フデ(Splatoon)

登録日:2022/09/20 Tue 20:34:58
更新日:2025/10/09 Thu 10:40:57
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フデとは、Splatoonシリーズに登場するブキカテゴリの一系統である。




概要

名前の通り、画材として使われる「絵筆」をそのまま巨大化した外見のブキ種
巨大な絵筆を振り回して相手も周囲も絵の具=インクで塗りたくるという、やんちゃな遊びのイメージをゲームに昇華したスプラトゥーンらしい奇抜なブキ。後述の性能も子どもの頃の悪戯心が刺激されるような実にユニークなものである。
ただし、絵の具チューブのようなパーツが付けられていたり持ち手が長かったりと、単なる「巨大な筆」とは少し異なるデザイン。やはり日用品を模していても「ブキ」なのだろう。

見た目からはわかりづらいが実はローラーからの派生ブキ。どちらも「塗り広げる道具」という共通点がある。
『3』からは明確に別ジャンルのブキとして扱われ、勝利のブキポーズも差別化された。

2024年現在、実装されているフデ三種はすべて画材メーカー「キャンバス」が開発している。


性能

アクションはおおむねローラーと共通しており操作は簡単な方。
挙動そのものも極めて素直だが、その性能はクセが強い。

射撃ボタン連打でフデを高速で振り回す「振り撒き」を行う。
これがフデのメイン攻撃であり塗り手段。射程は基本的に短く単発攻撃力も最低クラス(フィンセント除く)だが、とにかくインクの飛び散る範囲が広いので射程内なら当てやすく、塗りも大体のフデが強い。
単発火力の低さも連打で補えるため、射程内に捉えさえすれば大抵そのまま削り切れる。
とはいえ流石にローラーほどの近距離火力はない。

そして、射撃ボタン長押しでフデを両手で構える「塗り進み」が行える。
この塗り進みこそフデの真骨頂で、アクション自体はローラーの転がしとほぼ同じだが移動速度が比べものにならないほど速く、相手の単発射撃を避けながら距離を詰めるのは大の得意。
しかも「相手インク上でも構わず高速で塗り進められる」という特徴も持ち、敵陣でも弾幕を避けつつ安全圏まで悠々と逃げおおせるムーブはフデならでは。
「金網や塗れない足場の上でもスピードが落ちない」というのも地味ながら特徴のひとつ。
一方、見ての通りローラーよりも幅が狭い……というか筆なので塗り進みの塗る面積は非常に細い。塗りを広げるのには向いていないほか、細い見た目通り攻撃力も極端に低く、相手に当たっても大抵弾かれて返り討ちに遭ってしまう。ローラーの轢殺のような攻撃手段にもまず使えない。*1

ローラーから攻撃力を落とした代わりに、圧倒的な機動力と塗り能力を獲得した高機動型ブキがフデなのだ。


立ち回り

とにかく「塗りの強さ」と「機動力」を活かしていくことになる。上述通り非常にユニークな性能なので、他ブキ種では真似できないフデ独自の立ち回りが楽しめるだろう。

基本的に正面切っての攻防は不得手だが、キル性能が低いかというとそうでもない。全ブキ中最高クラスの機動力、相手インク上でも移動可能、射程内での瞬間火力といった要素を活かした相手の背後を取る不意打ち戦術が採りやすく、味方と交戦中の相手の背後を襲うアサシンプレイはローラー同様非常に強力。
また、チャージャーブラスターなどから一撃で射抜かれでもしない限り周囲を相手インクに囲まれても高速で離脱できるため、前線で生存しやすいのも強み。塗り進みで退却すると見せかけ、くるっと切り返して追跡してくる相手を撃退するといった頭脳プレイも可能だ。
ローラーの派生ブキらしく高所を抑えても強い。上方から大量にインクを降らせるのはもちろん、坂や壁を登ってくる相手をセンプクで待ち伏せする、曲射で壁越しに攻撃するといったローラーの鉄板戦術もほぼそのまま行えるはず。
使うフデにも依るが塗りによる味方のサポートもこなせる部類。相手との塗り合戦は短期決戦を意識すると勝ちやすい。

ネックとなるのはやはり短い射程。自分より射程の長い相手に捉えられたら無理に近づくより逃げることを優先しよう。優れた瞬間塗りによってスペシャルも溜めやすいので、厄介なブキはまずスペシャル溜めを優先する選択肢もアリ。
また、フデ自身は実はローラーがかなり苦手。ローラーの射程範囲に自ら近づかなければならない以上かなり相性が悪い。正面戦闘だとまず勝てないのでメイン以外での対処、塗り重視で導線を断つなどの対策が必須となる。
なお、パブロを除き、塗り進み中でも敵インクを踏んだらダメージは受ける点に注意されたし。敵インクの上で小さく旋回してみると、しっかりダメージを受けているのが分かりやすい。

その他、ある意味最大の弱点は、メインの攻撃/塗り手段がボタン連打であるために指がものすごく疲れることか。
安定した連打力がパフォーマンスに直結するため、これが割と馬鹿にできなかったりする。
特にパブロ使い達の間では、連打に用いる指の筋肉はパブロ筋と呼ばれ、連打力と疲労への忍耐をも含めてパブロ使いとしているとかなんとか……。
振る際は常に連打し続けるのではなく、何度かに分けて細かく集中的に連打したり、人差し指と中指を使い分けて負担を分散させると多少はマシになる。
また、試合中は常に振りをする必要もないため、合間にセンプクをしながら指を休めておくとよい。


