ACジャパンのCM

登録日:2011/03/17 Thu 01:07:04
更新日:2025/03/25 Tue 20:50:27
所要時間:約 40 分で読めます




2011年3月半ばに突如始まった、ACジャパンの洗脳活動の一環。
一般国民はおろか官房長官すら不眠に陥れ精神をジワジワとなぶり続ける…

『かんぼうちょおおおおォォォ』

傘下にヘイ-ヤレ、ロトティーヤ?ウッ!クルシ…!!のシオノギ製薬とJTを従えACジャパンが抱く野望“列島感染”とは?
今闘いの火蓋が切って落とされた―




追記っていうと
修正っていう
編集でしょうか、いいえ誰でも




♪エェエエエェエエ
♪シィイイィィィィ


















  *   *
*   + うそです
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`) E)
    Y   Y  *

概要


ACジャパン(旧名:公共広告機構)とは、日本国内のメディアを通した啓蒙広告をメインで行う公益社団法人である。
ここのCMは基本的にあまり見られないレアな物であり、主にCMで宣伝している企業や起用されている芸能人が不祥事をやらかすとACジャパンのCMにすり変わることが多い。言わば日本のCM界のフリー素材的な物として扱われる。

また災害などの影響でこのCMが大量に放送されることがある。
どのチャンネルをつけてもACジャパンのCMが流れ続ける光景はシュールを通り越して恐怖そのもの。
近年では2011年の東日本大震災の際のACジャパンラッシュが記憶に新しい。
これは震災によって多くの企業がCMを自粛*1したため、利益を求めないACのCMを穴埋めとして流したものである。決して嫌がらせではない。
穴埋めであって決して嫌がらせではない。大事なことなので二回ry
しかし視聴者の心に大きな何かを残したことは確かである。

2009年6月までは公共広告機構という名称であり、昔は怖いCMの代表格としてその界隈では有名だった。
名称変更の理由は「公的機関と間違われるから」。一応ACジャパンは広告主となる様々な業種の一般企業のほか、民放テレビ・ラジオ局や衛星放送事業者のみならず、ケーブルテレビ局、公共放送のNHK、インターネットテレビのABEMAといった放送業界・新聞業界・代理店をはじめとする広告業界などの企業からなる正会員、正会員社の事業所である賛助会員、活動に賛同する個人で構成する個人会員の3つで成り立つ民間の団体なので間違えないように。

また地域キャンペーンとして北海道・東北・名古屋・大阪・中四国・九州・沖縄の限定CMがある。*2

ACジャパンで扱うテーマも実に多く、公共マナーや家庭問題・啓発活動、薬物やいじめ、環境問題などなど。
2000年代後半〜2010年代からはSNSの普及もあってかネットモラルを題材としたもの、健康啓発キャンペーンといったものが増えており、さらにその時々の話題のある著名人などを起用する事も増えており、後に振り返ると時代背景も窺える内容も多い。
また、全国キャンペーンのCMもどの年度も必ず2種類用意されるのだが、子供向け番組でそうした穴埋めしなけばならない事態になった時に、子供にも分かる明るめな内容の物を1種類用意しておくという事らしい。

なお、ACジャパンのCMは展開されている年度のものは公式サイトで見られるのでぜひ覗いてみると良い。毎年7月頃に新しい年度のものに入れ替わるので、チェックしてみるのも良いだろう。

各年代のスローガン



人と人を結ぶ、思いやり
(1988〜2004年度)

明日のために、今始めよう。
(2005〜2010年度)

企業のCSR活動 *3
(2015〜2019年度)

気づきを、動きへ。
(2021年度〜現在)



ACジャパン時代のCM



2010年度キャンペーン(2011年3月11日~6月に放送されていたCM)

前述の影響によって、2011年3月中盤~4月序盤頃にかけてこのCMが大量に放送された。
苦情や自粛により途中で放送されなくなったものも多いが、逆に震災臨時用として新たに放送されたものもある。
大量にCM放送をリピートしたため、視聴者に不快な思いをさせたとしてACジャパンはこれを詫びた。
遂には最後のサウンドロゴが消える事態に。*4
ただ元から消している素材ではなく、放送局側で手元にある素材からサウンドロゴを消してるのでCMによっては若干『え』が聞こえていて、逆に気になる気がする。

尚、これらは2011年6月に全て放送終了した(毎年この時期に翌年のキャンペーンに切り替わるため)。


2011~2015年度キャンペーンCM

2011年度は震災から立ち直る事を考えた、人と人の絆を訴える内容の物が増えていく事に。
スマートフォンが普及し始めた時期でもあり、2013~2014年度は「ながらスマホ」問題を取り上げている。

  • ささえあったら、人になる。
「長い棒に短い棒♪ 支え合ったら人になる♪」

2011年度全国キャンペーン。
それは金八先生も言ってたよ!
東日本大震災をきっかけに考えさせられた「人と人どうしの助け合いの大切さ」を音楽とアニメーションで表現。
この歌も何となく耳に残る内容である。
ちなみに後に「人という字は支え合っている姿」は嘘だったと金八先生も認めたからこのCMの内容自体間違ってる事になるけど……。


  • イイトコメガネ
2013年度全国キャンペーン。
ある少年は「イイトコメガネ」を持っている。
これを通して見ると、人の良いところがわかるのだ。
少年はこれを使ってクラスメイトの良いところを見つけていく。
大人になると、人の悪いところばかり目につきがち。でも、良いところを見ようとちょっと意識するだけで、見逃していた良いところってたくさんあるはず、としてもっと人の良いところを見つめて褒めてあげよう、という事をテーマにしている。


  • ながらスマホにマナーを。
2013年度AC・NHK共同キャンペーン。
スマホマナーを初めて扱った作品。作品では、スマホ利用時には、周囲へのちょっとした思いやりや気配りが必要であることを訴求している。
ちなみに有村架純氏が出演している。


2016~2020年度キャンペーンCM

2016年度は交通事故・ネットモラル・動物殺処分等、生死に関わるテーマを多く取り上げた。
そのためか例年と比べ、公共広告機構時代(後述)を彷彿とさせるダークな演出のCMが目立つ。
2020年度は新型コロナウイルスの蔓延を受け、啓発CMを放送。また、『犯罪者のセリフ』の衝撃的な設定が話題となった。

  • 死因
命を飼う覚悟、ありますか?

