ブリッツウイング(TFアニメイテッド)

登録日:2022/11/06 (日曜日) 09:01:44
更新日:2024/09/06 Fri 20:51:45
所要時間:約 4 分で読めます




あたしが、歌って踊れる「ランダム」!

俺は、「ホットヘッド」だメーン。

私が「アイシー」デース。

みんな覚えたぁw!?

テストに出るメーン!

嘘デース…。



「ブリッツウイング」とは、トランスフォーマーシリーズに登場するトリプルチェンジャーの名前*1
この項目では『トランスフォーマー アニメイテッド』に登場する個体について解説する。

CV:バンパー・ロビンソン(原語版)、チョー(日本語版)


概要

本作に登場するディセプティコンの一体。肩書きは先輩のG1ブリッツウイングと同じく「空陸参謀」。これまたG1同様ロボット、戦車、ジェット戦闘機に三段変形する。ロボットモードは履帯をミリタリーブーツに見立てており、将校をロボット化させた様なデザインをしている。
ただし、とある1話を除いてあまり目立つことが無かった先輩とは違い、こちらはラグナッツと並ぶメガトロンの腹心の部下として活躍。後述の性格もあって、一度見たらまず忘れられないであろうキャラクターとなっている。G1ブリッツウイングもその1話のおかげで忘れられないであろうキャラクターだが。
武器は両肩のキャノン砲から放つ火炎放射「スーパーヒーターキャノン」と冷凍光線「ハイパーフロストエミッター」。原理は不明だが状況に応じて射ち分けることができる。
またジェット機モードではそれぞれ焼夷弾と冷凍ミサイルも発射可能。
メガトロンの側近を務める実力は本物で、コンストラクティコンを勧誘する任務をサボってオプティマス達を襲撃した際は5対1の状況でも終始優勢を保つほどの戦闘力を見せつけた。
特に冷凍系装備の凍結力が強力で、当てさえすれば解凍しない限り確実に相手を一時機能停止に追い込める代物である。
また、時には動けなくなった相手を人質にして降伏を迫るなど戦闘時には手段を一切選ばない点も非常に厄介である。
何かと装備の強力さが目立っているがボディ自体もかなり屈強で、両肩にタンクローリーを担いでぶん投げられる程の怪力の持ち主。
ラグナッツの巨体を投げ飛ばしたり、オプティマスが振りかぶってきた斧を片手で難なく掴んで見せたりと軍属らしく格闘にも長けており、ぶっちゃけ素手だけでも十分強い。

だがしかし、彼の最大の特徴は、「ブラックアラクニアにトリプルチェンジャーに改造してもらった後遺症で、「アイシー(冷淡)」「ホットヘッド(短気)」「ランダム(デタラメ)」の3つの人格が存在する」ということである。

性格

上記の通り3つの人格を持ち、顔が横にスライドして入れ替わる。

  • アイシー
モノクルのようなものを着けている水色の顔。堅物な性格をしており、原語版ではドイツ語訛りで喋る。3人格の中でもメイン格であり、登場シーンのデフォルト状態はアイシーである事が多い。
日本語版では一人称は「私」、語尾が「〜デース」などこの人みたいなエセ外国人風のアクセントで喋り、性格自体は真面目だが発言がふざけている。
また、第19話以降は何故か語尾が「ぬ」になった。
最初の頃は寒いダジャレを交えて会話していたが、話が進むにつれて徐々に減っていった。
基本的に冷めた表情をしているが、感情自体は割と豊かで笑ったり驚いたりするシーンも見られる。

某賞味期限切れ「あ、あの! もしよかったら、僕と友達に…!」
CV:イボンコなアフロ「裏切り者!」
某賞味期限切れ「ごぱぁ!!」

  • ホットヘッド
歯が欠けている赤い顔で、G1版同様バイザーのようなものを着けている。
柄が悪くて激昂しやすいが、日本語版では語尾に「マーン」「メーン」と付けるぐらいで三人(?)の中で一番まともだったりする。
一人称は「俺」

