光導(バトルスピリッツ)

登録日:2022/07/19 Tue 10:00:00
更新日:2022/08/01 Mon 01:43:21
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概要

光導(こうどう)」とは、TCG「バトルスピリッツ」における系統(遊戯王における種族のようなもの)の一つ。

黄道(こうどう)」をもじっており、星占いなどで使われる黄道十二星座をモチーフとした系統、及びそれらを使ったデッキのことを指す。


アニメ『バトルスピリッツ ブレイヴ』にて活躍したこともあり、星座編で登場して以降現在に至るまで根強い人気を誇っている。
超神星龍ジークヴルム・ノヴァと並んでバトスピを象徴する存在になっている。

●目次

主なカード

星座編および『ブレイヴ』の鍵となるスピリットであり、各色に2枚ずつと紫に蛇使い座が割り当てられている。
光導を代表するスピリット群であり、リバイバル版、アルティメット版(一部)およびX異種版とリメイクも複数存在する。

コスト12で各色1軽減というとんでもないコストとデッキトップ12枚から神星と光導を好きなだけノーコスト召喚するというこれまたとんでもない効果を持つロマン砲。
星座編の登場当初はほぼ無理ゲーという扱いだったが、軽量光導が登場した現在ならば運用できなくもない。オーバーキルであることには変わりはない

上記の十二宮Xレアのブレイヴリメイク版であり、いずれも当時では希少だった対アルティメット効果を持つ。
アルティメットバトル編の背景ストーリーでは重要な役割を担う。ただし同時期のアニメではそこまでプッシュされなかった

  • 光導神ゾディアック・ピオーズ
十二宮Xレアが合体したデザインのスピリット。煌臨編に先駆けて新効果の煌臨を持ち、コスト5以上の光導に煌臨する……のだが、肝心の効果が降臨元を破棄する効果と煌臨元が無いと発揮できない効果という二律背反のものだったため、登場当初の評価は低かった。
しかし天星12宮スピリットが登場し、その中に煌臨持ちが存在したことで事情が一変。両方の効果の発揮が容易となり一躍トップレアに上り詰めた。

  • 月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタ
月光のバローネのキースピリット《月光龍ストライク・ジークヴルム》のリメイクであり、『バトルスピリッツ サーガブレイヴ』において彼が使用するダンへの重い感情が詰まったデッキのキースピリット。
キャンペーンカードとして他の色でのリメイク版も存在し、いずれも光導と化神、各色でプッシュされていた系統の3つを持つ。

  • サジタリアスドロー
ダブルドロー互換のマジックであり、《創界神ダン》の効果を意識してマジックでありながら光導を持つ。契約編以降スタンダードとなった系統持ちマジックの先駆けとも言える。
他にも光導マジックは複数存在し、《創界神ダン》を参照して効果が強化されるものが多い。そのためダンを前提としない真・転醒編以降の光導とは連携しにくい

コラボブースターで登場した「仮面ライダーフォーゼ」の怪人で、光導と冥主を併せ持ち、紫単色であることが特徴。
一方で軽減シンボルには神シンボルが存在し、下記の《創界神ダン》との連携も意識したデザインとなっている。

デッキの変遷

神煌臨編以前

2010年秋から登場をはじめ、根強い人気を誇るこの系統だったが、純粋な光導のデッキとして組む事は出来なかった。
当時の光導を持つカードは十二宮Xレアを始めとした高コストなスピリットばかりであり、入れすぎると手札事故を引き起こす可能性があったからだ。

そのため低コストのサポートカード(系統「星魂(せいこん)」やリバイバル時の系統「十冠(じっかん)」スピリット)を採用する事で足場を作って大型を出すのがメジャーであった。もちろんこんな状況で光導詰め合わせデッキを作ったところで、主人公補正抜きで回すのは不可能だったことは言うまでもない。

2014年のアルティメット編では、ブレイヴ版光導の裏12宮ブレイヴが登場。
が、光導スピリットとのシナジーやサポートの共有は出来なかった。

転機が訪れたのは2014年11月発売のスペシャルデッキセット【12宮Xレアの輝き】
公式から初めて混色【光導】デッキがプッシュされることとなった。
しかしながらデッキ内容自体は光導を豪快に踏み倒す新規アルティメット究極星アルティメット・ゾディアック」頼みであり、安定感とは無縁のロマン砲の域を出なかった。


