登録日:2022/06/28 Tue 14:11:00
更新日:2022/08/18 Thu 23:12:14NEW!
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『
足利 尊氏』とは、南北朝時代前期における日本の武将であり、後に初代
室町幕府征夷大将軍となった史実の人物。
本項目では、史実を元に創作されている漫画作品『
逃げ上手の若君』における
キャラクターとしての足利尊氏
を扱う。
●目次
【データ】
レアリティ |
☆☆☆☆☆ |
UR |
能力 |
南北朝適正 |
武力 |
93 |
蛮性 |
85 |
知力 |
92 |
忠義 |
? |
政治 |
71 |
混沌 |
97 |
統率 |
98 |
革新 |
95 |
魅力 |
100 |
逃隠 |
91 |
魅力・募兵50%上昇
従順・忠義・勇敢・文化・獰猛属性の武将忠誠度50%上昇
剣術・弓術・馬術の複合技能
詩歌・絵画・演奏の複合技能
太刀打40%上昇
【概要】
鎌倉幕府の若き守護神。
武勇・教養・家柄・人望、武士に必要な全てを兼ね揃えた文武両道の体現と言える存在。
その実力と比例するように周囲からの信頼も厚く、主君であった北条家も絶大な信頼を寄せていた。
本作の主人公である北条時行も例外ではなく、第一話の時点では良好な信頼関係を築いている。
しかしどういった理由からか、
突如として彼は北条家及び幕府へと反旗を翻す。
後醍醐天皇と内通していた彼の謀反と手際は神速とも言えるスピードで、あっという間に京の幕府軍を壊滅させる。
その名声とカリスマは関東中の武士を惹きよせ、挙兵からわずか二十四日で彼は鎌倉幕府を滅亡させた。
つまり主人公・時行の恩人にして怨敵。そして当作品における
ラスボス
である。
なお、物語開始時点では「高氏」と名乗っていたが、幕府を滅ぼした後に後醍醐天皇から名を一字授かり、「尊氏」に改名している。
【戦闘能力】
「鬼神」と世に謳われる鎌倉一の侍。
得物は薙刀。その一撃は複数の手練れの首を同時に跳ね飛ばし、防御についても馬上という自由の利かない足場で受けた三方向からの攻撃すら平然と捌くなど、正しく人間離れしている。
奇襲や暗殺といった方法で彼を殺すことはできないとされているが、それも単純に強すぎるが故。
実際、作中においても護良親王と配下の武芸者達が幾度の暗殺を試みたがその悉くを返り討ちにしている。
弟である直義は
「人知を超えた勘の鋭さ」
を持っていると評し、肉親でありながら人間かどうか疑いたくなると言う程。
だが、真に恐ろしいのは単純な個としての戦闘力以上に、無条件で人に好かれ、信頼を寄せられる魔性染みた魅力にある。
護良親王が暗殺を繰り返していたのは、尊氏の野心と内に宿る何かを感じ取り
「帝に仇為す前に打ち滅ぼす」
という帝を慕った上での行動であった。
その懸念は杞憂ではなく的中していたのだが、当の父である後醍醐天皇は
皇子(血を分けた息子)よりも出会ってまもない尊氏に惹かれ、寵愛を向けていたのだ。
結果、尊氏と敵対した彼は将軍を解任され失脚。このように、彼と関わった人物は好悪関わらず必ず何かを狂わせられている。
【人物像】
豪放磊落を絵に描いた人物。その言動からは邪悪さの欠片も感じ取れない。
底抜けに明るい性格と人の良さを併せ持ち、例え命を狙われようとも全く意に介さず、逆に笑顔でそれを赦し恩人のように接す。
そのポジティブさは多くの民と武士達の人望を集め、社会的・戦力的にも盤石とも言える基盤を形成するに至っている。
帝に対する忠誠心も本物であり、涙を流し心清き部下達と共に支えることを誓うほど。
だが、身内や一部の強者は彼の中に悍ましいとしか形容できない名状しがたき気配を感じ取り、最大限の警戒を向けられている。
尊氏本人もそれを認めており、欲しがりの「鬼」が呻くと表現し、事実自分でも何をすべきか―何をしているかよくわかっていないと思わしきシーンも多々見受けられる。
しかし彼は違う。
その言動には邪悪さの欠片もない。
善悪という人として生きる上で、持ち合わせなければならない物差しが存在しないのである。
同作品で外道と称された
瘴奸は略奪や殺人を働き、子供を売り飛ばす悪行に酔っていたが、仏を見出した後は自身の悪行を恥じ、人生を狂わせてしまった子に対する罪悪感に苦しんだ。
だが、同じく屍山を積み上げ、主君を裏切ったことで多くの者の運命を狂わせた彼がそれを楽しんだり、後悔する様子は一切見受けられない。
実際に相対し、その在り方を見た吹雪は
「無自覚の極悪」「ただそこにいるだけで、人を狂わせ死なす怪物」
と評した。
本編が進むにつれて、回想シーンという形や並行して彼の描写がされるが、段々と人間離れした演出が目立つようになっていく。
そして57話。主人公である北条時行は配下の逃若党と共に尊氏を強襲。
尊氏の答えは、「気づいたら滅んでいた」という、まさかの他人事感覚。
しかも、嘗ては浅からぬ関係を築いていた……どころか、元々の主君の子息だった時行のことを、当の昔に忘れ去っていた上、そんな時行の心中を勝手に妄想して納得した挙句に自分の従者にしようと勧誘するという、これ以上に無い程の尊厳破壊を無自覚で行った。
当然時行からは、嘗てない程の怒りを抱かれるも、逃若党の襲撃をまるで赤子の手をひねるかの如く躱し、逆に自身の妖しく悍ましい気迫を持って逃がし、返り討ちにした。
時行にとっては、屈辱この上ない苦い経験となったが、同時に忘れかけていた武士としての実力を再認識する機会となった。
