Dr.ドップラー(ロックマンX)

登録日:2022/07/20 (水曜日) 21:47:36
更新日:2025/03/24 Mon 01:48:04
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あの時、捕まえ損ねたイレギュラーハンターが
これほどの能力を持っていたとは…


Dr.ドップラーとは、「ロックマンX3」に登場するレプリロイドである。

パワー17400rp
スピード18000rp


【概要】

本作の表の大ボスとも言える老人科学者型のレプリロイド。
元々は善良なレプリロイドであり、機械やコンピューター、ネットワークについて研究していた。

ある日、レプリロイドのイレギュラー化の原因がシグマウイルスというコンピューターウイルスにあることを突き止め、そのワクチンプログラムの開発に着手していたが、
誤って自らがウイルスに感染してしまい、シグマの手下となる。

その後自らを戦闘用に改造し、自身が建設した町ドッペルタウンにレプリロイド(本作の8ボスとなる者達)を集め、ワクチンプログラムと偽って時限式のシグマウイルスを投与しイレギュラー化させて軍団を結成。
人間達に反旗を翻した。

※上記はバーチャルコンソール版の取説の記述も合わせた解釈で、SFC版の取説のみでは印象が少し異なる。


【活躍】

エックスナイトメアポリスを差し向けたり(生け捕りと言ったのに彼等は殺る気マンマンと報連相が全く取れてないが)、VAVA復活させたり(当人は恩も感じず好き勝手行動していたが)と暗躍していたが、
8ボス撃破後のドップラーステージ3にてボスラッシュ後にエックスと激突。

エックスの実力を高く評価し仲間に誘うも当然断られ、激闘の末に敗北。
その衝撃で正気に戻り、シグマに洗脳されていたこと、シグマの新たなボディが地下格納庫にあることをエックスに告げる。

この後の展開は2パターンに別れ、ゼロが行動可能な場合はそのままフェードアウトする。
ゼロが行動不能*2の場合はカイザーシグマ撃破後に再登場し、追い詰められたエックスの身代わりとなってシグマウィルスに取り憑かれてしまう。しかし…

グアアアアアアァ!!き、貴様は…ド…ドップラー…

どうだ、シグマ!!
このわたしが用意していた
シグマウィルス用の抗体ウィルスの味は!

苦しみだしたのはシグマの方だった。ドップラーは密かに開発したシグマウィルス用の抗体ウィルスを自身に仕込んでいたのだ。
そしてドップラーはシグマを完全に消し去るため、研究所もろとも自爆するのだった。




エックス君、色々迷惑をかけたね…


他のレプリロイド達にも申し訳ない事をした…



せめてもの罪滅ぼしに
このシグマウイルスと共に私も地獄に行こう。




それでは…エックスく…ん…

さら…ば…だ…



【ボスとして】

ラストステージの一つ前、ボスラッシュのあるドップラーステージ3のボスとして登場する。
ラスボス前でストーリー的にも山場なのだが、ドップラー自身はそれほど強くはない。
攻撃行動は射撃と突進が一つだけで、ダメージ量は高めだがどちらも簡単に回避でき、行動パターンも単純そのものなので、ここまで到達したプレーヤーなら初見撃破も難しくない部類。
ただし、わからん殺し要素として回復能力を持っており、対処を誤ると戦闘が長引き集中を切らして被弾を重ね敗北…なんてことも起こりうるので、回復の仕掛けを見破れないうちは戦っててしんどいボスになる。

行動パターンは「攻撃→待機→攻撃…」を繰り返すだけという単純なもの。攻撃は「立ち止まって射撃する」もしくは「突進攻撃を繰り出して画面反対端へ移動」の2種類、なおかつダメージによるノックバックもしないため、必然的にドップラーは画面左右どちらかの端に位置する。急ブレーキをかけて反転するとか画面狭しと飛び回るようなことはしないので、位置取りに迷う必要はない。
攻撃を終えると少しの時間棒立ちで隙だらけになるが、この間に攻撃を受けるとバリアを展開し、バリアで受けたダメージ+αを回復する。ドップラーの攻撃が終わったらこちらも攻撃をやめて待てばバリアを展開せず次の攻撃に移る。

このため「常にドップラーの反対端を維持し、ドップラーの攻撃動作中にダメージを与え、ドップラーが動かないorバリアを張っている間は放置する」が正解となる。



【技】

  • ウィスプ弾
黄色の光弾を3発放つ。
エックスを正確に狙ってくるが、弾速はそこまで速くないため回避は簡単。


  • コスミックピース
黄色いバリアを張って攻撃を防ぐ。
持続時間はそこまで長くはない。


  • コスミックバーン
コスミックピースの後にエックスの上下位置をサーチし、炎を纏って一直線に体当たりしてくる。
正面からの攻撃を無効化するものの、壁に激突すると背後がガラ空きなので、この間に弱点のアシッドラッシュを叩き込もう。


