キャンピングシェルター(Splatoon)

登録日:2023/06/21 (水) 15:00:00
更新日:2025/03/12 Wed 16:45:57
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こっちにはキャンピングシェルターがある!
お前の攻撃は効かないぜ!

―――『Splatoon イカすキッズ4コマフェス』より


キャンピングシェルターとは、Splatoon2にて新たに登場したシェルターの一種である。


概要

テントをモチーフとした、巨大な傘をもつ重量級シェルター。……傘? 
通称「キャンシェル」または「キャンプ」。
そのヘビーな見た目に違わず、シェルターの中でも随一の火力と耐久力を兼ね備えたブキである。強みと弱みがはっきりしており、撃ち合い気質の強いプレイヤーには間違いなくお勧めできるシェルターなので、当ページを読んで興味を惹かれた方はぜひとも一度触ってみてほしいところ。
なお、シェルター種自体の特徴は上記項目を参照してほしい。

攻撃

ZRボタン短押しで、一発17.0ダメージのインク弾を散弾銃のように発射する。
至近距離で当てればワンショットで相手を倒せる火力が最大の強み。
ダメージが入る射程も試し撃ちライン3本ほどあり、エイム力さえあれば不意打ちや援護射撃も問題なく行える。火力と射程を両立したシェルター屈指の攻撃力がキャンプの魅力。
……とはいえ確殺射程はかなりシビアであり、試し撃ちライン1.9~2.4本ぐらいが限度。また、散弾の性質上エイムがズレていると確殺範囲内でも相手を一撃で倒し切れない。
さらにキャンプは他シェルターよりもかなり連射フレームが遅く、一撃で相手を仕留め損なった際のリスクも高い。
ついでに一発当たりのインク消費とインクロック*1もかなり重めで、とにかく攻撃力に偏重した性能となっている。

カサ展開

ZR長押しで(1発撃ったのち)大きなテントを開いて防御する。パラシェルターより多少遅いので早めに開こう。アプデ前の『2』での実装当初は絶望的にモタモタしていた
傘のサイズが他シェルターより明らかにデカく、見た目に違わず耐久力は非常に高い。かのハイドラントやスパッタリーワイパー種レベルでないとそうそう壊されず、タフなシールドとして頼りになる。
とはいえ上述のように傘の展開が鈍く、パラシェルターのように対面で開閉を繰り返す立ち回りは不得意。キャンピングシェルターの真骨頂は以下の「パージ」にある。

パージ

傘を展開したままさらに長押しすると、接触30ダメージのテントを前方に飛ばす。
展開からパージまでの時間が明らかにパラシェルターより短く、対面時は超高耐久の壁を素早く射出できる。傘を即座に壊せないブキからすればスプラッシュシールドが塗りを広げつつ近づいてくるようなもので、単純ながら対処困難。このパージこそがキャンピングシェルターの生命線にして必殺技であり、かなり重めのインクロックを考慮しても尖った強みとして機能する。
このパージで図々しく敵に近づき、巨大テント越しに一確を叩き込むのがキャンプの基本ムーブとなる。


運用

基本的にキャンピングシェルターが狙うのはただ一つ、テント越しの一方的なキルである。
巨大傘をパージして強引に間合いに侵入し、一撃で相手を沈めるのが理想となる。

とはいえ、キャンプに要求される腕前は比較的高め。
慣れないうちはそもそもパージする前にやられてしまうことも多い。パージをするにはショットを撃つ→カサ展開→パージという段階が必要で、傘の展開が遅いキャンプは不意の遭遇に弱い。パージまでのワンセットをぎこちなく行える慣れは勿論、まず先に相手を見つけ出せる立ち回りが必要になる。
次に求められるのがエイム力。近距離で一確と言ってもローラーほど当てやすい訳ではない。傘越しなら一撃で決められずとも有利を取れるのがシェルター種の強みではあるが、鈍重なキャンプは外すほど不利になる。特に苦手なブキ相手にはキル速度で強引に押し切らなければならない場面も多い。

総じて立ち回り・エイム力双方の腕前を持っていないとキャンピングシェルターは難しい。
しかしあくまで求められる技術的ハードルが高いだけで、実はシェルターの中ではかなり扱いやすい。「傘をパージして近づいてキルを取る」ことに特化した性能なのでやること自体はシンプルであり、強みを押し付けやすいのだ。
一確を確実に決められる腕があれば大きな傘で多対一すら切り抜けつつキルを量産することも可能。現環境だと相手のブキ編成に滅茶苦茶左右されるけど
以下にパージした後の基本的な動きを挙げるが、あくまで相手との心理戦に過ぎないので必ずしもこの限りではない。もしキャンプ使いが当ページを読んでくれていたらぜひとも追記・修正してほしい。

