大脱出(DMM TV)

登録日:2023/03/15 Wed 17:46:25
更新日:2025/09/19 Fri 23:52:03
所要時間:約 6 分で読めます





夢なら覚めて。


大脱出 -THE GREAT ESCAPE-」は動画配信サイト「DMM TV」で配信されているオリジナル番組である。
企画・演出・プロデューサーは「水曜日のダウンタウン」を手掛ける藤井健太郎。
現在シーズン3まで配信されている。

概要

芸人たちが何も知らされないまま部屋に入れられ、その部屋の謎を解いて脱出を試みるというもの。
その過酷極まる無茶苦茶な内容から、シーズン1に参加させられた芸人のほとんどが水ダウかと勘違いしていた*1

前述したが番組の内容は脱出ゲームであり、ある部屋に閉じ込められた芸人が謎を解いて脱出を試みるというシステム。
部屋のルールも内容もバラバラだが、地上波では流せないレベルで過酷であることは共通している。
芸人たちは食料や水、トイレ*2といった最低限の人権すら配慮されていない極限状態での謎解きを強いられることになる。

ちなみにこの番組は「クロちゃんを生き埋めにしたい」という狂気の発想からスタートされた企画である。
本作はDMM.comのサブスクリプションサービス「DMM TV」にて独占配信されており、アニメの「LUPIN ZERO」や佐久間宜行プロデュースのコント番組「インシデンツ」と共にリニューアル後の目玉作品としている。

なお、水ダウの同種企画と異なり出演者には吉本興業所属の芸人が全く以て登場しない*3

定期的に期間限定で1話がYouTubeで配信されている。





シーズン1

撮影時期は2022年11月であり、どの芸人も寒さによって苦しんでいた。

【第一の部屋  トム・ブラウン(布川ひろき、みちお)】

まんまおとぎ話に出てくるお菓子の家。壁を構成する部分のお菓子を食べて穴を作れば脱出…というシンプルかつ分かりやすいルール。
お菓子の種類は様々であり、甘味だけでなくポテトチップや柿の種といったしょっぱい系も存在する。
この部屋だけの特徴として、参加者は手錠で片手同士を拘束された状態でチャレンジをスタートさせられている。

挑戦者は前述の通りトム・ブラウンの2人、ロン毛で細身の布川と「悲しきモンスター」と呼ばれる怪力のみちお。
元々コンビであるということもあって、他の部屋のように喧嘩となる場面は少なかった。
みちおが大食いゆえ難易度は低いように思われたが、彼の体格が大柄で脱出のためのスペースも大きく作る必要があり、また甘いものばかり食べ続けなければいけないことによる苦痛も伴うため結局楽な脱出にはならず。


【第二の部屋  岡野陽一、高野正成(きしたかの)】

SF映画に出てくるような真っ白な部屋。隅には仕切りで囲まれたトイレがある。
部屋の中央にはテーブルとインターネットに繋がった状態のパソコンが用意されており、
そのパソコンを使ってラジオ番組にエピソードを投稿し、採用されるとそのラジオネームに沿った品が支給されるというシステム*4
ドアや扉も存在せず、他の部屋と違い「どうやったら脱出できるのか」というルールが明示されていない部屋である。
2人はハンマーやツルハシを手に入れて壁や床を壊すという、この手のゲームではタブーとされる方法を考えるが…?

挑戦者はギャンブル大好きクズ芸人として知られる岡野と、YouTubeでのドッキリ企画でそのキレ芸が好評を博している高野。
極限状態からか、高野の顔面が人間ではなかなか見られない色に変化してしまう展開は必見。


【第三の部屋  みなみかわ、お見送り芸人しんいち】

灰色の壁にむき出しの電灯という、いかにもなデスゲーム風の部屋に閉じ込められている。
壁には問題が記載されたブロックによって作られた壁があり、問題の謎を解くとそのブロックのカギが外れて穴ができるというシステム。
問題数は4×6の24問であり、例題は下記の通り。

  1. 一番画数の多い常用漢字を答えよ
  2. 現在日本で指名手配されている犯人を10人答えよ
  3. 地球上で人間を最も殺している生き物を答えよ
  4. バイきんぐ小峠の車のナンバー4桁を答えよ

