エルダー・テイル(ログ・ホライズン)

登録日:2022/02/25 (金曜日) 23:42:22
更新日:2022/06/17 Fri 22:16:41
所要時間:約 50 分で読めます





ELDAR TAIL(エ ル ダ ー ・ テ イ ル)


その自重を支える 魂の翼持つ〈冒険者〉よ、

竜と巨人が、
魔獣と亞人が住まう、
幻想の世界セルデシア。

緑の風が薫る、ここは新しく、また旧い大地。

開かれた白いページのようなこの大地に、
己の生を刻み込め。


エルダー・テイルは、ログ・ホライズンに登場する架空のオンラインゲーム並びに物語の舞台となる世界。


●目次


【概要】

本作の舞台となる、「剣と魔法」の世界を題材としたMMORPG。
運営は米国のアタルヴァ社。

その歴史は長く物語開始時点で既に運営開始から20年経っているロングセラー商品。
リアリティ溢れる設定や奥深い戦闘バランス、膨大な量のエリアやモンスター、アイテム、クエストなど途方もない規模を持つためオンラインゲーム界では不動の人気を誇っており、そのプレイ人口は日本人だけで10万人、全世界で2000万人にも達する世界最大級のオンラインゲームであり、ゲーマーの間でもガチなゲームを求めるならこれと大きな支持を得ている。

なお開始時の劇中現実世界は西暦2018年であるため、つまり1998年頃にサービスインした模様。
我々の現実で言うウルティマオンラインのようなMMO黎明期の作品がトップシェアを維持しているイメージである。

大災害

2018年5月3日午前0時に導入された12番目の拡張パック「ノウアスフィアの開墾」の適用により、エルダー・テイルのプレイヤーがゲームに閉じ込められた事件を指す名称。

日本では月額課金制(1600円/月)のためプレイヤーの大半は成人だが、新拡張パックの適用と5月の連休に合わせて無料チケット配布中だったため未成年の初心者プレイヤーが大勢ログインしており、当時エルダー・テイルに接続していた約3万人のプレイヤーが、このエルダー・テイルによく似た異世界へと転移させられた。

この大災害の時からエルダー・テイルの世界は以下のようなゲーム時代にはなかった変化を遂げている。
  • 「時間の流れが現実世界と同じになる」
  • 「今までは単なるNPCでしかなかった大地人が意思を持ち、生活する(人数もかなり増えた)」
  • 「プレイヤーがゲームキャラクターの設定に引きずられ、現実の肉体とエルダー・テイルの肉体の間で体格差や性別の違いなどの『違和感』が生じる」
  • 「設定を演出するものに過ぎなかったアイテムのフレーバー・テキストが実際に効果を持ち始める」}
など、プレイヤーの想定を超えた方向へと仕様が変わりつつある。
反面大災害以降もゲームの仕様を引きずっている部分も多く、「料理アイテムに味がない」などゲームの仕様を引き継いでいる部分もあり、ちぐはぐである。


【舞台・世界観】

ゲーム内には「ハーフガイア・プロジェクト」による衛星写真とレーザー計測によって得られた現実地球の地形情報を基に作成された距離1/2サイズ(面積にすれば1/4サイズ)の地球をベースとした広大なマップ《セルデシア》が広がっており、運営元のアタルヴァ社との契約を行なった各地域の会社により分散管理されている。
例として日本サーバーを管理している会社はF.O.E(フシミオンラインエンタテインメント)とされ、同社のサーバーがカバーしているのは日本列島を模したエリア「弧状列島ヤマト」

またサーバー同士は連結されているため、日本サーバーを離れて別のサーバーへ移住することも可能(ゲーム内的には別の大陸への旅という形態)。
ただし「大災害」後は転移ゲートが使えなくなっているため、別のサーバーに行く際には基本徒歩で行くしか方法がない
例として西欧サーバーから日本サーバーへ行くには中国サーバーを経由しなければいけないため、リアル大陸横断をすることになる

なおゲーム時代の時間は現実世界の12倍速で進み、現実の2時間でゲームの1日が経過する。
また街内での戦闘行為は禁止されており、違反すると強力な衛兵によって排除される