  • ランダム
釣り上がった赤い目と口がある黒い顔で、ハイテンションでおどけている狂人的な性格。
日本語版では一人称が「あたし」などほとんどタランスで、視聴者に「3倍遊べるから玩具買ってねw!」と宣伝したり、次回予告丸々使って自作の歌を歌ったりとやりたい放題。

あたしゃ~ブリッツウイング~、顔が~3つあるの~w♪

…だがこの多重人格、はっきり言ってデメリットの方が多い。
  • 主人格というものが無く、コロコロと変わる上、人格同士で喧嘩することもある。現に地球到着時は、ジェット機と戦車のどちらをスキャンするかでアイシーとホットヘッドで揉めていた。*2
    おかげで日本語版では「メガトロンからあまり信用されていない」という設定にされてしまった。
  • 人格によって形態と武装が固定されており、アイシーの時は戦闘機&冷凍光線、ホットヘッドの時は戦車&火炎放射になる。そのため、人格が切り替わると同時に形態も変化してしまう。*3
    本編では戦闘機の時に他人をおちょくる事が最大の武器であるバンブルビーに煽られた結果、ホットヘッド化したことで戦車にトランスフォーム。そのまま墜落してしまった。
「あ、間違えた! やっちまったメーン!」
  • しかし何故かランダムだけは武装と形態に縛られないため、皮肉なことに戦力を安定させるためには一番不安定な人格のランダムを表に出さなければならない。
「ヒヤシンスボー! ヒヤシンスボー!」(冷凍光線と火炎放射を交互に射ちながら)
  • ホットヘッドに切り替わると頭に血が上りやすくなり、極端に周りが見えなくなってしまう。同じ脳筋でもラグナッツが冷静さを保てるタイプなのに対して沸点の低いホットヘッドの場合は戦局すら見えなくなるため隙が生じやすく、ブリッツウイングの大きな弱点になってしまっている。
  • 当然顔と人格も固定なので、相手の攻撃が顔に直撃して強制的に入れ換えられても人格が交代してしまう。
  • メタ的に見てもいちいち顔が入れ替わる演出を入れなければならないため若干テンポが悪くなる。
  • 声優はブリッツウイングを演じる際、ほぼ常に一人三役を強いられる。
といった点から扱いづらいと判断されたのか、ラグナッツと比べるとストーリーが進むに連れて徐々にセリフが減っており、一足先にオートボットに逮捕されて退場してしまった。

念のため言っておくが、メガトロンへの忠誠心自体は本物であり、メガトロン不在時にディセプティコンを取り仕切っていたのはブリッツウイングのため*4、人望は無くはない。
多重人格という不安要素こそあるものの、スタースクリームとラグナッツの不毛な言い争いを仲裁したり、コンストラクティコンやロックダウンといった外部の人員を必要に応じて柔軟に利用したりと参謀らしく組織や人材を円滑に回す事は長けており、メガトロンがいない間の代理としては妥当な人選と言える。

作中で戦車と戦闘機の2つに切り替え可能なのは彼のみで、火炎と冷気を使い分けられる点は敵として極めて厄介かつケチのつけどころのほとんどない大戦力ではあったが、『火炎の戦車』と『冷気の戦闘機』という火力と機動力のうわべばかり過信し、肝心なそれらを操る“己の中身”のコロコロ変わりっぷりにより、真価が発揮できなかった。
また冷凍系も火炎系もそれ単体では強力だが戦術的な噛み合わせが悪い一面もあり、折角凍らせた相手の氷を自らの炎攻撃で溶かしてしまうなど自分で自分の戦術を潰してしまっている描写も作中見られる。

対人関係

  • メガトロン
主君。ただし彼の不在時には死亡等の最悪のケースも想定していた。
日本語版では上記の通りメガトロンからあまり信用されていないため、ランダムが「もしかして、嫌われてる?」とぶっちゃける場面も。

  • ラグナッツ
一応相棒。ただしドライな間柄で、「戦闘時にしっかり連携が取れる」という程度の仲。
日本語版では漫才に見えないこともない。やられた時には二人揃って「やな感じー」と叫ぶ事もあるのでより一層三枚目感がある。
とはいえ、コミカルさこそあるものの二人とも折り紙つきの実力者な為、長い間強力な敵幹部コンビとしてオートボットの前に立ち塞がってきた。