神皇編で、同名リメイクであるリバイバルがなされたが、系統サポートがほぼ系統「神皇」に変更されてしまっていたため、同時に「十冠」としてリバイバルされた「星魂」との連携はできるが、過去カードとの互換性が無くリメイクとは言い難い内容になってしまった。
当時のスタッフもおそらくこのことについて、雑誌『カードゲーマー』vol.38のインタビューにて「リバイバルについて昔の特徴がなくなったのなら意味がない」というクレームが来たことを明かし反省の弁を述べている。

神煌臨編

そんな光導だったが、2019年1月の神煌臨編4章にて遂に覚醒。
それが小型光導スピリット、天星12宮スピリットの登場である。今までの切り札相当のスピリットのみが該当する系統という特徴から一転したことで、光導で揃えたデッキを作る事が容易になったのである。

当然ながら、かつての光導を知っているプレイヤーならば「色がそれぞれバラバラなのに組めるの?」と思うだろう。それに対して公式は、新規のスピリットに下記の一文を入れることをもって回答とした。

このカードの軽減シンボルは赤/紫/緑/白/黄/青としても扱う。



ん?と思った人もいると思うのでもう一度



このカードの軽減シンボルは赤/紫/緑/白/黄/青としても扱う。
..........( ゚д゚)

つまり場にあるすべての色のシンボルを軽減シンボルとして扱うという、バトスピのルールを根本からひっくり返す方法で解決したのである。

これにより光導は、今までデッキとして組むのは困難だった6色のデッキとして成立。それによって各色の特徴的な効果を纏めて使えるようになったのだ。

具体的には
赤➡バウンス耐性/BP以下のスピリット除去
紫➡コアシュート
緑➡疲労/コアブースト
白➡装甲による耐性付与
黄➡スピリット/ネクサスへの耐性付与
青➡コスト以下のスピリット除去


またこのパックでは、光導を支える強力な創界神が登場した。
それがこちら

創界神(グランウォーカー)ダン
ネクサス
2(0)/赤紫緑白黄青/創界神・光導・ウル
<0>Lv1 <1>Lv2
このネクサスは創界神ネクサス対象の効果しか受けない。
このネクサスには神託と創界神ネクサス対象の効果でしかコアを置けず、そのコアは創界神ネクサス対象の効果しか受けず移動できない。
《神託》〔神星/光導&コスト3以上〕
◆対象の自分のスピリットを召喚/煌臨したとき、ボイドからコア1個をこのネクサスに置ける。
◆このネクサスを配置したとき、同じカード名の自分の創界神ネクサスがなければ、自分のデッキの上から3枚をトラッシュに置ける。
その中の対象カード1枚につき、ボイドからコア1個をこのネクサスに置く。
Lv1・Lv2
このネクサスの《神託》でトラッシュに置かれた系統:「光導」を持つカードすべてを手札に加える。
【神技:4】Lv1・Lv2:フラッシュ『お互いのアタックステップ』
〔ターンに1回、このネクサスのコア4個をボイドに置く〕BP10000以下の相手のスピリット/アルティメット1体を破壊する。
さらに、このターンの間、相手は効果でアタックステップを終了できない。
【神域】Lv2
自分の手札が6枚以下の間、自分の手札は相手の効果を受けない。
シンボル:神

創界神の効果の説明については上記の創界神の項目を見て理解して欲しいとして、問題なのが以下の一文。

このネクサスの《神託》でトラッシュに置かれた系統:「光導」を持つカードすべてを手札に加える。
.......( ゚Д゚)

つまり、このカードはデッキの中身を光導で揃えれば配置するだけで3枚の手札補充を行える、強力なドローソースだったのだ。

このような強力なドローソースと属性の垣根を超えた効果を持っていた光導だが、当時の環境で環境トップというわけではなかった。

問題点1:アルティメットを除去しづらい
当時のデッキタイプではアルティメットがメインのデッキが一定数おり、それらを除去するのが難しいという欠点があった。
その中でも白の武装アルティメットは、硬い耐性とライフを削れない効果を持っていたので天敵だった。