一般的な雑学クイズだけでなく、上記4番のようにクイズ名人でも正解できるはずがない問題も含まれている。
自力で問題を解くのは不可能なので、定期的に支給されるテレフォンカードを使って室内にある公衆電話を通じ知人に電話して問題を伝え、代わりに解答を調べてもらうという形で脱出路を切り開くシステム。
部屋にはストーブが設置されてはいるものの燃料が入っておらず、燃料購入にはテレフォンカードの度数を消費する。なお食料なども同様の購入システム。
支給されるテレフォンカードの度数は50しかないため、長電話をするとあっという間に使い切ってしまう。そのためなるべく短い電話で問題を伝えて答えを引き出す話術が求められる。
挑戦する芸人が共に細身なので最小なら5問程度で脱出できるスペースを作れそうだが、問題の配置が練られておりそう上手くはいかないようになっている。
ゲームのシステム上、電話相手である知人や家族がアホだと罵られることになるので、初っ端から互いに文句を垂れまくる険悪な空気になっていた。

挑戦者は所属していた松竹芸能や先輩に対する容赦ない毒で頭角を表したみなみかわと、同じく毒に満ちた歌ネタでR-1グランプリ王者となったしんいち。
元々人格に難があることで知られる2人ゆえ、上述の通りギスギスさが全開。
後にラジオで本人が語った裏話としてガチの殴り合いに発展したこともあったという。


【第四の部屋  クロちゃん(安田大サーカス)

厳密にいうと部屋ではなく屋外であり、クロちゃんの首から下が土にすっぽり埋まっている状態。
振り向いて後ろを見ることも無理とされる完全な生き埋め状態である*5
目の前にはグーグルアシスタントの端末が用意されており、「オーケーグーグル」と話しかけると会話が可能。
また近くにはゴミの山もあるが、その中にあるルンバやラジコンなど音声で動かせるものが存在する。
砂を掘り起こして己の身体を出すための仕掛けを作動させようとするが…。

  • グーグルアシスタント
AIスピーカーであり、話しかけられると音声で応答する。
番組用に特殊なプログラムが設定されているらしく、音楽を流してというリクエストには配信で使用できるBGMをチョイスしていた。
位置情報などクロちゃんに有利すぎる情報は設定されていないので答えてくれない。
クロちゃんの「役立たず」「死ね」という暴言に対しては毅然とした態度で返すなど、存在自体がシリアスな笑いとなっている。

全ての部屋の共通ルールとして、スマホなどのアイテムは持ち込みが禁止されている。
(例外としてしんいちはR-1グランプリのトロフィーとギターを持ち込むことが許されていた)


【パネラーの部屋  バカリズム、小峠英二(バイきんぐ)】

黒地に緑の渦巻き模様が塗られたサイケデリックな内装の部屋。モニターで各部屋を観察できる。
2人とも部屋の謎については知らされておらず、視聴者と同じ立場で4組を観察している。

一見すると全ての部屋は独立していて関係がないように思えるが…?





シーズン2


再び脱出せよ。

まさかの第2シーズン。
クロちゃんを除き、全部屋には以下の共通点がある。
  • 現金1000万円が置かれている
  • 受信専用の電話・パトランプが置かれている
  • ご飯は全部屋にコールがかかり、一番早く受話器をとった部屋のみ支給される

【第一の部屋  さらば青春の光(森田哲矢、東ブクロ)】

前シーズンの第三の部屋同様、公衆電話と謎解きが書かれたブロックがある部屋。
だが今回テレホンカードは有料で、1000万円から支払う形で購入しなければならない。
今回も問題数は4×6の24問であり、例題は下記の通り。

  1. Take2深沢邦之がこれまでに自身のYouTubeで登った山の中で一番高い山を答えよ
  2. 本日東京裁判所で開廷される裁判のうち1つの法廷名・被告人・判決を答えよ
  3. 日比谷公園の今日の噴水の水温を答えよ
  4. TSUTAYA五反田店18禁ナンパコーナーの最も左上に陳列されている作品名を答えよ

シーズン1ではフットワークの軽いみなみかわの嫁という強力なサポートがいたのに対して、こちらは段取りの悪い後輩だったりおっとりした母親だったりと手助けが頼りなく、何かと手間取ることに。