  • 1. カサと一緒に攻める
最もおすすめの方法。相手→自分は通らないが、自分→相手は通るというシェルター特有のスタイル。ここに火力と射程が加わるからキャンプは強い。
基礎的かつ単純な戦法だがそれゆえにローラースロッシャー以外なら有利対面に移れる。
ただし、スプラッシュボムなどのめくり攻撃には注意。キャンプは傘が大きい分ぽんぽん飛んでくる。特に慣れた相手はシェルター上部にボムをぶつけてテントの裏側に確殺爆風を飛ばしてくるので要注意。その分相手のインク消費も大きいのでここは読み合いとなる。
前衛ブキの回り込みにも注意すべし。慣れないうちはでかいテントで敵が見えないという事態も割とあり得るので、モタモタ狙っていてはやられてしまうぞ。

  • 2. パージを囮に横から攻める
パージだけして自分は後ろに付かず、傘に注意が向いた相手の横っ面にぶちかます戦法。
「キャンピングシェルターといえばパージ→隠れて射撃!」と考える相手の不意を突きやすい。中でもシェルター種の天敵とも言える スロッシャーは「テントを開こうと無駄だ!」とインクを被せてくることが大半のため、相手取った時にはおすすめできる。
また、当然ながらパージした傘は味方も使える。Splatoonのゲームスピードと二種類の無線では複雑な連携は組めないが、前線ブキにとってもキャンプの強固なシールドはありがたく、特にバンカラマッチではパージした傘をとっさに活用してくれる味方も多い。タイミングがあったら試みる程度の連携意識は持っておくといいだろう。あまり意識し過ぎても上手くいかない場合が大半なので軽くでよい。
なお、ローラーやフデ、もしくはイカニンジャのギアを付けた味方がいたら、あけっぴろげにパージしてみるといい。パージした傘の後ろに味方が即座に付いたらその試合中は確実に連携が取れるので覚えておこう。
ソロキャンでも友達とでも楽しめるキャンピングシェルターである。

ただし、パージしたカサに2人以上が乗るのは基本的に非推奨。複数人が乗っている時にボムが飛んできた場合全員まとめてあの世行きという大惨事になりかねない。慣れた相手は普通に狙ってくる。
同様の事態はカサ展開時にも起こり得るため注意を払おう。

  • 3. パージを囮に逃げる
テントを撃って囮にする身も蓋もない戦法。
キャンピングシェルターは連射にしろ移動にしろとにかく遅いため、テント裏に回られるパブロ、スライドの申し子クアッドホッパーなど、短射程シューター以上の機動力を持つブキ相手に対面で勝利するのは望み薄である。
なまじ一確の火力があるキャンプだけに「ワンチャンある!」と突っ張りがちだがやめたほうがよい。
相手からすれば傘をパージされるだけで近づいてくるか横から来るかの二択を迫られるので、敵陣奥でもなければパージすれば大抵退ける。
やられなければいくらでも活躍の場はあることを忘れないようにしよう。


弱点

もちろん、キャンピングシェルターは決して最強のブキではない。強みが尖っている分苦手なブキや状況も多いのだ。
前述の通りインクロックを含めた燃費の悪さ、発射レートなどの鈍重さが欠点。ある程度はプレイヤースキルやギアパワーでカバー出来るが撃った後隙だけはどうにもならないので、上級者にはそこを突かれがち。
また、でかい傘のボム即爆判定を利用されることも多々ある。自分ではなく味方にキャンピングシェルターがいる際は、あまり前に出過ぎないよう意識しよう。

……そして、『3』ではキャンピングシェルターにとんでもない逆風が吹く。
とてつもない物体破壊性能でテントを真正面から裂いてくるジムワイパーの台頭や、曲射や地面への冷却弾で遠距離から傘をものともしないストリンガーの登場、さらにはラグの多発(余談参照)により、キャンプは相対的にとんでもない弱体化を喰らった。
おまけにXマッチ等ではよりによってそのジムワイパーと同じ振り分けになっており、多くのキャンプ使いが苦い思いをすることとなった……。*2
一応「パージした傘の端に防御判定がない」「相手に傘をすり抜けられてしまう」などの致命的すぎる問題はアップデートである程度改善されたものの、環境そのものがキャンプに逆風という世知辛い問題は解決に至っていない。