日本サーバー

日本では列島を模したフィールド「弧状列島ヤマト」が舞台となる。
下記の5つの地域で分割統治され、各地域の地理やネーミングは現実世界の日本に準じている。
シロエらが拠点とするプレイヤー都市「アキバの街」や、某ネズミの国をモチーフにした大地人の都市「マイハマの都」、さらにプレイヤー都市としてシブヤ、ミナミ、ススキノ、ナカスなどの場所が存在し、以下に記載している街以外にも多数の街が存在する。

  • 自由都市同盟イースタル
現実世界の東日本(関東及び青森県を除く東北地方)に相当する範囲を領土とする共同体。
国家元首は存在せず、各地の都市を治める24人の領主たちの会議「自由都市領主会議」による合議制で統治を行なっており、筆頭領主はマイハマの都を治めるセルジアッド公爵。
年に数回開かれる全体会議で大きな問題の解決に当たるが、それ以外は領主が自らの領地を自由に治めるという独立主義を取っている。
神聖皇国ウェストランデとはその出自から、険悪ではないものの緊張感を持った政治的関係にある。

  • 神聖皇国ウェストランデ
現実世界の西日本(中部・近畿・山口県を除く中国地方)を領土とする国家。
歴史的にはかつてヤマトを統治していたウェストランデ皇王朝の血を引く斎宮家および執政公爵家が統治を行なっている。
イースタルに比べると中央集権的で、古代の貴族政治が色濃くその姿を止めている。
現在では斎宮家の率いる神宮派、執政公爵家の率いる元老院派、〈Plant hwyaden〉執行部を中心とした皇剣軍派の微妙なパワーバランスによって運営されているが、それぞれの勢力内では複数の派閥が乱立し、派閥争いが絶えないなど凄まじく泥沼化している

  • エッゾ帝国
現実世界の北海道青森県に相当する地方で、北方の巨人族と絶え間ない戦いにさらされる北の軍事帝国。
かつては強力な機械化兵士団を擁していたが、大半を巨人族に対抗するために辺境へ配置したため街の守りが手薄になり、「大災害」後にススキノが悪質な冒険者制圧される要因となっている。
広大な原野には無数のフィールドと難易度の高いダンジョンが数多くあるため冒険者からの人気は高かったが、大地人の生活の場としてはなかなかに厳しい場所である。

  • フォーランド公爵領
現実世界の四国に相当する地方で、ウェストランデ皇王朝公爵家の一つであるフォーランド公爵が治めていた領地。
かつては自然豊かな土地で多くの人々が暮らしていたが、第一の森羅変転とその後の騒乱のなかで善の種族はほとんど放逐され、300年前にフォーランド公爵家やウェストランデ皇王朝自体も滅んでしまったため、現在は支配者の居ない政治的空白地帯となっている。

  • ナインテイル自治領
現実世界の九州および山口県の一部に相当する地方。
広大で自然豊かなフィールドは北部を中心に古代国家が栄えており、エルダー・テイル中期の名作拡張パック「炎の贈り物」では各種ダンジョンを巡り、オーク族との激しい攻防戦が繰り広げられた地域でもある。
ナインテイル伯爵の血を引く九つの商家により自治をされている地域だが、その統治は神聖皇国ウェストランデの影響が強い。
新しい物事を積極的に取り入れる気風から、「大災害」以降は大地人が積極的に冒険者と契約して護衛や顧問として囲い込むという他地域にはない動きが見られた。
また「大災害」後は暗中模索の日々を送っていたが、「Plant hwyaden」がナカスの街の統一を宣言し、事実上の制圧を受けている。このため冒険者の多くは「Plant hwyaden」に組み込まれミナミに移住することとなった。
しかし九大商家との利害が一致した一部の冒険者は、監視の眼を逃れて付近に潜伏中だと言われている。

海外サーバー

エルダー・テイルのゲーム世界は日本・北米・中南米・中国・韓国・東南アジア・インド・オセアニア・中東・アフリカ・西欧・北欧・ロシアの計13の地区によって分割管理されている。

