ショックウェーブ(TFアニメイテッド)

登録日:2022/12/30 Fri 09:00:30
更新日:2024/11/22 Fri 15:03:40
所要時間:約 5 分で読めます




我々が捕えたスパイのことか? バンブルビー。



この項目では、『トランスフォーマー アニメイテッド』に登場する「ショックウェーブ」について解説する。

CV:檜山修之(日本語版)/コーリー・バートン(原語版)*1


概要

本作に登場するディセプティコンの一体で、肩書きは「潜入諜報兵」。
ビークルモード(戦車とクレーン車)とロボットモードをそれぞれ2種類ずつ持ち、4段変形を可能とする上にカラーリングも灰か紫に変更できるというブリッツウイング涙目な特殊個体で、その能力を買われメガトロンの命令でオートボットにスパイとして潜入した刺客。
表向きではエリートガードの情報部長官「ロングアーム・プライム」として活動しているが、その裏で逐一メガトロンにサイバトロン星での情報を流し続けていた。
その経歴を踏まえると、(地球生まれのサウンドウェーブとコンストラクティコンを別とすれば)グレートウォー後に生まれた最も若いディセプティコンであると思われる。

ショックウェーブとしての姿は毎度お馴染みの単眼ロボットだが、本作のショックウェーブはこのアニメ及びその制作会社が作ったアニメ全般のキャラの例に漏れず顔が縦に長く、鹿のような角もといアンテナ*2を生やし、胸部含めて全体的に薄くて細い、と、歴代のレーザーウェーブ&ショックウェーブとは若干異なるデザインをしているのが特徴。
ただしあくまで「歴代のレーザーウェーブ&ショックウェーブ」と比較した場合の話であり、全体的なガタイの良さは作中の他のディセプティコンに引け劣らない。なんとロングアーム時の倍近いサイズに巨大化している。

武器は爪や頭部のアンテナから発する電気ショック「電磁スペクトル」と、ロボットモードでは腕に取り付ける戦車モードの砲塔「エレクトロマグネティックキャノン」。
また、終盤では一時的にウルトラマグナスから強奪した「マグナスハンマー」を使用した。「光になれー!」とは言いません。
しかし本編ではラチェット単体相手に撤退に追い込まれたり、バンブルビーとアイアンハイドにあっさりやられたりと、戦闘面ではあまり恵まれなかったキャラでもある。

玩具は潜入中の灰色と、本来の紫色の二種類のカラーリングで発売。
手足を引っ込めるという変形の都合上ロングアーム時の関節の稼働には少々難はあるものの、パーツの差し替え一切無しで四段変形を完全再現しており、ファンからの評価は高い。


性格

日本語版の一人称は「私」。ロングアーム時は「僕」または「俺」
ロングアーム時は爽やかな好青年を演じているが、実際は冷静かつ冷徹な性格の持ち主。非常に頭が良く、スパイ行為がバレそうになるとその度に機転を利かせて難を逃れてきた。日本語版の中の人の別のTFが「テンプレヤクザ」ならこっちは「インテリヤクザ」と言ったところか。
メガトロンへの忠誠心はとても強く、なんと「ショックウェーブとしての野心」は一切持っていないという。サイバトロン星で待機していることといい、歴代でもっとも留守番参謀G1レーザーウェーブに近いキャラクター造形をしている。

オートボット側に与えた被害も作中トップクラスで、
  • 戦闘面で期待されていた新人ワスプに濡れ衣を着せて投獄させる。
  • サイバトロン星にディセプティコンのスパイがいるという情報を持ち帰ったブラーを即座に口封じ。
  • それでもバレそうになったので総司令官ウルトラマグナスを闇討ちし、瀕死の重傷を負わせて時間を稼ぐ。
  • オメガスプリームの起動キーを入手するためにアーシーを拉致。
と、まさに八面六臂の活躍を見せた。
だがその一方で作戦決行の寸でのところでメガトロンが行方不明になる、単独で敵地に潜入するストレスからこっそりヤケオイルを呷る、ラグナッツに嫉妬され絡まれる、スタースクリームがそれを後押しするなど予定外の事態に振り回される苦労人としての一面も持つ。


対人関係

  • メガトロン
主君。上記の通り絶対的な忠誠を誓う。
メガトロンの方も彼の働きを決して無下にはせず、しっかりと褒め称えた。

  • ラグナッツ
同僚。忠臣仲間だが、それゆえにラグナッツが一方的に対抗心を燃やし振り回されてしまう。もちろんショックウェーブ当人にはあまりに一方的かつ唐突なものだったので、「私に何か恨みでもあるのか!」と困惑しながら怒っていた。
そういうこともあり、ラグナッツがドジった際は彼を指差し、腹を抱えて爆笑するという珍しい姿を見せた。
また、日本語版の次回予告ではラグナッツに「『すぱい』って、何でツか?」と聞かれ、一度は呆れて「ググれよ」と返したものの、ラグナッツがそれでもスパイについて訊ねてくるので今度はしっかり説明する優しさも見せた。
そのシーンではラグナッツがよく知らないながらもスパイをしているショックウェーブを「すごい、カッコいい」と褒めており、険悪な関係は見せていない。

