福富しんべヱ

登録日:2023/01/05 Thu 22:15:00
更新日:2025/04/20 Sun 17:43:04
所要時間:約 9 分で読めるんだぞ






わあ、しんべヱいいなぁ、お前のフライだけあんかけになってる!


ごれ゛は あ゛んかげじゃない゛、は゛な゛み゛ ずだぞ…ジュルルルルルッ




福富(ふくとみ) しんべヱは、漫画『落第忍者乱太郎』およびTVアニメ『忍たま乱太郎』に登場するキャラクター。
声優は一龍斎貞友*1
実写映画版の俳優は木村風太→神月朱理。




【プロフィール】

  • 年齢:10歳
  • 星座:牡牛座
  • 血液型:A型
  • 身長:125cm
  • 体重:67.5kg
  • 出身地:堺*2
  • 学年・クラス:一年は組
  • 所属委員会:用具委員会




【概要】

堺の大貿易商「福富屋」の息子として生まれた子供。家族にパパ、ママと妹のカメ子がいる。
のんびり屋の男の子で、機敏さを身に着けさせようと考えたパパの意向で忍術学園に入学することになった。

どこか冴えない鼻タレ小僧というイメージが拭えないが、「(上記の通り)実家が金持ち」、「10歳にして学園長の孫娘と相思相愛」という勝ち組であり、他の忍たまにはない強烈な能力を多数兼ね備えた、ハイスペックの持ち主である。

名前の由来は、室町時代後期の御伽草子絵巻「福富草子(ふくとみそうし)」から来ている。

名前の表記だが「しんべえ」「しんべエ」は誤りであり、「しんべ(ワ行エ段の音)」が正しい。




【人物】

一人称は「ぼく」。初期は疑問形が「~なのか?」「~なんだ?」とくだけた口調が特徴だったが、次第に普通の言葉遣いに修正されていった。また、先輩や教師など目上にはちゃんと尊敬語を使って話している。


外見

一年生の中で最も背が低く肥満体で丸々とした体型をしている。長期休暇で実家へ帰るとご馳走やおやつを食べまくるため、新学期が始まるとさらにブクブクに太った姿で登校するくだりはお約束となっている*3。でもどう太ってもちゃんと元に戻るのがお約束である。
乱太郎きり丸とは体型が大きく異なることから、普段は3人で行動していても身体的な理由で別行動を余儀なくされるケースも少なくない。SFCのゲーム「忍たま乱太郎すぺしゃる」のアクションパートでも一部のステージを除きプレイアブルキャラから除外されている。

どういうわけか、ダイエットをすると体は痩せるが、顔だけは太ったままという不思議な姿になってしまう。

髪は剛毛で、濡らしたままにしたりリンスをし忘れると、寝癖で針金のような形状に変化してしまうという性質を持つ。やきり丸のベアークローを折り手裏剣を弾き返すほど硬く、うっかり先端に触るとヤマアラシの針よろしく刺さるので危険。

太い眉毛がチャームポイント。この眉毛も一度ひどい寝癖になったことがある。

「外見」に記述すべきものなのか微妙だが、年中鼻炎気味で事あるごとに鼻水を垂らしている。通常、しんべヱに鼻は描かれていないのだが*4、この鼻水によって彼の鼻の位置が大体わかるようになっている。彼の鼻水は乱太郎たち曰くまろやかな味がするらしい。
しんべヱの鼻水は髪と同様に彼特有の性質を持つらしく、敵を足止めするトラップにも利用されている。本人も鼻水を使った曲芸を披露している。

しんべヱの鼻水とヨダレがたっぷり染み込んだ敷布は銃弾をも弾き、敵の身動きを止める強力な秘密兵器と化す。

彼の象徴とも言える鼻水だが、高熱を出した時には完全に引っ込んでしまい、その後解熱すると再び出始めたことから、しんべヱの鼻水は風邪ではなく健康を表していることがわかる。


性格

いつものんびりとしてマイペースな性格。食べることと寝ることが大好きで、授業中の居眠りなんかは日常茶飯事。聞き間違いや言い間違いが多く、隙あらばダジャレもかます大ボケ担当。
大食漢で基本何でも食べるが、唯一ワカメだけは苦手で食べられない*5