【第二の部屋  井口浩之(ウエストランド)、お見送り芸人しんいち】

フローリングの狭い部屋。
ドミノを並べて部屋全体でのドミノ倒しを成功させなければならない。
床には並べるドミノのルートも指定されている。だが部屋ごと揺れているらしく、並べるのは至難の業。

挑戦者の井口としんいち共に、前シーズンでの相手の醜態を知ってかアイマスクを取った瞬間はかなりゲンナリした様子だった。


【第三の部屋  高野正成(きしたかの)、みなみかわ】

真っ白な壁にメダルゲームとUFOキャッチャー及び、南京錠が掛かったキャビネットがある部屋。
天井に脱出口らしき赤い部分はあるが…?
脱出に必要なアイテムはキャッチャーにあり、カギがかかったぬいぐるみ、脚立のミニチュアなどがある。
キャッチャーはメダル5枚で1回プレイ。メダルは1枚につき1万円だが、メダルゲームでメダルを増やすことも可能。

挑戦者の高野とみなみかわは、2人ともハゲ。


【第四の部屋  酒井貴士(ザ・マミィ)、みちお(トム・ブラウン)】

四方が障子で囲まれており、賭場のような和室。
脱出の条件は「10個全てのサイコロの目を1にする」ことであり、単純な確率は1/60466176。

新たな挑戦者の酒井は、前回挑戦した直の先輩である岡野と同じくギャンブル好きクズ芸人としても有名。
当然サイコロがそう簡単に揃うことはなく、みちおは早くも自傷行為をしてしまった。


【第五の部屋  クロちゃん(安田大サーカス)】

今回も部屋ではなく屋外であり、クロちゃんの首から下が土に埋まっている。
同じく目の前にはグーグルアシスタントの端末が用意されており、「オーケーグーグル」と話しかけると会話が可能。
周りは海が見渡せる砂浜のため、前回以上に手がかりがない。
なお、端末曰く今回の撮影用に特別な登録がされているらしい。


【パネラーの部屋  バカリズム、小峠英二(バイきんぐ)】

前シーズンと変わった様子は無い。
2人はクロちゃんから「アイツら観てるだけで楽して稼ぎやがって」と悪態をつかれるも、「なんとも思わない」とあっさりスルーした。






シーズン3


これで最後にしてね?

二度ある事は三度ある、ということで2025年9月3日より配信スタート。
これに合わせてシーズン1,2のそれぞれ第4話までが無料公開されるキャンペーンも行われた。

なお、前シーズンまでのバリエーションに富んだ内装から一転して、
クロちゃん以外の全員が真っ白な正方形の部屋に閉じ込められている。


【第一の部屋  岡野陽一、みちお(トム・ブラウン)】

壁にひらがなが1文字ずつ書かれた大量のパネルと、そのパネルをはめるくぼみがある部屋。
脱出の条件はひらがなのパネルをくぼみにはめ、10個の単語を作ること。

ひらがなパネルの内訳は以下の通りで85文字。被りはないので同じ文字を使った単語は作れない。
  • あいうえお50音
  • 濁音(が、ざ、だ、ば行)
  • 半濁音(ぱ行)
  • 小文字(ぁ行、ゃゅょ、っ)
  • 伸ばし棒
くぼみの方は上から10文字分、9文字分、8文字分…と並んでいるため、
1~10文字の単語を1つずつ、計10個当てはめなければならない。

岡野はシーズン1で挑戦したラジオ投稿の部屋を連想してナーバスに。
みちおもひらがなパネル以外は何も存在しない真っ白な部屋に早くも発狂しかけていた。


【第二の部屋  お見送り芸人しんいち、井口浩之(ウエストランド)】

カラオケルームのようなちょっと薄暗い部屋。
天井にはミラーボールが輝き、歌う用のマイクが付いたお立ち台や、のど自慢コンテストで使われるチューブラーベルも置かれている。

脱出の条件は部屋にあるカラオケで歌い、精密採点で80点以上を出すこと。
しかし、カラオケ機からは課題曲となる1曲しか流れない。
さらにその課題曲「閃光」は視聴者が歌詞検索しても一切出てこないというマジで誰も知らない歌。
メロディが薄く流れるガイド機能もOFFにされているため、採点モードで画面に出てくる音程表示を頼りに微調整を続けて点数を上げていくことになる。