2016年度全国キャンペーン。
「大きくなったから」「言うことをきかない」「飽きたから」etc……
飼い主の身勝手な理由でペットが殺処分されている事実を訴えている内容。
あえてペットの姿を写さず、放置された犬小屋や道端に捨てられたケージなどの映像がそのメッセージを重く伝える。


  • ライバルは、1964年
2020年に向け、日本を考えよう

2016年度全国キャンペーン。
初めて日本で五輪が開催された1964年の写真と映像をバックに、五輪が開催される(予定だった)2020年に向けてあの頃よりもこの国をもっと盛り上げようというもの。
ナレーションと楽曲は星野源が担当していた。楽曲はCM放送期間中はCD・配信化はされず、1年間の放送を終えた後にアルバム収録曲として音源化された。


  • 100%防げた事故
「飲酒運転による事故の100%は、防げた事故でした」

2016年度地域キャンペーン、北海道限定。
たくさんの車が横切る道路。その脇には花束が。
飲んだら運転しない、それだけで多くの事故を減らせる。
シンプルながら、事故の悲惨さを痛烈に訴えかけるCM。


  • 横断歩道で奪われている。
横断歩道が、安全とは限らない

2016年度地域キャンペーン、名古屋限定。
ドライバーや歩行者の不注意で横断歩道での死亡事故が後を絶たない。
白と黒の縞模様を利用した演出はかなり強烈。


  • 言葉は、弾丸にもなる
その送信ボタン、押しても大丈夫ですか?

2016年度地域キャンペーン、九州限定。
誰かが送信ボタンを押した直後、突然人が倒れる。
ネット上の無責任な書き込みは、時として命を奪うのだ。


  • フリをする女の子
あなたの一言で、前を向ける人がいます。

2016年度NHK共同キャンペーン。
平手友梨奈と八木莉可子が出演するCM。
勇気をもって手を差し出せば、いじめによる自殺は防げる。


  • #くまモン頑張れ絵
熊本地震臨時キャンペーンとして放送されたCM。全5種。
ちばてつや、森川ジョージ、原泰久、さくらももこ、諌山創が書いたくまモン応援イラストが流れる。


  • 苦情殺到!桃太郎
悪意のある言葉が、人の心を傷つけている。

2017年度全国キャンペーン。
昔話の桃太郎でお馴染みの川で洗濯をしていたおばあさんが桃を拾った瞬間、「窃盗だろ!謝れ!」とか、ネットの批判の声が相次ぐ。
ネット炎上を描き、おおらかな目で見る事も大事と訴える。
ナレーションは美輪明宏。


  • あなたのコロナ対策が、みんなを救う。
2020年度臨時キャンペーン。
新型コロナウイルス感染症の防止策を行っている様々な立場の方々を応援するために、ポジティブなメッセージを全ての世代の人々にお伝えする内容。
今までの臨時キャンペーンCMよりも多い、8種類のバージョンがある。


  • おむすびころりん、1億個。
2020年度全国キャンペーン。
いわゆる食品ロス問題について取り上げたもので、日本の年間食品ロス量がおむすび1億個分に相当することを「おむすびころりん」で問題提起したもの。

後述する日本昔話シリーズをオマージュした内容となっており、ナレーションは市原悦子のモノマネを持ちネタとする清水ミチコが担当している。


  • 犯罪者のセリフ
「親切な人に、見つけてもらってね」
優しそうに聞こえても、これは犯罪者のセリフです。

2020年度日本動物愛護協会支援キャンペーン。
絵本のような優しく温かみのある雰囲気で、動物を捨てる際に言う「親切な人に、見つけてもらってね」は犯罪者のセリフだと断じている*5
優しい世界観をあえて壊すようなメッセージを伝えることで、ギャップとその衝撃が動物遺棄の抑止力となることを狙った企画とのこと。
反響も大きく、複数の広告賞を受賞した他、高橋名人 自身のTwitter でコメントしている。


2021年度以降のキャンペーンCM

怖いCMは減ったが、コミカルな表現の中に強いメッセージを込めた作品が増えており、それまでのACのCMに無かったような斬新な内容なものも増えており、話題性と親しみやすさを伝えるためか、各世代に人気のある著名人の起用も増えてきている。

  • プラ島太郎
「はあ…わしらが捨てたプラごみのせいで…」

2021年度全国キャンペーン。
浦島太郎の話に合わせて、海洋汚染の原因となっているプラスチックごみの現状を伝えている。
歌、ナレーション、浦島太郎の声は全て柴咲コウ。


  • 食品ロスチラシ
地球にスーパーいい行動を。
賞味期限、消費期限の近いものを選んで食べよう。

2021年度全国キャンペーン。
一見するとスーパーのCMっぽく、新聞や掲示広告だとまさにスーパーの安売りセールチラシそのもの。
表現はコミカルだが、意外と考えさせられる内容になっている。


  • とうほく6健!お祭り体操
健康自慢のとうほくへ!