特に初期は、金持ちの家庭に育てられた影響か甘ったれで世間知らずな言動が目立つ。おまけに鈍臭い泣き虫な性格も相まって乱太郎・きり丸らクラスメートや先生達の足を引っ張る場面が多く見受けられた。

しかし、学園で忍者のいろはを学んでいくうちに徐々に逞しさが身についていき、精神面での成長も見られるようになる。

裕福な家庭で何不自由なく暮らしてきたことから庶民の生活事情には疎い。前述の通り金持ち的発言で周囲の顰蹙を買うことがあるものの、本人に悪気があるわけではなく、露骨に金持ちアピールをしたり鼻にかけたりすることはないため仲間とは良好な関係を築いている。


苦手・特技

その体型が物語る通り、とにかく足が遅い。だが、食べ物が絡むと乱太郎もビックリの俊足を見せつける。なんとも食いしん坊キャラらしい。
この他、緊急時(諸事情で急いでいる時や敵から逃れている時など)は演出の都合上、乱太郎達に余裕で追いつけるほど速く走れている。
また、体が水に浮かぶという体質から泳ぎも苦手としている。

食べる事が好きな事と、南蛮渡来の品を扱う福富屋の跡取りという事もあって洋菓子作りが得意という器用な一面もある。
劇中では、学園長の思い付きのスパルタ訓練を阻止するために誕生日ケーキを焼いて気を逸らせたり、くノ一教室の三人組へのいたずらにカステラを焼く等のシーンがある。

三人組の中でも一際頭が悪く、難しい事を考えるのは苦手。漢字のレベルもきり丸の名前を書こうとした際に「きり」と書いてしまうほど。原作では難しい話を聞くと両目の距離が離れてしまい、理解するに従って元に戻っていくのが定番描写。
ただし、ある回で高熱を出した時には、「しんべヱの着ぐるみを着た忍たまの友*6」と表現されるほどの秀才に変貌していた。

学力最下位であることや、口が軽く秘密をうっかり喋ってしまうことも多いため、忍者に全く向いていないと思われているが、その人当たりがいい性格は「順忍」*7の素質があるとされている。

(常に鼻炎なのに)犬以上に優れた嗅覚を持ち、これも敵の罠などを見破るのに一役買う。その実力は忍術学園の教師陣が見抜けなかった毒薬を見抜くほど。
しかし、大抵の場合はご馳走を嗅ぎつけるのに利用され、余計な寄り道の原因を作ってしまっている。
石頭と怪力の持ち主でもあり、いざという時のバカ力で自身や仲間の危機を脱する場面も複数存在する。

人から聞いた話をすぐ忘れてしまうが、これは忘れているのではなく大量にたまった耳垢が情報を吸収してしまっており、脳まで届いていないため。そのため大量の耳垢を火にくべることで耳垢が吸収した情報が音声で再生されるという人間離れした特殊能力を持っている。

また、「外見」節で上げたような鼻水やハリガネ頭も強烈な武器として役立っている。




【関連人物】

猪名寺乱太郎
摂津のきり丸
三人合わせて「乱・きり・しん」。厚い友情で結ばれた親友だが、先述した通りあまりのおとぼけっぷりや金銭感覚の違いに呆れられることも少なくない。特にきり丸からは、(お互い正反対と呼べる半生を歩んできたこともあり)金持ちじみた言動を疎まれることが多く、たまに冷たくあしらわれることも。第1話でも入学金を小切手で支払っており、初めて会ったばかりの乱太郎に僻まれていた。
その愚鈍さから2人に気苦労を負わせてしまうこともしばしばだが、軽く憎まれ口を叩かれたり怒られたりする事はあっても、愛想を尽かされたり仲間外れにされる事はない。しんべヱのどこか憎めない(ほっとけない?)人柄を2人も深く理解しているのだろう。
生い立ちも身分も何もかもがバラバラな3人が親友トリオでいられるのもある意味奇跡に近いのだが、何よりお互いの価値観や生き様を尊重し合えるそれぞれの人間性が不滅の友情を築いていると言える。

山村喜三太
一年は組の同級生で、用具委員会での同僚。乱太郎やきり丸の次に仲が良く、共に行動するエピソードも多い。
喜三太は蛞蝓のお世話が趣味なため、しんべヱの鼻水と相まって「湿り気コンビ」と呼ばれることも。
そして、しんべヱ(の鼻水)と喜三太(の蛞蝓)が六年い組の立花仙蔵先輩を振り回すエピソードは、通称「厳禁シリーズ」と呼ばれている。

