登録日:2023/06/08 Thu 18:54:00
更新日:2024/12/02 Mon 21:54:47
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武士が一度信じたのなら 信じた責任は己で取れ!
裏切られても一族が滅んでも信じた方の責任!
ならばこそ 人を信じる覚悟は重く崇高なのだ!!
足利 直義とは、鎌倉時代末期から南北朝時代の武将であり政治家にして歌人。
本項目では、史実を元に創作されている漫画作品『
逃げ上手の若君』におけるキャラクターとしての足利直義を扱う。
CV:古川慎(幼少期:野村香菜子)
目次
ステータス
レアリティ (1335年) |
☆☆☆☆☆ |
UR |
能力 |
南北朝適正 |
武力 |
68 |
蛮性 |
33 |
知力 |
99 |
忠義 |
100 |
政治 |
99 |
混沌 |
48 |
統率 |
73 |
革新 |
37 |
魅力 |
84 |
逃隠 |
65 |
- レアリティ:その年代における人物の重要度。なのでステータス数値とレアリティが比例しない場合もある。
- 能力面
武力:刀、
弓、馬術などの個人戦闘力
知力:知識、機転、戦略などの総合力
政治:内政、調略、権力争いを制する力
統率:政治体制や味方の軍をまとめる力
魅力:善悪に拘らず人を引き寄せる力
蛮性:荒々しい時代を戦い抜く生命力
忠義:高すぎるか低すぎる時に力となる能力値
混沌:次々に変わる環境、状況への適応力
革新:古きに拘らず新しい世界を作る意思や発想力
逃隠:人の眼が行き渡らない時代に適応する能力
知力・政治30%上昇
賄賂による寝返り工作を無効化する
千貫文と引き換えに大量の物資を得る
知識人層との交渉が成立しやすくなる
兵力三千以上の武将の忠誠度30%上昇
概要
本作の宿敵にして
ラスボス・
足利尊氏の実弟にして右腕の政務官。1334年時点で27歳。
背中に
「天知神知我知子知」と書かれた着物を身に付ける。
兄同様に端正な容姿だが、実は目元が対極になっている。具体的には
といった具合。
また妻帯者であり、渋川義季の姉を正室として迎えている。
幕府討伐参戦以後は京の朝廷で政務を取り仕切っていたが、北条残党の反乱に対する防衛のため1334年鎌倉に派遣。
鎌倉に赴任して早々鎌倉将軍府の執権として復興業務に奔走する傍ら、治安維持目的で足利一門の若きエリート集団
関東庇番を組織し関東地方の統治を図った。
他にも高僧・夢窓疎石との対談本「夢中問答集」の企画も手掛けている。
マーキングパターンは「四知夢窓疎石フォント」。
人物
一人称は「私」。
人物としては常に生真面目かつ冷静沈着で、汚職にも手を染めないほど厳格な理詰めの堅物。
厳格さは私生活にも現れ、渋川には彼の姉を「生涯彼女一人を愛すと誓う」と宣言したほど。
だが民衆の人気を得るためにアイドルグループ関東庇番を結成したり、庇番の面々にラフな格好も許すなど対応自体は柔軟。
ただ、本音としては厳格な統治をしたいらしく、政権が安定したら規律を正す模様。
性格が正反対の岩松に対しては本人を前にして「足利が政権を取ってもお前は政治の中枢には絶対に入れん」と単刀直入に断言する辺り好き嫌いはハッキリしている。
それでも冷遇はせず本人の適正を見抜いて戦場で戦うという適材適所の役割を与え、岩松が起こした全ての責任を自分が取るとも宣言しており、良くも悪くも実利第一主義。
岩松も自分が嫌われているとわかっていながら腹を割って話せる直義を慕っている。
石塔の常人には理解できない嗜好にも「己を磨くには様々な道がある」として歩み寄って尊重し、彼のためだけに鶴岡八幡宮を貸し切りにするなど気配りにも長け、これらが庇番の面々の鉄の忠誠心の礎となった。
一方で
- 優しすぎた義弟渋川の心の逃げ場を話術で理路整然と封じ、本編のような正義に固執し怒り狂う“阿修羅鬼”に変える
- 信頼を寄せていた義弟渋川の戦死を聞いても一切動揺せず事務的な対応に終始する
- 愛馬を失って哀しみに暮れる範満を言葉巧みに魔道に堕とす
など冷酷或いは非道に見える側面もあるが、これらも合理性と先まで見据える大局的な思考があってのこと。
孫二郎は「僕が死んでもあの人は泣かない」と確信しているが「ただ泣くだけで誰も助けてくれない世で僕よりも僕の未来を真剣に考えてくれる」として忠誠心を新たにしている。