問題点2:防御面の脆さ
防御マジックとして「クローズドジェミニ」という自分のライフダメージを抑えるマジックカードが存在したのだが、このカードは先述の《創界神ダン》が居ないと効果が使えない欠点があり、ダンを引けないと速度及び出力で負ける事があった。
当時の環境トップには黄のアグロデッキと追加ターンを取って押し切る赤のデッキがあり、これらに安定して勝つことは難しかった。

問題点3:フィニッシャーについて
フィニッシャーである「超神光龍サジットヴルム・ノヴァ」はお互いのフラッシュタイミングでしか煌臨できず、出すタイミングを間違えると劣勢になる場合もあった。特に《闇輝石六将 砂海賊神ファラオム》は天敵である。

問題点4:デッキとして値段が高い
低コストの光導スピリットはレアリティが低く集めやすかったのだが、問題は「創界神ダン」と「超神光龍サジットヴルム・ノヴァ」。
この2枚は10thXレアという特別なレアリティで、2箱に1枚、すなわちそれぞれ3枚揃えるには理論上12箱必要という封入率だったために単価が高く、組もうとすると2万~3万する札束になるため組めない人もいたのである。

このようにデッキとしてはまだまだ足りない部分もあり、ユーザーの間ではこの足りない部分の強化がまた来るのでは?という声もあった。

超煌臨編

その予想通り次の超煌臨編でも、十二宮Xレアのリメイクによる強化が来ることが発表された。こちらは一部、新作アニメ『バトルスピリッツ サーガブレイヴ』にも登場。
また高騰していた創界神ダンは3章のボックス購入特典になり、超神光龍サジットヴルム・ノヴァもAmazon限定のデッキで再録された事である程度値段は落ち着くようになった。

その中でも獅子座と山羊座を組み合わせた通称”レオボルグ”は高いフィニッシュ性能を有していて、アルティメットデッキの衰退と共に環境上位に登り2019年末の大型大会ワイルドバウトで優勝を果たす結果を出した。
その他にも相手のデッキを破棄する事をメインにした、天秤座のデッキもデッキ破壊メタが薄かった事も相まって活躍していた。
…のはいいのだが、今度は別の問題が発生してしまったのである。

問題点1:札束デッキになってしまったこと
十二宮Xレアのリメイクカードだが、レアリティは全て10thXレア。
この10thXレアの封入率は据え置きのため、相場は高めで組むハードルが高いのはまだ解消されてなかったのである。特にワイルドバウトで優勝した後はメインのカードが高レアリティだったため相場は5000円を超える店もあった。
また、超煌臨編1章で光導をサポートするXXレアが出た事もデッキ単価の高騰に拍車をかけた。

問題点2:公式からのプッシュへの疑問
元々10thXレアは、当初バトルスピリッツのアニメの歴代作品のリメイクカードや合体スピリットだったのに対して、次の1年間同じ系統だけ強化するのは贔屓し過ぎてないかという声も見られた。そのリメイクカード自体、ある1枚を除いてアニメファン以外にとって性能的には地味だったのだが….
もっとも時期としてはアニメ『サーガブレイヴ』の配信時期なので当然プッシュをかけていた面もある。

ラストに「超龍騎神グラン・サジット・ノヴァ」が登場し、超煌臨編は幕を閉じた。

転醒編

新規カードは一部プロモーションカードとウエハースXレア「獅機龍神ストライクヴルム・レオ・Λ/天醒獅機ストライクヴルム・レオ・ブレイカー」程度でほとんど登場せず。
ここまで最盛期を迎えた光導だが、さすがに転醒編になると陰りが見え始めてきた。その要因としては主に2つの要因が挙げられる。

問題点1:創界神除去の台頭
新環境にあたり、創界神に対するメタカードが大量に登場。
低レアリティカードから高レアリティカードまで創界神を除去するようになり足場として安定しなくなっていった。
特に青の世界は創界神のコアを全てボイドに戻す効果もついていたので天敵である。

問題点2:6色のカードに対するメタ
6色のカードの効果を発揮させない魔術皇の大創界石や、6色のカードが相手フィールドにあると強力な効果を発揮するスピリットの存在により、出すことそのものがアド損になる場合も増えてきた。
これについては「導きの少女ヴィーナ」「新しき世界//風雅龍エレア・ラグーン」の採用率を落とす狙いがあったらしいが、転醒編で新規カードが増えたばかりのゴッド・ゼクスデッキも丸ごと被害を受けたため、クレームが殺到してプロデューサーもそれとなくプロデューサーレターにて謝罪している。


