スパッタリー(Splatoon)

登録日:2023/01/11 Wed 00:34:40
更新日:2025/06/25 Wed 03:46:47
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軽快なフットワークで仲間をサポートし、スキをついて相手を撃つ、
ヒット・アンド・アウェイが得意な使い手にかわいがって欲しいでし!
*1


スパッタリーとは、Splatoon2より登場したマニューバーの一種である。




概要

近距離戦闘に特化した軽量級のマニューバー。
見た目は……説明しづらいが、糸ようじモチーフのプラスチック銃に歯ブラシをくっつけたようなデザイン。グリップの底部から後ろに向かって歯ブラシが伸びており、歯ブラシの先端と銃本体を糸で繋げている。伝わりにくいかもしれないが恐ろしく奇っ怪な構造。
一方で、マニューバーの構造上スライドを行うためのノズルはどうもこの歯ブラシ部分らしく、後述するキレのいいスライドは歯ブラシからインクを噴射して行なっている模様。
それ以外にも軽量化を図るためか随所で肉抜き加工されており、真面目に不真面目しているスプラトゥーンらしいカオスなデザイン。
モチーフはブラシをこすった時の飛沫で絵を描く手法の「スパッタリング」。

肝心の性能は、マニューバー界隈のボールドマーカー
  • 他マニューバーより隙が少なく素早いスライドが行える
  • 連射・攻撃力共に優秀で、特にスライド射撃のキルタイムは全ブキトップクラス
  • 射程はお察しレベルで短い
という特徴がある。


運用

このブキを使うにはボールド同様「近づく技術」と「エイムの腕」が必要。簡単なようで扱いは繊細。
塗り性能も同じく高いためスペシャルウェポンは溜まりやすい。ここぞというタイミングで使うべし。

立ち撃ち

一発の威力は「36」。弾3発で相手を倒せる、いわゆる3確であり火力は高い。
マニューバー特有の照準で当てにくく見えるが、射程範囲内なら大抵のブキに有利は取れる。連射性能が高く歩く速度(ヒト速)も速いため、塗り進みも簡単。
ちょっとしたテクが必要だがシューターのようにジャンプ撃ちも可能。

慣れないうちは爆速キルのスライド射撃にこだわりがちだが、下手にスライドして外してしまうとせっかくのチャンスを逃すうえ相手の目前で止まってしまう。
何より、スライド分の時間を含めた場合逆にキルタイムが下がってしまうケースも多い。確実にキルが取れる状況なら立ち撃ちで仕留める方が安定するだろう。
スライド射撃だけでなく立ち撃ちも活かしていこう。

スライド

スパッタリーの十八番にして、マニューバー共通の必殺技
  • 移動距離と速度のバランスが取れたスプラマニューバー
  • スライド中も歩きやジャンプが可能なデュアルスイーパー
  • スライド後にパワーと射程が上がり、2確になるケルビン525
  • 瞬間移動ばりの速度かつDPS最強のスパッタリー
  • 4連続スライド+スライド中射撃で敵を追い込むクアッドホッパー
  • 一回限りながら大きく移動&発射レート爆上げのガエンFF
見ての通りスパッタリーは近距離特化。照準さえ合えばかのハイドラントと並ぶキルタイムで相手を蜂の巣にできる。
DPSも輪をかけて強化されるためガチホコのバリア割りも大得意。とはいえ、射程が短い都合上割り合戦で押し負けると確実に消し飛ぶのでそこだけ注意。

また、スライドの回数を使い分けても戦いの幅が広がる。
  • 1回目のスライドで相手を倒し、2回目で他の相手の反撃を避ける
  • 2回スライドより1回スライドの方がキルタイムは速い
  • シンプルに連続スライドで逃げる
などなど。
スパッタリーはスライドが高性能かつ短射程なのでスライド周りの読み合いが重要。
素早いスライドで死線をくぐり抜け、スライド射撃で敵を次々となぎ倒すイケイケプレイはスパッタリーの華。味方の士気を上げ相手からは恐れられる前線のエースとなるべく腕を磨こう。