そもそも歌ネタ芸人であるしんいちと、意外にもカラオケが得意だという井口は脱出条件を知り楽勝だと高を括ったものの、
2人とも課題曲を聞いて本当の内容を察すると絶望の表情に変わった。


【第三の部屋  高野正成(きしたかの)、みなみかわ】

暗闇に包まれた部屋。アイマスクを取って目を慣らしてもなお何も見えないほど暗い。
そのため基本的に暗視カメラでの映像で撮影されている。
また、部屋の中には大量のアイテムが乱雑に散らばっているものの、暗いので手触りのみで判断するしかない。

脱出の条件は不明(書かれた封筒自体はあるのだが、暗くて存在に気付けずたとえ気付いたとしても読めない)。
ただし一定周期で5秒だけ部屋の照明が点いて明るくなり、その後に不正解らしきブザーが鳴る。
また壁にはQ1~Q3までのボードが貼られており、Q1のみ問題が表示されてその下に棚のようなものが存在している。
このため、答えとなるアイテムを各問題の下にある引き出しに置いて解答していき3問正解すれば脱出できると2人は推測した。


【第四の部屋  さらば青春の光(森田哲矢、東ブクロ)】

縁日のような紅白幕で飾られた部屋。
部屋の一角には縁日の屋台を拡大したような射的台とコルク銃が置かれているほか、
シーズン2で彼らが挑戦した部屋同様に、公衆電話と謎解き問題が書かれたロッカーが置かれている。

脱出の条件はクイズに正解して鍵を手に入れ、この部屋から脱出すること。
クイズが書かれているのは前回までのようなブロックではなくロッカーで、正解すると対応した扉が開く。
ただし今回は以前と異なり、現金もテレホンカードもカード販売機も存在しない。

一方射的台の方には棚に様々なアイテムが置かれており、その中には青い鍵とアクリルケースに入れられた赤い鍵がある。
さらにはテレホンカードもあるため、ひとまずコルク銃でこれを落として回収することで電話がかけられるようにする事を目指す。
コルク弾は10発用意されており、撃っても跳ね返ってきたものは回収して再利用可能だが、外して棚の裏に落ちてしまうと拾いには行けずロストとなる。
また、部屋にはコルク弾販売機が設置されており、10発10万円で購入可能。このためロッカーの中には現金が入っているとさらばの2人は予想した。
なお、棚の品物に直接触れられないように撃つ場所から棚までの間には、電流が流されている。


【クロちゃん(安田大サーカス)】

今回も生き埋め。コンクリートの壁に顔だけ出した状態で埋められている。
さらに首が埋められている場所は地面からかなり高いらしく、埋まっている状態から下を見ると遥か先に地面がある模様。

なお首から下が完全に壁の中という訳ではなく、尻だけ露出しているらしいことが分かっている。
ちなみにYouTubeで無料公開されている分ではモザイクではなく真っ黒に修正され「DMM TVで独占配信中」の文字が上に載っている。クロちゃんのケツで有料会員が増えるとスタッフは思っている…?

【パネラーの部屋 バカリズム、小峠英二(バイきんぐ)】

前シーズンと変わった様子は無い。
引き続き各部屋の様子を観察しながらコメンタリーを行う。




追記・修正は部屋から脱出してからお願いします。

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最終更新:2025年09月19日 23:52

*1 しかしクロちゃんだけは謎解きの途中で「配信番組のため権利の都合上で音楽が流せない」という情報を得ており、水ダウではないと知って驚いていた

*2 一応部屋の中には板で仕切られた排泄用のスペースもあるが、水も流せずその場で済ませるだけ。

*3 「吉本の権利関係が厳しいから」「事務所内外問わず協調性があるため番組の醍醐味である軋轢が生まれにくいから」など諸説ある。これに限らず配信系バラエティ番組で非吉本所属芸人がMCの場合、吉本所属芸人がゲスト出演する例はほとんどない。

*4 アクセス制限がかけられており、ラジオと無関係なサイトの閲覧は不可能。

*5 クロちゃん曰く本当に手足が壊死してしまうと感じられたほどの寒さで、ほんの僅かな可動範囲の中で定期的に手足を動かしてそれを防ごうとしていたという。