スピナー(Splatoon)

登録日:2022/12/07 Wed 13:57:02
更新日:2025/03/15 Sat 00:54:58
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スピナーとは、Splatoonシリーズに登場するブキ系統の一つである。



概要

初代Splatoonのアップデートより追加された後発のブキ種。
『2』『3』でも続投されており、少ないながら派生種も毎回追加されている。

ブキのデザインはどれも基本ゴツく、大容量タンクに接続された多銃身バレルというなんとも物騒な造形が目を惹く。
そう、モチーフは完全にガトリング砲である。

チャージャーと同様にチャージを用いるブキであり、二段階にも及ぶチャージ時間に比例して長時間に渡りインクを超速レートで撃ちまくるトリガーハッピー御用達のブキ種。
特定の位置に構えて砲台と化し、唸る高速回転バレルから高密度のインク弾幕を張れるのだ。
その姿はロマン以外のなにものでもない。

その見た目通り攻撃性能は非常に高い。
圧倒的な発射レートと精度を両立した射撃性能と、チャージすればするほど伸びるチャージャーに次ぐ射程範囲を兼ね備えた総合火力の高さがウリ。
「長時間弾を撃ち続けられる」という特性のおかげで、チャージャーと異なりエイムが多少ズレても誤魔化しやすい点もポイント。
上級者が安定して活躍できるだけでなく初心者でもその火力を味わえるぞ。
射撃中のヒト移動速度が基本早いのも長所。ヒト移動速度アップをつけるとゴツい見た目に反して軽快に動く事も可能。
総じて撃ち合いには非常に強いブキ種。

一方弱点も見た目通りで、基本鈍重で小回りが効かない。
撃つためにはまずチャージせねばならず、しかもチャージ中は歩行速度が遅くなってしまう。このもっさりした挙動のため、不意打ちから接近戦に持ち込まれると非常に不利。
チャージャーと同じくとっさの対処全般が苦手なのだ。
ただし後述の「半チャージ」という運用により、不利は前提としてチャージャーより接近戦はこなせる部類。
何なら返り討ちにできるケースも珍しくなく、こういった点もチャージャーより扱いやすいと言えるだろう。
……そしてチャージャーが何よりの天敵。詳しくは後述。


運用

火力・精度・連射速度・射程といった撃ち合いに欲しいスペックすべてが高い。
よって狙うべきは距離を保った一方的な射撃。射程さえ保てれば1on1なら圧勝、多対一でも基本撃ち勝てる。複数のイカを鎧袖一触にできる爽快感はスピナーならでは。
チャージさえすれば発射中も歩き撃ちが可能なので、障害物に出入りしながら射撃という戦術も可。
「下がらないとハチの巣になるぞ」と自分一人で多数相手に圧を掛けていく運用がスピナーの王道だ。

……ただ、シューターマニューバーローラーなどの短射程組もそれは十分に分かっており、あらゆる手段で裏を掻こうとしてくる。
以下の通り強み相応の弱点も多いのだ。
  • 程度に差はあるがチャージに時間が掛かる
  • 確定数自体は大抵4発なので射程がないと撃ち負けやすい
  • チャージキープも(基本)できないのでイカ状態からすぐ攻撃に移れない
  • 両手持ちする程に重いので(特にイカ状態での)足が遅い
  • 他のブキと違って足元にインクが落ちないので、足元を塗られるとまず逃げられない
  • インク消費が激しいためインク管理もシビア
……と主に足回りの面で多くの弱点を抱えており、前述通り不意打ちには弱い。
それでいてさすがにチャージャーほどの射程はないため、攻撃性能を活かすにはこの弱点を抱えた上である程度前に出なければならない。味方の進軍に合わせて前進する必要がある。
「敵が撃てるようになる危険な場所」と「安全だが敵を撃つには遠い場所」、この二つの境界線を見極めなければスピナーを活かすことは出来ないのだ。

しかし、エイムを磨きチャージの感覚を叩き込んだプレイヤーならスピナーはさらなる真価を発揮する。
前述の通りスピナーには二段階のチャージがあり、弾の射程が確定する「一周目チャージ」、撃てる弾数がMAXになる「二週目チャージ」の二種類を持つ。さらに一周目チャージが完了しない段階でも溜めた分だけインクを撃つことは出来、ブキにもよるがそこそこの弾数は出せる。
この性質を利用し、遠距離の敵はフルチャージで蜂の巣にし、迂闊に近づいてきた敵は半チャージで返り討ちにするという運用ができるのだ。
この「半チャージ撃ち」こそが上級者が扱うスピナーの真骨頂。もちろんこれ込みでも即応性の無さは弱点だが、精度の高い上級者は短射程組でもなかなか近づきにくくなる。
背後を取られない安全な場所を確保するのは前提として、近づかれてもその場所を守りやすい自衛力もあるのがチャージャーにはないスピナーの強み。
鍛錬を積んで固定砲台から移動要塞へと進化すべし。