弱点

弱点は当然ながら短い射程。
少しでも長い射程持ちに狙われたら下がらざるを得ないほか、こちらが仕留めきれず逃がしてしまうと追撃できない状況も多い。ちょっと離れるだけで倒せなくなる。
例によってチャージャースピナーも苦手。移動距離自体は短いスパッタリーのスライドは遠目から見ればあまり脅威にならず、距離が離れたスピナー相手に強引な接近は無謀。
「スパッタリーならいける!」という感覚が常に心を揺さぶってくるが、波に乗っていても射程だけはどうしようもない場合が大半。
「スパッタリーは人数不利より射程不利の方が厳しい」と覚えておこう。

そして、ある意味一番の弱点はエイムのハードル。
どんなに鬼DPSでも弾を当てられなければ意味はない。シューティングである以上どのブキもエイムからは逃れられないが、スパッタリーの場合速すぎるスライドにプレイヤー自身が猛烈に振り回される。
スライドで射軸がズレても一瞬でエイムを戻して合わせるスキルは他のマニューバー以上に必須。
上記の通り本質的には繊細なブキなので、立ち回りもエイムも練習あるのみだ。


相性の良いギアパワー

ここではスプラ3を中心に記載する。

  • 復活時間短縮・カムバック・リベンジ
前線ブキ定番ギア。
デス上等のルールでお約束のギアだが、スパッタリーの特性上どうしても「突っ込んではやられる……」の繰り返しになることも多く、それらのリスクを緩和してくれるこれらは本質的に相性がいい。余裕を持って戦えれば視野も広がるだろう。
ただしヤケクソになって何も考えられなくなるのはNG。
このうちリベンジは他二つに比べて効果が実感しづらいかもしれない。自身のプレイスタイルと合っていれば採用しよう。

  • ヒト移動速度アップ・イカダッシュ速度アップ
軽量級ブキ定番ギア。どちらも速いスパッタリーの機動力をさらに底上げ出来るため、お守りギアなどが付いているメインがあればそれを流用してOK。

  • イカニンジャ
奇襲すればどんなブキ相手でも視認される間もなく撃破可能、そんなスパッタリーの隠密を助けるギアパワー。
視野が狭くなりがちなローラーや中距離シューターが遠目で見てもほぼ発見不可能になるため、相手を倒して積もりがちなヘイトを下げることができる。
しかし完全に気配を消すことは出来ないため過信は禁物。

なお、『3』の無印スパッタリーではエナジースタンドの効果でイカニンジャが無効化されてしまう点に注意。


セット一覧


スパッタリー(2)

サブ:ジャンプビーコン
スペシャル:キューバンボムピッチャー

スパッタリーの基本種。とにかく前線を押し上げることに特化している構成。
サブのジャンプビーコンはフィールド内を自由自在に飛び回ることができ、ステージを熟知した者が使えば神出鬼没な奇襲を掛けることも可能。
ビーコンは裏道以外にも、相手を抑え込んでいる時に中央エリアに置いておけば味方を安全に戦線復帰させられる。
それ以外でも目立ちにくいところに置いておけば思わぬチャンスが生まれるかもしれない。

スペシャルが溜まったら、制圧力バツグンのキューバンボムをフィールドに盛りだくさん投げ込んでやろう。
サブで抑えと支援、スペシャルで打開にも貢献できる、一芸特化のメインを支える評価の高い構成。

スパッタリー・ヒュー(2)