鉢屋三郎
五年ろ組、学級委員長委員会所属の先輩。
六年生を上回る変装の達人で、平時はクラスメイトの不破雷蔵の顔を借りている。
しんべヱの顔は「変装しやすいから」という理由でお気に入りのようだが、それなりに高い身長をそのままに顔だけをしんべヱに変装するため等身がおかしくなる。
そのため温厚なしんべヱが「不愉快です…」とストレートに辟易するレベルには不評。

大川シゲ
くの一教室の生徒。通称「おシゲちゃん」。
初対面の時からしんべヱに一目惚れしており、すぐに相思相愛の仲となった。彼の鼻をかんであげるためのハンカチをいつも持ち歩いている。
くの一にからかわれたりどこか反りが合わなかったりする乱太郎達を差し置いて、ちゃっかり「貿易商の御曹司×学園長の孫娘」というリア充カップルが成立している。
原作には登場しないため、しんべヱ自身の描写もアニメとは少々異なる。

しんべヱのパパ
声 - 緒方賢一、松尾銀三(2期23話)
堺の大貿易商「福富屋」を経営する商人。本名は不明で、客からは基本「福富屋さん」と呼ばれている。
見た目もしんべヱと同じくふくよかな体型だが、性格も大らかでしんべヱとカメ子を溺愛している。仮病を使ってしんべヱを忍術学園から実家まで帰らせたほど*8の子煩悩。
だが、機敏さを身に着けさせるためにしんべヱを学園へ行かせたというだけあって教育熱心でもあり、時に厳しい一面を見せることもある。しんべヱが実家で盗みを働いたとわかった(実際は変装名人による犯行で完全な濡れ衣だった)際には、罰として森の木に縄で縛り付けて放置していた。

福富 カメ子
声 - 水田わさび
しんべヱの妹で5歳。
パパは当初「カナ子」と命名しようとしたのだが、字を書いていた時にしんべヱがぶつかって来たせいで「ナ」が「メ」になってしまい「カメ子」となった。
5歳とは思えないほど礼儀正しくしっかり者の世話好き。欠点がないように思われるが美的感覚が少々ズレているらしく、六年ろ組の中在家長次に好意を抱いている上、彼の不気味な笑いも「可愛い」とコメントする程。

なお、しんべヱのママは存在こそ示唆されているが、作中では一切登場していない。




【余談】

  • 声を担当する貞友氏は、当初きり丸役のオーディションに参加していたのだが、最終的にしんべヱ役に決まったという。かたや、きり丸を演じる田中真弓氏は最初しんべヱ役のオーディションを受けていたらしい。結果次第では、きり丸としんべヱの声が逆になっていた可能性もあったことになる。
  • 番組開始当初は専業声優であったため、鈴木みえ名義だった。その後講談師の一龍斎貞水に入門し、講談師デビューを果たしてからは活動名義を一龍斎貞友に改めている。
  • また、しんべヱ役のオーディションには、平滝夜叉丸役を演じている高木渉氏も参加していたらしい。もし高木氏が役を勝ち取っていたら、しんべヱのキャラも今とかなり大きく変わっていただろう。
  • かつて発売されていたスーパーファミコン用ソフト『忍たま乱太郎すぺしゃる』において、アクションステージ用キャラではまさかのリストラをされるという憂き目に遭っていた。そのため、しんべヱの出番は屋根裏を進むイベントステージのみである。



追記・修正は、あんかけ(はなみず)フライを完食してからお願いします。

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最終更新:2025年04月20日 17:43

*1 第6シリーズまでは「鈴木みえ」名義。

*2 現在の大阪府堺市。

*3 原作初期では休み明けに土井半助に会うと毎回体重計に乗せられるのが定番だった

*4 鼻を強調するシーンなどで鼻の穴が描かれるなど例外はある。

*5 一度克服したことがあるが現在でも食べられるのかは不明。

*6 忍術の教科書。

*7 従順な振りをして下手に出ることで相手を油断させ、情報を盗んだり仕掛けを施す忍者のこと。

*8 真相を知った時には、さすがのしんべヱも好物のカステラを出されても拒むほど激怒していた。