは『エリア』と呼称される。エリアはギリシア文字順に名づけられ、終端には同名の『エリアターゲット』というボス的な敵キャラが配置されている。
敵撃破で内部カウントが進み、一定値を超えた際にエリア終端に至る形式。また、ターゲット出現後の動きはスコアの100の位が奇数か偶数かに左右される。
ファミコン版では動きが右左で反転しているほか、ターゲットに描かれたギリシア文字を英語表記した頭文字に置き換えたものになっている。そのためいくつかのステージで文字が重複する。
空中物
多数の敵が多彩な編隊を組んで現れ、それを連射で撃ち落としていく構成。
警報音のようなBG]と共に出現する敵(中ボス)。
コアと四つのパーツが合体する構造をしており、コアが発光してから合体するまでに破壊するとボーナス五万点。
破壊に必要なのは八発だが、発光する前に撃った分は耐久力を増やしてしまう。
後継作にも同様(だが仕掛けや名前の異なる)の敵が登場する定番キャラである。
ラリオスの直後に現れる、蛇行する楕円形の輸送機。パーサーを捕えており、撃破すると解放できる。
地上物
当たり判定はなく攻撃もしてこないため、弾に対してのみ障害物として機能する。
[B]〔b〕。全て破壊してエリアターゲットを破壊すると、それぞれ1万点のボーナス。撃ち漏らしで減点。
2列互い違いに八つ並んだ[?]。四発撃つと怒り顔(プン)か笑顔(ケラ)に変化する。ケラを引くと1UP。
ケラ・プン共に破壊不能なので空中物によっては危険。
ファミコン版では7つに減った他、スコアによる法則性があり、巧くすると複数出すことも可能。全部外れの場合もある。
ジムダは4発撃つと破壊できる
[⇔]。
それが2列縦隊になるとジムダ・ステギ。片方の列を15体連続で破壊できると8万点。
ファミコン版は10体で八万点。もちろん
秘孔なんてない。
[H]
名の通りの隠し(Hidden)キャラ。特定の箇所に埋まっており、ショットを当てると徐々に生えてくる。その後破壊すると2千点。
ゼビウスに出てくるソルと同種の存在だが、生えて来る最中は無敵なのでシステム的に危険性が増している。
GOOD FORTUNE AFTER COMING
「ゴーデス大陸最大の謎」。出現に8発、破壊に8発。
破壊に成功するとファンファーレと共に上のメッセージが出現して、100万点のフォーチューンボーナスとなる。
ゲーム中にヒントはあるのだが、ヒエログリフで書き記されている。そうそう読めるわけがない。
ファミコン版ではヒント・地形が簡略化されヒエログリフではなく図示されている分、わかりやすいヒントにはなっている。
しかし説明書の記述が曖昧なせいで「ゴーデス」として知られている始末。「ゴーデスの正体」などと書かれたらアレがゴーデスだと思っても仕方ないし、メッセージも省略されクレオパトラと言われないので認識の改めようがないのであった。
さらには『
ファミコンロッキー』でもゴーデスと言い切られるという、
黄金ピラミッドの影から999万点ボーナスに比較すると地味な追い討ちもある。
その後
続編
- 『スーパースターフォース 時空歴の秘密』(テクモ 1986年、FC)
テーカンあらためテクモ自らが発売した直接の続編。
暗黒星ゴーデスを滅ぼす事には成功したが、いまだ残る謎を解明するために『ネオ・ファイナルスター』は時間移動を繰り返す。
時空歴元年でのゴーデスとの直接対決、さらに完全決着を描いた完結編である。
主人公『ラルフ』が地上に降りてダンジョンを探索する『
ゼルダの伝説』のような場面もあるほか、全体的に
ノーヒント謎解き要素が強い。この時代にはよくあった、クロスジャンルの作品である。
斎藤幹雄(後のメタルユーキ)氏によるBGMは名曲ぞろいで、演出面やボリュームは良いのだが、まともにプレイすると長丁場になるゲームなのにパスワードコンティニューが無いのが致命的。また、終盤の空中戦の難度も辛口。
さらに特定の条件を満たさないとクリアしてもバッドエンドになるのだが、その条件も全くのノーヒント。はっきり言って攻略情報無しで自力で見つけ出す事など不可能な代物である。