2021年度地域キャンペーン、東北限定。
東北地方各県のお祭りを体操にしたCM。
ラジオでは口の体操になっている。


  • 誰も知らない
「これが、僕の日常。このことは、誰も知らない」

2021年度NHK共同キャンペーン。
家族の世話や介護など本来なら成人が主に担うべきことを「お手伝い」「補助」の範疇を超え日常的に行っている18歳未満の少年少女「ヤングケアラー」。
そういったことに時間や体力・機会を奪われ、この年代の子供たちがしているであろう勉強も部活も満足にできず(こういった理由から「家の手伝い」とは明確に区別されている)、ひいては将来さえ閉ざされてしまいかねない現実を伝えている。
主人公の少年役は渡邉蒼。

この年度はコミカルなCMが多いだけに、強い印象を残す。
以降も2年連続で続編が制作されたが、CMのコンセプトゆえ悲しい展開となってしまった。最後の最後には僅かな希望も見えたが。


  • 一目惚れ
「その一目惚れ、迷惑です」

2021年度日本動物愛護協会支援キャンペーン。
コロナ禍でペットを飼う人が増えた一方で例年に増して飼育放棄する人も増えている現状を受け、可愛いからという一瞬の衝動で飼うのではなく命を預かる大切さを、飼う人にも、お店の人にも考えて欲しいとメッセージするというもの。
飼う人だけでなく、ペットを売るお店にも考えて欲しいというこれまで無かったメッセージでこちらも一見コミカルだが、シリアスな内容である。
テンションMAXなお客さん役は俳優の山中崇、ナレーションは愛犬家として知られる遠藤憲一。


  • 寛容ラップ
たたくより、たたえ合おう。

2022年度全国キャンペーン。
コンビのレジでまごつく老人女性に、後ろで並んでいた男性が一言声をかけて、ラップが始まる。
「マイペースで行け」「見た目と違ってまさかの優しい発言で反省」という褒めあうもので、自分と異なる立場や考え方に寛容性を持とうというメッセージが込められている。
アイスクリームとソースボトルをマイク代わりに使った絵面は実にシュール。
ちなみにラッパーの男性は『フリースタイルダンジョン』でもモンスターとして出演し、近年なぜかテレビ東京で冠番組を持ってしまった呂布カルマ。


  • バッターボックスに立つ87歳
「ほんとに人生はわかりませんね。だから、自分の未来にフタをしちゃいけないと思いますね」
何歳からでも、人は変われる。

2022年度全国キャンペーン。
CMの主人公は若宮正子(87歳)。
80歳を過ぎてからプログラミングを学び、独学でスマホアプリ「hinadan」を開発。世界的に認められ国連でスピーチをするなど、精力的に活動されている方である。
そんな若宮さんの姿からは、何歳になっても「まだまだ、これから」だというメッセージが伝わって来る。
ナレーションは死神博士こと石橋蓮司。
珍しく英語字幕を付けている。

  • 白紙の未来
子どもたちと向き合い、ともに歩んでいく社会へ。
わたしの将来の夢は…

2023年度全国キャンペーン。
AIやロボットによって働き方は大きく変わるとされるこれからの未来を支える子供達のために、新しい価値観、日々変化する世界と正面から向き合っていく寛容さが必要と訴えたCM。
AIやロボットといったそれまで空想上の存在が現実味を増してきた時代を反映させた内容であり、未来には不安が尽きないが、未知は可能性ともとらえられるので、新たな価値観を受け入れていく事がこれからの子供達のためにも繋がるのではないだろうか。

  • 聞こえてきた声
将来の夢はパイロットです」
「はいは~い 今行くね~」「よしよし」
聞こえてきたのは男性の姿ですか?女性の姿ですか?
無意識の偏見に気づくことから、はじめませんか

2023年度全国キャンペーン。
漫画で描かれた日常風景によくある台詞を入れたもの。
「男性はこうあるべき」「女性はこうあるべき」という偏見を脱し、選択の自由を増やせる社会を目指すために企画されたもの。
そのため、ACジャパンのCMでは珍しい人物が登場しないCMで、全編静止画の構成となっている。
さらにロングVerでは「経営方針を発表する」「ご飯の出来上がりを伝える」「カードでの支払いをお願いする」「ピンクのクマのぬいぐるみをねだる」「サッカーで遊ぶ」「子供が熱を出したので有給を取らせてほしいという電話」が追加されている。

  • 骨髄くんからのお知らせ。
どうも、骨髄バンクの、骨髄くんです。
まズイです。

2023年度日本骨髄バンク支援キャンペーンCM。
骨髄バンクのドナーは55歳までの年齢制限がある中、登録者の半数が40〜50代であるため、若年層の登録を訴えた内容。
人形のキャラクターの骨髄くんの声は声優の梶裕貴が担当し、若年層にも親しみが湧きやすく興味を示すように構成されている。

  • イージードゥ 検脈!
EZ DO 検脈! ハートのビートを聞こうぜ!

2023年度日本心臓財団支援キャンペーンCM。
脈のリズムが不規則なのは、心房細動のサインかも?「心房細動は簡単にセルフチェックできる!」ことを訴えた内容。
脈拍をリズムとしてより分かりやすく伝えるために、TRFのリーダー・DJ KOOが登場し、TRF世代でもある同世代の方々へ向けて明るく陽気な雰囲気のCMとなっている。

  • 最強ラインナップ
2023・4年度地域キャンペーン、北海道限定。
ラーメン、サウナ、スキー、大自然、ミルク、祭り、お米、温泉、そして寿司…
次々と球場に現れる北海道の魅力たち。北海道には魅力がたくさんあるのだ。
新聞広告では我々にとっての「最強ラインナップ」を考えることも勧めている。
ちなみに、本作のロケ地は、2023年3月にオープンし話題となったファイターズの本拠地であるエスコンフィールド北海道にて撮影されている。

  • 決めつけ刑事(デカ)
「お前がやったんだろ?」
「はぁ?証拠は?」
「知らない人がつぶやいてんだよ!」
誰のどんな投稿も、すべてを鵜呑みにして追い込んでいく。その名も、決めつけ刑事!