またアタルヴァ社は各サーバーを運営する各国のゲームデザインパートナーに以下の大きな権限を認めている。
  • ゾーンデザイン、配置
運営会社はガイドラインの範囲内であれば管理地域のゾーンデザインやNPC、クエスト、モンスターを自由に配置できる。
  • メイン職業の再デザイン
各運営会社は12のメイン職業の内1~3種類程度を地域の独自色を出すために再デザインすることが許されている。


【システム】

冒険者関連

  • 冒険者
エルダー・テイルのプレイヤーを指す言葉。大災害後のプレイヤーたちの肉体でもある。
上記の通りプレイヤーはゲームキャラクターの設定に引きずられているため、例え現実世界では事故や病気で自由に動けない身体でもこの世界では自由に活動できる*2
大地人サイドからプレイヤーたちは冒険者と呼ばれ、尊敬や畏怖の入り混じった感情で見られている。
大地人からすれば驚異的な力を持っており、ゲーム中のステータスに比例した超人的な身体能力を有する他、戦闘での基本的な立ち回りや乗馬中は体がある程度自動的に動作を補助してくれるなど、大地人にない特性を持つ。
これに加え死亡したとしても、自動的に最後に立ち寄ったプレイヤー都市にある施設「大神殿」にて蘇生されるため*3、実質的に不死身の存在となっている。
しかし後に蘇生する度に現実世界での記憶の一部が欠落する事実が判明。
死亡する毎にかつてテストサーバーとして運用されていた「Mare Tranquillitatis=静かの海」に飛ばされ、そこで自分の過去の失敗・挫折を象徴するビジョンを客観視させられるため、恐怖以外の理由で死や戦闘を忌避するプレイヤーも増えている。

冒険者は下記のメイン職業・サブ職業を活かして狩りや生産などで報酬を得ているが、個人で活動する者やギルドに所属して集団で行動する者達など様々で、「大災害」以降はそれまでNPCだった大地人に自我や個性が発現したことから大地人に雇われて活動する冒険者も現れるようになる。
またゲーム時代の機能もそのまま使用可能で、「ステータスなどのウィンドウを確認する」「念話で、フレンドリストにあるプレイヤーとボイスチャットをする」などの機能が引き続き使える。
大地人からは上記の「ゲーム内時間は現実の12倍速」仕様のせいでとんでもない長命であると認識されており、約8年のプレイ歴を持つシロエは98年もの時間をエルダー・テイルで過ごしたものとして認識されている。
RPGの常として、レベルが強さの指標となる*4。シロエらベテランプレイヤーのほとんどは「大災害」以前の上限であるLv90に到達している。
「ノウアスフィアの開墾」導入後のレベルキャップは100。

  • 種族
キャラクター作成時に選択可能な設定。プレイヤーが就けるのは「善の種族」と呼ばれる全8種族。
350年ほど前、セルデシア世界では〈アルヴ〉〈ヒューマン〉〈エルフ〉〈ドワーフ〉の4種族が存在していた。
高度な魔法文明をもつアルヴへの憤りからアルヴの国を他3種族が協力して滅ぼし奴隷化、アルヴの血を取り込むことで〈ハーフアルヴ〉が生まれた。
滅びを目前にしたアルヴの生き残りは世界に対し呪いをかけた。結果生まれたのがゴブリンオーク、サファギン等に代表される人類種の敵〈亜人間〉(300年程前)。
そのアルヴの呪いから生まれた亜人間と戦わせるために古代アルヴの秘術により〈猫人族〉〈狼牙族〉〈狐尾族〉〈法儀族〉が人為的に生み出された。善ってなんだっけ…


大地人関連

  • 大地人
エルダー・テイルのNPC。
ゲーム内においてNPCが自分達を呼ぶときに用いていた表現。
ゲーム時代は単なるモブでしかなかったが、大災害を経てからは人間と同じ自我や個性を持つようになった
ゲーム時代と比べてその数を大きく増やしており、ゲーム時代の10倍以上に人口が膨れ上がっている。
冒険者と比べると戦闘力は脆弱であり、鍛え上げた精鋭でさえ60Lvに行くかどうかの戦闘力とされる。
冒険者と違いこの世界の住民のため、死亡しても蘇生することはできない。

