サイダブラー

登録日:2023/04/18 Tue 21:04:31
更新日:2025/02/18 Tue 21:06:59
所要時間:約 4 分で読めます






ギャバン!今日こそお前を引きちぎってやる!

出典:宇宙刑事ギャバン/東映/第14話「 愛と悲しみの別れとどめの一撃!!」/1982年6月25日放送


宇宙刑事ギャバン』の第13話「危うし烈!大逆転」と第14話「愛と悲しみの別れとどめの一撃!!」に登場したダブルモンスター。

声:依田英助、大村亨(宇宙刑事魂)
演:潮健児(人間態)

これまでの宇宙犯罪組織マクーの主戦力であった、獣星人ダブルマンとベム怪獣を合体させる事で誕生する「ダブルモンスター」の第1号。
ドン・ホラーに反逆した罪で幽閉されていたダブルマン・リノマンとベム怪獣サイモンスターが合体して誕生した。

モチーフ通りの凄まじいパワーの持ち主で、電信柱を引き抜いて振り回したり、大岩や自動車のドアを引きちぎって投げつけるなどの攻撃を行う。
またダブルマンの時と同じようにを持ち、巧みな盾捌きで攻撃を防ぎ、ギャバンレーザーブレードと互角に渡り合う強敵。
鈍重そうに見えて意外に身のこなしも高く、ギャバンの空中からの攻撃を受け止めて跳ね返すほど。

ギャバンが特訓をしていると見ると、「わしもやらねば」とトレーニングに励むなど、意外と真面目な所がある。
サイのくせに好物は牛肉で、牛を何頭も骨だけ残して丸ごと平らげてしまう。*1
弱点は右胸にある心臓で、常に盾で防御している。

黒いタキシードとマントに身を包み、シルクハットを被った怪紳士に変身して行動する。

烈に挑戦状を送った時の名前が「ダブルモンスター」になっていて、ちょっとかわいい。


【活躍】

ドン・ホラーの圧倒的な力で支配されている宇宙犯罪組織マクーだが、中には無謀にもドン・ホラーに反逆する者も存在する。
地下牢に幽閉されているダブルマン・リノマンもその一人だが、ドン・ホラーは「ギャバンを倒せば自由の身」と「マクーの大幹部の座を与えてやる」という条件で解放し、
ギャバンの下へ向かわせる。

ダブルマンはマクー戦闘円盤でコンビナートを襲撃してギャバンを誘き出し、得意の剣戟で善戦するが「レーザーZビーム」で盾を破壊されて負傷し、逃げ帰るはめになってしまう。
逃げ帰って来たダブルマンにドン・ホラーは呆れ、再び石牢に閉じ込めるように命令。
すると、ダブルマンは思わぬ事を言い出した。

待ってくれ、ギャバンに勝つ方法があるんだ……!

わしにモンスターのパワーをくれ!そうすれば勝てる!

なるほど…ダブルマンとモンスターを合体させてダブルモンスターを造り出す……

これは画期的な思い付きだ……!

何と、ダブルマンは自分にベム怪獣を合体させて「ダブルモンスター」を作れば勝てると言い出したのだ。
これを聞いたドン・ホラーはそのアイディアを認め、早速行動にとりかかる。

ハンターキラーは生体電送装置を開発中の香月教授を襲って拉致すると、ダブルモンスターを造り出すための生体合体装置の開発を要求。
生体電送装置は本来、人々の宇宙旅行のために開発されていたもので、一度細胞体を元素に分解して電送し、その後再構築するというものであった。
ドン・ホラーはその理論を応用し、元素に分解した状態で組み合わせを変えて生物を合体させようとしたのである。
当然香月教授は拒否するが、妻子を人質にされてやむなく生体合体装置を開発してしまう。

一度さらわれた香月教授の影にマクーがいると見て捜査を始めた烈を陽動作戦で遠ざけ、その隙にダブルマンはサイモンスターと装置に入り、装置のスイッチが入れられる。

出典:宇宙刑事ギャバン/東映/第13話「 危うし烈!大逆転」/1982年6月18日放送

ダブルモンスター!

ついに、ダブルマンの知能とベム怪獣のパワーをあわせ持つ恐るべき敵、ダブルモンスター「サイダブラー」が誕生してしまった。
ハンターキラーは証拠隠滅のために香月教授を一家もろとも魔空城に連れ去ろうとするが、そこに烈が駆け付ける。
しかし、サイダブラーは凄まじいパワーで烈をはね飛ばし、登場したギャバンをも圧倒する。
それでも、ギャバンはレーザースコープで隙を見つけ、「ギャバンダイナミック」で盾を破壊して撤退させる事に成功する。
だが、すでに生体合体装置はマクーに持ち去られていたのだった。

ダブルモンスターの出現は銀河連邦警察のコム長官にとっても衝撃的であった。
そこで、コム長官は自ら地球を訪れ、烈に直接特訓を施すと、ギャバンとサイダブラーの戦いを分析。
すると、サイダブラーは盾で常に右胸をガードしており、どうやら心臓を守っているらしい。
サイダブラー打倒の糸口を発見した烈は、さらに特訓に励む。