2024年度全国キャンペーン。
強面の異色俳優・嶋田久作演じる「決めつけ刑事」がSNSでの投稿を証拠として容疑者を追い詰めていく、刑事ドラマ風のCM。
その様子は一見シュールだが、SNSなどの発信から善悪を判断するとなんの罪もない人を傷つけ、迷惑をかけることになるのでそのことに対して警鐘を鳴らしている。
あなたも「〇〇さんが言っていたから」「あのサイトに載っていたから」などの理由でよく調べもせずに見知らぬ誰かを犯人扱いする決めつけ刑事になっていないだろうか?

ちなみにこのCMには「真犯人が自首してきて容疑者の嫌疑が晴れる」というオチがついているが(ロング版のみ)、その事実を聞いても一切謝らず、再びスマホに向き合う点も考えさせられる。

  • ゆうちゃみの3日ぶん
「このバッグ、災害が起きた時に持ち出せる避難用バッグなんです」
あなたは何を持っていく? これがゆうちゃみの約3日ぶん。

2024年度全国キャンペーン。
ファッションモデルでタレントの「ゆうちゃみ」こと古川優奈が、災害時の避難用の持ち出しバッグの中身をポップかつフレンドリーに紹介していく。
つい災害時の話題となると少々シリアスな雰囲気になりがちだが、災害時の備えを身近なアクションとして捉えるようにと、本作ではテレビ番組の芸能人のバッグの中身紹介のような明るい雰囲気となっているのが特徴。
なお、本作はACジャパンのCMとしては初となる日本語字幕が表示される字幕付きCM(クローズドキャプション)となっている。

  • あなたのためだから・・・
これは僕のためなんだ。
「子どもの精神的幸福度 37位(先進38ヶ国中)」

2024年度ACジャパン・NHK共同キャンペーンCM。
1分のロングVerのみとなっており、草野球に興味を持つが逃げるようにして去る少年。
家では母親が「勉強だけしていればいいの」と声をかけ、少年は上述の言葉でグッと堪える。
そして、ある日の帰り道、少年は監督と再び出会い……
親が子供の身体・精神の限度を超えて教育を強制する「教育虐待」を啓蒙するCM。
子どもは「褒めてもらいたい」「認めてもらいたい」とついつい自分の抑えがちに。
こうした事態を防ぐために日頃からコミュニケーションをとり、子どもの心を尊重する重要さを説いている。

以上のように、個々の作品が伝えようとしているメッセージは非常に深く、心に突き刺さる。
どれもCMを手掛けたクリエイター渾身の作品と言えるので、ちょっとでもそのメッセージを受け取って頭の中に置いておくべきだろう。


公共広告機構時代の有名CM



公共広告機構といえばトラウマCMの宝庫!
ビックリ系や心霊ではなく、宗教臭いという意味でもない、インパクトがあってブルッとくるあの感じ。
同じく怖いCMで有名だった、かつての政府広報*6と比較されることも多い。
怖いCMフリークの方々に人気がある、かつての名作CMの数々や、意外と知られていないけど隠れた名作であるCMを厳選してご紹介しよう。
色々様々な時代ごとの社会問題となっていたテーマも扱ったりしており、その時の時代背景を窺える作品も多いが、今でも正直変わらないような問題も扱っているのでどれもそのCMを見た事がない世代にも響く内容である。
ちなみにその筋の方々は現在のACジャパンのCMに「ぬるい」「もっと怖いの作れよ!」と不満をお持ちだとか。

もちろんそういった雰囲気ではないCMに関しても「名作」とされるものは多く、この項でもそういった作品も紹介する。


  • 公共心の喚起 (1972年)
記念すべき第1作(当時は関西公共広告機構)。
映画評論家の淀川長治が、タバコのポイ捨てについて苦言を呈している。
ロゴが表示される時の「ビョビョビョビョイ~ン」というBGMがちょっと怖い。
1999年には、映画監督の大林宣彦によるナレーションを追加してリバイバル放送された。


  • 人影なし (1982年)
「いつも考えていたい、私たちの資源」
軍艦島を舞台にしたCMで、資料映像としても貴重。
誰もいない寂れた廃墟たちが物悲しい。
なお、ナレーションで「石炭を掘り尽くした時、人々がいなくなった」と言っているが実際は違う。*7

  • 日本昔話シリーズ (1982〜1986年)
まんが日本昔ばなし」でお馴染み、市原悦子と常田富士男を起用した子供向けシリーズ。
子供達に残された野菜たちが夜中に化けて出てくる「もったいないお化け」、挨拶をしない女の子が鬼と出会い挨拶をするようになる「ツンツン娘」、手伝いをしない子供達をタヌキが化かす「お手伝いタヌキ」、いじめっ子を子供に化けたお地蔵様が助ける「仲よし地蔵」、絶対に謝らない小僧を鐘に閉じ込め鬼が脅す「ごめんの鐘」がある。
声優お二方だけではなく、アニメーターもまんが日本昔ばなしの人を起用している為、まんが日本昔ばなしの話と勘違いして覚えている人もちらほら。
一応1986年まで、と記載しているが地方局では90年代までかなり長い期間にわたり放送されていた。

  • 投げたらアカン! (1984年)
近鉄バファローズに当時在籍していた鈴木啓示投手を起用。
足に氷嚢を付けながら歩く痛々しい姿と、幼少期の通知表を見せる2パターンが存在する。
中高生に一度や二度の失敗でくじけないように訴えるもので、公共広告では異例となる新語・流行語大賞を受賞した。
ちなみにこのコピーは自身の著書でも採用されている。後に監督業を投げたとか言ってはならない
野球選手やプロ野球経験者が登場したりテーマとされたりする作品は実は意外に多く、他にも『僕は、つづける』(ソフトバンク・和田毅、開発途上国への医療支援)、『ボランティアは、生涯現役』(阪神OB・赤星憲広、障害者への支援と社会貢献活動)などがある。
2024年度放映分でも『NOMOベースボールクラブ(やったろう!関西)』が近鉄ほかOB・野茂英雄の活動をテーマとしている。