  • アブソーブヒール
エックスの攻撃に反応して緑色のバリアを張り、攻撃を吸収してライフを回復する。
弱点武器であっても例外ではないが、一旦ダメージを受けた後に減った分以上を回復する仕様なので、ある程度ライフが減っていればゼロのサーベルでゴリ押しして倒せたりもする。ただしサーベルで仕留め損なうと、凄まじい勢いで回復してしまうので注意が必要だが。
バリアを攻撃しなければ回復もしないため、バリアを解除するまで待つのが無難。




漫画版での活躍】




どうじゃ 超時空推進機じゃぞい


フッ こっちは超力P・P波発生器だ



岩本先生の漫画版では原作の天才的な科学者レプリロイドという設定はそのままに「元は人間の研究活動を補佐するレプリロイドとして作られた」という設定が追加された。
かつてはレプリロイドの生みの親でもあるケイン博士の助手であったが、博士から「助手に留めるには惜しい」と独立を勧められる。以降は対等な立場で交流を深め、お互い信頼し合う親友となっていった。
登場時はケインと会うなり互いに発明品(自作メカ)を出して張り合う子供っぽい一面を見せてエックスを呆れさせ、回想シーンではレプリロイド等の共同開発で意見を衝突させる一方で、肩を組んで酒を飲みかわす等やけにオッサン臭いやりとりもしている。VAVAが見たらどう思うだろうか
「X2」漫画版でのヘチマールの一件でも分かる通りケインは多くのレプリロイドから「様」付けで呼ばれるような立場であるが、上記の描写からドップラーはそのケインと本音でぶつかり合える存在であり、他にケインに軽口を叩けるのがゼロくらいであることを考えると、ケインとドップラーの関係性がいかに深く強いものであったかがうかがえる。
また、「力」で平和を勝ち取ったことに複雑な想いを抱くエックスに対し「平和に浸り腐りゆく心に”かつ”を入れるためにも、力は必要である」と説くなど、独自の哲学と信念を持っていた。


シグマの反乱後、イレギュラー発生の原因を解明して世界から一掃し、平和の象徴としてレプリロイドの理想郷とも言えるハイテク都市ドッペルタウンを築いたが、ある時部下のマック*3を呼びつけ…


マックよ…私は時々思うのだよ


「食する」という原始的な行為をすれば…



人間…いや生物の事を少しでも理解できるかも…とな…



しかしやはりわからんよ

こんな野蛮な種のことなどな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



そう言って蝶を噛み千切り、人間への反乱を開始。まず手始めにマックやマオー・ザ・ジャイアント*4を含むドップラー軍をハンターベースに差し向ける。
マサイダー戦でも登場し戦闘用ボディを手に入れ、マサイダーを改造。
ケインからは人間とレプリロイドでも仲間になれると告げられるも、それを「幻想」と吐き捨て去っていった。(この言葉はゼロにも好感触だったが、ゼロは戦闘後に去ってしまい、ケインは破損したマサイダーを1人で運ばされる羽目になった)


そして終盤、ナイトメアポリスを倒したエックスやケイン達の前に巨大ドラゴン型メカに乗り姿を現す。


それがお前の言う仲間の姿か?


仲間っ仲間っ仲間っ仲間っ


仲間ーっ


なかまなかまなかまなかまなかまなかまなかまなかまなかまなかまなかまなかまなかまなかまなかまなかま



カーーーッ

オイルが逆流するほど甘ったるい言葉だわっ!




ドラゴンからの攻撃でゼロを消息不明にし(実は生きててビームサーベルだけをシグマの基地に置いておき、後にケイン博士に救出されていた)、満身創痍のナイトメアポリスをゴッドカルマシーン・O・イナリーに変貌させてけしかけるも、これをエックスにあっさり倒されその爆発に巻き込まれる。

だがまだ生きており、自身の体に世界を破滅させるジーロン爆弾が仕込まれていることを盾にエックスを仲間に誘うも断られる。
実はかなりのダメージが蓄積しており、そのまま気絶。目を覚ますとケインが自分の修理と爆弾の解除を行っていた。
ジーロン弾はドップラーが機能停止せずとも自身の意思で作動し、ケインの修理は無駄であると吐き、無数のメカニロイドを呼び出すもケインに行動を読まれていることに気付き、
ドップラーは何故と問うがケインは



友達じゃからかの〜




とケインの良く知る本来のドップラーの研究熱心さとΣウイルス由来の悪意が合わさればジーロン弾を起爆せずケインの困る姿を見たがることも、エックスの戦闘を見たがることも想像がつくという。
その言葉を嘗ての自分はもういないと否定するドップラーだが、実際に行動を読まれているために否定しきれず目を逸らす。
ケインの汗が落ち、自らの体が高熱を帯びていることに気付いたドップラーはケインが火傷を負っていることに気付き、そこまで人類を滅ぼしたくないのかと叫び、当然と叫び返すケインは



友だって助かる!お得この上なしじゃ!