総じて兄とは違う言葉を駆使しての計算尽くのカリスマを擁した理想の上司であった。
感情論で突き動き主義も異なる不合理な存在であった
北条時行のことも
「その生き様を最後まで見てみたい」とロマンを向けており、かつての主君の子だろうとあっさり忘れた兄とはこんなところでも正反対。
時行との論戦で敗れた際には
「手塩にかけて復興した都市を再び灰にしたくない」という理由で鎌倉市街での徹底抗戦を行わない事を約束するよう求めており、時行からは
「表に出すのが下手なだけで情はある」と評されている。
実際
斯波家長の討死の報、彼の活躍と成長を聞かされた際は号泣していた。
なお尊氏が「武とカリスマと直感」の天才タイプならば、直義は「知と冷徹と理論」の秀才タイプと、性質は兄とは真逆。
だが理論派ながら兄の絶対的な勘を信頼しており、尊氏もまた「勘では勝てても頭脳では適わん」として直義を頼りにし、「我が愛する分身」と評するほどに兄弟仲はすこぶる良い。
その一方で日を追うごとに人間離れしていく尊氏に対して畏怖の念を強くしている。
尊氏が命じた護良親王暗殺に関しては普段は怜悧な彼でも流石に冷や汗をかいて内心かなり動揺しており、心の中で「(足利はこれから戻れない一線を越えようとしている)」と足利一族の今後を不安視する様子も見せた。
合理主義者という点では
高師直に近しいが、合理性に極端なまでに特化した師直とは
完全な不和。
師直が計画する「帝を廃位させ、代わりに全金属製帝を象徴として置き換える」という不敬すぎる案を厳しく糾弾した上で、
「民の心をまとめるには現人神の帝の力が必要」と断言。
帝の加護の力を軽んじることなく評価しながらも、急拡大し続ける師直の権力に脅威と危機感を抱いている。
能力
異名は「金鬼」。
怜悧な頭脳と計算、論述能力、豊富な知識を駆使する生粋の文官・政治家タイプ。
金策にも秀でており、この頃対立していた中国(元)との貿易を大成功させ、庇番を通じた販促や富裕層とのコネによって軍資金などの予算を確保している儲け上手の弟君。
優れた頭脳から来る分析能力は非常に優秀で、言葉と計算された身振りで大衆の心を惹きつけるだけでなく、
- 赴任早々鎌倉で反足利勢力に襲われた際は敵の矢の届かないギリギリの高所を瞬時に計算で見抜き、そこに陣取って淡々と執務を執り行いながら庇番衆の指揮も下す
- 信濃国での諏訪頼重と時行の挙兵の目的を「鎌倉奪還による天下取り」だと瞬時に見抜き、進軍方向すら正確に予測して庇番の布陣を整える
といった具合で非凡な才能を発揮している。
その他和歌・交渉術にも長け、その性格と合わせてナレーションでは「卓越した政治家であり、現代に生まれても日本を動かす力があっただろう」と大絶賛されている。
中でも自らの資質を最大限発揮できる論戦勝負は直義の真骨頂。
戦場でも響き渡る怒声から放たれる詭弁・偏見・正論を巧みに織り交ぜた怒涛の弁舌で畳みかけるように相手の意見を理路整然と封殺して優位に立つ様は、対峙した時行から「言葉の圧で潰されそうだ」と言わしめた。
ただし怒声による論戦も本人としては駆け引きの手段でしかなく、論戦勝負の後「感情的に怒鳴って何の得がある」と疲れた顔でマジレスしている。
そんな傑物たる彼の唯一にして致命的な欠点は戦が弱い事。
「鎌倉幕府が健在の頃から目立った戦功が何もない凡将」という噂は信濃にまで伝わっており、直義本人もそのことを認めて戦下手と自嘲する程。
しかし、持ち前の頭脳・知識・先見性を活かした戦略眼と兵法は卓越しており、総大将自ら前線に立って得意の論戦を申し込み、その裏で伏兵を動かして挟み撃ちにするなど、大胆でクレバーな策を用いてカバーしている。
劇中では堅牢堅固とされる鎌倉の守りを捨ててまで進軍しているが、これも鎌倉の防衛機能が使い物にならないと事前に予測したからであり、その後の兵の運用も含めて「戦術家」としての素養は一流。
それでも直義が戦下手とされるのは、良くも悪くも合理主義であるが故に理屈以上にその場限りの感情で動く将が蠢く戦場という環境を理解できず、イレギュラーの連続に対応しきることができないためである。
だが我が強く個性もバラバラな庇番衆をまともな集団としてまとめ上げることができたのは紛れもない直義の功績であり敵味方合わせて高く評価されているが、これも正論で制御可能な平時だからこそ。