  • しらんぷりもいじめ (1986年)
クラス写真の撮影に並んだ生徒たちが皆、白い無機質な仮面をつけている…
サムネで見るだけでも一瞬ぎょっとしてしまう。
その無関心の仮面を外す勇気を持とう。いじめが相次ぐ今でも十分響く内容であろう。
CM曲は本田美奈子.が歌う『HELP!』。ちなみに白血病と闘った彼女は、亡き後に骨髄バンクのCMにも出演した。

  • 私の運命、人任せです。 (1987年)
壊れたおもちゃのように、ペットを捨てる人が増えています。
小さくても、大切な命。
現在でも続く、無責任なペット処分を訴えた初の内容。
ゴミ箱に捨てられた子猫。
淡々と…しかし確かな語りと、見つめる姿勢が訴える。
小さな命への思いやり、どうか忘れずに。

  • 名曲も迷惑曲 (1988年)
ジャジャジャジャーン、ジャジャジャジャーン、ドンッ!
「運命」が流れた直後、砂鉄で描かれたベートーベンの肖像画がグシャグシャに。
いくら名曲を弾いても、うるさければ他人には生活騒音でしかない。

  • 捨てられた部屋 (1991年)
一見和やかな家族団らんに見えるが、実際の撮影場所は…。
現在の断捨離ブーム視点からも見てもらいたい内容。

  • 家庭排水・人魚 (1991年)
人魚が家庭排水を頭から被る強烈なCM。
「台所から海を汚せるなら、台所から海を助けることもできるはずです」
上記の捨てられた部屋と同じく、90年代に入ると環境問題を題材とした作品が相次いで制作される事が増えてくる。

  • 世界の子どもにワクチンを (1994年)
世界中の貧しい子どもたちがワクチンを打てるよう、募金を呼び掛けるCM。
阪神淡路大震災の際に繰り返し放送されたためか、知名度は高い。
BGMが「あ~よ~ね~」と聴こえることから、あよねの通称で知られる。
大きな赤字で表示される「HELP」にぞくぞくする。

  • ゴミはもう一人のあなたです(1995年)
「バレなきゃいいんですよ、バレなきゃ!」
ゴミの分別や公共マナーを訴えた内容。
半透明ゴミ袋に入ったイッセー尾形が自己弁護するが…。
…ただしあよね同様、下記の兵庫県南部地震の最中に流れてしまい苦情も来てしまったという…。

  • 阪神淡路大震災激励(1995年)
「人を救うのは、人しかいない。」
上記の東日本大震災の時と同じく、公共広告機構が初めて臨時キャンペーンとして急遽制作されたCM作品。
瀬戸内寂聴・森毅が被災者に励ましの言葉をかけるバージョンと、各地の避難所に貼られた紙で支援を呼びかけるバージョンがある。
地震発生後2週間で放送されており、制作日数はたった5日間であった。
制作スタッフは全員が被災者で、生々しい実感CMであったことと、ACの素早い対応がマスコミに取り上げられて話題になり、ACの認知度は一気に高まった。

  • WaterMan (1996年)
あなたが汚した水は、いずれはあなたを汚します。
綺麗な水を、次の世代へ。
第3回日米共同キャンペーンで制作されたCM。*8
体の中の水が汚れ、弱って行く人間をCG映像で表現している。
アメリカとの企画競合で高い評価を得て決定した日本案だとか。

  • DRUGS KILL TEENS (1997年・1998年)
「カオルは、平仮名しか書けなくなりました」
「レミは、ビルから飛び降りました」
………………………
ドラッグは、君たちを殺していく。
「……なんで……!」
草彅剛が主演。中・高校生に向けた「覚せい剤・麻薬撲滅」をテーマとしたシリーズものであり、逮捕され留置所でいきさつを独白するverと暗い部屋で淡々と暗い手紙を読むver がある。
1998年度からはJKが着々とクスリにハマっていく様子を描いた「同級生の誘い」verになって継続。
薬物売買の仲介人を演じた女優は、後に大麻取締法違反で逮捕された。皮肉にも程がある。
何が怖いって、ロゴのおどろおどろしさが一番怖い。「ギーン」と鳴るSEも怖い。
ラジオ版も1,2を争う怖さだと思われる。

  • 森のニングルが消えた星 (1998年)
脚本家・倉本聰の物語に登場する森の住人「ニングル」が登場し、人と森の共生を訴えるという内容。
子供の頃はこのCMが少しトラウマになっていたという人も多いだろうが、自らナレーションも務める倉本聰が
「森のある星が他にありますか?」
「水のある星が他にありますか?」
「空気のある星が他にありますか?」
「森に守られてる星が他にありますか?」
と語りかける言葉は大人になった今改めて聞くとグッと来る。

  • WATCH OUR CHILDREN (1998年)
数年前までは捜索願いも出ていたレアなCM。
先生「はーい、お母さーん!」
母「お父さーん!」
父「なんだよ、お前ー!」
三人とも、一体何をパスし(押しつけ)合っているんですか?
正直、今でも変わらない気がする家庭問題を扱ったテーマの作品。
もう少し、大人達も子供達の事を思いやって欲しいものである。

  • 家族が、あぶない。 (1998年)
通称「マネキン家族」。
当時、世間を騒がしていた青少年による犯罪。「子供達の心が荒んでいるのは親子のコミニケーション不足では?」という事で、母親と父親がマネキンで登場し、子供も最後にはマネキンのように心を閉ざす…というこれまたトラウマものになりそうな内容。
上の同年度に放送された「WATCH OUR CHILDREN」と同じ家族問題をテーマにした作品だが、こちらは北海道限定のキャンペーンCM。