キャンピングシェルターというブキの強み自体は変わっていないので、刺さるブキにはこれまで通り刺さる。相手を選んで自分の強みだけを押し付ける技術をより一層磨くべし。


相性の良いギアパワー(『3』参照)

  • インク効率アップ(メイン)、インク回復力アップ
インク周りがカツカツになりがちなキャンピングシェルターにはありがたい、ルーキーからベテランまでおすすめできるギアパワー。インクロックはどうしようもないがそれを差し引いても有効。

  • ヒト/イカダッシュ速度アップ
鈍重なキャンピングシェルターの機動力をフォローするギアパワー。微妙な射程である以上、重量級の癖して敵に接近する必要があるため、機動力の上昇は生存力に繋がる。
ヒト速はパージ後の撃ち合いに役立つ。パージ後は常に対面相手との読み合いなのでここを重視する人に。

  • カムバック/復活時間短縮/ステルスジャンプ
前線ブキ御用達のギア。この三つはギア同士の相性も良く、ガンガン撃ち合うキャンピングシェルターにはオススメ。
とはいえこれらを全部付けると型がほぼ固定されるのが悩ましい。

  • イカニンジャ
対面での読み合い・一確の火力を最大限活かしたい方に。上級者はパージした傘の後ろにキャンプがいることを前提に動くため不意打ちは通用しにくいが、それ以外の状況で不意を突く際に役立つ。
近距離で一確を外さない自信がある人に。


ブキセット一覧


【Splatoon2】

・キャンピングシェルター(無印)

サブウェポン:ジャンプビーコン
スペシャルウェポン:バブルランチャー
解放ランク:23
価格:14200

初登場のテント。短射程ながら1確の攻撃力、巨大カサ(?)の登場はスプラ界隈の話題となったが、長所と弱点がはっきりしてくるにつれて強すぎず弱すぎずの立場に落ち着いた。
あちこちにジャンプビーコンを設置して味方を呼び、バブルランチャーを第二のシールドに敵陣へ特攻。
入門セットにしては少しハードルが高いが、味方との連携次第でいくらでも化ける構成。

・キャンピングシェルターソレーラ

サブウェポン:スプラッシュシールド
スペシャルウェポン:カーリングボムピッチャー
解放ランク:28
価格:18600

ギアブランド『シグレニ』とコラボしたモデル。
カサの防御に加え、スプラッシュシールドで相手の攻撃をテコでも通さない。
カーリングボムピッチャーによる塗り能力もあり、ヤグラ上での耐えやカーリングによるエリア塗りなど、ここぞという場面には刺さるブキ。
だが、v5.2.0でメインのインク効率が弱体化を受けて以降、ギア補正無しではパージしてすぐにシールドも出すといったプレイが出来なくなってしまう。
ガチルールでの汎用性も後述のカーモに劣るなど、どうにも微妙な立ち位置になってしまった。

・キャンピングシェルターカーモ

サブウェポン:トラップ
スペシャルウェポン:ウルトラハンコ
解放ランク:30
価格:29800

迷彩柄にネットと葉っぱが付いたブキチセレクション版。
トラップとウルトラハンコという攻撃的な構成。
トラップは1人で見れない場所をカバーするのに使ったり、詰めてきた相手を引っ掛けて逆襲したりと汎用性抜群。
パージを盾にしながらウルトラハンコで敵を潰す暴力的なプレイも可能。これまで対処が難しかった遠距離の相手にも届く、まさしく力に物を言わせたブキセットである。


【Splatoon3】

・キャンピングシェルター(無印)

サブウェポン:ジャンプビーコン
スペシャルウェポン:キューインキ
解放ランク:16

バンカラ地方でもテントは現役。前作同様、味方との連携を重視した構成。
……なのだが上述の『3』での逆風を受け評価は失墜。
一応、危険な場面をジャンプビーコンに飛んで脱出したり、相手のスペシャルをキューインキで無力化したりと強みはあり、上達するほど味が出てくる。
ただ、それらを加味しても依然ガチルールでの採用は厳しい状況が続いている。