一方のサイダブラーも負けじとクラッシャーを相手に特訓に励み、戦いに備えて牧場を襲って好物の牛の肉を食べて腹ごしらえをすると、烈に挑戦状を送り付ける。
烈はもしもの時のために、ミミーに借金をしてあえて子供たちと遊んで別れの挨拶代わりとして決意を固め、サイダブラーとの決闘に挑む。

決闘の場である鬼ヶ岬で対峙した両者は、まずサイダブラーが大岩を投げつけて攻撃するが烈はそれをかわして蒸着。

出典:宇宙刑事ギャバン/東映/第14話「 愛と悲しみの別れとどめの一撃!!」/1982年6月25日放送

宇宙刑事ギャバン!

ギャバンはサイダブラーの弱点である右胸を狙って攻撃を仕掛けるが、ドン・ホラーが魔空空間を作って援護する。
ギャバンは電子星獣ドルを呼んでマクー戦闘円盤を全滅させ、レーザーブレードを抜いて再びサイダブラーと対峙。
サイダブラーの巧みな盾捌きに苦しめられるも、「レーザーZビーム」とジャンプの勢いを利用した一撃でついに盾を叩き落とす。

今だ!

しまった……!

出典:同上

ギャバンダイナミック!

出典:同上

うあああ~!

弱点の心臓にレーザーブレードを突き立て、とどめに「ギャバンダイナミック」が炸裂してとうとうサイダブラーは爆散した。
しかし、魔空城では、ドン・ホラーが新たなダブルモンスターを造り出そうとしていたのだった。


【関連】

●ダブルマン・リノマン

手土産は、ギャバンとやらの首でいいんだな!?

出典:宇宙刑事ギャバン/東映/第13話「 危うし烈!大逆転」/1982年6月18日放送

声:潮健児

ドン・ホラーに反逆した罪で終身刑となり、地下の石牢に閉じ込められていたリノマン星出身のダブルマン。
本来、一生牢獄から出られないはずだったがギャバンを倒せば大幹部に取り立ててやるとの条件で解放された。三本のトゲが付いた盾と剣を使って戦う。
ドン・ホラーに反逆するだけあって実力は高く、ギャバンに「手強い相手だ」と言わせるほど。
ギャバンの事を知らなかったようなので、第1話の時点ですでに閉じ込められていたのだろう。

コンビナートを襲撃してギャバンを誘い出して戦うが返り討ちにあい、再び閉じ込められそうになるがダブルマンとベム怪獣を合体させる「ダブルモンスター」のアイディアを出して生き延び、サイモンスターと合体してサイダブラーとなった。

ダブルモンスターのアイディアを出した時点では合体させる方法も存在していなかったので完全に苦し紛れの言い訳なのだが、それが認められて組織のパワーアップにも繋がったのだから言ってみるもんである。


【派生型】

●ライノダブラー

宇宙犯罪組織マクーだ!間違えて覚えるな!

声:鳥海浩輔

壊滅した宇宙窃盗団マルー宇宙犯罪組織マクーの残党の1人であり、『特命戦隊ゴーバスターズ』のMission31、32に登場。
サイダブラーと似た名称・姿をしており、武器には巨大な剣と盾を持つ。サイのDNA情報を持ちパワフルな突進攻撃と角から出すビームを得意とする。胸部には地軸転換装置を内蔵しており魔空空間を発生することができる。

エンターヴァグラスと手を組んで地球の様々な分野の学者を魔空空間に誘拐して地球を衰退させようと目論むとゴーバスターズと自分を追ってきた2代目ギャバンこと十文字撃によって阻まれ、彼らを魔空空間に引きずり込んで苦戦させるも最期はレッドバスターのイチガンバスター・スペシャルバスターモードとギャバンのギャバンダイナミックの同時必殺技によって敗れ去った。

しかし、最初から地軸転換装置を狙っていたエンターにより「引きずり込む」メタウイルスをインストールされたことで巨大化して復活。
地軸転換装置で亜空間と魔空空間を現実世界に引き寄せようとするが、電子星獣ドルとグレートゴーバスターの連携により地軸転換装置を破壊され今度こそ倒された。



【その他】

決戦となる第14話は、宇宙刑事シリーズお馴染みの「プロセスをもう一度見てみよう」がない。

『ギャバン』で唯一の二話にまたがって登場した怪人である。

記念すべき新体制であるダブルモンスター第1号ではあるが、ゲーム作品などでの登場はそれほど多くなく、『スーパーヒーロー作戦』シリーズには登場しておらず、『アジト』シリーズでは『2』には登場しているが『3』には登場していない。
スーパー特撮大戦2001』には登場しており、切り払いとシールド防御を使う。
『宇宙刑事魂』では小次郎さんを操作してサイダブラーから逃げるミニゲームがある。


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最終更新:2025年02月18日 21:06

*1 実はベム怪獣やダブルモンスターは単に地球の生物と外見が似ているだけで、生態が近いわけではないという設定がある。