当然ながらほぼ不死に近い冒険者と大地人では大地人の方が弱者であり、大地人を単なるNPCとみなすことで罪悪感なしに暴力で支配する冒険者もいる。
また、大地人と冒険者では考え方も文化も異なるため友好結ぶのは難しい。

  • 供贄(くにえ)一族
世界中に点在し大地人貴族や領主、冒険者など如何なる勢力にも属さぬ大地人一族。極めて閉鎖的で、外部の者とは接触を厭う。
古代アルヴの魔法文明を継承し、その技術でもって銀行*5・ギルド会館*6・大神殿*7・トランスポートゲート*8・衛兵*9・都市結界*10の運営管理を行っている。
ゲームのシステム的な部分を一手に引き受けているが何故そんな事をしているのか、あらゆることが謎に包まれた一族。
アキバの街の供贄一族の取りまとめ役は菫星。

  • 古来種
およそ300年前の森羅変転によって猫人族らと共に生まれた特殊な大地人たち。
本来冒険者より弱い設定の大地人の中でも冒険者と同等もしくはそれ以上に活躍をする力を持った英雄的な存在とされる。
現実世界に13あるサーバーに1組ずつ存在しており、13の組織を総合して「全界十三騎士団」を結成し活動していたが、「大災害」以は消息が途絶えている。
活動停止の原因は無数の典災が封じられた扉の封印が解かれ、その殲滅前に襲撃された際に自分たちが「造られた幻」という事実を突き付けられたことで、自己消滅するか夢も見ない眠りの状態になってしまったことが明されている。

  • イズモ騎士団
「全界十三騎士団」の中でも弧状列島ヤマトを守護する者達。ウェストランデ西部のイズモの街にある社を拠点としている。
日本サーバーの古来種はほぼ全員が参加していたが、「大災害」後は他の組織の例に漏れず行方をくらませており、スザクモンの鬼祭りに関わっていたとも云われている。


職業(ジョブ)関連

  • メイン職業
メインとして4系統12種の戦闘職が存在し、「戦士系職業」「武器攻撃系職業」「魔法攻撃系職業」「回復系職業」の4つに分かれている。
12職が独自の特徴を持ち、更に装備や特技の取得状況により様々な戦闘ビルドが成立、キャラクターの個性を生み出している。キャラクター作成後の転職は不可。

  • サブ職業
メイン職業の他に様々な「サブ職業」に就くことも可能。
メイン職業同様一人一職業を習得できるが、メイン職業と異なりプレイ中の転職は可能(ただし現職に上書きされる形のため、前職はサブ職業レベル1となる)
サブ職業は50以上のバリエーションが有り、「生産系」と「ロール系」の二種に大別される。
戦闘や交渉を補助するものからアイテムを生産するもの、果ては一見何の役にも立たないネタ職業などバリエーションは様々。
ソウジロウの〈剣聖〉など、一定の条件を経なければ会得できないサブ職業もある。
サブ職業は以下に記載しているものも含めてそのバリエーションが非常に多く、ベテランであるシロエさえも全貌を把握していない。

  • 口伝
大災害後に発見された技能。大災害後に特技を使用する際は脳内のメニュー画面を通して発動する必要があったが、特技を自身の肉体と脳に刻みこむことでメニューを経由せずに実行、ゲーム時代はシステムに存在しなかった事象を引き起こす技術の総称。
プレイヤー自身が持つ技能を冒険者の特技やシステムと組み合わせて使うシステム外スキルのようなもの。
これによりゲーム時代に存在しなかったアイテムを作り出したり、新たな魔法の開発がおこなわれるようになった。


戦闘関連

  • パーティ
ギルドと異なり一時的に結成されるプレイヤーのチームで、最大6人構成。

  • ヘイト
モンスターのプレイヤーに対する敵意や警戒度を表すパラメーター。
以下の行為で上昇し、ヘイト値の高いプレイヤーにモンスターの攻撃が集中する。
  • モンスターにダメージを与える。
  • 味方を回復させる。
  • 挑発など。
そのため戦闘では複数のプレイヤーで盾、攻撃、回復などの役割分担をすることがセオリーとなっており、壁役になる戦士系職業は自身にヘイトを集める挑発系の特技を多数所持していることが多い。