なお、スピナーはチャージャーが苦手とするシチュエーションでもある程度活躍できるが、スピナー自身はチャージャー種全般が大の苦手。
基本身をさらして長時間弾幕を撃つ役割上チャージャーの格好の的となる。強みのヒト速も練度の高いチャージャーたちから逃れられるようなものではなく、射線が見えたら大人しく下がらざるを得ない。
チャージャー相手には味方を頼るか自身の立ち回りでどうにかするしかない。チャージャーの射線が通る場所ではほぼ何もできないので、そこ以外の場所で仕事をしよう。


種類

カテゴリ自体が攻撃特化のコンセプトだからか、どのメインも一定の攻撃性能が担保されており、Splatoonシリーズの中でも腐るブキが非常に少ないのが特徴。
自分に合ったスピナーを選ぼう。

バレルスピナー

最もオーソドックスな性能を有するスピナー。メーカーはガロン系やカーボンローラーで知られる「ペトロ」。
THE・ガトリングなバレルと、ウォーターサーバー型のデカいタンクが目を引く。

スピナーの中では中間の性能だが、射程も長くチャージ速度もすぐに慣らせるレベル。スピナーの基礎を覚えるには最適な纏まった性能に仕上がっており、何気にインク消費効率も比較的良好。
但し前に出るような運用はスピナー初心者なら素直に控えるべし。まずはチャージャー同様にステージごとの定位置を覚え、相手より上の位置を取ることを体に覚えさせよう。
射程の優位を押し付ける経験を積むのだ。

……とはいえ、ブキ環境が若干インフレ気味の『3』においては、バレスピの射程では「射程の優位」を実感しにくい場合も多い。
もしそう感じたらそれぞれの性能に特化した他スピナーから触ってみよう。そこからスピナー種に慣れつつ、尖った性能の弱点を突かれ始めたらバレスピに帰ってみるとよい。
そこでバレスピのバランスの良さを実感できるはずだ。

『2』ではガワだけを変えたヒーロースピナーレプリカ、『3』ではサイド・オーダーをスピナーでクリアすると入手できるオーダースピナーレプリカも存在する。見た目の好みで担ごう。


スプラスピナー

バレルよりも射程を落とした代わりにチャージ速度を向上させた中~近距離向けのスピナー。メーカーはわかばやスプラ系ブキでお馴染みの「スプライカ」。
射程が短めなので必然的に前に出て戦う必要があるが、素早いチャージと全ブキ中屈指の凄まじいヒト速を以って近距離でシューター達と渡り合う異色のスピナー。
塗り性能も高いが、見た目に反して素の消費量が多めであり、チャージが短い=撃つ機会が多いのでインク管理は怠らないようにしたい。
前線で暴れやすい上中途半端な近距離ブキなら射程差で狩りやすい性能から「性格スピコラ」という造語が一部で有名だったり

「“スプラ”銘だから初心者向けのバランス型かな?」と思いきや、上記の性能通りむしろカテゴリ内ではかなり尖ってる部類。
これは「ペトロ」が初めてのスピナーとしてバレルスピナーを市場に投入し、その後「スプライカ」ブランドが後発でスプラスピナーを発表したという背景設定があるため。
とはいえスピナーのチャージや独特のエイム感覚に慣れてないイカにとっては、上手く噛み合えばお手軽にスピナーの強みだけを体験でき、扱いやすく感じることもあるバランスとなっている。


ハイドラント

より巨大化した真っ赤なボディと長砲身のトライバレル、さらに一層長大なタンクを搭載した重量級スピナー。メーカーはリッター系やエクスプロッシャーと同じ「ハイドロ」。
消火栓をモチーフに、その機構を転用した圧力でドゥルンドゥルンとバレルが唸る様はさながらバイクエンジン。

約2.5秒も掛かるとんでもなく長いチャージ時間、チャージ中の移動速度も最低、及び重量級ブキのリッターやダイナモと同様イカ速度10%低下……等の数々のデメリットを対価に、バレルスピナーよりも更にワンランク上の長射程と射撃時間を獲得したスピナー。
スプラチャージャーをも越える射程の弾幕を全スピナー最長の射撃時間で浴びせられる鬼畜性能は圧巻の一言。
その上フルチャージ時には威力が3確に上昇するという独自の特性まで持っており、高台からフルチャージの弾幕を撃たれると手が付けられない。スピナーのリスクリターンを極限まで肥大化させた超重量級スピナー。

見た目通り足回りは非常に重く、そのオーバースペックを活かすには相応のプレイヤースキルが必須。
インク消費も莫大で半チャ迎撃もひと癖あると、スピナー初心者にはまずお勧めできない重量のブキ。
チャージ時間の都合で相対的に塗り性能も壊滅的。基本キルを稼げないとまったく役に立てないので、スピナーへの慣れは勿論ある程度の地力を得てから担ぐべし。