種類

基本的に「パブロ」「ホクサイ」「フィンセント」の三系統に大別される。
なお、ブキの名前は世界の高名な画家から取られている。

パブロ

西洋の絵筆を模したブキ。名前の由来はパブロ・ピカソ。
射程こそ全ブキ中ワーストだが、トップクラスの塗り性能と移動速度を備えた軽量級のフデ。
他のフデと違って敵インクからダメージを受けずに塗り進めるのも特徴で、機動力にものを言わせて敵陣地に入り込みやすい。
ただし射程の短さと火力の低さは無視できない問題であり、これをイカにカバーできるかが使いこなす鍵となるだろう。

基本的に真正面からの撃ち合いは不向きなので、裏取りで敵陣を荒らしたり相手の真横や背後を狙うのが良い。逆に奇襲に失敗した際はすみやかに逃げるべし。
この不意打ち即撤退のヒット&アウェイを徹底すると、このブキの楽しさが分かるかもしれない。
また塗り進みは目立ちやすいが、それを利用して逆にヘイトを集め、相手を誘導したり揺さぶりをかけることもできる。まさに戦場を引っ掻き回せるトリックスター
特に『2』で追加されたガチマッチのルール「ガチアサリ」との相性は抜群。塗り進みで疾走してアサリを集め、ガチアサリを作ったら相手のゴールにシュゥゥゥーッ!するのが定石。

派生形に「パブロ・ヒュー」「パーマネント・パブロ」がある。





ホクサイ

刷毛のような形をしたブキ。名前の由来はもちろん葛飾北斎。
初代と『2』ではパブロよりも後に解放されるが、『3』ではこちらの方が先に解放される。
機動力とインク燃費はパブロより悪化したが、それと引き換えに攻撃力・一定の射程を獲得したバランス型。

塗り進みの速度はパブロには劣るとはいえ、それでも十分な機動力があり、塗り跡もそこそこの幅があって味方が利用しやすい。
ただインク効率の悪化は割と深刻な問題で、パブロと同じ感覚で振っているとあっという間にインク切れを起こす。そのため瞬間的な塗りは強いものの、継続的に塗り続けるのは非常に苦手。
パブロを使っているとホクサイの射程が、ホクサイを使っているとパブロの燃費が恋しくなるともっぱらの評判
使ってみて馴染んだ方を手に取るべし。もちろん使い分けるのもアリ。

また『2』では条件を満たすと「ヒーローブラシレプリカ」、『3』では「オーダーブラシレプリカ」が解放される。性能、サブ・スペシャル編成共に無印と同じで、違うのはデザインのみ。
見た目が好きなら入手に挑戦してみよう。

派生形は「ホクサイ・ヒュー」「ホクサイベッチュー」「ホクサイ彗」





フィンセント

長らく二種のみだったフデ界に『3』で追加された新星。
扇形の穂先を持つ絵筆・ファンを模したブキ。名前の由来はフィンセント・ファン・ゴッホ。
塗り進みによる機動力を保持したまま、フデにあるまじき長射程と高火力を搭載。並の短射程ブキなら封殺できる射程と、パブロほどの距離に捉えれば確定2発という火力を誇る、「フデ版ダイナモローラー」とも言える重めのフデ*2

試し撃ちライン2本を少し超えたあたりでも確定3発の威力を維持できるものの、燃費はホクサイよりさらに悪化し継戦能力は全フデ中最低。またフデが大型のためか、一振り目のモーションだけ発生が遅いという独自の弱点がある。
振り始めてからの速度はそこまで遅くない(=二振り目以降の動作は素早い)のだが、これのせいで何もしていない状態から塗り進みを始める場合は動作の遅い一振り目を挟む必要があり、フデの強みであるはずの高速離脱がやりにくいのが難点。振り撒き連打→塗り進みに移行するプレイは問題なく行える一方、塗り進み→振り撒きに移行する場合はどうしても一振り目を挟む必要があり、塗り進みによるゴリ押し接近も難しい。

これらにより、実装当初はローラーにもフデにもなり切れない中途半端な感が否めなかったが、'25年10月現在は度重なるアップデート強化でかなり改善されている。
フデらしい強い塗りとフデらしくない射程・火力で短射程を追い払いつつ、陣地に侵入してくる相手にはローラーのようなセンプクキルを仕掛けられると良いだろう。

派生系は現在「フィンセント・ヒュー」「フィンセントBRNZ」の二種。



余談

  • Splatoon2においては、その特殊なカテゴリ故か初代で登場した全ブキ系統*3にそれぞれ1種類以上新しいブキ種が追加されている中、この系統のみ追加がなかった。
    • 『3』でもその状況は変わらず、同時期の新ブキ系統並に種類が少なかったが、ようやく上述の「フィンセント」が追加された。

  • スマブラSPではパブロがインクリングの横スマッシュ攻撃として採用。原作の連続振りよろしく多段攻撃……かと思いきや、バットの様に思いっきりブン殴る単発攻撃となった。一応他スマッシュと比べインク消費が少ないという点で連打力は再現されている。




追記・修正は指筋トレしながらお願いします。


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最終更新:2025年10月09日 10:40

*1 サーモンランでは威力に補正がかかり、コジャケならば轢殺できるようになる。といっても中シャケ以上だと弾かれてしまうので、退路にコジャケが群がっていても無視して進めるぐらいに思っておこう。

*2 勘違いされやすいが、重量区分はホクサイと同じ中量級である

*3 シューター、ブラスター、ローラー、チャージャー、スロッシャースピナー