鞍馬家(仮面ライダーギーツ)

登録日:2023/04/10 Mon 09:48:50
更新日:2025/06/21 Sat 00:01:12
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鞍馬家(くらまけ)とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーギーツ』に登場する一家である。


【概要】


鞍馬財閥の総帥・光聖を当主とした家族で、広々とした豪邸に住んでいる。
デザイアグランプリとは浅からぬ関係があるようだが…。

血縁者の名前の由来は光に関連したもので統一されている。
また、仮面ライダーに変身する者はそれぞれ猫、山猫、黒豹、虎と全員「ネコ科の動物モチーフ」で統一されているのもポイント。

【構成】


鞍馬祢音/仮面ライダーナーゴ

演:星乃夢奈、松岡夏輝(幼少期)
鞍馬家の一人娘で、「祢音TV」の配信者。11年前の誕生日に誘拐されるという苦い思い出がある。
母の束縛及び過干渉に耐えかねて何度も家出しようとするが、その度にSPのジョンとベンに連れ戻されている。
2話以降は「本当の愛」を求めてデザイアグランプリに参加する。

名前の由来は主にネオン管に封入して明かりに用いられる元素「ネオン」。

鞍馬伊瑠美

演:遊井亮子
袮音の母で、彼女が「本当の愛が欲しい」と願うようになった主要因。
11年前の祢音誘拐事件が相当なトラウマになっているらしく、娘の配信チャンネルを勝手に削除する、彼女の持ち物に大量のGPS装置を仕込むなど異常なまでに過保護。
親子仲は冷え込んでおり、祢音から上記二つの暴挙を問い詰められた時は有無も言わず平手打ちをして逆に彼女の行動を咎め、その直後に「ずっと傍に居てちょうだい」と抱き締めた際は「私はお母様の人形じゃない!」と突き放されている。もうここまできたら情緒不安定どころではない*1

謀略編の序盤では袮音が従順になったことに安堵していたが、その時点の彼女はデザイアグランプリのことは知らなかった。
後の20話で光聖にデザグラのことを知らされると、「なぜこんな危険なゲームに祢音をエントリーさせたんですか!?」と激昂し、すぐさま祢音にゲームを降りるよう電話で説得している(人質にされている沙羅を蔑ろにする発言など、多少ヒステリックだが親としては当然の行動である)。

要するに行動そのものは毒親に該当するが、祢音への愛情は間違いなく持っている。

メインキャストに対し非常に厳しい(いわゆる、イヤなヤツの)役を演じており、公式はの様にバッシングを受けることを懸念しているようで平手打ちのシーンがあった回の放送後、公式から袮音役の星乃夢奈との笑顔のツーショットが投稿されている。

名前の由来は「イルミネーション」。

鞍馬光聖

演:笠原紳司
袮音の父で、鞍馬財閥のトップ。タイムファイヤーではない。
支配的な伊瑠美と違い、ある程度は娘の自主性を認めている…と言うか放任気味の模様。
伊瑠美がSPに袮音の捜索を命じた際は「あの娘ももう大人だ。自分の身は自分で守れるさ」と嗜めている。
その正体はデザイアグランプリのスポンサー。


ベン&ジョン

演:マイケル・K(ベン)、トム・コンスタンタイン(ジョン)
鞍馬家のSPである2人の男。肌が黒っぽい方がベンで、白っぽい方がジョン。
袮音が家出したときの連れ戻し役であり、女装して彼女に近づいたことも。

詳しくは個別項目を参照。



追記・修正お願いします。







以下ネタバレ注意


















【鞍馬家の真実】


  • 鞍馬あかり
演:松岡夏輝
11年前に誘拐された光聖と伊瑠美の本当の娘。
光聖は犯人の要求で誘拐現場に駆け付けたが、彼の目に飛び込んできたのは遺体袋に入れられて警察に運ばれる変わり果てた愛娘の姿だった。
娘の死を受け入れられなかった伊瑠美は精神崩壊してしまい*2、光聖もひどく追いつめられる。
そして、デザイアグランプリのスポンサーになることを条件に、「私が理想とする娘・祢音が生きている世界」を叶えてもらう。*3
こうして、光聖やニラムなど運営の一部以外はあかりの存在を忘れ、代わりに鞍馬祢音があかりの代わりとして生きている世界が実現した。