とあっけらかんに応える、ケインの純粋さに心を開いたドップラーは解除コードを教え、爆弾は解除された。
エックスが相手をしていたメカニロイドも動きを止め、ドップラーはエックスに自分が生き残って良いのか問い、エックスは「自らの『心』で決めること」と応える。
それと同時にドップラーを変えた元凶であるシグマの居城が出現。


ケイン……

だめ…やり……直せ……ない

わしはΣウイルスにおかされすぎ……た…

もど……れ…な……い……


ドップラーは再度シグマに操られケインを襲うが、最後に残った自我を振り絞ってシグマウイルスに汚染された頭脳を自らの手で砕き、友を救った。

その死にケインは一度は荒れるが、ドップラーのメインプログラムを保存し、彼の魂を後世に伝える事にしたのだった。



地球の子供…わしらは仲間じゃからのぉ〜




  • ワーム
漫画版オリジナルのドップラーが開発したシグマウイルス感染用データチップ。
その名の通りチップが複数集まったムカデのような姿をしている。

これを仕込まれるとシグマウイルスに感染してイレギュラー化する上、このチップ自体にも自我があり、破壊されるまでは独自に動いて他のレプリロイドに入り込もうとする。
だが100%感染するわけではないようで、ワームに取り憑かれたエックスはしばらく眠りにつき美少女に「平和な世界に鬼たるエックスはいるべきではない」と付きつけられるを見るも、シグマの影を感じて気力で打ち破ったほか、既に感染している8ボスの面々についても何らかのショックでワームの影響下から脱する描写が散見される。

またナイトメアポリスのボディは複数のワームで構成されており、彼等の高い耐久力の源でもある模様。
その気味の悪さはゼロが一瞬気を失うほど。また巨大なワーム型メカに変異することも可能。



【ロックマンXメガミッション】

X2からX3までの間の期間に展開されていた、カードダスにおけるストーリー。
こちらにおいて、本編に先駆けて登場しているが、デザインは額の部分のパーツが無く、X3よりも人間に近い姿となっている。
こちらの作品においては、未知の存在であるリミテッドを用いて、X1とX2に登場したボス達のクローンを作り出してエックスとゼロを狙う謎の悪の科学者レプリロイドという設定となっている。
側近として、パワータイプの巨漢レプリロイドのカーチスとスピードタイプのスマートなレプリロイドのシュミットを率いており、偶然かは分からないがナイトメアポリスの2体と似た構図となっている。
最終兵器のマザーリミテッドがエックスとゼロに破壊された後はいずれまた会おうと言い残して姿を消したが、X3とストーリーは繋がっていないと思われる上に元は善良だったというX3のドップラーとは明らかに別人のためその後どうなったかは不明である。
『メガミ2』で登場するタキオンはドップラーそっくりだが本人ではなくドップラーの残留データを基に成長したリミテッドであるし、
『メガミ3』のエミナスはタキオンの作った最後の作品なので、このシリーズにおけるドップラーはその後何をしているのかすら本気で不明。
タキオンのプロローグでドッペルタウンの崩壊に言及しているので、一応はロックマンX3にあたる戦いはあった様子*5

有賀ヒトシ氏におけるコミカライズ、『ロックマンリミックス』における漫画版メガミッションにおいては美人の秘書型レプリロイドを携えており、立体映像でエックスとゼロを煽り高笑いするなど狡猾な悪役らしさが極まった演出がされており、岩本版X3とは正反対のキャラとなっていた。



追記・修正は人間達に反旗を翻してからお願いします。

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最終更新:2025年03月24日 01:48

*1 ドップラーが自爆するエンディングで抗体ウィルスを受けたシグマが「こ、これは!!いつのまに、きさま…」と口走っているため、抗体プログラムの存在を認知していなかったことが分かる。このときのドップラーの「わたしがよういしていた」および、ゼロの「ドップラーがのこしていった」という発言との整合を取るとすれば、おそらく完成間近で洗脳を受けて放置されていたか、洗脳されながらこっそり開発を続けていた…といったところだろうか(後者は可能性が低そうだが)。X4以降にシグマが再登場したのは、このワクチンが未完成で完全に消滅させることが出来なかったためと思われる

*2 ビームサーベルを貰っている、もしくはゼロ使用中に一度でもライフがゼロになった

*3 ゲームでは行方不明のイレギュラーハンターだったが、漫画版のマックは物語開始時点で既にドップラー博士の部下としてドッペルタウンで働いており、行方不明にもなっていない。過去にハンターであったかは不明

*4 漫画版ではケイン博士と共同開発した巨大メカニロイドとされている

*5 メガミッションシリーズの世界観でのX3編は経緯が異なる戦いだったのかもしれない。