  • スタースクリーム
同僚。だが関心はまるでなく、日本語版では彼を放り捨てた直後にアイシーが「そうめん食べましょ」とか言い出すレベル。

  • ブラックアラクニア
同僚。元オートボットという異色の経歴の持ち主で、さらに原語版では「おぞましい半有機体」と面と向かって罵っている*5など、お世辞にも関係は良好とは言えない。
とはいえ上記の通り彼女に改造して貰ったことでトリプルチェンジャーになっているのも事実なので、仲間としてある程度の信用はあったと思われる。

同僚。多段変形、複数の顔を持つ、忠誠心の高い側近と何かと共通点が多いが、ショックウェーブが帰還した頃にはブリッツウイングは逮捕されてほぼ入れ替わりに近い形でフェードアウトしてしまったので意外にも直接的な絡みはない。
一応玩具ではラグナッツとサウンドウェーブも含めて四幹部という括りで扱われている。

  • バンブルビー
チーム・オプティマスの一員。上記の強制変形など、何かと対決することが多かった。
冷凍光線で地面が凍る→バンブルビーがスリップという場面が2回もある。
バンブルビー「助けて真央ちゃーん!」

フリーの賞金稼ぎ。メガトロン不在時に彼を雇ってチーム・オプティマスに刺客として送り込んだ。
ブリッツウイング自身は彼を信頼していた様子だったが、後にセンチネルに雇われた彼に捕縛された挙句武器まで奪われる憂き目に。

  • ミックスマスター
  • スクラッパー
スペースブリッジ用の資材に潰されそうになったブリッツウイングを善意で助けた事で知り合った。当初は二人を言葉巧みに誘導し、自分たちの代わりに資材運搬をさせた後で消す算段だったが、二人がメガトロンの目に掛かったため未遂で終わっている。
その後、記憶を失った二人を再勧誘する任務もブリッツウイングが担当している。

玩具

玩具はボイジャークラスで発売。三段変形ギミックもしっかり再現。さらに劇中同様顔を回転させることによるフェイスチェンジギミックも搭載。
単品販売に加え、プロールとの対決セットも発売された。
関節の可動域が広く、作中でブリッツウイングがしていた腕組みやヤンキー座りなども再現可能。

また、『トランスフォーマージェネレーションズ』で発売されたブリッツウィングは一応G1玩具のリメイクという扱いだが、アニメイテッド版のフェイスチェンジギミックが搭載されている。ホットヘッドがG1に近いノーマルの顔となっている。


余談

上記の通りトリプルチェンジャーであることが最大の特徴であり、そのことを全面に押し出しているブリッツウイングだが、後に登場した本作のショックウェーブは「ショックウェーブ」「ロングアーム」「戦車」「クレーン車」で4段変形する。
ちなみに、2022年現在シリーズ最多の変形は『トランスフォーマー カーロボット』のデビルギガトロンで、なんと10段変形できる。やりすぎ。

声優のロビンソン、チョー共に「アイシー」「ホットヘッド」「ランダム」でそれぞれ声のトーンを変えているのだが、両名ともブリッツウイングを見事に演じ分けた。お疲れ様です…。
なお、氏はトランスフォーマースーパーリンクでも多重人格キャラである「アルファQ」を演じている。(当時は長島雄一名義。)

日本語版のオープニングではアーマーハイドとの戦闘シーンが描かれている。短い尺ながら複数の形態に変身できるトリプルチェンジャーの魅力がしっかり込められており非常にかっこいい。

いつも元気な顔が3つのブリッツウイングでーすw! 3倍編集できるから、追記・修正してねw!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2024年09月06日 20:51

*1 『バンブルビー』版のみトリプルチェンジャーではない。

*2 最終的にランダムの「間を取って両方」という案で両方スキャン

*3 一度だけホットヘッドの状態から戦闘機に変形したことはある。

*4 スタースクリームは勝手にボスを自称していただけで誰も従っていない。

*5 ブリッツウイングに限らず本作のトランスフォーマーは有機生命体を軽蔑・嫌悪している者が多い。オプティマス達ですら、出会った当初サリを「ロボットのペット」と勘違いした程。