サブ:ポイズンミスト
スペシャル:アメフラシ

相手への嫌がらせに特化したイヤ~なスタイル。
ポイズンミストは攻撃性能こそ無いが、高台に投げ込んだり味方をアシストしたり、逃走経路に置いて壁として使ったり……と汎用性に優れる。
アメフラシも敵陣に投げ込んで、打開の芽を摘んでやろう。
反面攻撃性能は貧弱なので、申し訳程度のポイズンミストで鈍らせてメインの火力で戦うしか無い。
前線をサポートしつつジワジワと攻める戦法に向いている。

スパッタリークリア

サブ:トーピード
スペシャル:スーパーチャクチ

四の五の言わずに暴れるぜ!なスタイル。
トーピードで隠れたローラーなどを炙り出し、チャージャーに嫌がらせなど使い勝手が良い。切り込んだ味方にはスーパーチャクチでダイナミック・エントリー。
……だが、これまで以上に追い込まれた際には弱くなった。敵にやられる恐怖の中、どれだけ前線で踏ん張れるかが勝敗を分ける。


スパッタリー(3)

サブ:ジャンプビーコン
スペシャル:エナジースタンド

スプラ3にも続投されたスパッタリー原種。
サブのジャンプビーコンは相変わらずなので、自分と味方のためにバンバン置いていこう。壊したくなる位置に囮として設置しておくのも有用。
スペシャルのエナジースタンドは自分と味方を大きく強化するほか、やられてもすぐに復帰できることで自らに課すプレッシャーを軽減できる。
サブスペで味方を支援しつつ、チャンスが来れば味方と共に一気呵成で攻め込むべし。

ただ、サブスペ共に攻撃性能は0。
加えてエナジースタンドは敵にもエフェクトが見えるという奇襲ブキには迷惑な仕様により、接近戦を主とするブキ全般に対して少々相性が悪い。
味方に飲ませて自分は飲まないという選択もアリ。
また、キューバンボムピッチャーを失ったことで打開展開に貢献しにくくなったのもネック。一度押し込まれてジャンプビーコンも壊されてしまうと最悪相討ち上等の特攻しか役割を持てなくなるため、そうなる前に対処する視野が必要となる。
試合展開の広い把握が必要な上級者向け。

スパッタリー・ヒュー(3)

サブ:トーピード
スペシャル:サメライド

前作のヤラシイ構成とは一転、前線で暴れまわる攻撃的な……というより、前作クリアのリメイクと言って良い構成になった。
トーピードは隠れたイカの発見や長射程への嫌がらせに適しているが、短射程すぎて「一瞬で仕留めるか逃げられるか」になりやすいスパッタリーとは同時攻撃の相性はさほどでもない。便利なのは間違いないので前線でのインク切れに気を付けつつ使いたい。
一方、サメライドは後隙をスライドでごまかしやすい&爆発で削った相手を即爆トピコンで追撃できると相性抜群。今や鉄板戦術であるサブと合わせてのガチエリア強制確保がほぼ出来ない点が惜しいものの、まとまった構成と言える。

この攻撃的な構成でキルを量産する姿にあこがれるプレイヤーは多いが、やはり短射程なので相応の技量はいる。修行して使い込むべし。

スパッタリーOWL

サブ:スプラッシュボム
スペシャル:メガホンレーザー5.1ch

Ver10.0.0アップデートで追加されたバンカラコレクションモデル。コラボ先は「バラズシ」で、名前のOWLは「フクロウ」の意。
最新の塗料でコーティング(おそらく銅メッキ)したと謳うメタリックブラウンの色合いと質感、そして外付けのフラッシュライトが特徴的。地味に歯ブラシの色も変わっている。

スプラッシュボムにメガホンレーザーと、中~遠距離に大きく干渉できるサブスペが目を惹く。汎用性抜群のスプボムは遠距離に投げるのは元より、相手の逃げ道に投げ込んでから突っ込む、メイン射撃が届かない場所のクリアリングなど、スパッタリーの弱点をこれでもかと補ってくれる。
索敵・アンチ長射程特化のメガホンも心強い。スパッタリーの塗りなら存分に使えるうえ、近距離の相手にメガホン発動→避ける相手にスライド勝負という荒々しいコンボも強力。似たことが可能なブキは他にもあるが、スライドでしつこく追いかけてくる拒否のしにくさはスパッタリーが随一。