その後『ファイナル・スターフォース』(テクモ 1992年、AC)もリリースされたが、いわゆる『
雷電系』のボンバーがある仕様。スターフォース要素の薄さも追い討ち。作品単独で見れば、ほどほどの難度で遊びやすい造りの良い作品ではあるのだが。
一時代を築いた作品が、後発作によって築かれた時代に呑まれた……と言えよう。そして『がんばれギンくん』に基板転用されてしまった。栄枯盛衰。
FC版を担当したハドソンによる精神的続編。
仮題は『スーパースターフォース』だったが、
テクモ側に全く筋を通していなかったことが問題となりスターフォースの名前が使えなくなったため変更されている。
五方向ビームや
バリア、レーザーなど派手な進化を遂げており、さらに『ソルジャー』シリーズとして00年代まで独自展開していく。
キャラバン大会
本作の高い競技性とファミコンブームにTDKが目を付けたか、1985年夏に開催されたのが『スターフォース全国キャラバン大会』。
夏休み期間中に全国50か所以上を2つのキャラバンが巡り、予選2分・決勝5分のスコアアタックを行う大会である。
豪華な賞品や協賛・
コロコロコミックというのも手伝ってか、とんでもない盛況だったらしい。予選(参加枠は各会場につき最低でも500人あった)に出るのも一苦労だったとか。
その盛り上がりを受けて翌年以降ハドソンは『
スターソルジャー』『ヘクター'87』『ガンヘッド』『スーパースターソルジャー』『ファイナルソルジャー』『ソルジャーブレイド』と八作をリリースしキャラバン大会を開催。
これを
真似受け継ぐかのように
ナグザットが『サマーカーニバル』を91~93年に開催するなど、後のe-スポーツの盛り上がりを三十年先取りしたような状況があった。
時は流れて2015年。オリジナルの『スターフォース』がアーケードアーカイブスシリーズとして
PS4に移植された(
Switch版は2018年)。
この移植には通常プレイだけでなく(再現性最重視の割には)追加のモードが実装されている。
五分間のスコアアタック『
キャラバンモード』。どう考えてもくだんのキャラバン大会が元となっている。
アーケード版なのに
以降、任天堂のVS.麻雀にまで搭載されている辺りに濃厚なネタ性もあるがそんだけゲーム史に名を遺した傑作とその偉業であるのだ。たぶん。
末裔と言える『スターガニアン』にも2分のキャラバンモードがあるし、思いつくこと求めるものは皆同じなんだろう
余談
1984年に発売されたテーカンのアーケードゲーム。ビーム砲台を操る
FPS的なシューティングゲーム。
斬新すぎて盛大にコケたため、(オペレータに対する)埋め合わせの基板転用品として生まれたのが『スターフォース』である。
基板改造キットとして販売されたので利ざやはあまりなく、移植版を外部にライセンスしたことでテクモ側の利益はまかなわれたとか。
なお、こちらも2023年1月12日にアーケードアーカイブスで配信されたため、手軽に双方を楽しむことが出来るようになっている。
追記・修正お願いします。
- ジムダ秘孔撃ちとか暗黒地帯の隠しアイテムとか隠し要素が沢山仕込まれてるのも魅力だよな。こういう裏技が無くなってきてからゲームはつまらなくなった -- 名無しさん (2022-02-12 14:10:31)
- このゲームやハイパーオリンピック(前年)あたりからボタン連打の耐久力が重要になり、凶器攻撃も問題になり始めた -- 名無しさん (2022-02-12 16:54:55)
- 対地対空を兼ねているのが画期的だった。その流れは現代まで続く。ファイナルスターフォース好きよ慣れればクリアまで早いし -- 名無しさん (2022-02-12 22:07:10)
- スターパロジャーに続くといえば続く系譜 -- 名無しさん (2022-02-13 01:39:09)
最終更新:2025年04月05日 13:47