  • 大規模戦闘(レイド)
エルダー・テイルではパーティの最大人数は6人だが、この6人を越えた大人数のプレイヤーで戦闘を行うコンテンツ。
12人からなるハーフレイド(6人PT×2)、24人からなるフルレイド(6人PT×4)、48人からなるダブルレイド(6人PT×8)、96人からなるレギオンレイド(6人PT×16)等のランクがある。
クリアは困難だが、高位レイドであれば他では入手できない強力な装備やレアアイテムを手に入れることができる、戦闘廃人向けエンドコンテンツ。
大災害後はゲーム時代のように攻略サイトを見たり、情報の共有が困難だったり、自身の体を動かして戦う難しさ等により攻略難易度が跳ね上がった。

ギルド・組織関連

  • ギルド
エルダー・テイルのギルドは主に強くなることを目的とした戦闘系ギルド、アイテム収集や街での商人プレイを主目的とした生産系ギルド、その他サポート系ギルドに大別されており、生産系ギルドは製造・販売・研究など更に細かく別れており、他にも目的もなく仲良し同士が集まっているものまで様々なギルドがある。
「大災害」後は派閥や勢力としての意味合いがより強くなり、数人程度のごく小さなものから、千人越えの構成員を抱える大所帯まで存在し、アキバでは円卓会議設立まで大規模ギルドによる狩り場独占などが続いていた。

ギルドに所属するプレイヤーはゲーム内銀行にギルド専用の共用口座が与えられ、貸金庫でのアイテム共用など便利なサービスも受けられる。
またギルドのメンバー同士は連絡を取りやすいため、一般的にギルドへの所属は便利で得なものである。
そのためプレイヤーの多くはギルドに所属している。

  • 円卓会議
「大災害」直後の混乱と無秩序から文明人らしい秩序を取り戻すため、シロエが発起人となってアキバの街に設立された街の主要な11ギルドからなる冒険者の自治機構。
「円卓」なので議員間に優劣はなく、代表として合議しているため、アキバの街の冒険者に対しても強制命令権等は有していない。
活動内容は多岐にわたり、法律の制定から治安維持、大地人との関係性の向上、クエストの発行、セルデシア世界の情報収集などアキバの街を統治を行っている。
以下主な設置部署
事務局 会議結果の処理を担う部署
自警団 治安維持を担う部署
冒険斡旋所 大地人からの依頼(クエスト)や仕事を求める冒険者たちに適正な報酬で紹介する。
情報取扱所 各地の政情やモンスターの分布など様々な情報を売買できる。

施行されたルールは緩やかで基本的に冒険者達の意志を尊重するものだが、悪質な違反者はギルド会館から締め出され銀行を始めとするインフラ施設を利用できなくなる等、行動を大きく制限されることになる。
また、身内から処罰者を出すことはギルド全体の責任かつ恥になるという風潮もあるため、大手のギルドほどルールを徹底して指導する傾向がある。

当初はアキバの街を健全化していくための仕組みとして組織されたが、やがて傘下ギルド総数約700、参加人員約14000人に上る自由都市同盟イースタルにおける一大勢力として成長していった。

  • 放蕩者の茶会(デボーチェリ・ティーパーティー)
かつてエルダー・テイルにおいて存在した、伝説的なプレイヤー集団。集団行動を取っていたが、ギルドを組んではいない。
数多くの大規模戦闘(レイド)を征し多くの伝説を作り上げた。
リーダーのカナミの海外移住により現在は解散しており、元メンバーは各地に散っている。シロエや直継、ソウジロウも元はこの「茶会」のメンバーで、「大災害」に巻き込まれたメンバーはその後「円卓会議」と「Plant hwyaden」に二分している。

  • 望郷派(オデュッセイア)
勢力を問わず潜在的に存在する派閥。
メンバーは現実世界に強い未練があったり「大災害」の現実を受け入れられない者たちで「現実世界への帰還」を願っている。
ただし全員が帰還方法の模索を行っているわけではなく、大地人に雇われるなどする者、狩りや生産といった活動を行うでもなく無気力に日々を過ごす者などがいる。

