鞍馬光聖(仮面ライダーギーツ)

登録日:2023/07/16 Sun 01:41:30
更新日:2025/06/01 Sun 17:21:00
所要時間:約 4 分で読めます






これからも楽しませてもらおう。次元を超越した、君達が生み出す世界を……



鞍馬(くらま)光聖(こうせい)とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーギーツ』の登場人物である。

演:笠原紳司



【概要】

鞍馬祢音/仮面ライダーナーゴの父で、鞍馬財閥のトップ。

娘に対して支配的な妻の伊瑠美と違い、ある程度は祢音の自主性を認めている……というよりも放任気味の模様。
伊瑠美がベンとジョンに袮音の捜索を命じた際には「あの子はもう大人だ。自分の身は自分で守れるさ……」と嗜めている。

他方、自宅を訪ねてきたツムリを不審がらずに迎え入れた事から、袮音にデザイアグランプリとの繋がりを疑われており、
彼女に直接訊かれた際には「お前には関係のない話だ」「お前は知らなくていい」などと肯定も否定しなかったが、ベンとジョンの調査によって鞍馬財閥がデザイアグランプリのスポンサーである事実が判明。
加えてジャマトが街中で暴れているのに警察やマスメディアが全く動いていなかったのは、彼がスポンサーとして圧力をかけていたからであった。

16話ではそれを知った袮音に頼まれ、ゲームマスター・ギロリの不正を暴くようニラムに働きかけた事も。
ただし、光聖自身は後述の理由もあってゲームマスターの不正を黙認するつもりでいたが。

祢音がデザ神になって理想の願いを叶える事を強く望んでおり、10話ではスポンサー権限で追加エントリーさせたり、25話ではニラムの「ヴィジョンドライバーを奪還次第、この時代から手を引く」旨の発言に「まだ祢音の理想が叶っていないんだぞ」と詰め寄ったりしている。
だが、直後に「ならば貴方ご自身が、愛娘に本当の愛を注いでは?……注げませんか? 女神の力で手に入れた一人娘(・・・・・・・・・・・・・)に───」とニラムに言い返されて「黙れ!!」と怒鳴り返す程に感情的になるなど、明らかに何かを隠している様子がうかがえる。
もっとも、ニラムもニラムで皮肉るだけでなく「ならばせめて信じて下さい、仮面ライダー諸君の活躍を。ひいては……愛娘の幸せを」と光聖を諭すような言葉を掛けており、彼なりに案じてはいるようであるが。


【過去】


幸せの価値観は、人それぞれだ!

私の娘は、誘拐事件のあの時に死んだんだ。私の愛と共に……


光聖がデザイアグランプリのスポンサーを務める切っ掛けを作ったのは、もう一人の娘・あかりとの死別だった。
かつては親子3人で幸せな日々を過ごしていたが、11年前のある日、あかりが誘拐された挙句、殺害されてしまう。
この件で伊瑠美は精神崩壊を起こしてしまい、自身も憔悴の末にデザイアグランプリ運営と接触。
スポンサーとなる事を条件に『私が理想とする娘・祢音が生きている世界』を叶えてもらった。

しかし、祢音を作り出したのは未来人とのコネクションを得て財閥を発展させるという己の野望の為であり、そこに本当の愛など無かった。
現に、30話で祢音が自身の出生に動揺している上、オーディエンスの誹謗中傷に晒されていても娘を心配しないどころか、狂ったような笑いの後にキューンに向かって「祢音を支えてみせろ。鞍馬財閥の未来のために……!」とまで言ってのけている。
要するに、祢音がデザ神になる事を望んでいた理由は「俺はお前に本当の愛を注げないから、創世の女神に叶えてもらえ」というもの。

ここまで書けば平成2期以降の仮面ライダーシリーズ恒例のろくでなし親父だが、実はニラムからはあかりの蘇生と誘拐事件の記憶の消去も提案されていた。
だが、彼女の死及び生きていた記憶を忘れる事など出来ず、記憶を保持。
即ちあかりへの愛は今でも変わらず持ち続けており、彼女の月命日には必ず献花を捧げている。
また、本当に祢音をただの道具としか見ていないのなら、彼女の願いを意地でも叶えさせようとはしないはず。

果たしてその胸の内は……?