クーゲルシュライバー

『2』で追加された多色ボールペンがモデルのスピナー。名前はドイツ語でそのままボールペンを指す。メーカーはフデを開発した画材メーカー「キャンバス」。

射撃開始直後は射程が短い代わりに連射力に優れた短射程モード、一定時間射撃を続けると射程と精度に優れた長射程モードに変化するという変わった特徴を持つスピナー。ボトルガイザーやヴァリアブルローラーと同じ、2モード搭載の可変ブキである。
さらに射撃中にもう一度溜め直せるリチャージ機構まで搭載されており、それを用いることで一方のモードを維持して戦うことも可能。長射程モードでの弾幕はもちろん、短射程モードを維持することで近距離ブキのような塗り性能・キルスピードを発揮する。
総じて遠近両方に対応可能な随一の自由度を誇るが、もう見ての通りと言うべきかそれをフルに活かすにはやり込みが必要。ハイドラントとはまた別かつそれ以上に上級者向けなハイスペックスピナー。

『2』で登場した当初はかなり至れり尽くせりの性能で大暴れしたが、その結果念入りにも程がある下方修正を受けた。


ノーチラス47

『2』から登場した銀色に輝くメカメカしいスピナー。
名前はオウムガイの意味。メーカーはブキチが開発・設計を務める「カンブリアームズ」。
威力と射程は控え目だが、チャージ量に依存しない『チャージキープ』がスピナーの中で唯一可能、かつリチャージ機構も備えた多機能なスピナー。
代わりに射撃時間は短いが、リチャージを使えば継続的な射撃も可能。
インク消費効率がやや優れている、弾ブレが少なく弾速も速いといった特性も持っており、エイムが正確なほど真価を発揮する。並の短射程ブキや中射程ブキでこいつに抵抗するのは至難の業。

パッと見はややこしいが、一度触ってみれば上記のクーゲルよりはるかに扱いやすい。
射撃時間の短さをリチャージとキープで補いつつスピナーらしい精度の弾幕を押し付ける中~近距離向けのスピナー。スプラスピナー同様前線で弾幕を張りたいヒャッハーなプレイヤーにお勧めの一品だが、適宜チャージを調節しながら戦う必要があり、対応出来る状況が多い故に要求スキルは高い。
チャージ中のヒト速度がハイドラント並に鈍足であり、未チャージ状態で会敵しない立ち回りも必要。
フルチャージで戦うよりも高精度のエイムと最低限の弾数(手数)を意識し、半チャージ射撃を中心にすると戦いやすくなる。


イグザミナー

『3』のDrizzle Seasonで追加された新しいスピナー。モチーフはおそらく採点ペン。メーカーはクーゲルシュライバーと同じ「キャンバス」。
射程はノーチラスと同等だが、フルチャージ時のみスピナー中トップクラスの連射速度に変化する。
その発射レートはクーゲルシュライバーの短射程モードに匹敵し、照準に捉えた敵を一瞬で蒸発させてしまう。
さらにスピナーの中でもチャージ中・発射中のヒト速が速めなのも特徴で、射程外へ逃れようとする相手に自ら距離を詰めてとどめを刺すことも可能。
総じて軽量級のハイドラントと言えるスピナー。

その一方、射程の割にフルチャージに要する時間が長いという弱みももつ。
半チャージでも十分な火力が出せるが1発の威力はスピナー中最低であり、減衰などで確定数がブレやすいのも悩ましいところ。
チャージ時間という大きな隙を誤魔化しつつ、前線に出て暴れられる技巧が求められる。
とはいえその足回りの良さとフルチャージの火力から強みがわかりやすく、『3』初登場ながら初心者にも割とオススメのスピナーである。


おすすめギアパワー

スピナーごとにおすすめのギアは割と異なるので参考として。

  • インク効率アップ(メイン)
インクを消費しながらチャージする仕様上、単純にフルインクから発射出来る回数が増加するので、いくら積んでも腐らない。
ハイドラントは消費が激しいので、慣れない内は特に優先して積みたい。

  • ヒト移動速度アップ
撃ち歩き時の速度が向上し、戦闘力やエイム合わせに寄与する。塗れない床に居座ることもままあるため、定位置への移動としても使える。
概ねすべてのスピナーにおすすめのギアパワー。
なおイカ速の方は近距離型のスピナーにオススメ。ハイドラントもマイナス補正を相殺する用途でサブに一個積んでおくと多少動きやすくなる。

  • 相手インク影響軽減
いわゆる安全靴。ヒト状態での移動が多いので、ヒト移動速度アップと共に積んでおくと安定感が増す。

  • インク回復力アップ
かなりすぐにインクが枯渇するので、メイン効率と合わせてバランス良く積んでおこう。

  • 復活ペナルティアップ
キルレートの高い上級者向け
特にハイドラは長い射程を活かして一方的に相手を倒す機会が多いため、チャージャーに次いで選択肢に入れやすい。バレスピやクーゲルも相性は悪くないが『3』の環境だとハイドラより上級者向けギアかも。

  • 対物攻撃力アップ
特定のスペシャル・ガチホコのバリアを強く意識するなら。
スピナーは総じてDPSが高いのでバリアを剥がせるスピードが格段に増す。
特にハイドラントに搭載すると、ナイスダマの破壊やカニタンクの解体、さらにはグレートバリアにスプラッシュシールド、シェルターなども全て力押しで破壊するパワープレイも可能。


余談

サーモンランでの立ち回りについては、サーモンラン(Splatoon)参照。




追記・修正はトリガーハッピーに陥った状態でお願いします。


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最終更新:2025年03月15日 00:54