追記・修正お願いします。
- 人の良さそうな笑顔なのにそこ知れない感じとか、人間やめてるようなヤバい表情は作者の凄さが伝わる。 -- 名無しさん (2022-06-28 14:46:03)
- 黒地に紫文字は読めない… -- 名無しさん (2022-06-28 19:32:44)
- このコメント投稿する段階ではまだ執筆途中の雰囲気もあるけど京都で主人公達と相対したときの「(主人公たちの立場が)ヤバイ!!」「こいつ・・・やばい・・・。」ってやばさのベクトルと質が変化したのは凄かった。 -- 名無しさん (2022-06-28 19:35:22)
- 何も感じていない、何も悔いず何も思わない悪人といえば同じジャンプだとマキマさんがいるが、アレ以上にサイコ感がある 作者の過去作のラスボス達は悪意の具現みたいなやつだけど、こいつはそもそも悪意がないのがまた -- 名無しさん (2022-06-28 22:01:08)
- 怖いのは「いつもニコニコしている好漢で才気に溢れ、義と情に厚く、それでいて急に主を裏切る」という支離滅裂な人物像が大体史実通りってところ -- 名無しさん (2022-06-28 22:50:37)
- さすがは初代天魔や日本国王や天政奉還の始祖、わざと応仁の乱しそう -- 名無しさん (2022-06-29 00:25:05)
- 本作に限って言えば、「歴史を動かした傑物」というよりは「歴史を動かすために生まれた怪物」という印象。善悪とか信念ではなく、ただ時代に望まれている。 -- 名無しさん (2022-06-29 00:45:41)
- 全体で見れば一貫性がないけど常に高い位置にいて敗れたと思ったらそのうち帰ってきて勝つとかいう何者だコイツ感 -- 名無しさん (2022-06-29 11:57:57)
- ネウロならシックス、暗殺教室なら浅野理事長や初代死神のポジションだな。CVは浅野理事長と同じ速水奨をイメージしてる。 -- 名無しさん (2022-06-29 13:59:29)
- 今ん所時行に恐怖を抱く姿が想像できないな -- 名無しさん (2022-06-29 17:38:40)
- ↑逆にショタを追いかけることに性癖を開花させるのかもしれない -- 名無しさん (2022-06-29 22:43:27)
- 史実のこん人は能力は十二分なのだが、とにかく行動が支離滅裂すぎるのが凄い -- 名無しさん (2022-06-30 04:44:27)
- ↑随伴した佐々木道誉、敵対関係になった後醍醐天皇も負けず劣らずぶっ飛んでるからあの時代はややこしさも含めて本当にカオス -- 名無しさん (2022-06-30 06:12:47)
- 史実からすると、この時代を扱う作品なら主人公に据えられるはずの人なんだよな。それをラスボスに据えるとかくもヤバい存在になるという辺りが流石すぎる… -- 名無しさん (2022-06-30 09:01:34)
- 主人公に据えようとすると、あのメチャクチャな行動の説明付けがなあ…… -- 名無しさん (2022-06-30 19:01:51)
- 史実がヤバすぎる怪人なせいで、 -- 名無しさん (2022-06-30 22:44:04)
- まさに『自分が悪だと気づいていないもっともドス黒い悪』 -- 名無しさん (2022-06-30 23:13:22)
- 一応大河ドラマの主役は張ったことあるんよね。演じたのが真田広之だからカリスマ性はあるんだが濃過ぎる周りの人達に振り回されまくってた -- 名無しさん (2022-07-01 00:26:48)
- ↑2 善悪の物差しがない人であって、悪ではないでしょ。実際鎌倉幕府は多くの武士に望まれて成立したんだから -- 名無しさん (2022-07-01 07:17:12)
- ちなみに最近の研究だと尊氏自身のスタンスは足利一門の繁栄と後醍醐天皇への敬愛と正しいと思ったら即断即決理屈は後からついてくるで一貫していてその観点で見ると行動自体はそんな意味不明でもないとか -- 名無しさん (2022-07-01 16:14:11)
- 行動自体はね、所々の「あんたなぁ」が結構多いのは本当だし -- 名無しさん (2022-07-01 19:37:56)
- 動機がわかったとしても敗者なのに論功行賞勝手に取り仕切ったり、北朝作ったけどあっさり離反して南朝について用事済ませたら北朝に戻るとかのムーヴはやりたい放題すぎて意味不明なんですよ… -- 名無しさん (2022-07-02 11:52:18)
- ファンタジー有りな世界観のせいで尊氏本人ではなくそれの皮を被った何かの魔性の気がしてならない。流石に時行の顔と名前が一致しないはもう怪人物超えて痴呆だし、史実で残っていく存在である事考えたらそういう切り口のフォローは多分ある気がする。 -- 名無しさん (2022-07-02 14:53:16)
- 史実の彼は、メチャクチャな行動をかました後に後悔する事象があるという。つ異常な躁鬱にかかっていたと考えられるので、つまり彼はハジケリストの可能性が高い -- 名無しさん (2022-07-02 20:59:16)
- 魔性と言うか、ただただ力の奔流というような感じがする、人間は大洪水を壮観と感じても、水は何を押しつぶしても気にも留めない、的な -- 名無しさん (2022-07-31 21:24:09)
最終更新:2022年08月18日 23:12