  • スタースクリーム
やっとメガトロンと合流できたと思ったら何故か一緒にいた裏切り者。だがこれといって不満を述べたりはしなかった。そもそもスタースクリームの裏切りを知らなかった可能性もあるが。

  • ストライカ
チーム・ジャールのリーダー。サイバトロン星に乗り込むため、チーム・ロディマスを退けスペースブリッジの占拠に成功した彼女に仲間たちと一緒に一度待機するよう指示を出した。
ラグナッツの女房だが、そのことを知っているかは不明。

  • バンブルビー
ロングアーム時の同期その1。ワスプがスパイだと疑っていたので利用させてもらった。
ちなみにバンブルビーがワスプを疑ったのは私怨込み、しかも若干逆恨みであるため、バンブルビーもじゅうぶん悪い。そのあとも謝らないし。

  • アイアンハイド
同期その2。訓練生時代では特に言及する場面は無かったが、後に実はオートボット1のスペースブリッジの専門家だと知って驚きながらメガトロンに報告した。
最終回ではアイアンハイドの攻撃を食らってダウン。そのまま捕まった。尚、原語版ではアイアンハイドに殴り倒された後、ロングアームに変身して隙を作ろうとしたが全く効果がなかった。

  • ワスプ
同期その3にして被害者その1。彼に濡れ衣を着せてまんまと自分の正体を隠し通した。

  • アーマーハイド
同期その4。

訓練生時代の教官。当時は当たり障りのないように接していたが、情報部長官に就任した結果彼より地位が高くなった。

  • ブラー
エリートガードの諜報員にして被害者その2。
「サイバトロン星にディセプティコンのスパイがいる」という情報を持ち帰ったはいいが、「ロングアームがショックウェーブ」ということは知らなかったためその情報をロングアーム本人に報告してしまう。
その後、正体を現したショックウェーブに追い詰められスクラップ……というか一枚板にされた*3

  • クリフジャンパー
ロングアーム時の部下。一枚板にしたブラーを、正体を伏せつつ廃棄するよう彼に命じた。

オートボット総司令官にして被害者その3。闇討ちして瀕死の重傷を負わせ、更にマグナスハンマーを強奪した。
没になった第4シーズンでは、ウルトラマグナスはこの傷が原因で死亡する予定だったという。

  • ラチェット
チーム・オプティマスの一員。サイバトロン星で彼と交戦し、マグナスハンマーを取り返されてしまう。
その後、マグナスハンマーはオプティマスの手に渡り、オプティマスがメガトロンとギリギリ互角の勝負を挑める状態になる最後のピースとなったので、マグナスハンマーを手放したことはショックウェーブ最大の失態と言える。

  • アーシー
被害者その4。オメガスプリームの起動キーを手に入れるため、彼女をまとめて拉致した。


余談

日本での視聴者からの通称はお馴染みの「光波」「衝撃波」の他に「スパイ王」「間者王」「留守番王」がある。中の人が勇者王だから仕方ない。
洒落にならない被害を出した作中屈指の強敵だが、日本ではその外見のせいで視聴者からは「トナカイ」または「映画泥棒(ことカメラ男)」、また放送時に地デジに移行したことも背景に入れて「地デジカ」と散々ネタにされたのは御愛嬌。

本編ではショックウェーブからロングアーム、もしくはロングアームからショックウェーブへと喋りながら変形するシーンがあるのだが、檜山さんは変形の段階にあわせて徐々に声のトーンを変えていくという神業を披露した。お疲れ様です…。

没になった第4シーズンでは、メガトロンたち共々脱獄に成功し、地球に逃亡する予定だったという。

本編初登場となる第23話は終始バンブルビーの回想で進んでおり、この際ワスプが露骨に怪しい行動を取っている…と見せかけて、その場にロングアームが必ず居合わせているという意図的なミスリードが敷かれている。
…のだが、日本語版では、前期OPでラチェットとロングアームが格闘する姿を映す事で、ロングアームが本来敵だと登場前から早々にネタバレしてしまっていた。
さらに、その後23話で本編に初登場した際もよりによってエピソード冒頭でメガトロンから「ロングアーム」と名指しで呼ばれており、上記のミスリードが全て無意味なものに*4
いずれも玩具の販促の都合という大人の事情もあったのだろうが、あまりにも不遇。

公式漫画である「トランスフォーマーレジェンズ」最終話のエピローグにて、一コマだけではあるが復活したブラーと牢屋越しに再会している。現在も公開中なので気になった方は調べてみてはいかがだろうか。



ラグナッツ「ところで、ショックウェーブ」

何だ?

ラグナッツ「『ついき・しゅうせい』って、何でツか?」

…ググれよ。

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最終更新:2024年11月22日 15:03

*1 バートンはかつてG1でレーザーウェーブを演じていた。

*2 ロングアーム時には下に畳まれる。

*3 スパークは無事だったので一応生存扱い。

*4 そもそも正体を知っているメガトロンがわざわざ偽名で呼ぶのも不自然である