真・転醒編

更に追い打ちをかけるように、新規カードでコスト3以下の創界神の神託そのものを封じるメタカードが登場。これを環境トップのデッキが取り込んだ事で光導の立ち位置は転落の一途をたどり、環境から姿を消すことになってしまった。これによりもう光導は無理だろうと誰もが思っていた…が









光導「ただいま」

真・転醒編4章にて新規軸でのデッキが登場し、再び公式からのプッシュが来たのだ。
ぶっちゃけ光導人気の高さゆえでもある。それでも一部プロモーションカードを除けば超煌臨編ラストから約2年ぶりとなる新規カードとなる。

今回の光導は従来のデッキと異なり、手元*1にカードを置くことでアドバンテージを稼いでいくデッキへと変化を遂げたのである。
シリーズでのメインであるタロットカードの大アルカナと占星術の関わりが深く照応しているためプッシュされたのでは?という推測がされており、事実新規の光導は星座とその星座が関連するモチーフのアルカナが混ざったカードになっている。
また従来の欠点だった創界神に対するメタについてはこのような回答をした。

創界神 馬神ダン
ネクサス
4(3)/赤/創界神・来是・光導
<0>Lv1 <4>Lv2
このネクサスは創界神ネクサス対象の効果しか受けない。
このネクサスには神託と創界神ネクサス対象の効果でしかコアを置けず、そのコアは創界神ネクサス対象の効果しか受けず移動できない。
《神託》〔光導&コスト3以上〕〔転醒ネクサス〕
◆対象の自分のスピリット/ネクサスを召喚/煌臨/配置したとき、ボイドからコア1個をこのネクサスに置ける。
◆このネクサスを配置したとき、同じカード名の自分の創界神ネクサスがなければ、自分のデッキの上から3枚をトラッシュに置ける。
その中の対象カード1枚につき、ボイドからコア1個をこのネクサスに置く。
このカードの軽減シンボルは紫/緑/白/黄/青としても扱う。
【神技:2】Lv1・Lv2:フラッシュ『お互いのアタックステップ』
〔このネクサスのコア2個をボイドに置く〕自分の手札1枚を手元に置く。
そうしたとき、置いたカードと同じ色を含む相手のスピリット1体を破壊する。
【神技:4】Lv2:フラッシュ『お互いのアタックステップ』
〔ターンに1回、このネクサスのコア4個をボイドに置く〕自分の手元にある系統:「来是」/「占征」と「光導」を持つスピリットカード1枚を、1コスト支払って召喚する。
シンボル:赤

コストは4(3)になり、色は赤1色になったことで各種メタカードをすり抜けられるようになった。神技も手元を追加しながら相手のスピリットを除去する使いやすいカードになり、ターンに1回も無いので連打する事も可能。

また神煌臨時代の「このカードの軽減シンボルは赤/紫/緑/白/黄/青としても扱う」効果も継続されているので各色の要素を詰め込めるようになっている。
その反面系統の指定が「来是/占征」と「光導」の両方を指定するようになり、従来の光導カードとの連動は非常にしにくくなっている。「天星12宮」デッキに採用可能なカードは実質的に数枚程度であり、良くも悪くも新規カード内で完結している。

追加された新規光導は「手元に置かれた光導を参照することで効果を発揮する」ものが多いのだが、それは要するにデッキの回転、及びフィニッシュをデッキトップのご機嫌に依存するということであり、全体的に安定性が低いのがネック。

更に登場当時はスピリットの召喚時効果を封印するカード群が全盛期であり、手元増やす方法の大半を召喚時効果に依存する当デッキは環境的にも逆風に吹かれていた。
このため、契約編現在では天星12宮軸ほどの存在感は示せていないのが現状。

まとめ

このように時代が経っても形やデッキタイプを変える事で度々環境に現れており、バトルスピリッツを象徴する1つのテーマになっている(もっともその割にルールぶっ壊しているのは賛否あるのだが…)


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最終更新:2022年08月01日 01:43

*1 簡単に言えば、「第二の手札」。フィールド外の自分の“手元”に効果でカードを置ける。効果で手元にオープンして置いた場合、基本的に相手から見える。