・キャンピングシェルターソレーラ

サブウェポン:トラップ
スペシャルウェポン:ウルトラショット
解放ランク:22

ソレーラも2023年夏シーズンより追加。だが、セット内容は前作のカーモに寄せたアグレッシブなもの。
ハンコの代わりに強力な大砲・ウルトラショットを貰い、自衛能力が格段に上がったおかげで天敵達とも渡り合えるようになった。
カサで防ぎながら狙った相手に砲撃をお見舞いする、さながら重戦車のようなプレイングを得意とするブキ。トラップでマーキングすればより狙いやすいだろう。


サーモンランでは


雑魚処理能力と高い火力……に劣悪な機動力とインク消費が付いてくる長射程枠。

運用方法はローラーやブラスターに近いが、雑魚処理をしながらオオモノも相手取れるのが長所。
メイン射撃のダメージ上限が360、パージした傘のダメージが150とシェルター屈指の火力であり、パージでコジャケと中シャケを処理/射撃でドスコイやオオモノの相手もできるといった両輪の立ち回りが強み。慣れればまさに戦車の如きパワーを発揮できる。
難点は何をするにも鈍重さと燃費の悪さが付きまとうこと。平時は強いが混戦状態になると何もできなくなる重量級ブキのお約束は健在で、特に足元を塗られた状態から脱出する能力は下手すると全ブキワーストレベル。むやみやたらにパージはせず、きちんと敵の位置を見て放つべし。
ちなみに、ハシラを処理する際のテクニックとして、上に登って端の方に寄ってからカサを開くと簡単に倒すことができる。他のブキがハシラ処理に回れない場合は試してみると良いだろう。

なお、『2』と『3』で使い勝手が結構異なるブキでもある。
まず前提として、サーモンランのシェルターには、射撃で敵1体へ与えられるダメージの上限値が設定されている。
『2』の場合、キャンピングシェルターのダメージ上限は245という非常に中途半端な値。加えて連射も遅いため、バクダンの処理ではワンターン撃破を狙うのにタイミングを慎重に計る必要があり、ヘビ相手では500の体力を削り切るのにあと10ダメージ足りないなど、数値上は高火力なのに硬い敵を素早く倒せなかった。
『3』の初期も同様の使用だったが、アップデートでダメージ上限が360に大幅強化。これによってバクダンを1発で倒せるようになった他、テッキュウやテッパン、コウモリなどHPの多いオオモノの処理能力も向上した。


余談

キャンピングシェルター……というかシェルターの歴史を語る上で外せないのが『3』における『貫通』である。

まず『3』では、メインウェポンなど多くのダメージ判定が攻撃側の画面に依存しているという仕様が存在する。
例えば攻撃側の射撃が当たる寸前で防御側が「壁」に隠れたとする。
本来なら攻撃側のショットは壁で防がれるはず……だが、通信のラグなどが発生して攻撃側と防御側の画面の表示に食い違いが起き、攻撃側から見れば隠れていない状態になった場合、そこに攻撃を当てると防御側は壁に隠れたのに攻撃が当たるという現象が起きる。
この「壁」とは地形だけでなくシェルター種の傘も同様であり、こちらはカサを開いて防御したはずなのにカサを貫通しているかのようにやられる致命的な事態が多発した。

これ以外にもキャンプは「地面を向いてパージするとカサの位置が横にずれる」「サーモンランでパージしたカサが空を飛ぶ*3」など数々の怪奇現象に見舞われ、さらに上述のブキ環境の変遷もあり、『3』においてはまさしく冬の時代を迎えてしまったのだ。
個人のプレイングでは解決できない大問題であるため、全国のシェルター使いは一斉に悲鳴を上げた。

現在はアップデートによりカサの厚みを増やすなどのテコ入れがされ、ラグを誤魔化せるくらいにはなった。
さらに2024年8月のアップデートにて、ゲーム全体のラグが改善されたことにより、これまで頭を悩ませていた貫通は(ほぼ)発生しなくなったといえる。
当時の冬の時代を経験しシェルターから退いてしまった者、もしくはその風評から敬遠していたヒトも使ってみてはイカがだろうか?




追記・修正はテントで弾を防ぎながらお願いします。


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最終更新:2025年03月12日 16:45

*1 インクに潜伏してもインクが回復できない時間。

*2 V6.0.0でマッチングの仕様変更がされてからは、キャンプとマッチするブキが増えたため比較的マシにはなった。

*3 23年11月現在は修正済み。