  • ジコ虫、増えてます (1999年・2000年)
自己中心的な人が増えてきているので気をつけましょう。
電車の中でも構わず電話するシロクジ虫(17歳、メス)、レストランでもタバコを吸うイップク虫(35歳、オス)、どこにでも痰を吐くタン虫(51歳、オス)、
背中のリュックが他人に当たっても謝らないブッツケ虫(24歳、オス)、平気でゴミを置き去りにするオキザリ虫(43歳、メス)が登場する。
最後に出て来るACのAの字をおっさんの顔の虫が食べるシーンでも有名。
ちなみに、ジコ虫のキャラクターをデザインしたのは倉島一幸
アニオタには名作ゲーム『moon』のキャラクターや、『ゼルダの伝説』のチンクル、『ポケモンSV』のボチなども手掛けたラブデリックの人として馴染みだろうか。
ちなみにこの『ジコ虫』も流行語になり、翌年にも第二弾が制作される程の反響があったそうな。

  • 歩きタバコ (2000年)
火のついたタバコを持って歩いている人の手の位置は、ちょうど子どもの目の高さにある。という事でこの作品では火が付いたタバコをたいまつに見立てて、ストレートに強烈なインパクトのある映像で伝えた内容のCMに。
確かにインパクトがあるが、あり過ぎてちょっと怖いと思うかも。また、火が当たりそうになった女の子の神回避シーンやにらむシーンなど、15秒の内容とは思えないほど印象的なCM。
ちなみに大阪地域限定のキャンペーンCM。

  • 蝶々さん、大阪を叱る。(2001年)
堂々とマナー違反、更には犯罪行為をした挙句「大阪だから」と自虐的に開き直る人々をミヤコ蝶々が「生意気なこと言うな!」と一喝。
しかし終始怒っているわけではなく、最後は「大阪に、アホが咲いてる。」から「来年は、アホで最下位や。」に向けて「ええとこ見せたれよ」と笑顔で締めくくる。
氏は前年に他界しており、出演部分はアーカイブ映像を使用したもの。最後の「ええとこ見せたれよ」は氏の講演会の録音テープから使用された。

  • チャイルドマザー/ファザー (2001年)
「産むだけで、親になれるわけじゃない」
ポポポポーンとは違う理由*9で苦情が寄せられ、打ち切られたCM。
泣いている赤ん坊にも構わず、おしゃぶりを咥えてぼんやり座り込んでいる母親。同じくおしゃぶりを咥えて現実逃避するようにテレビを見る父親。
子供を作っても、親の中身が子供のままだとこういうことに…

  • あなたのマナーを見てください (2001年)
どいつもこいつも…いつものお前も。

あなたはいつも、こんな感じ。
満員電車内で新聞を思いっきり広げて、足を組む人物に迷惑そうなサラリーマン。だが、その新聞を広げている主は……。
いわゆる『人のふり見て我がふり直せ』という内容であるが、ドッペルゲンガーものので微ホラーな内容にも思えたり。
ちなみにタバコを吸う女性のバージョンも存在する。

通称「黒い絵」。
男児が一心不乱に黒く塗り潰す画用紙の意味とは?
90秒もある大作。
一見恐怖すら感じる男児の行動だが、最後まで見ると、周りの声に流されず、ただ1つの目的のために意思を貫き通す漢だということがわかる。

  • 消える砂の像 (2002年・2003年)
消えるのは、砂浜だけじゃない。
公共広告機構のCMで三指に入る有名なCM。
「ストップ温暖化」シリーズ一作目。
一見すると海辺に並んで座る親子の姿なのだが、実は砂の像であり、波に打たれて崩れ落ちてしまう。温暖化による海面上昇に警鐘を鳴らすCM。
映像もそうだが、BGMも怖い。
よくできているので翌年度のCMとしても使われ、中学校の美術の教科書にも載った。
実は心霊映像疑惑がある。右側の波間に一瞬だけ人影のようなものが……
さすがにラジオ版は「おじいちゃんが昔話を語る内容」と大幅に変わってるが、こちらもこちらで怖い。

  • 枯れる命 (2004年)
「このままじゃ、ヒトが、未来が、枯れていく」
「ストップ温暖化」シリーズ二作目。
草原に立つ葉っぱで作られた犬と人間がやがて…
BGMが…ァーァー。怖さの直球っぷりは全AC作品でも最高ランク。
ちなみに放送された時期はちょうど「愛・地球博」の開催直前だったため環境問題や、エコロジーへの意識が強かった当時の時勢を感じさせる内容とも捉えられる。

  • 一人にならない。一人にさせない。 (2005年)
連れ去り事件の69%(82%)は、子供が一人の時に起きています。*10
一人にならない。一人にさせない。
通称シマウマ。全体的に暗い雰囲気で、街中にシマウマがいっぱいいるのも不気味。
やがて一人ぼっちの仔シマウマに得体のしれない影が迫る。
最初は関西地区限定だったが、反響の大きさで全国で恐怖拡散放送したという異色の経歴を持つ。
テーマとしては「子供達を連れ去りの被害から守ろう」というもの。
このCMが放送された当時、奈良小1女児殺害事件といった児童が連れ去られて殺害されたりする事件が全国で多く相次いでいた事もあり、非常にタイムリーなテーマで強烈な印象を残した作品である。

  • Shall we drive? (2005年)
マナーを守らなければ、命も守れない。
九州地方限定CM。仮面舞踏会のように華やかに舞う複数の男女だが、その宴の最後は…?!
急停止・ジグザグ蛇行運転・ケータイ運転…その果てに待つのはやはり…。
内容が内容だけに、 ラジオ版はかなり強烈なアレンジが施されている。 そのせいでラジオ版は怖い内容で上位に入っていたり。