あかりの名前の由来は書くまでもなく「明かり」。代用品が人工の光である「ネオン」なのは何の皮肉か…。

【しかし…】


理想の娘こそ手に入れたが、伊瑠美はあかりが誘拐され死んだ時の記憶がどこかに残っていたのか、祢音を異常なまでに束縛。祢音もそんな伊瑠美に反抗し家出を繰り返すようになるなど、歪んだ家庭環境になってしまった。
さらに、光聖もあかりのことを忘れられないせいで、手放しに祢音を愛せないジレンマに襲われている。

そんな中、29話でベロバ祢音の出生を暴露。祢音に全てを知られてしまったどころか、手の平を返したオーディエンス達にバッシングされてしまう……。
続く30話にて、祢音は事の真偽を確かめるべく伊瑠美に自身のコアIDを接触させて記憶を呼び起こす。すると、実の娘が死んだ事実を知り、目の前にいる「娘」に対して「あなた誰!?」と怯えた表情で発狂交じりに叫ぶ伊瑠美の姿を見て事実だと確信して絶望し、今までの様な自由や愛を求める家出ではなく、絶縁としての家出を決意。我に返った伊瑠美は引き止めようとするが、「この家の人間ではない」と反発され、祢音は鞍馬家を後にしてしまう。
祢音に全てを知られた事に愕然とする光聖は、キューンから上記の行為を怒り交じりに非難されても、鞍馬財閥の為に「理想の娘」を支えろと返す。この期に及んで「娘達」の死や悲しみに向き合わず、己の理想しか頭にない目の前の男にキューンは軽蔑。光聖の目論みは完全に破綻してしまう…。

その後、運営の撤退に伴い光聖はデザイアグランプリのスポンサーとしての権力を失い、ジャマト出現の責任諸共政府に押し付けられ、家宅捜索の対象にされる。

【余談】


  • 「出生こそ歪ではあるが、これまで生きてきたこと自体は確かな祢音が、何故オーディエンス達からバッシングを受けるのか」という点についてだが、オーディエンス……もとい『ギーツ』における未来人達は何もかもがデザインされた世界で生きる存在だからこそ、不都合や不条理に振り回されながらも懸命に生きる過去の世界の人々に思いを馳せていた。
    そんな中で、自分達とは真逆だと思っていた祢音が実際のところは自分達と非常に近しい存在であると知り、思い入れがあったからこそショックを受けたのだと考えられる。
    「プレイヤーだと思ったらCPUだった」「神絵師だと思ったらAIイラスト製作者だった」といったところか。故にその存在を認められなかったのだろう。

  • 鞍馬家、及びサポーターが変身する仮面ライダーだが、偶然かそれとも意図的なものなのか、全員ネコ科がモチーフとなっている。


追記・修正は創世の女神によって創り出された存在にお願いします。

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最終更新:2025年06月21日 00:01

*1 この際、部屋に飾られた複数の人形が写るシーンがあり、歪みながらも愛情がある事は確かだが、同時に娘を聞き分けの良い「人形」として扱っている節があり、祢音の反発の声も的を射ているのかもしれない。無断でGPS装置を仕込む行為は、令和になって改正されたストーカー規制法に抵触する可能性もある。

*2 当時の祢音視点では、暗がりの部屋で「誕生日ケーキを前に母が「ハッピーバースデートゥーユー」を口ずさみながら自分を祝う」記憶だったが、実際は「伊瑠美一人で歌を口ずさみながら死んだあかりの誕生日を祝う」と言う凄惨なものだった。

*3 当初はニラムから「あかりが生きている理想の世界」を提案されたが、あかりが死んだ記憶を背負って生きる事に耐えられない為に却下。