根っからの官僚タイプである直義は感情で時代を動かす英雄の適性はなかったと言える。
スキル構成、ステータス配分含めて一部読者から
「南北朝時代で生きるのに向いてない」と揶揄されるレベルで内政特化型の能力を持つ直義であるが、
新田義貞相手に討死寸前まで追い込まれたとはいえ、メンタルが萎えて引き籠ってしまった尊氏が出陣するまでの間持ちこたえて奮闘できる程度には個の武は有している。
出典『太平記』。
第16巻「日本朝敵事」で紹介された天智天皇の時代の朝敵・藤原千方に調伏された四鬼の一角で、どんな武器をも弾き返す鋼の肉体を持つ。
その鉄壁の守りで討伐軍を苦しめるも、紀朝雄がその不敬を戒める和歌を詠むと、道理を悟って他の三鬼と共に逃散。
守りを失った千方はたちまち討ち取られたという。
攻め入る隙をも与えないと称された理論武装で身を固めるも、朝敵と断罪された途端に揺らいだ作中の論戦に重ね合わせたのだと思われる。
その他にも金策に長けていることも意味に含まれていると思われる。
余談
史実では兄を良く支えた敏腕補佐官として活躍していた。
上記の戦下手問題も、史実で実質的に彼が指揮を執った戦として挙げられる「中先代の乱」「手越河原の戦い」「豊島河原の戦い」「打出浜の戦い」「薩埵峠の戦い」では打出浜を除いた全ての戦で敗北しており、歴史マニアの間では「直義=戦下手」の図式はすでに浸透していた。
ただし、尊氏や師直といった身内が強すぎるだけという側面もあり、実際唯一勝利している打出浜の戦いの相手は他ならぬ尊氏。やればできるだけのポテンシャルは秘めているとも言える。
兄弟仲も実際良かったとされるが、次第に常軌を逸した尊氏の奇行に付いていけなくなりあと師直を殺したいほど嫌っていたため対立。観応の擾乱と呼ばれる骨肉の争いに発展することになるが……
お前のような追記狂いの修正狂いとは全く合わん
仮に足利の項目が立っても絶対にお前には編集させん
その代わり私の項目では好きに暴れろ
責任は私が取る
- 大河ドラマの太平記でも兄弟仲は極めて良好に描かれてたし、本当なら最後まで仲良くしてたかったのかもなって人。 -- 名無しさん (2023-06-08 20:51:08)
- ↑だからこそ真田さん演じる尊氏の弟を殺してしまったぁぁぁぁっ!って慟哭が心に響くのよ… -- 名無しさん (2023-06-08 21:01:04)
- ↑逃げ若の尊氏もやりそうだな、あれ。 -- 名無しさん (2023-06-09 10:24:06)
- 逃げ若だとこの人が尊氏の影武者 -- 名無しさん (2023-06-09 12:15:46)
- になりそう。歴史に大きな変化が無く時行が尊氏を討つって流れだとありえそう。 -- 名無しさん (2023-06-09 12:19:37)
- 尊氏を除けば鬼としての格は直義はトップクラス -- 名無しさん (2023-06-10 17:05:20)
- ↑3 あの怪物・尊氏だと史実の足利家に繋がらないからあり得る気はする。 っていうか「アレ」から義満公にはどう考えても繋がらない -- 名無しさん (2023-06-11 04:10:18)
- 本家wikiの解説読んできたけど、真面目で有能な人だが武士の統率には向かない人だったんだなあという印象。劇中の中先代の乱でもその一端は描かれてるし。連載が続けば観応の擾乱も松井先生の描写で見られる可能があるけどそこまで続くかなあ… -- 名無しさん (2024-03-14 01:32:06)
- サラッと読んでみたが兄貴以上に敵にしたくないタイプだな・・・ -- 名無しさん (2024-08-01 12:33:45)
- なんか兄貴がダイ大におけるバーン様なら、弟はハドラーって感じがするな。圧倒的な武力とカリスマ性でごり押しする兄貴(バーン)と、力はそれほどでもないが機微や戦略眼はある弟(ハドラー) -- 名無しさん (2024-08-05 08:41:18)
- 野心があった扱いされてもおかしくない挙動してるのに身内の記録でもちゃんと功績称えられてるせいもあってかお労しい役割にされがち -- 名無しさん (2024-08-07 08:27:34)
最終更新:2024年12月02日 21:54