  • オデュッセイア騎士団
望郷派の中でも極端な方法論を掲げ、死亡中の過去回想であれば現実の会いたい相手に会えると考える者達の総称。
移動式の大神殿として機能するアイテムを使い、必要なだけの死と復活を果たすことができる戦闘を求めて各地を巡っている。

  • リーチャー
ギルド所属ではあるが、狩りや生産を行わない者達の総称。
その大半がギルドの庇護だけを目当てにした者達であり、「大災害」以降はギルドが派閥的な側面も持つようになったため、周りからはあまり快く思われていない。


アイテム関連

「大災害」以降はゲーム上のスキルやレシピに頼らずに素材アイテムから手作業で1からアイテムを作成できるようになっている
例として料理は「アイテムとして提供される完成された料理」は味がしないが、「素材アイテムを調理して作った料理」には味がする
しかしただ作ればいいというわけではなく、料理スキルがないと簡単な調理ならともかく少しでも複雑な調理になると強制的に失敗させられるなど、職業スキルやレベルで作成可能なアイテムを制限するルールはある。
「大災害」当初は冒険者の殆どがこの条件に気づかなかったため味のない料理しか食べることができなかった。

つまり生産職を習得して相応のレベルさえ持っていれば工夫次第で様々な生産物や技術を自分で生み出すことができるため、この仕組みが周知されたことで冒険者たちは料理のみならず蒸気機関など現実世界の知識・技術を活かしてこの世界になかったアイテムを作り出していくなど技術水準が飛躍的に向上した。

  • EXPポット
飲めば攻撃力や自己回復能力が僅かに増大し、戦闘で得られる経験値が2倍近く上昇するアイテム。
本来は初心者プレイヤーが早くレベルを上げてゲームを楽しめるようにするための救済アイテムとしてレベル30以下のプレイヤーを対象に1日1本無償で支給されていた。
このシステムは「大災害」後も継続しており、アキバではハーメルンがこの仕組みを悪用して初心者プレイヤー達を拉致監禁同然のやり方で囲い込んで搾取し、大手ギルドへ転売していたが、円卓会議結成と同時期に摘発された。

  • ダザネッグの魔法の鞄(マジックバッグ)
アイテムを一定重量までなら重さや大きさを無視して収納・持ち運びができる鞄。
ゲーム時代はレベル45から受注できるイベント『魔法の鞄を手に入れろ!』で素材アイテム『ワイヴァーンの皮』を特定の大地人職人に渡すだけで簡単に入手できた。
しかし「大災害」以後は殆どのイベント系クエストは一度クリアされてしまうと二度と発生しなくなる上、製作技術を持つ大地人はプレイヤータウン以外の町に住んでいることから入手がやや困難な存在となっていたが、年少組がサフィールでの戦いに於いて必要素材を大量に取得し。大地人の鞄職人に働きかけて簡易版の販売が開始され、低レベルプレイヤーでも安価で購入できるようになった。






〈追記・修正〉するのは、30秒先の未来。



この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2022年06月17日 22:16

*1 ギルド会館や銀行、市場など。

*2 現実世界では下半身不随で車椅子生活を送るトウヤもこの世界では普通に活動できている。

*3 例としてアキバからススキノに向かう途中で死亡した場合、アキバの大神殿で蘇生される。

*4 基本的にエネミーと同基準。5レベルも差があると勝負にならないなど、1レベル違いの戦力差はかなり大きく設定されている。

*5 融資や投資、通貨の発行などは一切行わず、ただ財産を預かり返却する。金融業というより預り所

*6 ギルドへの入退会処理とギルドホールの賃貸、公開市場等

*7 冒険者の復活地点

*8 都市間のワープ装置

*9 都市内(戦闘禁止ゾーン)で戦闘行為を起こしたプレイヤーを抹殺する。その性質上都市内に限り冒険者よりも戦闘力が高い

*10 都市内にモンスターが入ってこれないようする結界

*11 吸血によるHP回復・コウモリに変化しての高速移動・美形化

*12 ハーメルンから解放された初心者の多くが加入している。

*13 少数の人員で多数の多数の民衆を支配する政治形態