以下、ネタバレ注意!!
















【本当の愛】

そんな光聖の思いに反してデザグラ運営は現代から撤退。
スポンサーという立場を失った彼に待ち受けていたのは、無関係なジャマト出現の責任を全て政府に押し付けられた末の家宅捜索だった。
警察に拘束され、留置所に収監された彼の元には誰一人面会に来なかった。
唯一訪れた祢音に自分を留置所から出すよう縋るも、「可哀想な人……。11年前、あかりさんを喪っていなければ、こんな事には……」と憐みの目を向けられてしまう。

その後、ギャングライダーズの襲撃に乗じて脱獄。仮面ライダーターボンに襲われかけるが、祢音に助け出される。
やがて、あかりの誘拐犯でもある沼袋一男から「祢音を誘拐した」と脅迫を受ける。
皮肉にも、取引現場や身代金の額などは11年前のあの事件と同様。
当初はトラウマを掘り起こされて動揺していたが、伊瑠美の後押しもあり、これまでの自分を顧みて遂に立ち上がる。


祢音は“お前を信じている”と言った。誰もが幸せになれる、理想の世界を目指していると……

ああ。

その言葉に嘘がないなら、この私であろうと、幸せになる権利はあるはずだ。


そして、土下座をしてまで自身をデザイアグランプリにエントリーさせてもらうよう浮世英寿に頼み込むと、仮面ライダーギャーゴへの変身能力を獲得。
現場に赴き、祢音を助けだそうとたった一人で立ち向かった。最愛の娘のために戦う父親として……


どうして…!?

もう二度と、あんな思いはしたくなかった!

でも私は、あかりさんじゃ───あなたの娘じゃない!
違う! お前は───祢音は…私の娘だ。
お前が与えてくれたんだ。もう二度と取り戻せないと思っていた……人を愛する心を!!

“愛”…?私が……?

祢音、私は……お前を愛している。


慣れない戦いで瀕死の重傷を負ってしまったが、沼袋=仮面ライダーブラーリを撃破し、祢音の奪還に成功。
搬送先の病院で意識を取り戻すと、祢音に今まで愛情を注いでやれなかった事を吐露するが、
それでも祢音にとって光聖は「誘拐された娘を命懸けで助け出そうとした父親」であるとして彼を許し、長きに渡る鞍馬家のわだかまりはようやく溶けたのであった。


“愛を失ったら、人はもう幸せになれない”。お前はそう…私に言ったな。……本当にその通りだった。
あかりと過ごした8年は確かに幸せだった。しかし同じように、祢音。お前と過ごした年月も、幸せであるべきだったんだ。


そして、残されたIDコアとデザイアドライバー、ファンタジーバックルを全て祢音に託し、戦線離脱した。


祢音、お前が幸せになってくれる事……それが私の願いだ。

……ありがとう。でも、私…幸せだよ。もう十分。


【仮面ライダーギャーゴ】



私の娘に……手を出すなああああっ!!

スーツアクター:縄田雄哉(仮面ライダーバッファと兼役)

光聖が変身するボブキャット(オオヤマネコ)モチーフの仮面ライダー
英語表記は「Gya-go」で、固有パーツの耳「ギャーゴイヤー」には超高性能聴覚装置が内蔵されており、音波レーダーとしての役目も果たす。

なお、映画『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』に登場した仮面ライダーシーカー同様にエントリーフォームは登場せず(変身時に素体が一瞬映るのみ)、劇中では後述のファンタジーフォームにのみ変身した。


ファンタジーフォーム



ENTRY

えっ…?