  • あなたが大切だ。 (2005年)
「命は大切だ」「命を大切に」……
そんな事、何千何万回聞くより
『あなたが大切だ』
誰がそう言ってくれたら、
それだけで生きていける。
静かに、それでも力強く語りかける内容。
瞬きせずにひたすらこちらを見つめる栗山千明の演技も、インパクト大。

  • 生命線 (2005年)
私が通る道は、たった一本の線です。
どうか、その線を絶やさないでください。

点字ブロックを空けてください。
何気なく設置している点字ブロック。普段意識してる人は少ないが、確かに必要な人もいる。もしその道が絶えたら…?
一筋の点字ブロックがまるでただ一つの橋のようにあり、無断駐車の自転車たちに茫然と佇む人。何気ない日々にほんの少しの思いやりを加えよう。

  • 裸の王様 (2005年)
気づいてないのは、自分だけ。
裸の王様の格好をしたおじさんが、自転車で歩道を我が物顔で走り、電車を待つ列に割り込んだり、さらには混雑したエレベーター内で屁をこいたりと、次々とマナーの悪い事をしでかす。
彼の滑稽な姿が何ともシュールだが、公共マナーの大切さを改めて理解出来る内容。あなたも知らず知らずのうちに彼と同じようになっていないだろうか?
ちなみに中四国地域で放送されたCMである。

  • エレベーター (2006年)
エレベーターに入って来た怖そうなおじさん。しかし彼が手にしていた新聞には大地震のニュースを伝える記事が。
「もし、災害とかの時に名前も知らない隣人同士で助け合う事が出来ますか?」として、まずはどんな人でも挨拶くらいして知り合いになっておこう、という内容。
東京地域限定のキャンペーンCMで、出演しているのはチビノリダーこと伊藤淳史氏、怖そうなおじさん役はダイヤモンド勝田さん。

  • 見えない連鎖 (2006年)
「カレシ」「カレシの元カノ」「カレシの元カノの元カレ」「カレシの元カノの元カレの元カノ」…
という感情のこもっていない台詞が輪唱のように続いていく。
自分が性関係を持っている相手が、過去にHIVキャリアと関係していたかもしれないという恐怖の連鎖を表現したもの。
決してエイズは自分には無関係ではない事。ぜひとも気になるならエイズの検査へ行こう。
注意して聞くと「元カレの元カレ」というアッー!な部分がある…かもしれない。

  • つらいことがあるなら、話してみて (2006年)
第2回公共広告CM学生賞(現:ACジャパン広告学生賞)のBS賞受賞作。
辛かったら我慢しないで「いのちの電話」に電話して、と訴える内容。
テーマがテーマなので、怖がらせる意図は微塵もない……はずなのだが、白い背景に糸くずや写真をコラージュして作られた不気味な顔が出てきて目玉と口が回転するという映像のせいで、検索してはいけない言葉に挙げられる程怖いCMとして有名になってしまった。
BGMは小島麻由美の「やられちゃった女の子*11」。雰囲気がどことなく暗いため、余計に怖さが増している。

  • 逆・授業参観 (2006年)
生徒が教室の後ろに立ち、親が席に座る。
親は「息子」または「娘」というテーマの作文を発表するが我が子のことを知らずしどろもどろになり、後ろにいた子は恥ずかしい思いをしてしまう。
親子で対話することの大切さを説く。

  • 街のコレステロール (2006年)
心臓の心拍音と共に人々が流れていく中、次々と放置自転車が置かれていく。その放置自転車の数が増えていくと……。
九州限定のキャンペーンCM。健康問題と放置自転車をうまく組み合わせた、怖いけどなかなか良い表現のアイデアの作品。

  • リサイクルマークがECOマーク (2007年)
Perfumeが出演しているCM。実はグループの代表曲である『ポリリズム』もこの公共広告機構のCMで広まったのである。
内容としてはリサイクルマークを探してリサイクル出来る物を増やそう、という内容。

  • もたつく権利 (2008年)
もたつく権利、よろしーく。
高齢化社会が進むなか、バスの中で転倒する事故などが多くなっている事を受けて、「高齢者がもたつくのを責めないで暖かく見守って欲しい」という事を訴える内容。
「私たちはゆっくりと時間が流れるちょっと別の国に住んでいるかもしれませんね。」
といった高齢者の気持ちを代弁するような文章も印象的で良作。長い間頑張って生きてきた分、「お疲れ様」と心の中で言うように暖かく見守る事が大切なのだ。

  • 追いかけてくる手 (2008年)
1人の学生に、突如キーボードの入力音と共に手が迫り来るという直球過ぎるホラーな内容。
学校非公式サイト、いわゆる学校裏サイトによる誹謗・中傷が相次いでいた時勢を受けてのもの。今のACジャパンのCMの題材に選ばれている「ネットモラル」をテーマにした作品がこの頃から徐々に増えてくる。
関西地区限定のキャンペーンCMであるのだが、そのホラー的な演出の映像のインパクトは凄まじい。


バナー広告


一時期はバナー広告まであった。
出た時期はそんなに長くなかったが、ネット広告の特性を生かした表現力の高い作品ばかり。2021年にFlash Playerのサポートが終了したため、現在では視聴しにくいのが残念。

  • invisible
一見仲睦まじい親子に見えるが、バナーをめくると…。
すぐに見える事だけが真実とは限らない!
様々なブログや雑誌で一気に広まった、ACバナー広告の傑作。


  • The blood
一人のドライバーが死んだ。その血の根源は…
海外向けバナーとして話題を呼んだ、シンプルイズベストな作品。


  • ドライバーズ・アイ
運転中にケータイが鳴ったら、あなたはどうしますか?
初見だと一瞬ビビる。
インターネットならではの表現技術で、ながら運転の危険性を訴えた意欲作。