総じてヒューの立場を喰いかねないレベルで非常に評価の高い構成。本作発売から2年9か月後に追加されたマイナーチェンジでありながら、おそらく一番初心者向けのスパッタリー。
スプラッシュボム×使いやすいスペシャルに『ボル7』の系譜を感じたプレイヤーもいたとか。
間口が広がったのは良い事なので、扱うハードルの高さから食指が動かなかったプレイヤーもこれを機に触ってみてはイカがだろうか。


サーモンランでは

サーモンラン最強ブキ候補の1つ。通称「正社員」と言われる廃人ガチ勢から初心者まで幅広く愛されるブキ。
立ち撃ち・構え撃ちによる破格の火力は勿論、超スピードのスライドによる生存能力、連射ブキゆえの汎用性の全てを併せ持っている。
軽量級なのでイカ速が速いのもありがたい。

サーモンランでは与ダメージを含めた全ての性能が調整されており、『2』では立ち撃ちの時点でDPSが540、スライド後の構え撃ちに至っては675ボールドマーカーすら超える圧倒的な火力を叩き出していた。
しかし流石に強すぎると判断されたか、『3』では立ち撃ちのDPSが540→480、構え撃ちのDPSは675→600と弱体化。
そんな弱体化を経てなお「最強ブキ候補」の座を譲らないのがサーモンランのスパッタリーである。

体力が多いドスコイやコウモリをあっという間に処理出来る上、本来マニューバーが苦手なザコシャケの群れも火力で強引に対処可能。ボールドほどではないにしても塗りも強く、余裕があれば足場を塗るサポートも可能。
生存能力の高さから海岸遠征も得意。合計体力が途方もないテッキュウの群れにも対応でき、更にはオカシラシャケ戦でもダメージソースとターゲット役の双方をこなすことができると、まさに八面六臂の活躍が見込める。

一方、弱点はやはり短射程であること。ボールドやパブロよりはマシだがバクダンやコウモリの弾の撃ち返しは苦手な部類。
他にもハシラは上に登らないと倒せないほか、短射程殺しのタツにはイクラキャノンに頼るしかない。
苦手な相手は仲間のサポートに回ろう。

総じて、射程の短さという弱点を鑑みてもサーモンランではザコシャケ・オオモノシャケ・オカシラシャケ全てに対処できる超優秀なブキの一つ。
あくまで重要となるのはプレイヤー自身のプレイスキルなので、うまく使いこなしてWaveクリアを目指すべし。


余談


  • 上述通りモチーフは「スパッタリング」→「ブラシ」→「歯ブラシ」なのだが、「糸ようじ」については元ネタになるようなものは全く見受けられない。確かに同じデンタル関連のアイテムではあるが……。
    始まりは画法モチーフだったブキが糸ようじの意匠まで行き着いた経緯を本ブキのデザイナーさんに伺いたいものである。

  • 現在では修正されているが、3ではエナジースタンドを壁の角に設置し、スタンドと壁に挟まれながらメインで射撃すると地形をすり抜けられるバグが存在した。
    残念な事にこれをオンライン対戦で悪用する不届きなイカもおり、このバグを利用して「壁の中に破壊不可能なビーコンを設置する」ためにスパッタリーが多く用いられたため、真面目なスパッタリー使いが風評被害を被ることになってしまった。*2
    繰り返すが現在は修正済み。




追記、修正はキレのいい歯磨きをしつつお願いします。


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最終更新:2025年06月25日 03:46

*1 スプラ3におけるブキチの解説より

*2 オンラインプレイにおいてバグを意図的に利用する行為は「グリッチ」と呼ばれ、立派な規約違反行為で最悪アカウント停止の対象になる