祢音は……娘は私が守る!

SET

……変身。

うおおおおおっ!!


FANTASY

READY FIGHT


私の娘は…金では代えられない、無二の存在だ!


身長:204cm
体重:95kg
パンチ力:31.2t
キック力:60.3t
ジャンプ力:77.5m(ひと跳び)
走力:2.4秒(100m)


ファンタジーバックルをデザイアドライバーの右側に装填して変身した姿。
頭部「ファンタジーギャーゴヘッド」に装備された「ファンタジーヘッドガード」により頭部全体にファンタジーバックルの拡張機能が付与され、プレイヤーの願いに応じて各種アビリティを変化させる特殊効果を発揮する。
これによって光聖の願いが反映された結果、戦闘においては幻想を具現化した「ファンタジーエフェクト」をとして駆使する戦法を取る。
また、複眼「スカーレットギャーゴアイ」には真実を見抜くための機能が付与されており、幻覚攻撃や光学的な処理には滅法強い。

創世の力で作られた大型レイズバックルを使用している関係でスペックはブーストフォーム並みに高いが、変身者の光聖が戦闘経験のない中年であるために総合的な実力はそこまで高くない
劇中ではデザイアグランプリ経験者の仮面ライダーブラーリ アームドハンマーと拮抗していた上、プレミアムベロバが乱入してからは完全に防戦一方となっている。
ただし、祢音を守ろうとする意志は誰よりも強く、それ故に食らい付いたら離さないガムシャラで泥臭い戦闘スタイルが持ち味。


  • ファンタジーストライク

FANTASY STRIKE

ファンタジーバックルのトゥインクルケインを引いて押し込む事で発動。
ファンタジーエフェクトをかぎ爪のような形で右腕に発生させ、突進しながら黄金に輝く斬撃を繰り出して相手を引き裂く。
この一撃でブラーリをノックアウトして変身解除に追いやり、過去のトラウマを断ち切ってみせた。


【余談】

  • 名前の由来は「光彩」からだと思われる。

  • 演じる笠原氏は、『未来戦隊タイムレンジャー』にてタイムファイヤー/滝沢直人を演じた東映特撮OBとして知られている。
    東映公式サイトによると、当初は変身の予定は無かったが、氏の演技で方針が変わり、誘拐犯との対決というハイライトで満を持して仮面ライダーに変身する事になったという。
    • ギャーゴの変身ポーズは笠原氏が考案したもので、お気づきの方もいると思うだろうが、先述の直人=タイムファイヤーへのオマージュが込められている。
      なお、直人は「未来の力を私利私欲に使おうとして破滅した」という末路を辿ったのに対し、光聖は「未来の力で娘の幸せを守ろうとするため戦う」と、戦う理由が真逆となっている。
    • また、氏は『ULTRAMAN』にて諸星弾のモーションアクターを演じており、(一応)今回にて3人目の三大特撮変身制覇者となった。

  • 戦闘後に病院送りの重体となった光聖だが、当の笠原氏はせっかくの血糊メイクだからという事なのか、撮影の合間に祢音役の星乃夢奈氏と伊瑠美役の遊井亮子氏の鞍馬家3人で、 「#仮面ライダーとバレない画像」 としてゾンビごっこしながら遊ぶ姿を自身のX(旧Twitter)に投稿している。

  • ギャーゴのエントリーヘッドは、前述の仮面ライダーシーカーの改造
    本編ではエントリーフォームが登場しなかったが、これはシーカーの下顎とエントリーヘッドが取り外し不可能な構造になっていた都合によるもの。
    ただし、下顎はリペイントによってオオヤマネコの顎の毛に見えるようになっている他、頭部の角もオオヤマネコ特有の尖った耳に見立てる形で改修されている。



その言葉に嘘がないなら、この私であろうと、追記・修正する権利はあるはずだ。



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最終更新:2025年06月01日 17:21