  • Mobile Racer
上のドライバーズ・アイと同じテーマの作品だが、なんとまさかのレースゲームが出来るという代物。
携帯電話で画面上のQRコードをスキャンすると、ケータイがゲームのコントローラー代わりになりそれでクルマの操作を行う。
けっこう面白いが、しばらくすると…。
これもなかなか面白いアイデアの作品である。


  • 食物連鎖
魚が魚を食べ、その魚を人が食べ、皿を洗うと家庭排水が海に流れ…
水質汚染防止を訴えるアニメーション広告。
アニメーションは無限ループするが、背景の水は少しずつ汚れてゆく。


  • The Pitch
子どもを抱いている母親と、右下で揺れ動くスピードメーター。
クリックするとブレーキ音がして、母親が我が子を……ハアッ!
「子どもをチャイルドシートに乗せない」ことは、「子どもを投げ飛ばす」ことと同じであると伝える広告。
投げ飛ばす絵面はギャグにしか見えないが



シリーズもの


各年度にまたがって支援を行うキャンペーンもの。

  • 世界の子供にワクチンを
いわゆる小児ワクチンへの呼びかけ。「300円で一人の子供が助かる(当時)」というフレーズを聞いた人は多いと思う。
先ほどの「あよね」を筆頭に心臓の音や血を連想するような赤文字、子供の泣き声が出るなど、やけに怖い内容も多い。一方でドラえもんが登場したものもあり多種多様。芸能人出演率がかなり高い。

実は一回打ち切って再度行った経緯がある。

適応した際の骨髄移植を受け入れる人を募集した内容。
日本骨髄バンク(JMDP)発足は1991年で、ドナー募集は2021年現在も行われている。
提供者登録数は26,000人(最初にCMを出した1992年)から約536,642人(2021年11月末)まで増加した。ドナー登録は年齢制限があるため、「世代から世代への命のリレー」ともいわれる。白血病により亡くなった有名人の遺族が主演したり許可を得た内容も多い。
AC的には初期の「ブッシュ夫人」や「きらきら星」(俗称)はかなり怖い。

脳死及び死亡後の臓器をどうするかを普及するキャンペーン(誤解されがちだが、承認も拒否も本人の自由)。
怖いCMは比較的少ないが、結婚式もどきの誓いや家族会議…更には命の再生や結婚出産などバラエティ豊か。
共通事項として、最後に「あなたの意思を示してください」と毎回出る。
現在では運転免許証・マイナンバーカードにも書くことができるので、この機会に良かったらどうぞ。

  • WFP(世界食糧計画)
国連が行っている計画の一つ。紛争や災害で食料インフラが機能出来なくなった国への物資配送や、貧困のあまり食料も教育も碌に与えられないまま働かなくてはならない子供たちに、学校を充実させ健全な育成ができるよう支援を呼び掛けたもの。
2020年にはノーベル平和賞も受賞した。
後期に行ったため怖いCMは比較的少ない。…が、最初の 「ごはんの教科書」 は結構くる。

他にも強い印象を残すACのCMは沢山あるので、興味がある人は動画を漁ってみては如何だろうか。
また、古いビデオに未発掘作品があるかもしれないので、時間があれば是非探してみてほしい。



追記修正ありがとウサギ

ポポポポ~ン☆

この記事は、ACジャパンを支援しています。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • AC
  • 公共広告機構
  • 攻強皇國機甲
  • CM
  • ♪エェエエエェエエシィイイィィィィ ←今は聴けない
  • 恐怖
  • サブリミナル効果
  • TVとラジオのダブルパンチ
  • 自己啓発サークル風味
  • ACミランとはなんの関係もありません
  • アーマード・コアとも関係ない
  • エースコンバットでもない
  • ポポポポ~ン☆
  • 精神攻撃
  • ゲシュタルト崩壊
  • 謝罪
  • 魔法の言葉
  • 洗脳
  • 広告
  • 仁科亜季子
  • 仁科仁美
  • 考えさせられる内容
  • 時代の鏡
  • クリエイター達の本気
  • 東日本大震災
  • 電通
  • 所要時間30分以上の項目
  • ACジャパン
最終更新:2025年03月25日 20:50

*1 災害直後の緊迫した状況で娯楽要素の強いCMを流すと企業のマイナスイメージにつながりかねないことや、CMが流れる予定だった番組が緊急特番で中止になる可能性が高いことなどが理由。

*2 かつては東京限定のキャンペーンも存在していたが、地域の共通のテーマが見いだせないとのことから、最近はあまり製作されていない

*3 「Corporate Social Responsibility」の略で、日本語に訳すと「企業の社会的責任」。一言で言うと社会貢献活動。

*4 その時の教訓から2016年熊本地震の際には、翌5月から6月まで不定期ながらもサウンドロゴが復活している

*5 具体的には「動物の愛護及び管理に関する法律」違反に当たり、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる

*6 特に薬物乱用防止CMはかなり怖く、1982年に放送された『母と子(通称キッチンマザー)』のように、「怖すぎる」とクレームが来て打ち切られた物もある。

*7 閉山した理由はエネルギー政策の転換による開発中止であり、その時点で島内には数百万トンの石炭が残っていた。

*8 第一回は「北斎の波」・第二回は「Drop by Drop」。全て水質の環境問題がテーマになっている。

*9 「子育てをしている親への厳しい批判に感じられて観るのが辛い」という意見が相次いだためらしい

*10 82%←大阪地域時。69%←全国放送時。

*11 決して卑猥な意味ではなく、「閉ざしていた心の扉を開こうとする彼に惚れてしまった(=魅力にやられちゃった)」という歌である